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本編
34 プリシラ・シュガーパック
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――――――――プリシラ 視点
シュリエルが国外追放にされたみたい。努力が実を結ぶとはこのことよね。
なんでも留学したなんて言われているけどそれは嘘。あの物凄い美形だけど怖い顔の男とトラブルを起こしたみたい。
普通は卒業パーティーで王子に婚約破棄されてから、なんだけれど、最終的に追放されたのなら誤差よ、誤差。
つまり、テンプレで言うと、あとはあたしのハッピーエンドが待ってるってわけ。
あの美形王子、ラウラディアの王子だって聞いてすごく惜しいことをしたと思ったの。だけど、よくよく聞いたら第二王子みたい。
それなら諦めるわ。国王にもならない、落とすのも面倒そうな、優しくなさそうな男は。
それよりディルクの方が優良物件。
紳士的で、顔面もあたし好みで、物腰柔らかで。愛の言葉も熱烈。しかも王太子予定。最の高。
結婚するのはディルクでいいけど、他のみんなも捨てがたい。護衛とかやってくれたらいつでもヤれるからいいなぁ。闘えない人なら侍従って手もあるし。
そんな事を考えていて、いつの間にかディルクたちがあたしの言う事を全肯定するだけの人形になっていたことには、気づきもしなかった。
「プリシラ。お前を拘束する。他の令息たちもだ」
真夜中だった。
令息の寮の一室で善がるあたしと、あたしを囲んでいた全員が拘束された。
その部屋にいなかったディルクやシリウスたちも同じみたいで、ぐるぐるとキツく拘束された上、あたしだけ変な腕輪を付けられた。
なに、これ?説明して?
だって、あたしは何もしていないのに、こんな囚人みたいに!
そして付けられた瞬間、分かったの。
これ、あたしの力が無くなる!!
あたしの美しい髪が、白髪混じりのパサパサになっていく。
腕輪を嵌めた人もこうなるとは思っていなかったようで、言葉を失っていた。
それどころじゃない。
慌てて全身を確認すると、真っ白で艶やかだったあたしの肌は、土を散らしたみたいにシミや日焼けだらけに。
さらに17とは思えない、弛んだ肌。亀裂が細かく走っている。
なに、これ、シワ……?嘘、うそでしょ?
「あたしにっ!何をしたの!?呪い!?元に戻して!えっ、ちょっ、ぐ、」
混乱している間に、あたしたちは、あたしを引き取った男爵の屋敷に、全員詰め込まれた。
しかも紅一点のはずのあたしだけ、見たこともない地下の、汚い牢に押し込まれたの!
その後、お城からやってきた人が訳のわからないことを言う。
「その力によって叶えられるものは、生命力をつかうらしい。身に覚えは?」
「生命力?なんですか、それ。早く出してくれません?プリシラは聖女なんですよ?」
「君の魔力では、幻想を見せることだけ、だそうだ。確かに君の魔法で治した重傷の患者は、その後みるみる老けて亡くなっていることがわかった。君は平民には、軽傷ばかり多く治してきたから目立ってはいないがな。」
えっ?
それは、嘘よ。
だって、平民だった時のシミとかそばかすとか、全部綺麗に出来たもの。
あたしは知ってる。あたしの力は治癒だけじゃないってこと。お肌をきめ細かくするとか、ほんの少し鼻を高くするとか、唇をぷるぷるつやつやにするのも、願えば叶うの。
もちろん、他の人には秘密。美しくなるのはあたしだけでいいから。
でも、それに、魔力は使ってなかったということ?
使者の男は、困惑するあたしを気にも留めず、何か長い巻き物を読み上げている。
「君の罪は、今は禁術とされている『魅了』と同等の魔術を使い、高位貴族令息や王子を依存症にし、再起不能としたこと。数多くの婚約者持ちの令息とまぐわい、不貞相手となり、複数の婚約を破棄させたこと。
また、他人の寿命を縮めているとは知らなかったらしいが、立派な殺人未遂。
それから令息らを唆し、水の巫子様に暴力を振るわせる一端を担ったことも大罪だ。それから……」
「あははっ!なに、言っているの?プリシラは悪くないじゃない!可愛いプリシラを好きになるのは仕方ないもの!治癒だって、プリシラがやってあげたら喜んで受けに来た!プリシラはそれに応えただけでしょう!?ぷぷっ!しかも、お金ももらってないのよ。シュリエルだって、プリシラは何にも言ってない。シリウスが勝手に殴っただけ!」
あたしは笑った。面白すぎるわ!だって、あたしの罪なんてあるわけが無い。
少し可愛すぎただけ。
男達がやったことは彼らの責任だし、治癒もお願いされたから施してあげただけ。
ほら。何一つも悪くないじゃない!
