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本編
35 ディルク・アスタナ・ルルーガレス
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――――――――ディルク 視点
水の中でもがいているような感覚が続き、気付けば見たこともない屋敷で横になっていた。誰か、シュリエルに似たシュリエルでない人に手を引かれると、頭が少しだけはっきりする。
しかしその時間は僅かで、すぐにプリシラを欲した。
ガンガンと鐘を鳴らすような頭痛が止まらない。目を瞑れば、学園の中庭で美しく笑うプリシラをいくらでも思い描けるのに、どこにも、いない。
彼女に触れ、口付け、貪らなければならないのに、プリシラだと言われて会わされたのは、檻の中に入っている女。
プリシラはどこだ?プリシラとは似ても似つかない、中年女しかいないじゃないか。
「プリシラは……?プリシラ……、お前は、誰だ……プリシラ……プリシラは……」
「何を言っているんですか……?ディル、あなたのプリシラですよっ!はやく、ここからプリシラを助けて!」
その女はシミだらけの腕でしがみつこうとしてくる。
ローズブロンドではない、白髪の間から見える、染色に失敗したような汚い赤褐色の髪。
プリシラの訳がない。
上目遣いをする瞳は濁った空色で、白目も歯も黄色く変色している。気味が悪い。
それでもその女の側にいるといくらかマシだった。決して近付きはせず、しばらくぼんやりして、また寝床に戻される日々。
少しずつ霧の晴れていくように、意識が浮かび上がってくる。
ふと気付けば、私の周りには、同じように意識の混濁した令息がたくさんいた。
人数が多すぎて部屋数が足りず、同じ部屋に寝台をいくつか並べている部屋もあるらしい。その中にはシリウスの姿もあった。
「ディルク殿下……」
騎士団長令息で、嫡男だったシリウス。
彼がぽそぽそと言うには、廃嫡どころか、貴族籍も抜かれることになったらしい。最後の情けで、完全に回復しきったと同時にその手続きがされるよう、準備は万端だとか。
シュリエルに暴力を振るっていたことは、拘束された令息らの聴取で判明してしまった。当然、王達も知るところとなり、騎士としての採用は絶望的だった。
騎士団長は『無抵抗の、それも、我々の大変世話になっている、決して頭の上がらない、水の巫子様に暴力を振るうために、その力をつけさせたのではない!』と、屋敷の一部を破損するほど怒り狂っていたらしい。
当たり前だ。
水の巫子を痛めつけるなど、今思えば国賊と呼ばれても仕方がないし、それは、残念ながら、シリウスをけしかけた私も同罪。
そして、衝撃的なことに、プリシラを抱いていたことも告白した。
「なっ……、プリシラは、私、だけ、だと……」
「それは……私にもそう言っていましたが、他の令息と話をすると分かりました。この屋敷に押し込められている令息ら全員と身体の関係があります」
愕然とした。
あの愛らしいプリシラが、そんな娼婦のようなことをする筈がない。
しかし、事実として、プリシラはこの屋敷に押し込められた令息の全員と関係していた。
彼らーー私も含めて、味覚は消え、快感も得ずらくなり、時折頭痛に苦しまされる。
回復しきったとしても、その未来は明るくない。
嫡男は廃嫡され、平民になったり、条件のあまりよくない政略結婚の駒になったり。婚約破棄してしまった令嬢への慰謝料を払うために、家に貢献しなくてはならない。
そう、希望が無くとも、無理やり生きていくしかない。
彼らの中でも、私は一番強く彼女の力の影響を受けていたらしく、先に回復したシリウスから同情の視線を寄越されたのが気に食わなかった。
ようやく思考ができるようになった時には、惨状に頭を抱えることになった。
何故、婚約を解消してしまったのだろうか?シュリエルほど素晴らしい人は居なかったし、プリシラと出会うまでは私なりに大事にしていたはず。
教会の教えで、贅沢品を身につけられないシュリエルに贈り物はできなかったが、彼の好きな薔薇園での散歩は、エスコートをする私の癒しでもあった。
愛というよりは、穏やかな友情に近い。
それでも、時がくれば伴侶。
大切にしようと誓っていたんだ。
陛下から使者が寄越された。
陛下の書状を読み上げる男の声が、遠くに聞こえるほど、衝撃的な事実に愕然とする。
「えっ?……えっ?はっ?」
「殿下。落ち着いて聞いてください。まだあります……」
プリシラは、聖女ではなかった。
【夢見の力】という稀有な才能を悪用し、私も含めて、数々の貴族を再起不能なまでに誑かした。
巧みに周囲を味方につけ、この国の至宝の水の巫子、シュリエルを追い詰め、最終的に追い出した。
そしてその被害を拡大させ、シュリエルを追い出した実行犯は、私だった。
牢の中の女はプリシラ本人だった。
プリシラはもう、女神のように輝いてはいなかった。
そこにいたのは、焦点の合わない目をギョロギョロと動かし、痩せて腹ばかり大きい、老婆のような女。それも、反省のハの字も無く、今だに聖女だから出せと喚き続けている。
陛下の話では、シュリエルはこの夢見の力についての考察を記した手記を残してくれたらしい。魔術師団長や魔術研究家も唸る程見事なものだったという。
そこから専門家が推測した。
プリシラは常時自分をよく見せるために【夢見の力】を発動し続けていた。そしてその力は寿命を削るものだから、加速度的に老化が進んでいた。それも、生命力を使い切る寸前まで。
その結果、魔力を封じた途端、このような老婆の姿になったのではないか、と。
何故、こんな化け物のような女を愛していたのか?愛していると思い込んでいたのか?
