76 / 81
75.覚悟
しおりを挟む
「ジェイド……」
「ミカエル様。琥珀様と二人でここに泊まっても問題ありませんよね?」
「ええ。どうぞ。明日には浄化に向かいますので、ここから一緒に向かいましょう。ゆっくり……話し合って下さいね」
「ミカエル様。心配しなくて大丈夫です」
「でもちゃんと寝て下さいね」
大丈夫。呪いはちゃんと隠れてる。明日出発なのだ、今日は拒んでも許してくれるはずだ。
「ミカエル様、何言ってるんだろうね。まるで、ジェイドとの事がバレてるみたいだね。だとしても、今日そんなことする訳ないのにね」
手を握られて、部屋に入ると。ジェイドは結界を張った。
「どうしたの? 今日は元々ここにお世話になるから、王宮でエドワード様達と浄化の手順とか確認しといてって言ったよ俺」
「──ライゼ様に会ってから、様子がおかしい」
流石にバレている。でも笑って話を逸らすくらいなら、出来るかな。
「当たり前だよ……両親の話をして来たんだから。 ジェイドにとってはさ……記憶の欠片くらいに薄まってるんだよね?」
「覚えてる」
「それでも……俺は、より一緒にいた感が強いんだ。 もう戻れない上にさ。子供がいないことになってるみたい」
「覚えてて、探し回られる方が辛いと思う」
「そうだね。分かっていても、俺は……覚えてて欲しかったんだよね。いや、ほら……やっぱり、大好きだったんだ」
「俺も、好きだったよ」
「うん。だから、ライゼ様にお願いしたんだ。父さんと母さんの間に子供が生まれますようにって。そしたら、浄化頑張れそうだなって思って。怖い事我慢するの嫌だろ? 少しご褒美的に頼んだ……それだけだよ」
本心だよ。ジェイド……俺、あの二人にも幸せになって欲しいんだ。全部終わらせて、もう、聖女召喚も必要なくなって。この世界と両方が幸せに終わったら……俺が生まれた意味あるかな?って思うんだ。
「琥珀は、帰りたい?」
「帰ったら、ジェイドと恋人になれないから。ここで頑張るよ。神使として役目を果たせば、ずっと一緒に居られる」
ギュッと抱きしめて貰えば、痛みを忘れられそうだった。
聖女様……痛かったね。俺のせいで巻き込まれて、大変だったね。ここに残っても、元の世界に戻っても……キミが幸せになりますように。
「ね。今日は抱き締められるだけがいい。明日の為に、ゆっくり寝たい」
「──分かった」
「そんな顔しないでジェイドは、一回じゃ終わってくれないから。我慢してよね」
ジェイドが少しばつの悪い顔をする。
───大丈夫。
俺は、笑顔を作れてる。
ジェイドが、俺を思い出しませんように。
でも、今日はその温もりを忘れないように……俺にちょうだい。
「あ、おやすみのキスはして」
優しいキスをしてもらった。愛しくてたまらない。
ごめん。ただ謝る事しか出来ない。
その腕に閉じ込めてもらう。
覚えててもらう事は、やっぱり止めて正解だと思う。ジェイドが俺を忘れて幸せになりますように。
好きな人の体温と匂い。その腕の中で眠りについた。
「ミカエル様。琥珀様と二人でここに泊まっても問題ありませんよね?」
「ええ。どうぞ。明日には浄化に向かいますので、ここから一緒に向かいましょう。ゆっくり……話し合って下さいね」
「ミカエル様。心配しなくて大丈夫です」
「でもちゃんと寝て下さいね」
大丈夫。呪いはちゃんと隠れてる。明日出発なのだ、今日は拒んでも許してくれるはずだ。
「ミカエル様、何言ってるんだろうね。まるで、ジェイドとの事がバレてるみたいだね。だとしても、今日そんなことする訳ないのにね」
手を握られて、部屋に入ると。ジェイドは結界を張った。
「どうしたの? 今日は元々ここにお世話になるから、王宮でエドワード様達と浄化の手順とか確認しといてって言ったよ俺」
「──ライゼ様に会ってから、様子がおかしい」
流石にバレている。でも笑って話を逸らすくらいなら、出来るかな。
「当たり前だよ……両親の話をして来たんだから。 ジェイドにとってはさ……記憶の欠片くらいに薄まってるんだよね?」
「覚えてる」
「それでも……俺は、より一緒にいた感が強いんだ。 もう戻れない上にさ。子供がいないことになってるみたい」
「覚えてて、探し回られる方が辛いと思う」
「そうだね。分かっていても、俺は……覚えてて欲しかったんだよね。いや、ほら……やっぱり、大好きだったんだ」
「俺も、好きだったよ」
「うん。だから、ライゼ様にお願いしたんだ。父さんと母さんの間に子供が生まれますようにって。そしたら、浄化頑張れそうだなって思って。怖い事我慢するの嫌だろ? 少しご褒美的に頼んだ……それだけだよ」
本心だよ。ジェイド……俺、あの二人にも幸せになって欲しいんだ。全部終わらせて、もう、聖女召喚も必要なくなって。この世界と両方が幸せに終わったら……俺が生まれた意味あるかな?って思うんだ。
「琥珀は、帰りたい?」
「帰ったら、ジェイドと恋人になれないから。ここで頑張るよ。神使として役目を果たせば、ずっと一緒に居られる」
