復讐溺愛 ~御曹司の罠~

深冬 芽以

文字の大きさ
上 下
175 / 208
16.復讐の終わり

しおりを挟む
 
*****



「おう――っ。ま――」

「――ムリ!」

 待てだの風呂だのを要求する唇を自身のそれで塞ぎ、舌をねじ込む。

 互いの口内はコーヒーの味と香りがした。

 もう、十分に待った。

 会社を出て、タクシーで梓の部屋に向かい、着替えやなんやを持って俺のマンションに来る間も、超多忙な晋太に頼み込んでデリバリーしてもらったフルコースを堪能している間も、食後のコーヒーを飲んでいる間も。

 もう、焦らされているとしか思えないほどのんびりと、ケーキまでしっかり食べて、さらにコーヒーのお代わりまでしようって言うものだから、さすがにそこで忍耐の糸が切れた。

 そりゃ、もう、綺麗にバッサリと。

 カップを取り上げて、引きずるようにベッドに連れて行く。

「髪、切ったんだな」

 キスに息が乱れた梓は、もう余計なことは言わない。

 俺の問いにさえ、視線で答える。

 瞼、鼻、首筋にとキスを落としながら、服の裾をスカートから引っ張り出すと、首元までまくり上げた。

 ネイビーにゴールドの刺繡が施されたブラジャーは、梓にしては少し派手で、色っぽい。

 そして、見たことがない。

 下着は外さず、谷間にキスをする。

「俺が帰ってこないと思ってたのに、気合入った下着?」

「イヴ……だもの」

「熱烈なプロポーズがなかったら、浮気を疑うところだな」

「しないって……わかってるくせに」

 肩を抱いて上半身を起こし、服から首と腕を抜く。

 自分のシャツのボタンに手をかけると、彼女の手がそれを退けた。

 梓の手で、ボタンが外されていく。

 手と視線が下にいくにつれ、自分の足を跨ぐ俺のソコがどうなっているのか目に入るだろう。

 どれほど、俺が自分を欲しているか。

 梓の手がボタンを外し終え、ベルトにかけられる。

「随分、窮屈そうね」

「そりゃ、もう、痛いくらい」

 ファスナーが開かれて飛び出してきたソレを、梓の指が撫でる。

「触んな」

「どうして?」

「マジで、もたない」

「いつもそう言う」

「いつも、そうだから」

 事実だ。

 梓相手に余裕のあるセックスなんてしたことがない。

 いつも、必死だ。

 俺は彼女の手を握ると、そのままベッドに縫い付けた。

「髪、なんで?」

 話題を戻す。

「美容室に行きたいって言ってたじゃない」

「切ったから、ビデオ通話してくんなかった?」

 ブラジャーに指を引っ掛けて、カップを下げる。

 既に勃ち上がっている尖端が、俺の指をかすめていく。

「そういう……わけ、じゃ」

「似合うよ」

 尖端を口に含み、舌で転がす。

「ん……」

 背中まであった髪は肩につくくらいまで短くなっていた。

 毛先のパーマはすっかりとれて、ストレート。

 以前と比べると、幼く見える。

 できるなら、最初に見たかった。褒めたかった。

 ちゅうっと尖端を吸うと、梓の手に力が入った。

 空いている手で梓の唇に触れると、人差し指が口内に迎え入れられた。

 吸い付かれ、指の腹を舌でくすぐられる。

 俺も同じように、吸い付き、尖端を舌で突く。

「ふぁ……」

 きゅっと第一関節を噛まれ、離される。

 濡れそぼった指で彼女の脇腹を撫で、スカートの裾から足の付け根を目指す。

 梓の身体に力がこもる。

 口を離し、身体を起こすと、梓のスカートのファスナーをおろした。

 ストッキングもショーツもまとめて引き下ろす。

「ちょ――」

 ずるっと引っ張られた拍子に、梓自身の身体も動く。

 彼女の足を胸に抱える格好になり、そのまま足を持って足先からすべてを引き抜いた。

 眼前のふくらはぎにキスをし、なんとなく歯を立ててみる。

「ちょっと! そんなとこ噛まないで」

 梓は足をじたばたさせて抵抗するも、俺は構わずあちこちを甘噛みする。

 ふくらはぎ、膝裏、太もも。

 梓が抵抗を弱めたのは、恐らく唇の行く先を期待して。

 その証拠に、ソコはしっとり湿っていた。

 足をベッドにおろすと、自然と膝が割れる。

「お風呂……」

 確かに聞こえた、懇願のような呟きを無視した。

 膝頭に手を添えて大きく開き、身を屈める。

「――――っ!」

 そして、赤く膨らんだ柔肉を口に含んだ。
しおりを挟む
感想 20

あなたにおすすめの小説

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。

海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。 ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。 「案外、本当に君以外いないかも」 「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」 「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」 そのドクターの甘さは手加減を知らない。 【登場人物】 末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。   恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる? 田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い? 【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