「余計にタチが悪いな。金をもらって無ければ人の命を縮めていいのか?違うだろう。確かにろくに調べもせず祭り上げた王家にも責任はあるが、調子に乗りすぎた君にも罪はある。そもそも、王子を再起不能にし、後遺症まで残した罪だけでも死刑ものだぞ」
「プリシラは聖女なんだから!こんな腕輪さえ無ければ治してあげられるの。分かったらさっさと元に戻して!」
使者は長文を読み上げて疲れたように息を吐き、あたしの抗議の声も無視して去っていった。待ってよ。あたし、何一つも納得できないのだけど!
しばらくすると、白衣を着たおじいちゃんがやってきて、あたしをしげしげと診察する。魔力がゾワゾワとあたしを通っていって、ふむふむとヒゲを撫でながら頷いている。
流石におじいちゃんだし、ここから出してくれる権力も無さそうだから、身体を使う必要はない、わよね……?
「こりゃ、面白い。今まで見たことのない症例じゃ。ガワは40代、中身は老衰直前。あとは……まぁ、まだ分からん。ふむ……様子見じゃ」
「は?なに、それ?ろうすい、って……」
おじいちゃんはあたしの言葉を聞き、顔を顰める。
「10代ならまだしも、この年齢でその言葉遣い。薄気味悪いのう。教育を受けられなかったお主も、不憫じゃな……」
「なんなの、この人!出て行って!クソジジイ!」
「ふぉっ、ふぉっ。はて、次はどこじゃったかな……」
老人は腹立たしいほど和やかに笑って去っていく。
あんな人の言うことなんて、間に受けないんだからっ!
「プリシラは、聖女よ?何故こんなところにいなくちゃいけないんですか?」
「……。」
監視する人は、一切あたしを見ようともしない。
こんなに可愛いのに!あーわかった、コイツ絶対小さい。
仕方なく瞳をうるうるさせて「抱きたいんですね……?」って微笑みかけても反応すらしないんだもの。
あたしを引き取った男爵は顔を真っ赤にさせて、足を踏み鳴らし、ひとしきり暴言を浴びせたあと、疲れたように肩をガックリと落としていた。
「お前のせいで!お前のせいで……っ!もうこの家はお終いだ!私の代で没落だ!クソ、この魔女め……!」
「プリシラ、あなたに引き取ってって頼んだ覚えないですよ?人のせいにしないでくれます?」
「……っどの口が言う!これだけ!何不自由なく!色々と世話をしたのに仇で返しやがって!」
憔悴したようにとぼとぼと去っていくこの男はもう、あたしのドレスや化粧品をひとつもくれなくなった。お風呂も入れず、冷たいバケツと布巾だけ寄越された。
全然、汚れが落ちない。少し、ほんの少しだけ、匂うような気がする。
でも、でも、まだ可愛いはず。
あたしのお気に入りの令息たちは、一日に何度かこの牢を訪れる。必ず聖銀色の髪の神官を連れて。どいつもこいつもシュリエルに見えて本当に腹が立つ。
でも、男の子達に見られているから当たるのは我慢しなくちゃ。見てない時に睨むくらい、いいよね?
彼らの訪問頻度は、徐々に減っていった。
来ても、しばらくぼうっとするだけで、助けようとしてくれる人はいなくて。
しばらく経って、段々お腹が膨らんできた。
そういえば、最後に生理来たの、いつだっけ?
薬師が呼ばれて、妊娠していると告げられた。
やった!ディルクの子供にちがいないわ!ディルクと結婚して、王族の子供を産んで、あたしは王太子妃ね!
そう思っていたのに、ディルクはただぼんやりしている。あれ、こんなに目が虚だったっけ?なんだか格好良くない。
シュリエルの婚約者だったディルクはとても格好良く見えたのに、なんでかなぁ。
でも、いいや。ディルクが痩せても太っても、王太子になることは違いないんだから。
早く牢から出してくれないと。
王太子妃に相応しい格好にならなきゃでしょ?
そう言っているのに一向に出してくれず、何回か腕輪の交換をして、とうとう誰も来なくなった。
なんで?
あたしは未来の王妃なのよ?たくさんの高位貴族の令息もみんなわたしのものになるのに、こんなことをして許されると思ってる?
