魔王メーカー

壱元

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第二章 後編

第二十話

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   午前中、私とクオーテは各々木剣を手に庭にて合流した。

基礎的な練習を行うと共に、いくつか技を教え合った。

私の機動力を奪う為に彼が練習試合で使ったのは文字通り「脛打すねうち」という名前らしい。

「そうです!   それが『魂取たまとり』です。もっと素早く!」

「こうですか!?」

何気なく距離を詰め、一瞬の虚を突いて敵の背後を取る歩法「魂取」を、私は繰り出した。

技の受け手となったクオーテは、最後に眩しい程の笑顔、晴れ渡るような拍手とともに私の合格を宣言した。

   今度は私が教える番だ。

「あの、タタタッて走って近づく技。あれが僕のものになれば心強いですよ」

「分かりました。じゃあ、やってみましょうか」

私は「駿馬」を教えた。

基本的に「相手が動いてから動く」という「乾坤流」のスタイルとは相容れないが、それがかえって弱点を補うのに有効そうだ。

クオーテは要領が良く素直で、しかも武術の才能も溢れ、本当にすぐに形に成った。

「素晴らしいですね。貴方は優秀で、すごく指導しやすかったですよ」

「いやいや、グレアさんの説明が上手だったんです。使う言葉も大人びているし、貴族学校の先生みたいですよ」

純粋な好意。

ここまで耳障りのいい言葉が自然と引き出されてくると、私の苦悩もこの人には理解されるとさえ錯覚してくる。

私もまた、どうしても心の一辺が真っ直ぐになっていてしまうのだ。


    練習後、私達はそれぞれ着替えて城門で合流し、レストランに向かった。

彼のイチ押しらしいが、それなりの高級店で、出てくる品も実際かなりの上物だった。

彼とは他愛のない話をしていたが、彼は聞き手に回るのが得意な上に話も上手く、ふと気付くと私はとにかく快適な会話の中に胡座をかいていた。

    食事後、私が財布を取り出そうとするとクオーテが制止した。

「いや、ここは僕の奢りにしましょう。今日貴女を連れ出したのは僕ですから」

言葉に甘んじることにした。

彼はかなりの大金を造作もなく仕払った。

    昼下がり、私達は話しながら訳もなく街道を歩いていた。

「そういえば」

会話が一段落したところで、彼は言った。

「グレアさんには夢って、ありますか?」

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