夢見の力によって操作されたにしても、恐ろしかった。
………
杖をつけば歩ける程度に回復し、王城に戻っても、まだ後遺症は残っている。
何を食べても砂を噛んでいるようで、全く味覚が働かない。何をしても楽しくない。プリシラを抱いた時の焼け付くような快感を得られない。自慰もダメなら、商売女でもダメだった。
まだ定期的に神官に診てもらっている。やたら冷たい目をした神官にはもうこれ以上治らないと言われたが、そのはずがない。実際、治癒をかけてもらえば、ほんの少しだけ、頭痛が和らぐのに。
今はこちらが懇願して、やっと来てもらっている状態だ。
感情が死に、何のために生きているのか分からない。
プリシラと出会う前に出来たことが出来なくなっている。私はもう一度、一から勉学に励み直さなくてはならないのに、頭の回転が鈍い、気がする。集中が続かない。
今、私の執務は全て陛下の弟――叔父がこなしているらしい。その息子も優秀らしく、叔父の手伝いと称して任されているらしいが、どうも嫌な予感がする。
シュリエルが、いれば。
あの誰も近寄れない程神がかった美しさを持ち、甲斐甲斐しく私に尽くしてくれたシュリエルならば。
私は王太子への道に返り咲けるだろう。
この神官ですら匙を投げた後遺症も、彼ならば、治してもらえるかもしれない。
唯一の光だった。
彼のことを考えれば、鈍くなった感情も起伏をし、欲望を勃たせることも出来た。
シュリエルと再婚約を結びたい、と言うと、陛下は顔を顰めた。なんと、シュリエルはあの厳しい王子と婚約したらしい。
「そんな……!?」
「お前に言うのかは迷っていたが……。先日その知らせが届いたばかりだ。全く、お前はみすみすシュリエルを逃すような真似をして……」
「っ、それなら!まだ間に合うはずです!彼は私を愛していたんだ!私だって、あんな女に誑かされなければ……!」
「何を言っている?お前のやったことが帳消しになる訳でもないだろう。完全に、もう手遅れだ……ああ……」
いや、彼は間違いなく、私を愛していた。
私は魔女によって囚われてしまったがために彼を手放したが、本意ではない。そう説得をすれば、優しく、慈悲深いシュリエルはきっと私の元に戻ってくるはずだ。
陛下は、可能性は限りなく低いがそれで気が済むならと、一度聞いてみると言ってくれた。もし再婚約できれば立太子、できなければ廃嫡し、叔父の息子を立太子させると。
廃嫡した後は、辺境にある小さな王領で男爵となるらしい。少し調べたが本当に猫の額とも呼べる程小さな領。
開拓村のような貧しい村がぽつぽつと存在して、領主の屋敷は小屋のような小ささらしい。
絶対に嫌だ。
シリウスは行き場がもう無いため、着いてくる気満々だ。確かにシュリエルに躾と称して手を上げさせたのは私の指示によるもの。
責任をとって彼を雇ってやらねばならないが……そんな所にいればいつ魔物の襲撃に遭うか分からないし、社交界にも出られなくなるだろう。
陛下は私を廃嫡する気で動いているようだ。どうにか回避しなければ。
「!」
そうだ、まだ、婚約。
『婚姻』では無い。
まだ、チャンスはある。
私の将来を奪った憎き魔女は、今もなお男爵の屋敷の地下にいる。
あの女は私の子供を身ごもっていると言うが、誰の子か分からない。
万が一私の子だとしても、あれの血を引いている時点で恐ろしい。
やはり、私にはシュリエルでなくては。
まずは早く回復して、衰えた体力も戻して。
待っていてくれ。私の、シュリエル。
水の中でもがいているような感覚が続き、気付けば見たこともない屋敷で横になっていた。誰か、シュリエルに似たシュリエルでない人に手を引かれると、頭が少しだけはっきりする。
しかしその時間は僅かで、すぐにプリシラを欲した。
ガンガンと鐘を鳴らすような頭痛が止まらない。目を瞑れば、学園の中庭で美しく笑うプリシラをいくらでも思い描けるのに、どこにも、いない。
彼女に触れ、口付け、貪らなければならないのに、プリシラだと言われて会わされたのは、檻の中に入っている女。
プリシラはどこだ?プリシラとは似ても似つかない、中年女しかいないじゃないか。
「プリシラは……?プリシラ……、お前は、誰だ……プリシラ……プリシラは……」
「何を言っているんですか……?ディル、あなたのプリシラですよっ!はやく、ここからプリシラを助けて!」
その女はシミだらけの腕でしがみつこうとしてくる。
