因幡さんのショートショート劇場

因幡雄介

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籠の中 《戦国時代》

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 鷹華は赤い炎を見つめていた。


 ロウソクのようなチロチロとしたものじゃなく、それは巨大で多くのものを巻き込む紅蓮。

 形あるものを墨になるまで焼き尽くす。

 さわれば確実に皮膚は焼けただれ、肉を溶かし、骨の髄まで浸食されて死ぬだろう。


 悲鳴が聞こえる。


 女、男、老人、子供。ようしゃのない殺りくが人々の希望を壊していく。

 逃げ惑う子羊たちを追いかけて、いたぶり続けることの快感は、支配欲を十分満たしてくれる。


 私は笑っていた。

 心の奥底につっかえた棒が取り外され、快楽の海に横たわる。

 絶望と憎しみの意識が、焼かれていく人間に移っていくことが、こんなにも楽しいとは思わなかった。


 火種がすっと消えていき、


「終わりました。お疲れさまでした。姫様」

「…………」


 私はぼうぜんと、催眠術師の顔をながめていた。

 彼の手には十字架がある。

 火種だと思っていたのは、銀色の金属だった。


「どうでしたか? 気分のほうは」

「……言いたくありません」


 催眠術師から顔をそらす。

 私の深層心理が、あそこまで凶悪だとは考えてもみなかった。

 手をにぎらなければ、震えを抑えられない。

 汗がしぼられ床に落ちる。


「わかります。しかし、罪の意識を感じる必要性はありません。人は神ではないのですから。言いたくない感情を持っていたとしても、不思議ではない」


 催眠術師は黒いバックに銀の十字架をしまう。

 つばの広い帽子を深くかぶっていた。

 父が、異国から連れてきた人物らしいが、言語は達者だった。


「マリッジブルーは取り除かれたみたいですね。幸せな家庭生活を、神にお祈りしておきます」


 つばを手に持ち、軽くお辞儀をすると、催眠術師は部屋から出て行った。


 なぜ催眠などと、いかがわしいものをかけてもらったのか。

 私は今から知らない人と結婚するからだ。

 会話をかわしたこともなく、会ったこともない。

 精神が不調になってもおかしくない。


 同盟国同士の結婚。


 私の国『鈴蘭』と、『芥子』の国は同盟を結んでいて、突然芥子の国の国主さまと結婚することが決まった。

 姻戚関係になることで、侵略戦争はしないという契約。

 昔から続いている風習だった。


 ずっと家に閉じ込めていたのに、国のために結婚しろだなんて。

 不調だと訴えても、専門の催眠術師がきただけで、父も母もこなかった。

 唯一のなぐさめは、飼っている緑の小鳥、ピヨピーだけだ。




 結婚の議は素早く終わり、私は芥子の国に嫁いだ。

 国主の名前は差羽といった。

 数回会って、逃げるように、部屋に閉じこもった。


 暇になると、お城の台所で料理することにした。

 台所頭の女性は気さくで、友達みたいに話しかけてくれる。

 年は五つ上だけど、同年代の女の子はかしこまって逃げてしまう。

 食事はこの城で働く人のために作るのであって、国主さまのためじゃない。


 ピヨピーを入れた鳥かごを置いて、黒豆を水で煮ていると、

「あんたさぁ。いいかげん差羽さまの食事を作ったらどうだい?」

 台所頭がとなりで肘を突っついてきた。


 黙る。

 この国の人は、国主さまを気楽に名前で呼んでる。

 私の国ではあり得ないことだった。


「結婚に納得いかないのはわかるよ。この国は同盟国の中でも地味だし、お城の人はぜいたくなんてしないからさ」

「違います。私はこの国の人のために、料理をしてるんです」

「気持ちはうれしいんだけどねぇ。この台所に入れたのは、差羽さまのために何か作るんだと思ったからさね」

「専属の料理人がいるじゃありませんか」

「そりゃいるけどさぁ。差羽さまって、庶民が作った料理でも食べる人なんだよ? 下手でも食べてくれるって」


 台所頭がズケズケ言ってきた。

 豆を転がすハシを止め、


「私の料理、まずいですか?」

「えっ? うまいと思ってたの?」


 目を白黒させる台所頭。



 うまい、と思ってた。みんな喜んで食べてくれていると。現に、ピヨピーはどんどん食べてるし。



 あっあれ? おかしいな?