ギュッと抱きしめて貰えば、痛みを忘れられそうだった。
聖女様……痛かったね。俺のせいで巻き込まれて、大変だったね。ここに残っても、元の世界に戻っても……キミが幸せになりますように。
「ね。今日は抱き締められるだけがいい。明日の為に、ゆっくり寝たい」
「──分かった」
「そんな顔しないでジェイドは、一回じゃ終わってくれないから。我慢してよね」
ジェイドが少しばつの悪い顔をする。
───大丈夫。
俺は、笑顔を作れてる。
ジェイドが、俺を思い出しませんように。
でも、今日はその温もりを忘れないように……俺にちょうだい。
「あ、おやすみのキスはして」
優しいキスをしてもらった。愛しくてたまらない。
ごめん。ただ謝る事しか出来ない。
その腕に閉じ込めてもらう。
覚えててもらう事は、やっぱり止めて正解だと思う。ジェイドが俺を忘れて幸せになりますように。
好きな人の体温と匂い。その腕の中で眠りについた。
44
あなたにおすすめの小説
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
あなたと過ごせた日々は幸せでした
蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。
【本編完結】処刑台の元婚約者は無実でした~聖女に騙された元王太子が幸せになるまで~
TOY
BL
【本編完結・後日譚更新中】
公開処刑のその日、王太子メルドは元婚約者で“稀代の悪女”とされたレイチェルの最期を見届けようとしていた。
しかし「最後のお別れの挨拶」で現婚約者候補の“聖女”アリアの裏の顔を、偶然にも暴いてしまい……!?
王位継承権、婚約、信頼、すべてを失った王子のもとに残ったのは、幼馴染であり護衛騎士のケイ。
これは、聖女に騙され全てを失った王子と、その護衛騎士のちょっとズレた恋の物語。
※別で投稿している作品、
『物語によくいる「ざまぁされる王子」に転生したら』の全年齢版です。
設定と後半の展開が少し変わっています。
※後日譚を追加しました。
後日譚① レイチェル視点→メルド視点
後日譚② 王弟→王→ケイ視点
後日譚③ メルド視点
私と子供より、夫は幼馴染とその子供のほうが大切でした。
小野 まい
恋愛
結婚記念日のディナーに夫のオスカーは現れない。
「マリアが熱を出したらしい」
駆けつけた先で、オスカーがマリアと息子カイルと楽しげに食事をする姿を妻のエリザが目撃する。
「また裏切られた……」
いつも幼馴染を優先するオスカーに、エリザの不満は限界に達していた。
「あなたは家族よりも幼馴染のほうが大事なのね」
離婚する気持ちが固まっていく。
もう一度君に会えたなら、愛してると言わせてくれるだろうか
まんまる
BL
王太子であるテオバルトは、婚約者の公爵家三男のリアンを蔑ろにして、男爵令嬢のミランジュと常に行動を共にしている。
そんな時、ミランジュがリアンの差し金で酷い目にあったと泣きついて来た。
テオバルトはリアンの弁解も聞かず、一方的に責めてしまう。
そしてその日の夜、テオバルトの元に訃報が届く。
大人になりきれない王太子テオバルト×無口で一途な公爵家三男リアン
ハッピーエンドかどうかは読んでからのお楽しみという事で。
テオバルドとリアンの息子の第一王子のお話を《もう一度君に会えたなら~2》として上げました。
※画像は男の子メーカーpicrewさんよりお借りしました。
分厚いメガネ令息の非日常
餅粉
BL
「こいつは俺の女だ。手を出したらどうなるかわかるよな」
「シノ様……素敵!」
おかしい。おかしすぎる!恥ずかしくないのか?高位貴族が平民の女学生に俺の女ってしかもお前は婚約者いるだろうが!!
その女学生の周りにはお慕いしているであろう貴族数名が立っていた。
「ジュリーが一番素敵だよ」
「そうだよ!ジュリーが一番可愛いし美人だし素敵だよ!!」
「……うん。ジュリーの方が…素敵」
ほんと何この状況、怖い!怖いすぎるぞ!あと妙にキモい
「先輩、私もおかしいと思います」
「だよな!」
これは真面目に学生生活を送ろうとする俺の日常のお話
虚ろな檻と翡翠の魔石
篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」
不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。
待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。
しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。
「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」
記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる