復讐溺愛 ～御曹司の罠～

16．復讐の終わり

７

「あ……っ、は――」

　舌の腹全体で舐め上げると、彼女の背が弓形にしなる。

「んん……っ」

　甘く甲高い声が、ボクサーパンツの中のモノをさらに怒張させる。

　今日も、痛い。

　痛くて痛くて、早く挿入はいりたい。

　気が急いて、舌の動きも早くなる。

　梓を抱いたのはまだ、そう多くはない。

　が、彼女のポイントはわかる。

　吸い付きながらぬかるんだ場所に人差し指を挿し込む。

　ぬるりと、奥まで滑る。

「ああ……っん！　やぁ……」

　気持ちいいのだろう。

　彼女の足が浮き、もっとしてほしいと言わんばかりだ。

「はぁ……ん」

　指を増やして抽送する。

　膣内なかで関節を曲げると、ひと際大きな声が聞けた。

「やぁっ……！」

　彼女の腰が揺れる。



　早く。



　俺は夢中で吸い付き、舐め上げ、擦る。

「だめっ！　あ、だめだめっ！」

　手首まで滴るほど濡れている。



　早く、挿入りたい。



　柔肉に隠された芯を舌で突くと、それなりの力で髪を鷲掴みにされた。

　と、同時に、押し付けられるように彼女の腰が跳ねた。

「ひゃぁっ――！」

　このまま攻め続けたらどうなるのだろうと思わなくもないが、そこまで俺が耐えられる自信がない。

　身体を起こし、スラックスとボクサーパンツを脱ぎ捨てる。

　コンドームを取り出し、自身の先端にあてがう。

　いつものようにゴムをおろそうとして、激痛に襲われた。

「――っ！」

　思わず蹲る。

「皇丞……？」

　身体を起こした梓が、心配そうにのぞき込む。

「大丈夫？」

　あまりの痛さに、一旦ゴムを外す。

「なんか……スゴくない？」

　俺も、そう思う。

　客観的に見るとかなりグロテスクに勃ち上がったソレは、血管が浮き出てはち切れそう。

「ちょっと……落ち着くの待って」

　痛い。恥ずかしい。痛い。情けない。

　やっぱり、痛い。

　ゴムが付けられるようになるまで、深呼吸を繰り返す。

「ね」

　すぐ耳元に聞こえる彼女の声に、俺のモノは落ち着く気配を見せない。

「梓、ちょ――」

　離れてほしいと言う前に、耳たぶを食まれる。

「――っ！」

「そのまま、する？」

　この瞬間、俺の脳内から『忍耐』の文字が消滅した。

「くそ――っ！」

　梓の肩を押して、再びベッドに横たえると、恥を覚悟で挿し込んだ。

「う……、あ……」

　温かさと、絡みつく滑らかさ、根元から搾り取られそうな狭さに、思わず天を仰ぐ。

　梓は痛いだろう。

　そう思って、見下ろした。

　シーツを掴んで瞼をきつく閉じている。

　思わず腰が引けた。

「ごめ――」

　痛い思いはさせたくない。

　抜こうとした。

　が、できなかった。

　梓の両足が、俺の腰に巻きついて。

「やめちゃ……だめ」

　うっすらと目を開けて、涙の浮かぶ瞳で俺を見る。

　その表情に、俺は『理性』という言葉の意味を忘れた。

　ことごとく、梓の言葉、表情は、俺をぶっ壊す。

　再び深く挿し込み、ゆっくり引き抜く。

　激しくするのは、俺自身もつらい。

「あ、う……」

　尖端からにじみ出るモノを止められない。

「梓」

　獲物を前にした獣のように息を荒げ、それでもそっと彼女の頬に手を添えた。

「愛してる」

「わた……しも……」

「やっぱり、明日、届を出そう」

「ふ……」

　いいとも嫌だともわからない反応。

　だが、もう、止められない。

　この気持ち良さを知ってしまったら、もう戻れない。

　痛い。キモチイイ。痛い。イキたい。

　腰が、止まらない。

　ゆっくりしているつもりが、徐々に速度を増し、梓の胸が大きく揺れる。

「あず――」

「――このままっ」

　梓の足は、俺の腰を抱いたまま。

　ぐっと歯を食いしばり、一層強く腰を打ちつけ、俺は彼女の胎内に全てを吐き出した。