「今すぐに出しなさい。今出せば、貴方だけは引き立ててあげます」
「……」
監視人は、「コイツ何言ってんだ」みたいな顔をして無視するだけ。
何度も何度も言って説得すれば、また人が変わる。
あたしは諦めない。
また何度も言い聞かせる。面倒だけど。
それが彼らのためでもあるの。あたしって優しい。
シュリエルが国外追放にされたみたい。努力が実を結ぶとはこのことよね。
なんでも留学したなんて言われているけどそれは嘘。あの物凄い美形だけど怖い顔の男とトラブルを起こしたみたい。
普通は卒業パーティーで王子に婚約破棄されてから、なんだけれど、最終的に追放されたのなら誤差よ、誤差。
つまり、テンプレで言うと、あとはあたしのハッピーエンドが待ってるってわけ。
あの美形王子、ラウラディアの王子だって聞いてすごく惜しいことをしたと思ったの。だけど、よくよく聞いたら第二王子みたい。
それなら諦めるわ。国王にもならない、落とすのも面倒そうな、優しくなさそうな男は。
それよりディルクの方が優良物件。
紳士的で、顔面もあたし好みで、物腰柔らかで。愛の言葉も熱烈。しかも王太子予定。最の高。
結婚するのはディルクでいいけど、他のみんなも捨てがたい。護衛とかやってくれたらいつでもヤれるからいいなぁ。闘えない人なら侍従って手もあるし。
そんな事を考えていて、いつの間にかディルクたちがあたしの言う事を全肯定するだけの人形になっていたことには、気づきもしなかった。
「プリシラ。お前を拘束する。他の令息たちもだ」
真夜中だった。
令息の寮の一室で善がるあたしと、あたしを囲んでいた全員が拘束された。
その部屋にいなかったディルクやシリウスたちも同じみたいで、ぐるぐるとキツく拘束された上、あたしだけ変な腕輪を付けられた。
なに、これ?説明して?
だって、あたしは何もしていないのに、こんな囚人みたいに!
そして付けられた瞬間、分かったの。
これ、あたしの力が無くなる!!
あたしの美しい髪が、白髪混じりのパサパサになっていく。
腕輪を嵌めた人もこうなるとは思っていなかったようで、言葉を失っていた。
それどころじゃない。
慌てて全身を確認すると、真っ白で艶やかだったあたしの肌は、土を散らしたみたいにシミや日焼けだらけに。
さらに17とは思えない、弛んだ肌。亀裂が細かく走っている。
なに、これ、シワ……?嘘、うそでしょ?
「あたしにっ!何をしたの!?呪い!?元に戻して!えっ、ちょっ、ぐ、」
混乱している間に、あたしたちは、あたしを引き取った男爵の屋敷に、全員詰め込まれた。
しかも紅一点のはずのあたしだけ、見たこともない地下の、汚い牢に押し込まれたの!
その後、お城からやってきた人が訳のわからないことを言う。
「その力によって叶えられるものは、生命力をつかうらしい。身に覚えは?」
「生命力?なんですか、それ。早く出してくれません?プリシラは聖女なんですよ?」
「君の魔力では、幻想を見せることだけ、だそうだ。確かに君の魔法で治した重傷の患者は、その後みるみる老けて亡くなっていることがわかった。君は平民には、軽傷ばかり多く治してきたから目立ってはいないがな。」
えっ?
それは、嘘よ。
だって、平民だった時のシミとかそばかすとか、全部綺麗に出来たもの。
あたしは知ってる。あたしの力は治癒だけじゃないってこと。お肌をきめ細かくするとか、ほんの少し鼻を高くするとか、唇をぷるぷるつやつやにするのも、願えば叶うの。
もちろん、他の人には秘密。美しくなるのはあたしだけでいいから。
でも、それに、魔力は使ってなかったということ?
使者の男は、困惑するあたしを気にも留めず、何か長い巻き物を読み上げている。
「君の罪は、今は禁術とされている『魅了』と同等の魔術を使い、高位貴族令息や王子を依存症にし、再起不能としたこと。数多くの婚約者持ちの令息とまぐわい、不貞相手となり、複数の婚約を破棄させたこと。
また、他人の寿命を縮めているとは知らなかったらしいが、立派な殺人未遂。
それから令息らを唆し、水の巫子様に暴力を振るわせる一端を担ったことも大罪だ。それから……」
「あははっ!なに、言っているの?プリシラは悪くないじゃない!可愛いプリシラを好きになるのは仕方ないもの!治癒だって、プリシラがやってあげたら喜んで受けに来た!プリシラはそれに応えただけでしょう!?ぷぷっ!しかも、お金ももらってないのよ。シュリエルだって、プリシラは何にも言ってない。シリウスが勝手に殴っただけ!」
あたしは笑った。面白すぎるわ!だって、あたしの罪なんてあるわけが無い。
少し可愛すぎただけ。
男達がやったことは彼らの責任だし、治癒もお願いされたから施してあげただけ。
ほら。何一つも悪くないじゃない!
