【R18】完結・女なのにBL世界?!「いらない子」が溺愛に堕ちる!

たたら

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愛を求めて

86:女神の友達の待遇

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私が戸惑っているからだろう。

「ユウは女神の友達らしいからな」

ヴァレリアンが軽い口調で話しだした。

「ユウはこの国では…というか
この世界では、女神の友達。

つまり、女神と同等の立場になる。

そんなユウには、必ず護衛が必要だろう?

だが、神殿から護衛を出しても、
王宮から護衛を出しても、
どちらにせよ、角が立つ。

そこで…俺たち金聖騎士団が
ユウ直属の聖騎士団になったんだ。

ユウが女神に俺たちのことを
話してくれたことは、
あの場にいた全員が知ってることだからな。

ユウが求めるのなら、
誰も文句は言えないということになったんだ」

「そ、そうなんだ…」

「それで、だ。
護衛だから、誰かはずっとユウと
一緒にいることになる。

あの屋敷にいた時と同じ状況だな。

それで、この部屋はユウのための
特別の部屋だが、俺たちも
ユウと一緒に使えるようになってるわけだ」

「そっか。
じゃあ…あの広いベットも
誰かと一緒に寝れるってことよね?」

ってヴァレリアンに聞くと、
ヴァレリアンはちょっとだけ視線をそらした。

「まぁ、そうなるな」

ヴァレリアンの返事に、
カーティスがぎゅっと私の手を掴んでくる。

一緒に寝たい、ってことかな?

いいよー、だけど。

今はダメだ。

私はバーナードを見上げた。

「バーナード、今日は一緒に寝よう、
お兄ちゃんだもんね!」

って誘ったら、部屋の空気が
物凄く…冷たくなった。


何故に……?


「ユウ、今日おは私と一緒に寝よう」
カーティスがいきなり
私の手を取った。


「私はユウのお母さんなのだろう?
私と出会ったとき、
すぐに私のことを
好きになったと言ってたではないか」

め、女神ちゃんとの会話のことか。
聞かれていたとは…羞恥しかない。

確かに言ったけどね。
そんなこと。

でも改めて言われると恥ずかしい。

この世界では、
男の人しかいないので、
妻や夫。
母や父と言う言葉はあるけれど。

結婚して子供を産む男性が
母や妻と呼ばれていて、
恋人であるうちは、
どちらが妻か母かは、
明確にしない人も多いらしい。

カーティスは王子様だし、
お母さん、って言われて嫌じゃないのかな?
って思ったけれど。

ユウに大好きって言われて、
嬉しい、って笑っていた。

「カーティスが母なら、
俺が父だったな」

ヴァレリアンが口を挟んだ。

「金聖騎士団が家族であれば、
確かに俺が家長で、父だな。

と言うわけで、今日は俺と寝るか」

ヴァレリアンが立ち上がり、
私の方に来た。

なにが「というわけ」なのか
よくわからない。

「二人とも待て。
まずがユウの意志が大事だろう」

と、すぐにスタンリーが
話に入ってくれて、
私はどうしようかと
……やっぱりバーナードを見た。

「ユウはそんなにバーナードがいいの?」
ってカーティスが悲しそうに言う。


「バーナードはお兄ちゃんなので。

でもちゃんと甘えたら、
婚約者さんにお返しするので
大丈夫です」

って片手をあげて宣誓すると、
カーティスは仕方ない、っと
私の手を放した。

「バーナード、今日だけだ。
特別だぞ」

とカーティスが言い、
ヴァレリアンも仕方ない、と
声を出す。

バーナードは苦笑している。

そして私は何も言わずに、
ちょこん、とバーナードの
膝に乗ってみた。

誰も何も何も言わなかった。

良かった。

スタンリーがそんな私を
横目で見て、残念そうな顔をしたけれど。


「ではまず、今後の護衛の
組み分けと、任務内容の確認を。

あと扉の外の警護の者たちも
ユウの護衛に変更になるので、
そのあたりの調整を」

スタンリーはそんな表情を
すぐに消して、眼鏡を軽く押し上げた。

そして、今後の相談を始める。

スタンリーの話を聞いて、
全員が…いや、バーナードと
私以外は、バタバタと動き始めた。

軽く打ち合わせをすると、
ヴァレリアンもカーティスも、
スタンリーも、ケインさえも。

私が目覚めたことと、
状況の報告を兼ねて
身内に会ってくると言い残して
部屋を出て行った。

残ったのは、
私とバーナードとエルヴィン。

「こんな時、権力が無いって
楽でいいんだよねー」

なんてエルヴィンは笑う。

それから私たちは3人で
いろんな話をした。

相変わらず、私はバーナードの
膝の上だったけれど、
バーナードの婚約者さんの話や
これから行う予定の結婚式の話。

あとエルヴィンの実家の話も聞いた。

エルヴィンの家は中堅貴族だけど
商業が盛んな土地を治めているらしい。

上に兄がいて、二人兄弟だけど
すでにお兄さんは結婚しているらしく、
『聖樹』が早く復活して
子どもを授かるのを夢見ているらしい。

エルヴィンといえば、
実家を継ぐことも無いので
騎士になり、聖魔法が使えることが
わかってから、聖騎士団に入団したけど。

友人は騎士よりも商人の方が多くて
老後は聖騎士を辞めて
商売をして生きていこうとか
考えているらしい。

「エルヴィンは結婚しないの?」
と聞いたら、

「貴族なのに商人になりたいって
考えるやつのところには
誰も来てくれないよー」

とエルヴィンは笑いながら言う。

「私だったら楽しそうだから
お嫁に行ってもいいんだけどなー」って
言ったら、エルヴィンも…
バーナードも固まってしまった。

え?

冗談だけど?

なんか…金聖騎士団のみんなの
冗談と本気の境がよくわからない。

なんですぐにみんな、
固まるのかなぁ。

空気が重くなって困る。

「ユウ、それ絶対に、
団長たちの前では言わないで!」

ってエルヴィンに両手を
ぎゅーっと掴まれて言われてしまい、

バーナードも
「ユウは結婚とか、そういう話題は
やめておいた方がいいな」
と、頭を撫でながら言う。

別に結婚とかには夢はないし、
元の世界でもあきらめてたから
構わないけど。


二人とも遠回しに、
私には「結婚は無理」って
言ってない?


結婚がすべてじゃないから
いいけどね!





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