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籠の中 《戦国時代》
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鷹華は赤い炎を見つめていた。
ロウソクのようなチロチロとしたものじゃなく、それは巨大で多くのものを巻き込む紅蓮。
形あるものを墨になるまで焼き尽くす。
さわれば確実に皮膚は焼けただれ、肉を溶かし、骨の髄まで浸食されて死ぬだろう。
悲鳴が聞こえる。
女、男、老人、子供。ようしゃのない殺りくが人々の希望を壊していく。
逃げ惑う子羊たちを追いかけて、いたぶり続けることの快感は、支配欲を十分満たしてくれる。
私は笑っていた。
心の奥底につっかえた棒が取り外され、快楽の海に横たわる。
絶望と憎しみの意識が、焼かれていく人間に移っていくことが、こんなにも楽しいとは思わなかった。
火種がすっと消えていき、
「終わりました。お疲れさまでした。姫様」
「…………」
私はぼうぜんと、催眠術師の顔をながめていた。
彼の手には十字架がある。
火種だと思っていたのは、銀色の金属だった。
「どうでしたか? 気分のほうは」
「……言いたくありません」
催眠術師から顔をそらす。
私の深層心理が、あそこまで凶悪だとは考えてもみなかった。
手をにぎらなければ、震えを抑えられない。
汗がしぼられ床に落ちる。
「わかります。しかし、罪の意識を感じる必要性はありません。人は神ではないのですから。言いたくない感情を持っていたとしても、不思議ではない」
催眠術師は黒いバックに銀の十字架をしまう。
つばの広い帽子を深くかぶっていた。
父が、異国から連れてきた人物らしいが、言語は達者だった。
「マリッジブルーは取り除かれたみたいですね。幸せな家庭生活を、神にお祈りしておきます」
つばを手に持ち、軽くお辞儀をすると、催眠術師は部屋から出て行った。
なぜ催眠などと、いかがわしいものをかけてもらったのか。
私は今から知らない人と結婚するからだ。
会話をかわしたこともなく、会ったこともない。
精神が不調になってもおかしくない。
同盟国同士の結婚。
私の国『鈴蘭』と、『芥子』の国は同盟を結んでいて、突然芥子の国の国主さまと結婚することが決まった。
姻戚関係になることで、侵略戦争はしないという契約。
昔から続いている風習だった。
ずっと家に閉じ込めていたのに、国のために結婚しろだなんて。
不調だと訴えても、専門の催眠術師がきただけで、父も母もこなかった。
唯一のなぐさめは、飼っている緑の小鳥、ピヨピーだけだ。
結婚の議は素早く終わり、私は芥子の国に嫁いだ。
国主の名前は差羽といった。
数回会って、逃げるように、部屋に閉じこもった。
暇になると、お城の台所で料理することにした。
台所頭の女性は気さくで、友達みたいに話しかけてくれる。
年は五つ上だけど、同年代の女の子はかしこまって逃げてしまう。
食事はこの城で働く人のために作るのであって、国主さまのためじゃない。
ピヨピーを入れた鳥かごを置いて、黒豆を水で煮ていると、
「あんたさぁ。いいかげん差羽さまの食事を作ったらどうだい?」
台所頭がとなりで肘を突っついてきた。
黙る。
この国の人は、国主さまを気楽に名前で呼んでる。
私の国ではあり得ないことだった。
「結婚に納得いかないのはわかるよ。この国は同盟国の中でも地味だし、お城の人はぜいたくなんてしないからさ」
「違います。私はこの国の人のために、料理をしてるんです」
「気持ちはうれしいんだけどねぇ。この台所に入れたのは、差羽さまのために何か作るんだと思ったからさね」
「専属の料理人がいるじゃありませんか」
「そりゃいるけどさぁ。差羽さまって、庶民が作った料理でも食べる人なんだよ? 下手でも食べてくれるって」
台所頭がズケズケ言ってきた。
豆を転がすハシを止め、
「私の料理、まずいですか?」
「えっ? うまいと思ってたの?」
目を白黒させる台所頭。
うまい、と思ってた。みんな喜んで食べてくれていると。現に、ピヨピーはどんどん食べてるし。
あっあれ? おかしいな?