ローズブロンドではない、白髪の間から見える、染色に失敗したような汚い赤褐色の髪。
プリシラの訳がない。
上目遣いをする瞳は濁った空色で、白目も歯も黄色く変色している。気味が悪い。
それでもその女の側にいるといくらかマシだった。決して近付きはせず、しばらくぼんやりして、また寝床に戻される日々。
少しずつ霧の晴れていくように、意識が浮かび上がってくる。
ふと気付けば、私の周りには、同じように意識の混濁した令息がたくさんいた。
人数が多すぎて部屋数が足りず、同じ部屋に寝台をいくつか並べている部屋もあるらしい。その中にはシリウスの姿もあった。
「ディルク殿下……」
騎士団長令息で、嫡男だったシリウス。
彼がぽそぽそと言うには、廃嫡どころか、貴族籍も抜かれることになったらしい。最後の情けで、完全に回復しきったと同時にその手続きがされるよう、準備は万端だとか。
シュリエルに暴力を振るっていたことは、拘束された令息らの聴取で判明してしまった。当然、王達も知るところとなり、騎士としての採用は絶望的だった。
騎士団長は『無抵抗の、それも、我々の大変世話になっている、決して頭の上がらない、水の巫子様に暴力を振るうために、その力をつけさせたのではない!』と、屋敷の一部を破損するほど怒り狂っていたらしい。
当たり前だ。
水の巫子を痛めつけるなど、今思えば国賊と呼ばれても仕方がないし、それは、残念ながら、シリウスをけしかけた私も同罪。
そして、衝撃的なことに、プリシラを抱いていたことも告白した。
「なっ……、プリシラは、私、だけ、だと……」
「それは……私にもそう言っていましたが、他の令息と話をすると分かりました。この屋敷に押し込められている令息ら全員と身体の関係があります」
愕然とした。
あの愛らしいプリシラが、そんな娼婦のようなことをする筈がない。
しかし、事実として、プリシラはこの屋敷に押し込められた令息の全員と関係していた。
彼らーー私も含めて、味覚は消え、快感も得ずらくなり、時折頭痛に苦しまされる。
回復しきったとしても、その未来は明るくない。
嫡男は廃嫡され、平民になったり、条件のあまりよくない政略結婚の駒になったり。婚約破棄してしまった令嬢への慰謝料を払うために、家に貢献しなくてはならない。
そう、希望が無くとも、無理やり生きていくしかない。
彼らの中でも、私は一番強く彼女の力の影響を受けていたらしく、先に回復したシリウスから同情の視線を寄越されたのが気に食わなかった。
ようやく思考ができるようになった時には、惨状に頭を抱えることになった。
何故、婚約を解消してしまったのだろうか?シュリエルほど素晴らしい人は居なかったし、プリシラと出会うまでは私なりに大事にしていたはず。
教会の教えで、贅沢品を身につけられないシュリエルに贈り物はできなかったが、彼の好きな薔薇園での散歩は、エスコートをする私の癒しでもあった。
愛というよりは、穏やかな友情に近い。
それでも、時がくれば伴侶。
大切にしようと誓っていたんだ。
陛下から使者が寄越された。
陛下の書状を読み上げる男の声が、遠くに聞こえるほど、衝撃的な事実に愕然とする。
「えっ?……えっ?はっ?」
「殿下。落ち着いて聞いてください。まだあります……」
プリシラは、聖女ではなかった。
【夢見の力】という稀有な才能を悪用し、私も含めて、数々の貴族を再起不能なまでに誑かした。
巧みに周囲を味方につけ、この国の至宝の水の巫子、シュリエルを追い詰め、最終的に追い出した。
そしてその被害を拡大させ、シュリエルを追い出した実行犯は、私だった。
牢の中の女はプリシラ本人だった。
プリシラはもう、女神のように輝いてはいなかった。
そこにいたのは、焦点の合わない目をギョロギョロと動かし、痩せて腹ばかり大きい、老婆のような女。それも、反省のハの字も無く、今だに聖女だから出せと喚き続けている。
陛下の話では、シュリエルはこの夢見の力についての考察を記した手記を残してくれたらしい。魔術師団長や魔術研究家も唸る程見事なものだったという。
そこから専門家が推測した。
プリシラは常時自分をよく見せるために【夢見の力】を発動し続けていた。そしてその力は寿命を削るものだから、加速度的に老化が進んでいた。それも、生命力を使い切る寸前まで。
その結果、魔力を封じた途端、このような老婆の姿になったのではないか、と。
何故、こんな化け物のような女を愛していたのか?愛していると思い込んでいたのか?
