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「いつもこんなになるまでしてるの?」
門田の問いに返事はなかった。ただ、門田のスラックスを握りしめた手、それが答えだった。
髪を撫でていた手が耳をくすぐり、頬を伝って下りていく。

「あっ♡」
クリーム色のTシャツの下に潜り込んだ指先が、そこに隠されていた小さな突起に弾くように触れると、瞳を閉じて身を任せていた千絢の口から甘い喘ぎが飛び出した。
(なに? びりって)

門田の指先に豆粒のようなしこりの感触、それが一人前の抵抗をみせていた。
「ふふ、しっかり立ってる。ここはね、こうするんだ」
千絢の左の乳首を門田の指ぎゅっと押し込むように抑えて捏ねた。むずがゆいような何とも言えない刺激に、千絢の肩がぴくりと跳ねる。
「んっ」
(かどたさんのゆび、すこしカサカサする……いたい? くすぐったい? ような)
不思議な感覚に戸惑いながらもされるがままの千絢の右胸にも、門田は指を這わせた。そして両方の尖りを指で優しくカリカリと引っ掻いた。
「あっ、んっ♡」
(なんだろう? ちんこがむずむずする)

尻の座りを直すような動きでもじもじと腰を揺らめかす千絢に気付かない振りをして、門田はその両の乳首を捏ねた。
優しくなんども先端を撫で、強めに押し込み、乳輪を円を描くようになぞる。
「ん♡ん♡」
(なんで?さわってなにのにちんこがズキズキする)
戸惑う千絢とは対照的に、千絢の幼いペニスはすでに主張を始めていた。門田が千絢のピンピンと弾く。すると千絢の股間の若木が伸びあがりヒクヒクと揺れ透明な樹液を溢れさせた。

「あっ♡あっ♡あっ♡あっ♡」
「おっぱい、気持ちいい?」
「わかんな……あっ♡あっ♡」
「わからない?」

身体はこんなに正直に応えているのに、困ったな、と苦笑いした門田は仕方なく小さな突起をきゅうっと摘みあげた。じくっとした痛みとともに、えもいわれぬぞわぞわする感覚が千絢の胸から下半身に向かっていく。
「ひぁっ♡♡」
(なんで、ぞくそくする。ちんこがいたい、さわりたい)

そのままくりくりと指先でころがすと胸の粒を弄られる動きに合わせて、千絢の昂りがカクカクと宙をかく。門田の腕にすがる千絢の指に力がこもる。
「んあっ♡あっ♡♡」
拙い腰振りが門田の目を愉しませた。
「千絢、気持ちいい?」

問われてもう隠せなかった、千絢がこれをどうを感じているのか。
「うん♡うんっ♡♡」
どうしてこんなに気持ちいいのかわからなかった。けれどとにかく門田が触れる場所全てが痺れるようで、心地よかった。それ以外のことがわからなくなってしまうほどに。
「あっ♡あっ♡♡」
(ぜんぶが……じんじんする)
「射精もまだなのに、……かわいいな」
健気にそそり勃ち淫液を滴らせる包皮に包まれた千絢の陰茎を見つめながら、門田は興奮に乾いていた自身の上唇をべろりと濡らした。

「ふふ。気持ちいいね、千絢」
「あ♡あっ♡♡」
胸を弄っていた片手が、ゆっくりと下りていく。みぞおちを辿り、へそをくすぐって。するっと優しく指が這うだけで、その甘やかな刺激に千絢がピクッと身を震わす。
「あ♡あっ♡」

「千絢、気持ちいい?」
(……きもち、いい♡)
指はそのまカウパーで濡れた下腹部に到達した。ぬるりとする感触に目を落とすと、門田の手が、千絢が垂らした淫液を塗り広げるようにして薄い下腹部を撫でていた。時折、手が未発達のペニスにぶつかり、じんと痺れる。
「んっ♡♡」
「気持ちいいね」

(気持ちいい♡けど、……気持ちいいって言っていいの? エッチな子だって怒らない?)
何度か口を開きかけては閉じる小さな赤い唇。本当のことを言うのを恐れるように。
だけどこれは、千絢の口で言って貰わないと意味がない。自分がどれほどこの行為を望んでいるのかを。
幼い身体が初めての強く心地よい刺激に溺れているのは門田にはわかっていた。そのうえで甘くそそのかした。最後の一歩を踏みださせるために。

「千絢、言えたらご褒美にもう一回イかせてあげる」
(ごほうび? また気持ちいいの? 怒ってない? イかせるってなに? ぼくイかされちゃうの? それ、もっと気持ちいい?)

「ここ」
門田が千絢の花芯の先端をピンと弾いた。透明な体液が鼠蹊部や内腿に散る。
「あっ♡♡あんっ♡♡」
「ここが気持ちいいんだよな?」
今度は包皮の上から先端を摘まれる。指が微かな段差を何度も行き来した。それは優しすぎて。
「……ん♡」
(きもちいい……けど、もっと、さっきみたいにちゃんと全部さわって。先っぽだけじゃなくって)

「答えられて偉いね。今度はちゃんと気持ちいいって言えるかな。そしたら『ご褒美』にここ、触ってあげるよ」
(きもちいいって、言ったらいい? 言ってもいい? そしたらもっとちゃんと触ってくれる?)
『ご褒美』という単語に、千絢の胸が高鳴る。先程の『ご褒美』は、ちんこを信じられないほど気持ちよくしてもらった。自分以外に触れられるのがあんなに気持ちいいなんて知らなかった。

いやらしくて気持ちいいことをしても、門田は怒らない。例えば家だったら、テレビドラマでちょっとでもそういうドキドキするようなエッチなシーンがあると、千絢の母は顔をしかめてチャンネルをかえる。千絢が本当は気になって仕方なくて見たいと思っていても、そんなこと言えるはずがない。
それなのに門田は褒めてくれる。……そして先ほどのような『ご褒美』をくれるというなら。

もしかしたら、言っても、いいのかもしれない。

千絢はこくりと唾を飲み込み、意を決して口を開いた。
「……きもち、いい♡♡」
雨音にかき消されそうになりながら、ようやっと門田の耳に届いた言葉は微かに震えていた。
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