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7.依頼とメンバー
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ランクを確認する為に、ギルマスのアルト様の命令でパーティが組まれた。
ギルド会員のレベルは、ネームタグの材質や刻み模様、魔石付きなどで分かるようになっている。
初級は木製のネームタグ。D、C級なら鉄製で星を刻まれている方がランクが上になる。B級は銀、A級の金、S級になると白金。S級の場合は倒した魔物、魔獣によりレアな魔石が付いたりする。さらに幻のSS の人もいるらしい。
マーティス様は金のネームタグだった。そして、ギルマスのアルト様のタグは白金だった。
僕は現状木製レベルだと思う。十五の子供が無事にダンジョンに行けるのか、実際どのレベルの魔獣を倒せるのかを確認して決める。無駄死にさせない、その為だ。
「子供を死なせるわけにはいかないからね。私はこの目で、ちゃんとレベルを見ないといけないんだよ」
ギルマスのアルト様は見た目は美女なんだけど、戦い方は豪快そうだ。
アルト様に選ばれたメンバーは、マーティス様。エルフのテオ様。そして侍女のリリー様の四人に僕だ。
エルフの彼は、この中で一番歳上だ。何でも人嫌いらしくて、パーティメンバーの名前すら覚えないから、一匹狼みたいになってるらしい。実力は相当あるのに勿体無いと、アルト様から教えてもらった。
「テオはこちらから連携しようと思ったら難しいんだ。動きに合わせて弓を使ってくれるから、勝手にしてもらうのが一番いい。慣れれば支援攻撃力として、最高なんだ。魔法も使ってくれるからね」
いきなり連携とかは無理だから、気にしないでおこう。
エルフ様の見た目は、サラサラの銀色の肩より長めの髪。透き通った緑眼だ。人でいうと二十歳前後に見える。
マーティス様とアルト様は二十代後半で、リリー様は秘密らしい。
リリー様って、魔法師だったんだ。しかもB級だった。
「すぐ、シェリルに抜かれるわ」
そう言って微笑んでいる。でも、持っているのは指揮棒じゃない。真っ黒のタガーナイフだ。
「リリー様は、ナイフで魔法を増強するのですか?」
普段大人しく穏やかな侍女様だ。今は、暗部の人見たいな雰囲気がある。クルクルと指でタガーナイフを回しナイフホルダーに戻した。
「そうよ。対人、対魔物の接近戦でも使い易いから。暗器を使うの得意なの。だから、たくさんそれは身につけてるわ。今回は後ろから援護になると思うけど。私を護ったりしないでね」
「──はい」
多分一番僕が足を引っ張るだろう。自分の身は、最低でも守らなきゃ駄目だ。足手まといにはなりたくない。
後は、こっそりティム出来たら良いんだけど。ダンジョン攻略にきっと役に立つと思う。
「シェリル、クエストは三つある。初級レベルからB級までの内容だ。ただし勝手に動かない。ダンジョンだからね。イレギュラーはつきもの。合図を出すまでは大人しく守られときなさい」
「はい」
呼吸を整える。
三つとも白魔法使いで、いわゆる魔女の末裔と言われる人達からの依頼だった。
最初は、誘蝶の鱗粉。次は、媚薬効果が高い月下香の花弁。最後に不死鳥の羽だ。
どれも、魔女が作る薬の材料となるものだ。
だから、この三つ以外でも材料になりそうな物は言い値で買い取ってくれるみたいだ。
じつは、僕のカバンは空間魔法を施しているのだ。見た目以上の物が入る。素材を持って帰りたい。お金に変えたり、武器に変えたりしたい。落ち着こう。欲張りし過ぎないようにしないと駄目だね。
まずは、その三つを目指す。もちろんこのメンバーならクリアはするはずだ。どれだけ僕の魔法が通用するか、採取の役に立つか……行動や反応もチェックされるのだろう。出来なくて当たり前だけど、出来る事を増やして行こうと思う。