夢見の力によって操作されたにしても、恐ろしかった。
………
杖をつけば歩ける程度に回復し、王城に戻っても、まだ後遺症は残っている。
何を食べても砂を噛んでいるようで、全く味覚が働かない。何をしても楽しくない。プリシラを抱いた時の焼け付くような快感を得られない。自慰もダメなら、商売女でもダメだった。
まだ定期的に神官に診てもらっている。やたら冷たい目をした神官にはもうこれ以上治らないと言われたが、そのはずがない。実際、治癒をかけてもらえば、ほんの少しだけ、頭痛が和らぐのに。
今はこちらが懇願して、やっと来てもらっている状態だ。
感情が死に、何のために生きているのか分からない。
プリシラと出会う前に出来たことが出来なくなっている。私はもう一度、一から勉学に励み直さなくてはならないのに、頭の回転が鈍い、気がする。集中が続かない。
今、私の執務は全て陛下の弟――叔父がこなしているらしい。その息子も優秀らしく、叔父の手伝いと称して任されているらしいが、どうも嫌な予感がする。
シュリエルが、いれば。
あの誰も近寄れない程神がかった美しさを持ち、甲斐甲斐しく私に尽くしてくれたシュリエルならば。
私は王太子への道に返り咲けるだろう。
この神官ですら匙を投げた後遺症も、彼ならば、治してもらえるかもしれない。
唯一の光だった。
彼のことを考えれば、鈍くなった感情も起伏をし、欲望を勃たせることも出来た。
シュリエルと再婚約を結びたい、と言うと、陛下は顔を顰めた。なんと、シュリエルはあの厳しい王子と婚約したらしい。
「そんな……!?」
「お前に言うのかは迷っていたが……。先日その知らせが届いたばかりだ。全く、お前はみすみすシュリエルを逃すような真似をして……」
「っ、それなら!まだ間に合うはずです!彼は私を愛していたんだ!私だって、あんな女に誑かされなければ……!」
「何を言っている?お前のやったことが帳消しになる訳でもないだろう。完全に、もう手遅れだ……ああ……」
いや、彼は間違いなく、私を愛していた。
私は魔女によって囚われてしまったがために彼を手放したが、本意ではない。そう説得をすれば、優しく、慈悲深いシュリエルはきっと私の元に戻ってくるはずだ。
陛下は、可能性は限りなく低いがそれで気が済むならと、一度聞いてみると言ってくれた。もし再婚約できれば立太子、できなければ廃嫡し、叔父の息子を立太子させると。
廃嫡した後は、辺境にある小さな王領で男爵となるらしい。少し調べたが本当に猫の額とも呼べる程小さな領。
開拓村のような貧しい村がぽつぽつと存在して、領主の屋敷は小屋のような小ささらしい。
絶対に嫌だ。
シリウスは行き場がもう無いため、着いてくる気満々だ。確かにシュリエルに躾と称して手を上げさせたのは私の指示によるもの。
責任をとって彼を雇ってやらねばならないが……そんな所にいればいつ魔物の襲撃に遭うか分からないし、社交界にも出られなくなるだろう。
陛下は私を廃嫡する気で動いているようだ。どうにか回避しなければ。
「!」
そうだ、まだ、婚約。
『婚姻』では無い。
まだ、チャンスはある。
私の将来を奪った憎き魔女は、今もなお男爵の屋敷の地下にいる。
あの女は私の子供を身ごもっていると言うが、誰の子か分からない。
万が一私の子だとしても、あれの血を引いている時点で恐ろしい。
やはり、私にはシュリエルでなくては。
まずは早く回復して、衰えた体力も戻して。
待っていてくれ。私の、シュリエル。
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