そういえば、皆苦い顔してたような……。
「おう。精が出るな」
差羽が台所に入ってきた。農民が着る野良着姿だ。
母が見たら、怒って口すらきかないだろう。
あの人が私に話しかけたことはないけど、態度でわかる。
私は彼をチラリと見て、すぐ目をそらした。
「ここは女の聖域ですよ?」
「すまんすまん。黒豆の甘煮か。鷹華が作ったのか?」
「そうです」
「どれ、それなら一つ」
差羽はちゅうちょすることなく、口に黒豆を入れる。
私は横目ですっと見る。彼の反応が気になった。
「これはこれは……ごほっ! ごほっ!」
差羽は豆を吐き出して、むせていた。
台所頭が息を飲んで、
「あんた、まさか毒を!」
「ええっ! いっ入れてないですよ!」
私は弁明する。
神に誓って、毒なんて入れてません!
台所頭が豆をつまんで食べ、
「……砂糖入れすぎ」
「えっ! だって、教えられたとおりの分量で……」
「その十倍は入ってるね」
「うそっ! ちゃんと計算したのに!」
私はパニックになってしまい、涙が出てきた。
「ははっ、気にするな。俺のほうこそ食べられなくてすまん」
「ごめんなさい! 私、どうしたらいいか!」
私は頭と腰を下げて深く謝る。恥ずかしさと、なさけなさで、目がうるんできた。
台所頭は大笑いだ。
「それなら侘びとして、俺と今から付き合ってくれ」
「えっ?」
「お城の外を散歩しよう。見聞を広めるにもいいぞ」
差羽が外出を誘ってきた。
私は嫁いでから外に出たことはない。実家でも同じだった。
「……わかりました」
うまく誘導された。初めて国主さまと散歩する。
してやられた気分だけど、私が悪いのだからしかたない。
台所頭は手を振って、
「仲良く行っといで。ピヨピーは大切に預かっとくよ。あと、さっきので割った皿は片付けとく」
「ほんとっ、ごめんなさいっ!」
私は三つも皿を落としてしまったことに気づき、涙声まで出てしまう。
ピヨピーが鳴き始めた。
私をなさけないと思っているのか、応援しているのかわからないけど、そそくさと台所を出て行った。
差羽は優秀な国主だと聞いている。
国自体は地味だが、政治家としての能力は高く、法律が特に優れていた。
マネする同盟国もあるぐらいだ。
群雄割拠の世の中で、同盟国との仲は大切。
私の役割は人質として、おとなしく日々暮らすことだ。
私の国が滅ぼされたところで、つらくはないのだけど、帰る場所がなくなるのは困る。
父や母が、自国を守りたい気持ちはわかる。
だけど、お城にずっと閉じ込めて、いきなり見知らぬ男性と結婚しろというのが納得いかない。
私が生まれてきた意味とは、この程度のためなのか。
茶色の瓦屋根の門を越えると、金色の小麦畑が眼前に広がっている。
田舎の風景はのどかだけど、都会人からしてみれば地味。
私はお城の外に出ても、差羽の背中についていくだけで、何もしゃべってあげなかった。
背筋がピンとした、老婦人がきて、
「差羽さま、お元気ですか?」
「おお、ばあちゃんじゃないか。久しぶりだな? 腰のほうはどうだい?」
「すっかりよくなりました。お薬ありがとうございます。お礼にウチで取れたお野菜です」
「ありがとな。さっそくいただくよ」
差羽は受け取った緑のキュウリを、軽快な音を立てて、歯を立てる。
本来は毒味役が食べなければいけないのに。
庶民に好かれる理由がわかる。
「鷹華もどうだ?」
「いただきます」
キュウリを受け取り、私も遠慮なく食べた。