 そういえば、皆苦い顔してたような……。


「おう。精が出るな」


 差羽が台所に入ってきた。農民が着る野良着姿だ。

 母が見たら、怒って口すらきかないだろう。

 あの人が私に話しかけたことはないけど、態度でわかる。


 私は彼をチラリと見て、すぐ目をそらした。

「ここは女の聖域ですよ?」

「すまんすまん。黒豆の甘煮か。鷹華が作ったのか?」

「そうです」

「どれ、それなら一つ」

 差羽はちゅうちょすることなく、口に黒豆を入れる。

 私は横目ですっと見る。彼の反応が気になった。


「これはこれは……ごほっ! ごほっ!」


 差羽は豆を吐き出して、むせていた。

 台所頭が息を飲んで、


「あんた、まさか毒を!」

「ええっ! いっ入れてないですよ!」


 私は弁明する。


 神に誓って、毒なんて入れてません!


 台所頭が豆をつまんで食べ、

「……砂糖入れすぎ」

「えっ! だって、教えられたとおりの分量で……」

「その十倍は入ってるね」

「うそっ! ちゃんと計算したのに!」

 私はパニックになってしまい、涙が出てきた。


「ははっ、気にするな。俺のほうこそ食べられなくてすまん」

「ごめんなさい! 私、どうしたらいいか!」


 私は頭と腰を下げて深く謝る。恥ずかしさと、なさけなさで、目がうるんできた。

 台所頭は大笑いだ。



「それなら侘びとして、俺と今から付き合ってくれ」



「えっ?」

「お城の外を散歩しよう。見聞を広めるにもいいぞ」

 差羽が外出を誘ってきた。

 私は嫁いでから外に出たことはない。実家でも同じだった。


「……わかりました」


 うまく誘導された。初めて国主さまと散歩する。

 してやられた気分だけど、私が悪いのだからしかたない。

 台所頭は手を振って、

「仲良く行っといで。ピヨピーは大切に預かっとくよ。あと、さっきので割った皿は片付けとく」

「ほんとっ、ごめんなさいっ!」

 私は三つも皿を落としてしまったことに気づき、涙声まで出てしまう。

 ピヨピーが鳴き始めた。

 私をなさけないと思っているのか、応援しているのかわからないけど、そそくさと台所を出て行った。




 差羽は優秀な国主だと聞いている。

 国自体は地味だが、政治家としての能力は高く、法律が特に優れていた。

 マネする同盟国もあるぐらいだ。


 群雄割拠の世の中で、同盟国との仲は大切。

 私の役割は人質として、おとなしく日々暮らすことだ。

 私の国が滅ぼされたところで、つらくはないのだけど、帰る場所がなくなるのは困る。


 父や母が、自国を守りたい気持ちはわかる。

 だけど、お城にずっと閉じ込めて、いきなり見知らぬ男性と結婚しろというのが納得いかない。

 私が生まれてきた意味とは、この程度のためなのか。


 茶色の瓦屋根の門を越えると、金色の小麦畑が眼前に広がっている。

 田舎の風景はのどかだけど、都会人からしてみれば地味。

 私はお城の外に出ても、差羽の背中についていくだけで、何もしゃべってあげなかった。


 背筋がピンとした、老婦人がきて、

「差羽さま、お元気ですか?」

「おお、ばあちゃんじゃないか。久しぶりだな? 腰のほうはどうだい?」

「すっかりよくなりました。お薬ありがとうございます。お礼にウチで取れたお野菜です」

「ありがとな。さっそくいただくよ」

 差羽は受け取った緑のキュウリを、軽快な音を立てて、歯を立てる。

 本来は毒味役が食べなければいけないのに。

 庶民に好かれる理由がわかる。

「鷹華もどうだ?」

「いただきます」

 キュウリを受け取り、私も遠慮なく食べた。

 川で冷やされていたのか、さっぱりしていてうまい。

 小言を言う母がいないので、上品さを演出する必要はない。

「あっ、差羽のにーちゃんだ!」

「おう! 鬼ごっこでもするか?」

「いいぜ! 捕まえてみろよ!」

「よっしゃ!」

 差羽は子供のように、男の子たちを追いかけていく。

 私は不覚にも笑ってしまった。

 これが彼にとっての日常なのか。

 こわもてで、部下に厳しい、私の父とはまるで違う。


 悪い人じゃないことはわかっている。

 結婚は当たりだった。

 だけど敬遠する。

 家族を持つという意識が懸け離れていて、まだ追いついてこないから。


「お姉ちゃん」


 私より小柄な少女が、はにかみながら、話しかけてきた。

 この土地に初めて足を踏み入れたとき、適度な距離を取って、そっとほほ笑んでくれていた。

 心のもやもやを埋めてくれた子だ。


「お花あげる」


 紫色の星のような花を差し出される。

 角は丸く、真ん中に生えた細かい毛は白い。

 和風にふれてはチロチロと愛らしく揺れる。


「わあっ」


 私の国では育たない種類の花だった。

 鼻腔に入ってくる、甘くて、新鮮な香り。

 見知らぬ土地で、緊張していた神経を安らげてくれる。

「あなたが育ててるの?」

