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4章
4日目【2】
しおりを挟む森に入り出来たらみんなも探して欲しいけど、普通に探検して来ても大丈夫だよと伝えてからサーチをして採取し始める。
キノコとハーブをメインにずんずん進んで行くと、ミソの実とショユの実の木が集まって生えているのを発見した。
おおおお!
パパ達が送ってくれてて増えてたけど、呪淵の森以来見てなかったから嬉しい!
全部収穫させてもらおう!
木に登って採取する。
手で届かない所は風魔法を使う。
ルンルンと機嫌良くどんどん無限収納に入れていく。
同じ木に違う実がなってるのかと思ったら、ショユの実が熟すとミソの実になるみたい。何個も触ってから少し色と柔らかさが違う事に気が付いた。
『きゃーーーーーー!』
3本目の木に登って採取しているとクラオルの悲鳴がすぐ近くで響いてビックリする。
(木掴んでて良かったー)
『ちょっと主様何してるのよ!危ないでしょ!?』
「収穫してるだけだよ?落ちても大丈夫な高さだし」
『呼んでくれたら手伝うわよ!』
「これくらい私でも大丈夫だよ?」
『いいから降りてちょうだい!』
「はーい」
木からストンッと降りる。
『んもう!主様ったら何でも1人でやろうとするんだから!』
プリプリと怒りながら収穫を手伝ってくれる。
『…これ全部取る気だったの?』
私が既に採取済みの2本を見てクラオルが聞いてくる。
「うん。呪淵の森以来見てなかったから、取れる時に取っておこうかなって思って」
『なるほどね。でも何本かは残しておいた方が良いと思うわよ』
「そうなの?」
『取りすぎたら実がならなくなるかもしれないわ』
「そっかー。じゃあ程々にしておこうかな」
『それが良いわ』
「クラオルは何か用があったんじゃないの?」
『そうそう。ちょっと珍しい匂いの木を見つけたのよ』
「珍しい匂いの木?何か食材かな?」
『分からないけど、主様が興味あるかと思ったのよ』
「行ってみよう!」
『ふふっ。じゃあ案内するわ』
クラオルが肩に乗り案内してくれる。
着いた場所には…
「竹?」
見た目茶色い竹があちらこちらに生えていた。
「ん!?この匂い!」
ズンズンと進み生えている竹の匂いを嗅ぐ。
「これ…これ…かつお節じゃない!?」
短剣を出して削ってみる。
やっぱりかつお節だ!
「クラオル!凄いよ!かつお節だよ!かつお節!さすがクラオル!」
クラオルを持ち上げてあまりの嬉しさからクルクルと回る。
『ちょっ…もうっ…主様ったら』
「待ち望んでたかつお節だよー!ありがとうー!」
ギュウギュウと抱きしめる。
『主様が前に言ってたダシってやつの事?』
「そうそう!そうだよ!これこそ全部収穫しよう!」
『ふふっ。もう。目がキラキラね』
《あらぁー?これ節の木じゃない》
興奮しながらクラオルと話しているとプルトンが戻って来た。
「節の木?」
《これ精霊の国にいっぱい生えてるわよ?邪魔なくらい。こっちにも生えてるのねぇ。こっちでは初めて見たわ》
何ですと!?
今邪魔なくらい生えてるって言ってなかった?
「え!?これいっぱい生えてるの!?」
《切っても切ってもすぐ成長するのよー》
「マジか!私が買い取るよ!」
《これ何かに使えるの?お金なんかいらないからあげるーって言われると思うわよ?》
「超重要な食材だよ?料理の要だよ?」
《私達は基本食べないから食材になるなんて考えもしなかったわ》
マジか…なんて勿体ない!
「勿体ない!美味しいのに…」
《精霊帝に聞いてあげるわよ?》
「本当!?ぜひお願いします!!」
プルトンに頭を下げてお願いする。
《ふふっ。もちろんよー》
「これで和食の希望が見えて来た!とりあえずこれを切り倒して持って帰ろう!」
クラオルに手伝ってもらってどんどん切り倒していく。
すぐ成長するって言ってたから全部切っても大丈夫だろう。
急いで全部切り倒すと高さ10メートルくらいの節の木は17本だった。
適当な大きさにカットして無限収納に全部しまう。
《それにしてもこの節の木がある事がビックリだわー。私はてっきり精霊の国にしかないと思ってたもん》
「そうなの?」
《そうよ。今まで見た事なかったから…もしかしたら精霊がこっちに遊びに来た時に種かなんか、木になる物を落として行ったのかもしれないわね》
「へぇー」
《この木がセナちゃんの役に立てるなんてビックリね!》
「大事な出汁だからね!これで美味しいお味噌汁も飲めるし、今まで作れなかった物も作れるよ!」
《セナちゃんが嬉しそうだと私達も嬉しいわ!》
その後みんなが採取してくれた食材を無限収納に入れて野営地に戻る。
テンションが高い私にブラン団長達は驚いていたけど気にしない!
テンション高いままキノコと野菜とベーコンを切ってバターで炒め小麦粉を入れて粉っぽさがなくなるまで炒める。
水と牛乳とコンソメを入れて煮込む。
串焼きはパブロさんとフレディ副隊長が担当してくれた。
野菜に火が通ったら塩コショウ。多めにコショウを入れて煮込む。
味を見て調整したらミルクスープの出来上がり!
牛乳をドバドバ入れてた事に驚いていたけどひと口食べたら争奪戦に。
今日はブラン団長とパブロさんが争奪戦。
ブラン団長の「…団長の俺に譲ってくれ」って発言に「こういう時に権限使わないでよ!」ってパブロさんが怒ってる。
(私もスープのために使うもんじゃないと思うよ)
フレディ副隊長は早めに満腹まで食べたらしく満足そう。
今回も気に入ってもらえて良かった。良かった。
「セナさん。とても嬉しそうですが、何かあったのですか?」
フレディ副隊長が不思議そうに聞いてくる。
「うん!いい物見つけたの!加工しなきゃいけないんだけど、すごい楽しみが増えたの!」
「そうだったのですね。セナさんが嬉しそうだと私も嬉しいです」
(同じセリフさっき言われたな)
「その加工に何か必要な物があれば王都にて用意しますが、何か必要な物はありますか?」
「ううん。大丈夫!」
「そうですか…遠慮なく言って下さいね」
「うん!いつもありがとう!」
私がお礼を言うと頭を撫でてくれた。
今日はお風呂にゆっくり入りたいから話し終わったら早めに馬車に戻る。
コテージのお風呂にゆっくり入り、気分を落ち着けてから主寝室でみんなと眠る。
応援ありがとうございます!
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