川で冷やされていたのか、さっぱりしていてうまい。
小言を言う母がいないので、上品さを演出する必要はない。
「あっ、差羽のにーちゃんだ!」
「おう! 鬼ごっこでもするか?」
「いいぜ! 捕まえてみろよ!」
「よっしゃ!」
差羽は子供のように、男の子たちを追いかけていく。
私は不覚にも笑ってしまった。
これが彼にとっての日常なのか。
こわもてで、部下に厳しい、私の父とはまるで違う。
悪い人じゃないことはわかっている。
結婚は当たりだった。
だけど敬遠する。
家族を持つという意識が懸け離れていて、まだ追いついてこないから。
「お姉ちゃん」
私より小柄な少女が、はにかみながら、話しかけてきた。
この土地に初めて足を踏み入れたとき、適度な距離を取って、そっとほほ笑んでくれていた。
心のもやもやを埋めてくれた子だ。
「お花あげる」
紫色の星のような花を差し出される。
角は丸く、真ん中に生えた細かい毛は白い。
和風にふれてはチロチロと愛らしく揺れる。
「わあっ」
私の国では育たない種類の花だった。
鼻腔に入ってくる、甘くて、新鮮な香り。
見知らぬ土地で、緊張していた神経を安らげてくれる。
「あなたが育ててるの?」
「うん! 差羽さまのお嫁さんだからあげるね」
「……ありがとう」
私は言葉をつまらせながらも、なんとかお礼を言えた。
子供たちと鬼ごっこを終えた、差羽が帰ってくる。
話しかけられたけど、内容はおぼえていない。
一輪の花を両手に持ち、おなかに添えて、彼の後ろにつく。
新緑の森を抜けて、高い崖の上までやってきた。
鳴いているのはセミか。
お城や町が一望できて、どこからか炭の匂いが流れてくる。
差羽は白い歯を出して笑い、
「どうだ? 俺の国は」
「良い所、だと思います」
素直な返事じゃない。ここは間違いなく良い所だ。
すくなくとも、私がいた国よりかは。
「あれを見ろ。川があるだろ?」
「はい」
「農作物を安定して収穫できるように堤防を作った。治水に成功したんだ。これで農民たちは飢えずにすむ」
差羽が緑に包まれた川を指す。
大きな岩がかまえていて、それをさけるように、白い泡を立てた水が山の奥へ消えていく。
財政が安定しているのもうなずけた。
「この国は俺の家族だ。みんなが幸せに暮らすために日々努力しているつもりだ。もちろん、お前も家族だ」
差羽が抱きしめるように両手を広げる。その腕の中に、私はいる。
私は邪険にされず、受け入れられて、親以上に愛されている。
なのに、私はずっと子供のようにスネている。
大人にならないと。私はここに嫁いできたんだ。この国を、人々を、守らなきゃいけないんだ。
私は両手を強くにぎり、
「あのっ」
「うん? なんだ?」
「明日は、あっあなたのために食事を作りますね」
顔から火がふき出した。
恥ずかしい。
好意を表現することが、ここまで難しいとは思わなかった。
目をパチクリさせた差羽の顔が、徐々に柔らかくなっていき、
「ありがとう。俺も、その、なんだ……あっ愛してるよ」
彼から初々しい返事をもらった瞬間、私の光景が闇に隠された。
催眠術師がいる。
十字架が振り子のように揺れる。
私はそれを見つめている。
十字架が、ぽっと、燃えて火の塊になった。
人だまだ。
それをぼうぜんとながめている。
「キーワードは『愛』です。そうあなたに言った人間を――殺しなさい」
催眠術師は歯から牙を出してニヤついた。
匂いがする。好きな匂いだ。
だけど、嫌な臭いが混ざってくる。これは、血?
