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本編
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しおりを挟む「えと、その、随分余裕そうで、ほら、全然手を出してこないし……っ、ンンッ!」
「そんな心配、要らないって分かる?」
グロリアスは服を脱ぎ去った。逞しく鍛えられた鋼みたいな身体に……、はち切れそうな程の欲望を、反り立たせて。ドクドク、と脈打つたびに震えるソレは、ちょうど子供の腕くらいには巨大だった。
「怖く、ないかな。シオン……」
「ちょっと……だけ。でも、嫌じゃない」
「手を出さなかったのは、君を怖がらせたくなかったから。でも、もう大丈夫みたいだね?……もし怖くなったら、言うんだよ」
グロリアスは優しく、優しく、深いキスをした。
鼻にかかったような声が出るのは、もっともっとと、わがままな僕が、グロリアスを欲しているから。
本来ブロディに丁寧に外してもらうべき髪飾りや衣装は、空間収納へ突っ込まれた。気にする余裕は、無くなっていた。壊してはいないので、今はグロリアスのことだけを考えていたい。
「……すごく、綺麗だよ、シオン」
「な……」
「俺のシオン。はぁ、なんて綺麗なんだろう」
「そんな、ことっ、な……」
「美味しそうだ」
グロリアスは唇から首、耳、鎖骨、胸……、全ての肌という肌を舐めて、まるで毛繕いされているみたい。特に猫耳は、あ、あ、と声が出てしまうくらいに、過敏に。
グロリアスに舐められたところはいつになく敏感になり、ピクピクと反応し、何か魔法を使われたかのように火照っていた。
儀式の後だから、後ろの孔からは何もしなくても粘液のようなものが分泌されていて、それがシーツを濡らし、冷たく感じられるほど。しなやかな銀のしっぽは、ゆらゆらと揺れてグロリアスのフサフサしっぽに絡みつき、そこもこすれて気持ちがいい。
蕾の皺を丹念になぞり、伸ばして、ようやく指が入ってきただけで、待ち望んだ快楽に体が跳ねた。
「ふ、あっ……~~っ、や……っ」
「可愛い……」
「あっ、はぁ、はぁ、んっ……!」
グロリアスの指は、僕の良いところをすぐに習得したらしい。二本、三本と、増えていく指に内部を弄られ、そわそわと腰が浮く。
そんなに顔を見つめないで欲しい、恥ずかしい。思わず手で顔を覆うと、片手で両手をむんずと掴まれ、頭上に固定されてしまった。
「ふふ、可愛いね、シオン。子うさぎさんみたい」
「そんなんじゃ、……っ、はぁ、ああああ!」
ぐっ。ある所を押されて、目の前が弾けた!
白い星がちかちか飛ぶ。なに、これ。なに、それ。
ガクガクとイッた僕の後孔から指が引き抜かれると、グロリアスの熱く滾った杭が、性急にあてがわれた。
「あぁ、シオン。ごめんね、もう止まれない」
「い、いいから、……ひぁぁあ……っ」
ぐちゅりと入ってきた……!
僕の内側は随分と柔らかくなっていたようで、巨大な肉棒を歓迎するように、締め付けながら受け入れていく。
背中がぞわぞわするほどの快楽が、襲ってくる。グロリアスは僕を気遣ってか、ほとんど沈みこむようにして、ゆっくりと、埋め込んでいった。
「うっ……あ、ッ……、す、っごい……」
おっき……、と思わず呟いてしまうくらい、大きくて、硬くて、張り詰めている。
グロリアスの、一部が、僕の中に。
一つに、なったんだ。
全身から歓喜が沸き上がって溢れ、思わず微笑んだのに、ぽろぽろ涙が出た。
「……悪い子。そんな可愛い顔をして、俺を試すなんて」
「あっ、あっ、ああっ、ひ――――」
ドッ、と奥まで嵌め込まれた。最奥に当たって、少しの痛み。それはすぐに、恐ろしい程の快楽へと変わる。
まるで、僕の中心まで貪欲に混ざりたがっているみたい。グロリアスも、僕と一つになりたい、ってこと、だよね?
「動く、ね」
ぼたぼたと落ちてくる汗が、甘く感じる。思わず舐めとると、グロリアスはいっそう僕を恨むように睨み、うっそりと笑った。
「……本当に、君って人は……!」
「ああああ!だめ、ァアッ!」
溶けてしまうほど気持ち良い!
ずっちゅずっちゅと泡立つ粘液と、粘膜の摩擦。薄い下腹を穿つ剛直に翻弄されるがまま。グロリアスの動きは、僕を呼吸困難にさせる程の快楽へ叩き込み、僕はもはや、泣きっぱなしだ。
「うぁ……ッ!あ!あ!ああッ――――」
「ん、……っ、」
激しく揺さぶられ、背中もつま先も反って達した。長い長い絶頂に、脳がイカれそう。
お腹の中にたっぷり、ドクドクと溢れていく熱。グロリアスの我慢と辛抱が一気に溶け込んだような濃厚なソレで、僕は満たされていく。満タンだ……。
動きをやめたグロリアスから離れたくなくて、腕も脚も使って、ぎゅっとしがみ付く。
「ねぇ……シオン」
「……………………なぁに…………?」
「俺、枯れてないって証明するね」
「うっ!?」
放っていたはずのグロリアスの欲望は、また固くなっていた。
嘘でしょ!?下腹の圧迫感が、復活していた。
「ご、ごめんなさ……」
「たっぷり、教えてあげる」
「ひゃあぁあああ!」
その晩。
僕は、グロリアスがいかに男盛りで、枯れているどころか充分に漲っているかを、とことん分からせられたのだった。
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