【完結】死に戻り伯爵の妻への懺悔

日比木 陽

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番外編ーside セレスティアー

揺蕩う③

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「はあ…っセレス…っ」
「ん…っウィルさま…っ」


もう欲しくて欲しくてとろとろになっている入口に宛がったまま、挿入ってくる気配がないことに、つい不満気な声が出てしまう。


「…様はいらない…っ、敬称をなくして呼べたら、挿入れて、っあげよう…」


ウィル様も全然余裕がなさそうなのに、そんなことを仰るから、胸が熱くて堪らなくなる。


(こんな方法で強請るほど、貴方は…そのままで…、呼ばれたいと思ってくださっていたのですね…?)


「うぃ、…ウィル…ッ、お願い…します…」


ウィルの目が見開く。
その後微笑んだ瞳が光って見えた。


「ああ…セレス…っ」


互いに耐える事が出来なくなったように、深く深く繋がる。
もうはしたなくても関係ない、と思うほど繋がりたくて、貴方の腰へと脚が擦り寄る。


「ウィル…っあああっうぃる…っ」
「セレスっ、セレス…ッあぁ、愛してる…っ」


いつになく激しい打ち付けに、必死にしがみ付きながら、貴方に口づける。


「ああっわた、も…私も…っ愛して…います…っウィル…ッ」


貴方の熱が躍動するのを奥に感じる、これがこんなにも嬉しく、愛しいものと感じるなんて、…知らなかった。


子を授かると月日と共に膨れていく場所をそっと撫でる。
ここに、貴方の愛を沢山受けている様な、そんな風に感じる日が、…来るなんて。


「ウィル…」

嬉しくて微笑むと、ウィルが沢山のキスをくださる。


乱れている息が少し苦しいのに、貴方のキスが嬉しくて、肩へ手を置いて目を瞑る。

「セレス…セレス…っ」


キスの合間に自分を呼ばれるのがこんなに幸せだということも、貴方の熱い掌が私の裸の体を撫でまわすことに興奮とともに安心を感じることも。

…ずっと…知らなかった。


子を産んだからと、何もかも分かっているような気でいた。


夫に、…愛する人に、こんな風に全てをかけて真剣に愛されることは。
見えていた世界が全く違う色を持つほどの、衝撃なのね。


「ウィル…ありがとう、ございます…。嬉しいです…」


私もキスの合間に、拙いながらも必死に想いを伝える。


――ある日突然、変わったように見えた夫。


閨の仕方も変わったけれど、浮気を…疑ったりはしなかった。


普段から執務に忙しく、家を出るときは私を伴っていたのだからそんな隙がそもそもなかった。けれどそれが確信に繋がったというよりは。


貴方が変わったのは、私を真剣に慈しんで、私の事を解ろうと心を砕いている結果だということが…とても伝わってきたから。


手つきだって、手慣れたような感じではなく、私が快感を得る場所や方法をひとつずつ覚えていった、ということが解る。…覚えるのが早すぎるような気がするけれど。



貴方の変化で、私たちの関係は凄い勢いで変わっていった。
私にとっては夢の様な日々。





(でも…私が貴方をそこまで変えてしまうほど、何か不安にさせましたか…?)


――どうして、夜中に寝ぼけて私を呼んで…静かに泣かれるのでしょう。


もう決して、貴方に不安など与えたくない。
その為なら、私も言葉を尽くします、今がどれほど幸せなのか…。
貴方が私にとって、どういう存在なのか…。


ウィリアム様の肩に抱きつく。


「ウィル…幸せです…、貴方とこうして…いられて」
「…ッ!セレス…っ、勿論…僕もだ…」


そう言った途端、私の中でググ…と存在を主張するものが…。


(あ…まだ、中に…)


「あ、あの…ウィル…?」
「うれしいいよ…君が、そう言ってくれて…」


そう言って、私を見つめる彼の瞳が、閨のものへと変わっていく瞬間を見る。


(あ…そういう…意味では…)


「セレス…もう一度…」


(なかったのですが…――ッ)


でも、貴方のその声を聞いて、私の中が歓迎するように動いてしまったのが知られている。


「ああ…可愛い…ッ」


そうして、閨事が始まる前にウィルの言った『明日起き上がれなくなってしまう』を身をもって知ることになった…―――。

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