婚約破棄された銀の猫は、チートスキルと激甘伴侶をゲットしました

カシナシ

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本編

44 グロリアスside ※

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ーーーーーーーーーーーーグロリアスside


 シオンを一度でも抱いた奴は散々弱らせて鉱山へ送った俺だったが、それでも甘かったかもしれない。

 分かってしまった。男たちが、シオンを抱くことに執着した訳が。シオンの前では純粋無垢な子供を装ったり、紳士を気取っていた俺は、今やただの一匹の雄。


 勝気で強い紫の瞳は、涙の粒が転がり落ちるほど潤み、時に睨まれると、変なところがギュッと掴まれるくらいにたまらない。

 シミひとつない白い肌を桃色に染めると、しっとりと汗をかいて極上の触り心地となる。俺の手のためのような肌にうっとりと沿わせると、真っ赤な唇から甘い吐息を吐き、小さな舌が、降参するようにちらりと覗く。

 ああ、どうしてこうも、劣情を誘うのか。

 それでも、怖がる素振りを見せない健気なシオンに、俺はずぶずぶと、遠慮なく、幾度と体を繋げた。儀式で性欲増強の祝福————自分で無ければ分からないだろうが————を授かった俺の、欲望の強さに自分でも引いている。シオンを前にした興奮は生来のものでも苦しいほどなのに、追い討ちのような祝福。

 そんな俺に、小さな声で『……いいから、来て』なんて言われた日には、三日三晩離せなくなったのも仕方ない。そこは諦めて欲しい。

 何せこれまで手を繋いで寝ていた時の記憶もあって、夜中悶々とし過ぎて、こっそり抜け出し修行した日もあった。子供の身体ならまだしも、成熟した身体だと狂いそうなほどだったんだ。

 儀式を経たからなのか、元々の素質なのか、シオンは敏感で感じやすく、何度も絶頂した。『何これ、知らない』と快感に翻弄されるシオンは、初心で可愛い。

 体の経験はあっても、快感とは程遠かったのだろう。逆に言えば、それだけ俺で感じてくれている。俺を、好きだと言うこと。
 くっ、と瞼を閉じて耐える姿が可愛くて、健気で、ついついやり過ぎてしまった。

 俺だって魔力は多いが、シオンの魔力の多さは突き抜けており、体液の甘さによく現れていた。まるで甘露のような上品な甘さで、砂糖のそれとは違う味わいはいくらでも啜れる。俺はシオンの全身を、汗を涙を白露を、全て味わい尽くした。もう一滴残さず、俺のものだ。









 朝日に照らされた綺麗な身体は、天使のように清らかだ。腕の中にすっぽりとおさまり、すうすうと寝息を立てている様子は、そのまま天界へと攫われてしまいそうで、ぎゅっと抱きしめる。頭の上の凛々しい銀の猫耳は、今だけは疲れたようにへにゃりと折れていた。

 裸の肌が触れ合って、つい、手が伸びる。

 ぷりん、と上がった尻を撫でて、割り開き、蕾に触れる。まだふわふわでトロトロ状態の孔に、俺の指は自然と、吸い込まれるように入っていく。

「んっ……」

 壮絶な色気に、俺はゾクリと震えた。
 はぁ、とシオンの無意識の吐息を、舌舐めずりしながら眺めて。俺だって、はぁ。……食べたい。

 どこまでしたら起きるだろう。指で浅いところを押してみる。

「ん……、ん、……っ、ふ……」

 クチュクチュと、また愛液が増えていく。身体は確実に感じていて、その証拠に、すらりとした尻尾が揺れている。
 シオンはもう、そういう身体になったんだ。俺の、ために。違った。俺との、子供を作るために。
 感動しながら、浅く、弱い快感を続けて送る。

「あ……っ、ん、ハァッ、」

 長い睫毛が震えている。さっきから出ている悩ましい声は、俺を簡単に狂わせる。ビンッ!と姿勢良く待機している己の欲望を、後孔の縁に擦り付け、ぺとぺとと往復させた。はぁ、いれたい。怒るかな、起きるかな。

「んぁ……っ、ん、え、えぁ!?」
「シオン……おはよ」
「え、なん、うそ、え?!」

 やっと起きたシオンは目をぱちくりと見開き、何をされているのかを把握すると、みるみる紅に染まっていく。可愛い。あぁ、もう限界。

「あっ、朝から!?うそっ……」
「ごめんね。……すごく、愛しくなっちゃって……」
「う……」
「お願い、触れさせて。だめかな?」

 そう言って見上げると、シオンは口元を抑えて目を逸らしている。そして、予想通り。

「い、いい……よ。うん、僕も……」
「!!」
「何だか、もう身体も、熱くなってるし……、」

 かぶりつく勢いでシオンへ覆い被さる。既に濡れそぼっていた肉壺は柔らかく、しかし魔力の高さ故に回復しきってきゅうきゅうに締まっているそこへ、ずっぷり、ぐっぽりと突き入れた。

「ぁぁぁあ…………!か、ッハ……」

 はくはくと、空気を求めた唇。急すぎたかもしれない。すでに出来上がっていた身体は、入れただけで達し、くぷくぷと薄い朝露を吐き出していた。内壁は締め殺すように強く畝り、俺は苦悶に耐えながら突き上げる。

「い、い、イッてる……っからぁ……っ!」
「可愛いね、シオン。焦点、定まってないの」

 一回り華奢な体を起こして、膝に乗せた。そのまま下から突き上げる度、シオンは俺の首にしがみついて泣きながら抗議している。でも、甘くて可愛い声。耳元でみぃみぃ鳴かれて、煽っているとしか思えない。聞き流していると、かぷりと肩口を噛まれた。……なんだ、それ。

「……………………………し、おん?」
「うっ、う、もぉっ!もう出な、い、ってば!ァァア”ッ!」
「俺を可愛さで殺す気なのかな?」

 ああ、と嘆息しながら悶絶する。噛み跡が残ってたら一生残しておきたい。それ、すごくいい。

 お返しにシオンの首筋を優しく喰むと、食べられると思ったのか、それとも何か良いポイントだったのか、盛大にイッて意識を飛ばしていた。……よく、覚えておこう。







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