気合いを入れて、ダンジョンの入り口から地下へと降りて行った。
ギルド会員のレベルは、ネームタグの材質や刻み模様、魔石付きなどで分かるようになっている。
初級は木製のネームタグ。D、C級なら鉄製で星を刻まれている方がランクが上になる。B級は銀、A級の金、S級になると白金。S級の場合は倒した魔物、魔獣によりレアな魔石が付いたりする。さらに幻のSS の人もいるらしい。
マーティス様は金のネームタグだった。そして、ギルマスのアルト様のタグは白金だった。
僕は現状木製レベルだと思う。十五の子供が無事にダンジョンに行けるのか、実際どのレベルの魔獣を倒せるのかを確認して決める。無駄死にさせない、その為だ。
「子供を死なせるわけにはいかないからね。私はこの目で、ちゃんとレベルを見ないといけないんだよ」
ギルマスのアルト様は見た目は美女なんだけど、戦い方は豪快そうだ。
アルト様に選ばれたメンバーは、マーティス様。エルフのテオ様。そして侍女のリリー様の四人に僕だ。
エルフの彼は、この中で一番歳上だ。何でも人嫌いらしくて、パーティメンバーの名前すら覚えないから、一匹狼みたいになってるらしい。実力は相当あるのに勿体無いと、アルト様から教えてもらった。
「テオはこちらから連携しようと思ったら難しいんだ。動きに合わせて弓を使ってくれるから、勝手にしてもらうのが一番いい。慣れれば支援攻撃力として、最高なんだ。魔法も使ってくれるからね」
いきなり連携とかは無理だから、気にしないでおこう。
エルフ様の見た目は、サラサラの銀色の肩より長めの髪。透き通った緑眼だ。人でいうと二十歳前後に見える。
マーティス様とアルト様は二十代後半で、リリー様は秘密らしい。
リリー様って、魔法師だったんだ。しかもB級だった。
「すぐ、シェリルに抜かれるわ」
そう言って微笑んでいる。でも、持っているのは指揮棒じゃない。真っ黒のタガーナイフだ。
「リリー様は、ナイフで魔法を増強するのですか?」
普段大人しく穏やかな侍女様だ。今は、暗部の人見たいな雰囲気がある。クルクルと指でタガーナイフを回しナイフホルダーに戻した。
「そうよ。対人、対魔物の接近戦でも使い易いから。暗器を使うの得意なの。だから、たくさんそれは身につけてるわ。今回は後ろから援護になると思うけど。私を護ったりしないでね」
「──はい」
多分一番僕が足を引っ張るだろう。自分の身は、最低でも守らなきゃ駄目だ。足手まといにはなりたくない。
後は、こっそりティム出来たら良いんだけど。ダンジョン攻略にきっと役に立つと思う。
「シェリル、クエストは三つある。初級レベルからB級までの内容だ。ただし勝手に動かない。ダンジョンだからね。イレギュラーはつきもの。合図を出すまでは大人しく守られときなさい」
「はい」
呼吸を整える。
三つとも白魔法使いで、いわゆる魔女の末裔と言われる人達からの依頼だった。
最初は、誘蝶の鱗粉。次は、媚薬効果が高い月下香の花弁。最後に不死鳥の羽だ。
どれも、魔女が作る薬の材料となるものだ。
だから、この三つ以外でも材料になりそうな物は言い値で買い取ってくれるみたいだ。
じつは、僕のカバンは空間魔法を施しているのだ。見た目以上の物が入る。素材を持って帰りたい。お金に変えたり、武器に変えたりしたい。落ち着こう。欲張りし過ぎないようにしないと駄目だね。
まずは、その三つを目指す。もちろんこのメンバーならクリアはするはずだ。どれだけ僕の魔法が通用するか、採取の役に立つか……行動や反応もチェックされるのだろう。出来なくて当たり前だけど、出来る事を増やして行こうと思う。
気合いを入れて、ダンジョンの入り口から地下へと降りて行った。
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