「うん! 差羽さまのお嫁さんだからあげるね」

「……ありがとう」

 私は言葉をつまらせながらも、なんとかお礼を言えた。


 子供たちと鬼ごっこを終えた、差羽が帰ってくる。

 話しかけられたけど、内容はおぼえていない。

 一輪の花を両手に持ち、おなかに添えて、彼の後ろにつく。




 新緑の森を抜けて、高い崖の上までやってきた。

 鳴いているのはセミか。

 お城や町が一望できて、どこからか炭の匂いが流れてくる。

 差羽は白い歯を出して笑い、

「どうだ? 俺の国は」

「良い所、だと思います」

 素直な返事じゃない。ここは間違いなく良い所だ。

 すくなくとも、私がいた国よりかは。

「あれを見ろ。川があるだろ?」

「はい」

「農作物を安定して収穫できるように堤防を作った。治水に成功したんだ。これで農民たちは飢えずにすむ」

 差羽が緑に包まれた川を指す。

 大きな岩がかまえていて、それをさけるように、白い泡を立てた水が山の奥へ消えていく。

 財政が安定しているのもうなずけた。


「この国は俺の家族だ。みんなが幸せに暮らすために日々努力しているつもりだ。もちろん、お前も家族だ」


 差羽が抱きしめるように両手を広げる。その腕の中に、私はいる。

 私は邪険にされず、受け入れられて、親以上に愛されている。



 なのに、私はずっと子供のようにスネている。



 大人にならないと。私はここに嫁いできたんだ。この国を、人々を、守らなきゃいけないんだ。

 私は両手を強くにぎり、

「あのっ」

「うん? なんだ?」

「明日は、あっあなたのために食事を作りますね」

 顔から火がふき出した。

 恥ずかしい。

 好意を表現することが、ここまで難しいとは思わなかった。

 目をパチクリさせた差羽の顔が、徐々に柔らかくなっていき、


「ありがとう。俺も、その、なんだ……あっ愛してるよ」


 彼から初々しい返事をもらった瞬間、私の光景が闇に隠された。



 催眠術師がいる。

 十字架が振り子のように揺れる。

 私はそれを見つめている。


 十字架が、ぽっと、燃えて火の塊になった。

 人だまだ。

 それをぼうぜんとながめている。




「キーワードは『愛』です。そうあなたに言った人間を――殺しなさい」




 催眠術師は歯から牙を出してニヤついた。

 匂いがする。好きな匂いだ。

 だけど、嫌な臭いが混ざってくる。これは、血?


 私は護身用の小刀を携帯していた。

 それを手に持ち、柔らかい何かを刺している。

 うめき声が聞こえたあと、茶色い獣が地面に倒れた。


 見下ろすと、差羽がいた。

 あおむけに倒れ、胸には私の小刀が刺さっている。

 服を貫き、皮膚を破き、内臓の鼓動を奪った刃物。


 まばたきができず、ほうけたように口を開いたまま、私は立ち尽くした。

 頭の中が真っ白になっている。

 両手、両足が震え出す。




「よくやってくださいました! 姫様!」




 男の声に、意識が鮮明になる。

 三人の男が悠々とやってきた。

 忍者装束から私の国の者だとわかる。

「差羽は頭の良い男! そうそうわれらも手出しができなかった。しかし! 愛した者なら油断が生まれると思っておりました!」

 忍者が私に拍手をくれる。褒めている。

 ――何を言ってるの?

 意識が遠い。私はあなたたちのように、暗殺なんてしてない。


 差羽を殺してない。



「さあさあ! わが国の軍勢をこの国に呼びましょうぞ! 国主さまは領土拡大を望んでおられます! 男も、女も、老人も、子供も、皆殺しにしましょうぞ! 柱が壊れれば崩壊を待つばかりですからな!」



 忍者のひとりが弓矢の準備をしていた。矢の先には袋がある。

 のろしだ。

「ははあっ! 姫様も笑っておられる! 計画の成功を喜んでおられるぞ!」

 別の忍者がたきつける。

 私は手で唇にふれた。端まで割れて、頬が引きつっている。

 声を出していないのに。両目から流れてきた涙が冷たい。


 感情をうまく表現できない。


 父は荒々しい男だ。

 領土拡大のためならなんでもするだろう。



 わかっていた。



 たとえ実の娘でも、コマとして利用することを。


 炎が視野に広がっている。

 お城を燃やし、町を燃やし、焦土と化すこの国の末路が。

 何もできない私は、それを見下ろして、ただただ己の無力さに笑うだけだ。




 けっきょく、いつまでも、籠の中だ。




 紫の花が差羽の胸に落ちる。

 少女からもらった花。


 信頼の証し。


 差羽は私を家族だと認めてくれた。

 あの少女だって家族だ。あの子が殺され、ただ燃やされていくのを見つめているだけなのか。

 みんながゴミのように殺りくされていくのを、ながめているだけなのか。


 私は舌をかんだ。

 痛みで笑いがなくなる。

 口の中に、とろりと冷たい液体が充満する。


 私は差羽の妻だ。この国は私の家族なんだ。だから、守るんだ!