私は護身用の小刀を携帯していた。
それを手に持ち、柔らかい何かを刺している。
うめき声が聞こえたあと、茶色い獣が地面に倒れた。
見下ろすと、差羽がいた。
あおむけに倒れ、胸には私の小刀が刺さっている。
服を貫き、皮膚を破き、内臓の鼓動を奪った刃物。
まばたきができず、ほうけたように口を開いたまま、私は立ち尽くした。
頭の中が真っ白になっている。
両手、両足が震え出す。
「よくやってくださいました! 姫様!」
男の声に、意識が鮮明になる。
三人の男が悠々とやってきた。
忍者装束から私の国の者だとわかる。
「差羽は頭の良い男! そうそうわれらも手出しができなかった。しかし! 愛した者なら油断が生まれると思っておりました!」
忍者が私に拍手をくれる。褒めている。
――何を言ってるの?
意識が遠い。私はあなたたちのように、暗殺なんてしてない。
差羽を殺してない。
「さあさあ! わが国の軍勢をこの国に呼びましょうぞ! 国主さまは領土拡大を望んでおられます! 男も、女も、老人も、子供も、皆殺しにしましょうぞ! 柱が壊れれば崩壊を待つばかりですからな!」
忍者のひとりが弓矢の準備をしていた。矢の先には袋がある。
のろしだ。
「ははあっ! 姫様も笑っておられる! 計画の成功を喜んでおられるぞ!」
別の忍者がたきつける。
私は手で唇にふれた。端まで割れて、頬が引きつっている。
声を出していないのに。両目から流れてきた涙が冷たい。
感情をうまく表現できない。
父は荒々しい男だ。
領土拡大のためならなんでもするだろう。
わかっていた。
たとえ実の娘でも、コマとして利用することを。
炎が視野に広がっている。
お城を燃やし、町を燃やし、焦土と化すこの国の末路が。
何もできない私は、それを見下ろして、ただただ己の無力さに笑うだけだ。
けっきょく、いつまでも、籠の中だ。
紫の花が差羽の胸に落ちる。
少女からもらった花。
信頼の証し。
差羽は私を家族だと認めてくれた。
あの少女だって家族だ。あの子が殺され、ただ燃やされていくのを見つめているだけなのか。
みんながゴミのように殺りくされていくのを、ながめているだけなのか。
私は舌をかんだ。
痛みで笑いがなくなる。
口の中に、とろりと冷たい液体が充満する。
私は差羽の妻だ。この国は私の家族なんだ。だから、守るんだ!
差羽を刺した小刀の柄を持つ。
それは父と母に歯向かうという行為。指先に震えがくる。
私は、もう、籠の中の小鳥じゃない!
刃物を引き抜こうとしたとき、あたたかい手がそっと添えられた。
喉奥がつまる。
あおむけに倒れていた差羽が、私を見てニッと笑った。
「そういうことか。ここまで泳がせといてよかった。やっとお前たちの目的がわかった」
「なにっ! 生きてるのか?」
「胸に地図を入れててよかった。鷹華を案内してやろうと思ってたからな」
差羽は胸から地図が描かれた本を取り出し、驚く忍者に向かって小刀を抜く。
薄い本だから、力を入れれば心臓に到達していただろう。
貫通しなかったのは、私が無意識に力を押さえたからか。
「伝達役の忍者はもう捕らえられてるだろうさ。助けはこない。観念しろ」
差羽がトドメを刺した。
合図を送っても、私の国に伝える者はいない。
忍者はがくぜんとする。
森からよろいを着た武士たちが出てきた。
竹やりを持つ農民たちもいる。
囲まれた忍者たちは、顔を青くし、手に持った武器を落として降参した。
私はパニックになりつつ、
「あのっ、おけがはありませんでしたか!」
「大丈夫だ。お前に何があった?」
「たぶんですけど、催眠術師に催眠か何かをかけられたと思うんです! あなたを殺すつもりはなかったんです!」
