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愛とエロはゆっくりはぐくみましょう
65:いきなり急展開?!
しおりを挟む翌朝、私は綺麗なベットで目を覚ました。
幸い、宿屋の部屋にはベットが3つあり、
1つは、昨日の…ことで、ぐしゃぐしゃに
なってしまったが。
幸い、っ綺麗なベットは2つ残っていた。
だから私とバーナードは
綺麗なベットを使って眠った。
沢山泣いてしまったけど、
バーナードに、女神ちゃんのことを
言うことができて、ちょっとすっきりしている。
女神ちゃんの愚痴など、誰にも言えないし、
苦しかったけど。
バーナードに話すことができて…
これからも、話せる相手ができて、
私は嬉しくなっていた。
特に女神ちゃんの祝福に関しては
誰かに話して「酷いねー」って
言って欲しかった。
でも女神ちゃんを信仰している
この世界の人たちには言えないと
思っていたから、聞いてもらえて
物凄く嬉しい。
そんなわけで、
私の目覚めは爽快だった。
目が覚めたら、バーナードがいなくて
ビックリしたけれど。
窓を開けたら、太陽が
かなりの高さに昇っていて
私がただ、寝過ごしていただけだと気が付いた。
着替えて、少しぼーっとしていると
バーナードが朝食を手に
部屋に戻ってきた。
少しバツが悪かったけど、
お互い目が合って、少しだけ笑って。
昨日のことは…なかったことにした。
蒸し返す必要はないし、
バーナードがいつも通りに
優しく頭を撫でてくれたので、
私はそれだけで笑顔になってしまう。
「パンと果実水を買ってきた。
食べれるか?」
と言われ、素直にうなずく。
「今日あたり…護衛を兼ねて
エルヴィンあたりが来ればいいいな」
なんて言われて、
私も来てくれないかな、と思う。
エルヴィンは、純粋に可愛い。
やんちゃな弟みたいで、
キャンキャン跳ねる子犬みたいだ。
一緒に行動しているケインは、
子犬だけど…忠実な番犬みたいな、
ドーベルマンの子犬みたいだ。
しっかりしつけられていて、
でも、甘えたいという気持ちが
瞳にあふれて、隠されていない…
可愛い子犬。
金聖騎士団の年長者たち、
……私はホゴシャーズと呼んでるけど、
彼らはケインとエルヴィンを
愛情込めてヒヨコと呼ぶ。
だけど私は二人を子犬だと思っている。
来るのはエルヴィンだけかな?
ケインも一緒だったら、
きっと来るのは夕方かも。
二人が来たら、
昨日残したお酒を一緒に飲んでもいいかもしれない。
そんな話をバーナードとして。
だらだらと宿で過ごした。
夕方には、
甘い蜜を入れたお茶とお菓子を
準備して、ソファーに座って
二人お茶会もした。
その時に、心配もあったので
もし私が王都に入ったらどうなるかを
ちょっとだけ聞いてみた。
バーナードの意見としては。
今、おそらく王宮と神殿で
私をどう扱うかを検討中だろうが
問題は、ヴァレリアンやカーティス、
スタンリーが王家側の人間だ、と思う、と。
聖騎士団は魔物や魔獣を滅することができる
聖属性魔法を使えることが必須条件になる。
この聖属性魔法は本当に特殊で、
王家の人間にしか使えない…と言われているものらしい。
ただ、バーナードのように、
王家とは全く関係ない血統で聖属性魔法が
使える人間も稀にいる。
それは突然変異なのか、それとも
何代も前の…それこそ、何百年も前に
王家から流れた血が薄まりつつも受け継がれたのか。
あまり詳しいことはわかっていないらしい。
ただ、王家に生まれても、廃嫡された王子や
魔力が極端に低かったり、
何故か聖属性魔法が使えない王家の子が
いた場合は、その子どもは家臣に
下賜されることもあるので
どこかで血が混じり…隔世遺伝的に
聖属性魔法が使える者が王家以外に
生まれることもありえるんだそうだ。
まぁ、あの行き当たりばったりで、
思い付きで世界の根本設定を
変えてしまうような
女神ちゃんが作った世界だ。
何があってもおかしくはない。
ただし、王に近しい者がより強い
聖属性魔法を使えることが多いそうだ。
そういった意味でも、
金聖騎士団は王族が2人もいる、
という意味だけでなく、
より強力な聖属性魔法が使える者が
2人所属している特別部隊と言うことになる。
さらに。
王家直系ではないが、
教皇の孫であるケインが
カーティスに引けをとらないほど
強い聖属性魔法を使えるらしく、
6人しかいないのに、その半数が
強い聖属性魔法を使えるという
特殊部隊なんだそう。
しかも、金聖騎士団は
王の直轄だから、神殿の威光は
まったく関係ない。
これだけでもパワーバランス的に
神殿より王家の方が
力が強いと思われがちなのに、
さらに『女神の愛し子』が
王家に属するなど、
神殿としては許されないことだろう。
もともと、聖属性魔法は
特殊なので学校のようなところで
学ぶことはできない。
だからこそ、聖属性魔法が
使えるとわかった者は、
まず最初に教会に所属する。
そこで聖属性魔法を使いこなし、
もしくは制御することを学び、
それから…神父など教会に属するのか、
神殿を出るか自分の意志で
決めることができるらしい。
バーナードは聖属性魔法を