 差羽を刺した小刀の柄を持つ。

 それは父と母に歯向かうという行為。指先に震えがくる。



 私は、もう、籠の中の小鳥じゃない!



 刃物を引き抜こうとしたとき、あたたかい手がそっと添えられた。

 喉奥がつまる。

 あおむけに倒れていた差羽が、私を見てニッと笑った。


「そういうことか。ここまで泳がせといてよかった。やっとお前たちの目的がわかった」

「なにっ! 生きてるのか?」

「胸に地図を入れててよかった。鷹華を案内してやろうと思ってたからな」


 差羽は胸から地図が描かれた本を取り出し、驚く忍者に向かって小刀を抜く。

 薄い本だから、力を入れれば心臓に到達していただろう。

 貫通しなかったのは、私が無意識に力を押さえたからか。


「伝達役の忍者はもう捕らえられてるだろうさ。助けはこない。観念しろ」


 差羽がトドメを刺した。

 合図を送っても、私の国に伝える者はいない。

 忍者はがくぜんとする。


 森からよろいを着た武士たちが出てきた。

 竹やりを持つ農民たちもいる。

 囲まれた忍者たちは、顔を青くし、手に持った武器を落として降参した。


 私はパニックになりつつ、

「あのっ、おけがはありませんでしたか!」

「大丈夫だ。お前に何があった?」

「たぶんですけど、催眠術師に催眠か何かをかけられたと思うんです! あなたを殺すつもりはなかったんです!」

「そうだな。その涙を見てるとわかるよ」

 差羽が手でそっと、私の頬からつたわる涙をぬぐってくれた。


 差羽の手を両手で持ち頬に当てる。生命のぬくもりを感じる。生きてる。


 差羽は恥ずかしそうに頬を指でかいたあと、もう片方の腕で私の身体を引き寄せてくれた。

 彼の胸で大泣きしてしまう。

 ここまでずっと感情を押し殺していたのに。


 忍者たちは地べたに座らされ、縄で体を縛られていた。

 差羽が彼らに近づき見下ろす。

 鍛えられているだけあって、歯をかみしめ口を閉ざしていた。


「これは表のパターンのシナリオだな? 裏のパターンもあったはずだ。たとえば、俺が鷹華を殺してしまうパターン」


 差羽が忍者に刀の切っ先を向けた。

 私は、はっとした。

 差羽は忍者を寄せつけないほど、警戒心が強い。

 武術は達人クラスだと聞く。

 信用するのはこの国の人たちだけで、同盟国の連中ですら近寄りがたい雰囲気を持つ。


 私だって信用されていなかったはずだ。

 女が小刀を持って、襲ってきても、返り討ちにされていただろう。

 胸に刃を入れられたのは、信用されていたからだ。


「鷹華を殺せば、契約破棄ということで、同盟国同士でこの国を囲いつぶすつもりだったな? 姫を殺した報復というお膳立てで。まあ、お前たちにとっては、表のパターンのほうが領土拡大できてうれしいだろうが」


 差羽が小刀を、忍者たちのいる地面に投げ突き刺した。

 忍者は何も答えない。苦々しそうに、眉間にシワを寄せ、唇をかんでいるだけだ。


 推理が当たったのは明確だった。


 私は領土拡大の道具だった。

 死んでも、死ななくても、どっちでもいい。

 両親の残酷さと、見抜けなかった悔しさで、指がにぎりしめた皮膚に食い込む。


「私のこと、ぜんぜん信用してなかったんですね……」

「ぜーんぜん」

「そっそこまでなんですか?」


 涙が私の目に浮かんでしまう。



「だけど俺のために涙を流してくれた。それで信頼した。これは何かあると思った」



 いつもはひょうひょうとした表情なのに、差羽は真剣な顔で言ってくる。何かを決意している。




「催眠術師を捕らえにいこう。戦ってくれるか?」




 差羽が手を差し出した。

 意味がわかった。その手をにぎれば、私の国は滅ぼされるだろう。

 真っ赤な炎が見えた。

 希望の灯だ。

 両目を閉じると、父や母、兄妹たちの顔が浮かんできたけど、すぐに闇へと消えてなくなる。


 私は差羽の手をにぎりしめ、


「戦います。いっぱいおにぎり作りますね」

「すまない。ありがとう」


 彼は静かにほほ笑んでくれた。



 私の国がなくなったとしても後悔しない。

 身内が死んだとしても悲しまない。

 私は差羽の妻として、この国のために戦っていく。



 ここには、私たちの家族がいるのだから。




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