「そうだな。その涙を見てるとわかるよ」
差羽が手でそっと、私の頬からつたわる涙をぬぐってくれた。
差羽の手を両手で持ち頬に当てる。生命のぬくもりを感じる。生きてる。
差羽は恥ずかしそうに頬を指でかいたあと、もう片方の腕で私の身体を引き寄せてくれた。
彼の胸で大泣きしてしまう。
ここまでずっと感情を押し殺していたのに。
忍者たちは地べたに座らされ、縄で体を縛られていた。
差羽が彼らに近づき見下ろす。
鍛えられているだけあって、歯をかみしめ口を閉ざしていた。
「これは表のパターンのシナリオだな? 裏のパターンもあったはずだ。たとえば、俺が鷹華を殺してしまうパターン」
差羽が忍者に刀の切っ先を向けた。
私は、はっとした。
差羽は忍者を寄せつけないほど、警戒心が強い。
武術は達人クラスだと聞く。
信用するのはこの国の人たちだけで、同盟国の連中ですら近寄りがたい雰囲気を持つ。
私だって信用されていなかったはずだ。
女が小刀を持って、襲ってきても、返り討ちにされていただろう。
胸に刃を入れられたのは、信用されていたからだ。
「鷹華を殺せば、契約破棄ということで、同盟国同士でこの国を囲いつぶすつもりだったな? 姫を殺した報復というお膳立てで。まあ、お前たちにとっては、表のパターンのほうが領土拡大できてうれしいだろうが」
差羽が小刀を、忍者たちのいる地面に投げ突き刺した。
忍者は何も答えない。苦々しそうに、眉間にシワを寄せ、唇をかんでいるだけだ。
推理が当たったのは明確だった。
私は領土拡大の道具だった。
死んでも、死ななくても、どっちでもいい。
両親の残酷さと、見抜けなかった悔しさで、指がにぎりしめた皮膚に食い込む。
「私のこと、ぜんぜん信用してなかったんですね……」
「ぜーんぜん」
「そっそこまでなんですか?」
涙が私の目に浮かんでしまう。
「だけど俺のために涙を流してくれた。それで信頼した。これは何かあると思った」
いつもはひょうひょうとした表情なのに、差羽は真剣な顔で言ってくる。何かを決意している。
「催眠術師を捕らえにいこう。戦ってくれるか?」
差羽が手を差し出した。
意味がわかった。その手をにぎれば、私の国は滅ぼされるだろう。
真っ赤な炎が見えた。
希望の灯だ。
両目を閉じると、父や母、兄妹たちの顔が浮かんできたけど、すぐに闇へと消えてなくなる。
私は差羽の手をにぎりしめ、
「戦います。いっぱいおにぎり作りますね」
「すまない。ありがとう」
彼は静かにほほ笑んでくれた。
私の国がなくなったとしても後悔しない。
身内が死んだとしても悲しまない。
私は差羽の妻として、この国のために戦っていく。
ここには、私たちの家族がいるのだから。
終
ロウソクのようなチロチロとしたものじゃなく、それは巨大で多くのものを巻き込む紅蓮。
形あるものを墨になるまで焼き尽くす。
さわれば確実に皮膚は焼けただれ、肉を溶かし、骨の髄まで浸食されて死ぬだろう。
悲鳴が聞こえる。
女、男、老人、子供。ようしゃのない殺りくが人々の希望を壊していく。
逃げ惑う子羊たちを追いかけて、いたぶり続けることの快感は、支配欲を十分満たしてくれる。
私は笑っていた。
心の奥底につっかえた棒が取り外され、快楽の海に横たわる。
絶望と憎しみの意識が、焼かれていく人間に移っていくことが、こんなにも楽しいとは思わなかった。
火種がすっと消えていき、
「終わりました。お疲れさまでした。姫様」
「…………」
私はぼうぜんと、催眠術師の顔をながめていた。
彼の手には十字架がある。
火種だと思っていたのは、銀色の金属だった。
「どうでしたか? 気分のほうは」
「……言いたくありません」
催眠術師から顔をそらす。
私の深層心理が、あそこまで凶悪だとは考えてもみなかった。
手をにぎらなければ、震えを抑えられない。
汗がしぼられ床に落ちる。
「わかります。しかし、罪の意識を感じる必要性はありません。人は神ではないのですから。言いたくない感情を持っていたとしても、不思議ではない」
催眠術師は黒いバックに銀の十字架をしまう。
つばの広い帽子を深くかぶっていた。
父が、異国から連れてきた人物らしいが、言語は達者だった。
「マリッジブルーは取り除かれたみたいですね。幸せな家庭生活を、神にお祈りしておきます」
つばを手に持ち、軽くお辞儀をすると、催眠術師は部屋から出て行った。
なぜ催眠などと、いかがわしいものをかけてもらったのか。
私は今から知らない人と結婚するからだ。
会話をかわしたこともなく、会ったこともない。
精神が不調になってもおかしくない。
同盟国同士の結婚。
私の国『鈴蘭』と、『芥子』の国は同盟を結んでいて、突然芥子の国の国主さまと結婚することが決まった。
姻戚関係になることで、侵略戦争はしないという契約。
昔から続いている風習だった。
ずっと家に閉じ込めていたのに、国のために結婚しろだなんて。
不調だと訴えても、専門の催眠術師がきただけで、父も母もこなかった。
唯一のなぐさめは、飼っている緑の小鳥、ピヨピーだけだ。
結婚の議は素早く終わり、私は芥子の国に嫁いだ。
国主の名前は差羽といった。
数回会って、逃げるように、部屋に閉じこもった。
暇になると、お城の台所で料理することにした。
台所頭の女性は気さくで、友達みたいに話しかけてくれる。
年は五つ上だけど、同年代の女の子はかしこまって逃げてしまう。
食事はこの城で働く人のために作るのであって、国主さまのためじゃない。
ピヨピーを入れた鳥かごを置いて、黒豆を水で煮ていると、
「あんたさぁ。いいかげん差羽さまの食事を作ったらどうだい?」
台所頭がとなりで肘を突っついてきた。
黙る。
この国の人は、国主さまを気楽に名前で呼んでる。
私の国ではあり得ないことだった。
「結婚に納得いかないのはわかるよ。この国は同盟国の中でも地味だし、お城の人はぜいたくなんてしないからさ」
「違います。私はこの国の人のために、料理をしてるんです」
「気持ちはうれしいんだけどねぇ。この台所に入れたのは、差羽さまのために何か作るんだと思ったからさね」
「専属の料理人がいるじゃありませんか」
「そりゃいるけどさぁ。差羽さまって、庶民が作った料理でも食べる人なんだよ? 下手でも食べてくれるって」
台所頭がズケズケ言ってきた。
豆を転がすハシを止め、
「私の料理、まずいですか?」
「えっ? うまいと思ってたの?」
目を白黒させる台所頭。
うまい、と思ってた。みんな喜んで食べてくれていると。現に、ピヨピーはどんどん食べてるし。
あっあれ? おかしいな?
そういえば、皆苦い顔してたような……。
「おう。精が出るな」
差羽が台所に入ってきた。農民が着る野良着姿だ。
母が見たら、怒って口すらきかないだろう。
あの人が私に話しかけたことはないけど、態度でわかる。
私は彼をチラリと見て、すぐ目をそらした。
「ここは女の聖域ですよ?」
「すまんすまん。黒豆の甘煮か。鷹華が作ったのか?」
「そうです」
「どれ、それなら一つ」
差羽はちゅうちょすることなく、口に黒豆を入れる。
私は横目ですっと見る。彼の反応が気になった。
「これはこれは……ごほっ! ごほっ!」
差羽は豆を吐き出して、むせていた。
台所頭が息を飲んで、
「あんた、まさか毒を!」
「ええっ! いっ入れてないですよ!」
私は弁明する。
神に誓って、毒なんて入れてません!