使うことはできるが、
たいしたことはできないそうで、
神殿で1年間だけ学び、
その後は騎士になったらしい。
そしてヴァレリアンが
金聖騎士団を発足する際に
【盾】としてスカウトされたと
話してくれた。
私は神殿と王家のどちらが良いかは
まったくわからない。
けれど、将来の選択を
持っている『素質』とは関係なく
自分で選べるのは良い制度だと思った。
だって、聖属性魔法を使える
素質を持って生まれたとしても、
神父にも騎士にもなりたくない人は
大勢いるだろうから。
自分では選べないことで、
将来が決まってしまうのは、悲しい。
……親がいないからといって、
それだけで学校も仕事も選べなかった
私や勇くん、施設の子たちのように。
それに、神殿と王家の
パワーバランスとか言うけれど。
より魅力的な方に人材が流れるのは当たり前だ。
だからこそ、会社だって
職場環境を整えることは重要視されている。
それは、王家も神殿も同じなんじゃないだろうか。
私を取り込む算段をするより、
もっと魅力的な組織になったら
良いんじゃないかって思ってしまう。
まぁ、それができないから
こんなことになってるのかもしれないけれど。
私が…『女神の愛し子』が
もし神殿に属したら
神殿の力が強くなってしまう。
その懸念は、理解できる。
でも、王家に取り込まれてしまったら、
神殿は王家に逆らえなくなってしまう。
それも、わかる。
なんせ、崇拝する女神の眷属である
『愛し子』を王家に取られることになるのだから。
もし私が
金聖騎士団に保護されていなければ、
ここまで大きなことに
ならなかったかもしれない。
けれども…
幸いと言っていいのかわからないが、
王家側のヴァレリアンやカーティス、
スタンリーが私を好きに…なってしまった。
そして私も、あの3人を慕っている。
そうなると、神殿と王家のどちらを
選ぶかを『女神の愛し子』である私に委ねると
絶対に、私は王家側につくだろう。
神殿としては、それだけは避けたい。
そしてこれはバーナードの考えだけど
王家側が…ヴァレリアンたちが
神殿と王家のパワーバランスなど関係なく
私を傍に置きたいのだと主張しても
信じてもらえず、調整が難航しているのではないか、
ということだった。
確かに。
私とヴァレリアンたちのやり取りを
知らなかったら、どんなに仲良くなったとか
言っても、疑われるに違いない。
私だって疑うと思う。
そんなわけで…
たぶん、すぐに返事は来ないんじゃないか、
というのが、バーナードの意見だった。
なるほど。
王家か神殿か。
どちらでもいいけれど、
結局、私の意志は無視なのか。
と、少し思ってしまう。
いや、いいんだけどね。
「いない子」として扱われるのは慣れてるし。
「なぁ、ユウ」
バーナードは私の顔を覗き込んだ。
「考えたんだが。
もしも、ユウが神殿も、王家も
選べないのなら…
俺のところに来ないか?」
真剣な目で、バーナードは私を見た。
「へ?」
思ってもみなかった提案で、
間抜けな声がでる。
「王家も神殿も、ユウが望めば、
『どちらにも属さない』という決断を
拒否することはできないと思う。
だから、どちらかに属するのではなく
全く関係ない俺のところで…
俺と、家族にならないか?」
「でも、バーナードは
結婚するんでしょ?」
さすがに新婚家庭にお邪魔はできない。
「そうだが、ユウは俺を
兄だと思ってくれてるんだろう?」
うん、と頷く。
「なら、俺の両親は幸い、
田舎でまだぴんぴんしてるし、
俺の両親と養子縁組をして
本当の弟になってもいい。
それか、俺と婚約者の子どもとして
俺と養子縁組をしてもいい」
その時は、兄ではなく
父になってしまうがな、と
バーナードは笑う。
「俺のところなら、
神殿や王家の権力争いに
巻き込まれることは無いし、
俺の親も婚約者も、きっと
ユウが来てくれたら喜ぶと思う。
それに…ユウの、その…祝福…の
こともあるだろう?
王宮や王都の神殿で
大勢の人間に囲まれれば、
その分だけ『祝福』も出やすくなる。
それどころか…
ユウの恩寵を受けるために
高位貴族たちに無理やり…
いや、無理やりなのに、
『祝福』が起こる…なんてことが
無いともいえない」
心配なんだ。とバーナードは
私の手を取った。
確かに。
それは…かなり心配だ。
王宮や神殿で、私の呪いが
あちこちで発動する…
しかも無理やりかと思いきや、
目を合わせた途端…
えろえろの阿鼻叫喚だ。
……泣ける。
でも。
高位貴族ではないというバーナードに
そこまで甘えてしまっていいのだろうか。
それこそ、神殿や王家に
圧力を掛けられたりするんじゃないの?
色んな可能性があるし、
まだ…現状も見えないうちに
返事はできない。
私が悩んでいると、
バーナードはまた優しく笑って
私の髪を撫でてくれた。
「大丈夫。
返事は急がないし、
そういう選択肢もあるって
覚えていてくれるだけでいいから」
と、私に甘いお菓子を
食べさせてくれた。
……素敵なお兄ちゃんすぎて、
やっぱり泣けた。
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