腹黒上司が実は激甘だった件について。

あさの紅茶
恋愛
私の上司、坪内さん。 彼はヤバいです。 サラサラヘアに甘いマスクで笑った顔はまさに王子様。 まわりからキャーキャー言われてるけど、仕事中の彼は腹黒悪魔だよ。 本当に厳しいんだから。 ことごとく女子を振って泣かせてきたくせに、ここにきて何故か私のことを好きだと言う。 マジで? 意味不明なんだけど。 めっちゃ意地悪なのに、かいま見える優しさにいつしか胸がぎゅっとなってしまうようになった。 素直に甘えたいとさえ思った。 だけど、私はその想いに応えられないよ。 どうしたらいいかわからない…。 ********** この作品は、他のサイトにも掲載しています。

独身寮のふるさとごはん まかないさんの美味しい献立

水縞しま
ライト文芸
旧題:独身寮のまかないさん ~おいしい故郷の味こしらえます~ 第7回ライト文芸大賞【料理・グルメ賞】作品です。 ◇◇◇◇ 飛騨高山に本社を置く株式会社ワカミヤの独身寮『杉野館』。まかない担当として働く有村千影(ありむらちかげ)は、決まった予算の中で献立を考え、食材を調達し、調理してと日々奮闘していた。そんなある日、社員のひとりが失恋して落ち込んでしまう。食欲もないらしい。千影は彼の出身地、富山の郷土料理「ほたるいかの酢味噌和え」をこしらえて励まそうとする。 仕事に追われる社員には、熱々がおいしい「味噌煮込みうどん(愛知)」。 退職しようか思い悩む社員には、じんわりと出汁が沁みる「聖護院かぶと鯛の煮物(京都)」。 他にも飛騨高山の「赤かぶ漬け」「みだらしだんご」、大阪の「モダン焼き」など、故郷の味が盛りだくさん。 おいしい故郷の味に励まされたり、癒されたり、背中を押されたりするお話です。 

ネカフェ難民してたら鬼上司に拾われました

瀬崎由美
恋愛
穂香は、付き合って一年半の彼氏である栄悟と同棲中。でも、一緒に住んでいたマンションへと帰宅すると、家の中はほぼもぬけの殻。家具や家電と共に姿を消した栄悟とは連絡が取れない。彼が持っているはずの合鍵の行方も分からないから怖いと、ビジネスホテルやネットカフェを転々とする日々。そんな穂香の事情を知ったオーナーが自宅マンションの空いている部屋に居候することを提案してくる。一緒に住むうち、怖くて仕事に厳しい完璧イケメンで近寄りがたいと思っていたオーナーがド天然なのことを知った穂香。居候しながら彼のフォローをしていくうちに、その意外性に惹かれていく。

出逢いがしらに恋をして 〜一目惚れした超イケメンが今日から上司になりました〜

泉南佳那
恋愛
高橋ひよりは25歳の会社員。 ある朝、遅刻寸前で乗った会社のエレベーターで見知らぬ男性とふたりになる。 モデルと見まごうほど超美形のその人は、その日、本社から移動してきた ひよりの上司だった。 彼、宮沢ジュリアーノは29歳。日伊ハーフの気鋭のプロジェクト・マネージャー。 彼に一目惚れしたひよりだが、彼には本社重役の娘で会社で一番の美人、鈴木亜矢美の花婿候補との噂が……

捨てられた花嫁はエリート御曹司の執愛に囚われる

冬野まゆ
恋愛
憧れの上司への叶わぬ恋心を封印し、お見合い相手との結婚を決意した二十七歳の奈々実。しかし、会社を辞めて新たな未来へ歩き出した途端、相手の裏切りにより婚約を破棄されてしまう。キャリアも住む場所も失い、残ったのは慰謝料の二百万だけ。ヤケになって散財を決めた奈々実の前に、忘れたはずの想い人・篤斗が現れる。溢れる想いのまま彼と甘く蕩けるような一夜を過ごすが、傷付くのを恐れた奈々実は再び想いを封印し篤斗の前から姿を消す。ところが、思いがけない強引さで彼のマンションに囚われた挙句、溺れるほどの愛情を注がれる日々が始まって!? 一夜の夢から花開く、濃密ラブ・ロマンス。

御曹司の極上愛〜偶然と必然の出逢い〜

せいとも
恋愛
国内外に幅広く事業展開する城之内グループ。 取締役社長 城之内 仁 (30) じょうのうち じん 通称 JJ様 容姿端麗、冷静沈着、 JJ様の笑顔は氷の微笑と恐れられる。 × 城之内グループ子会社 城之内不動産 秘書課勤務 月野 真琴 (27) つきの まこと 一年前 父親が病気で急死、若くして社長に就任した仁。 同じ日に事故で両親を亡くした真琴。 一年後__ ふたりの運命の歯車が動き出す。 表紙イラストは、イラストAC様よりお借りしています。

処理中です...