「余計にタチが悪いな。金をもらって無ければ人の命を縮めていいのか?違うだろう。確かにろくに調べもせず祭り上げた王家にも責任はあるが、調子に乗りすぎた君にも罪はある。そもそも、王子を再起不能にし、後遺症まで残した罪だけでも死刑ものだぞ」
「プリシラは聖女なんだから!こんな腕輪さえ無ければ治してあげられるの。分かったらさっさと元に戻して!」
使者は長文を読み上げて疲れたように息を吐き、あたしの抗議の声も無視して去っていった。待ってよ。あたし、何一つも納得できないのだけど!
しばらくすると、白衣を着たおじいちゃんがやってきて、あたしをしげしげと診察する。魔力がゾワゾワとあたしを通っていって、ふむふむとヒゲを撫でながら頷いている。
流石におじいちゃんだし、ここから出してくれる権力も無さそうだから、身体を使う必要はない、わよね……?
「こりゃ、面白い。今まで見たことのない症例じゃ。ガワは40代、中身は老衰直前。あとは……まぁ、まだ分からん。ふむ……様子見じゃ」
「は?なに、それ?ろうすい、って……」
おじいちゃんはあたしの言葉を聞き、顔を顰める。
「10代ならまだしも、この年齢でその言葉遣い。薄気味悪いのう。教育を受けられなかったお主も、不憫じゃな……」
「なんなの、この人!出て行って!クソジジイ!」
「ふぉっ、ふぉっ。はて、次はどこじゃったかな……」
老人は腹立たしいほど和やかに笑って去っていく。
あんな人の言うことなんて、間に受けないんだからっ!
「プリシラは、聖女よ?何故こんなところにいなくちゃいけないんですか?」
「……。」
監視する人は、一切あたしを見ようともしない。
こんなに可愛いのに!あーわかった、コイツ絶対小さい。
仕方なく瞳をうるうるさせて「抱きたいんですね……?」って微笑みかけても反応すらしないんだもの。
あたしを引き取った男爵は顔を真っ赤にさせて、足を踏み鳴らし、ひとしきり暴言を浴びせたあと、疲れたように肩をガックリと落としていた。
「お前のせいで!お前のせいで……っ!もうこの家はお終いだ!私の代で没落だ!クソ、この魔女め……!」
「プリシラ、あなたに引き取ってって頼んだ覚えないですよ?人のせいにしないでくれます?」
「……っどの口が言う!これだけ!何不自由なく!色々と世話をしたのに仇で返しやがって!」
憔悴したようにとぼとぼと去っていくこの男はもう、あたしのドレスや化粧品をひとつもくれなくなった。お風呂も入れず、冷たいバケツと布巾だけ寄越された。
全然、汚れが落ちない。少し、ほんの少しだけ、匂うような気がする。
でも、でも、まだ可愛いはず。
あたしのお気に入りの令息たちは、一日に何度かこの牢を訪れる。必ず聖銀色の髪の神官を連れて。どいつもこいつもシュリエルに見えて本当に腹が立つ。
でも、男の子達に見られているから当たるのは我慢しなくちゃ。見てない時に睨むくらい、いいよね?
彼らの訪問頻度は、徐々に減っていった。
来ても、しばらくぼうっとするだけで、助けようとしてくれる人はいなくて。
しばらく経って、段々お腹が膨らんできた。
そういえば、最後に生理来たの、いつだっけ?
薬師が呼ばれて、妊娠していると告げられた。
やった!ディルクの子供にちがいないわ!ディルクと結婚して、王族の子供を産んで、あたしは王太子妃ね!
そう思っていたのに、ディルクはただぼんやりしている。あれ、こんなに目が虚だったっけ?なんだか格好良くない。
シュリエルの婚約者だったディルクはとても格好良く見えたのに、なんでかなぁ。
でも、いいや。ディルクが痩せても太っても、王太子になることは違いないんだから。
早く牢から出してくれないと。
王太子妃に相応しい格好にならなきゃでしょ?
そう言っているのに一向に出してくれず、何回か腕輪の交換をして、とうとう誰も来なくなった。
なんで?
あたしは未来の王妃なのよ?たくさんの高位貴族の令息もみんなわたしのものになるのに、こんなことをして許されると思ってる?
「今すぐに出しなさい。今出せば、貴方だけは引き立ててあげます」
「……」
監視人は、「コイツ何言ってんだ」みたいな顔をして無視するだけ。
何度も何度も言って説得すれば、また人が変わる。
あたしは諦めない。
また何度も言い聞かせる。面倒だけど。
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