台所頭が豆をつまんで食べ、
「……砂糖入れすぎ」
「えっ! だって、教えられたとおりの分量で……」
「その十倍は入ってるね」
「うそっ! ちゃんと計算したのに!」
私はパニックになってしまい、涙が出てきた。
「ははっ、気にするな。俺のほうこそ食べられなくてすまん」
「ごめんなさい! 私、どうしたらいいか!」
私は頭と腰を下げて深く謝る。恥ずかしさと、なさけなさで、目がうるんできた。
台所頭は大笑いだ。
「それなら侘びとして、俺と今から付き合ってくれ」
「えっ?」
「お城の外を散歩しよう。見聞を広めるにもいいぞ」
差羽が外出を誘ってきた。
私は嫁いでから外に出たことはない。実家でも同じだった。
「……わかりました」
うまく誘導された。初めて国主さまと散歩する。
してやられた気分だけど、私が悪いのだからしかたない。
台所頭は手を振って、
「仲良く行っといで。ピヨピーは大切に預かっとくよ。あと、さっきので割った皿は片付けとく」
「ほんとっ、ごめんなさいっ!」
私は三つも皿を落としてしまったことに気づき、涙声まで出てしまう。
ピヨピーが鳴き始めた。
私をなさけないと思っているのか、応援しているのかわからないけど、そそくさと台所を出て行った。
差羽は優秀な国主だと聞いている。
国自体は地味だが、政治家としての能力は高く、法律が特に優れていた。
マネする同盟国もあるぐらいだ。
群雄割拠の世の中で、同盟国との仲は大切。
私の役割は人質として、おとなしく日々暮らすことだ。
私の国が滅ぼされたところで、つらくはないのだけど、帰る場所がなくなるのは困る。
父や母が、自国を守りたい気持ちはわかる。
だけど、お城にずっと閉じ込めて、いきなり見知らぬ男性と結婚しろというのが納得いかない。
私が生まれてきた意味とは、この程度のためなのか。
茶色の瓦屋根の門を越えると、金色の小麦畑が眼前に広がっている。
田舎の風景はのどかだけど、都会人からしてみれば地味。
私はお城の外に出ても、差羽の背中についていくだけで、何もしゃべってあげなかった。
背筋がピンとした、老婦人がきて、
「差羽さま、お元気ですか?」
「おお、ばあちゃんじゃないか。久しぶりだな? 腰のほうはどうだい?」
「すっかりよくなりました。お薬ありがとうございます。お礼にウチで取れたお野菜です」
「ありがとな。さっそくいただくよ」
差羽は受け取った緑のキュウリを、軽快な音を立てて、歯を立てる。
本来は毒味役が食べなければいけないのに。
庶民に好かれる理由がわかる。
「鷹華もどうだ?」
「いただきます」
キュウリを受け取り、私も遠慮なく食べた。
川で冷やされていたのか、さっぱりしていてうまい。
小言を言う母がいないので、上品さを演出する必要はない。
「あっ、差羽のにーちゃんだ!」
「おう! 鬼ごっこでもするか?」
「いいぜ! 捕まえてみろよ!」
「よっしゃ!」
差羽は子供のように、男の子たちを追いかけていく。
私は不覚にも笑ってしまった。
これが彼にとっての日常なのか。
こわもてで、部下に厳しい、私の父とはまるで違う。
悪い人じゃないことはわかっている。
結婚は当たりだった。
だけど敬遠する。
家族を持つという意識が懸け離れていて、まだ追いついてこないから。
「お姉ちゃん」
私より小柄な少女が、はにかみながら、話しかけてきた。
この土地に初めて足を踏み入れたとき、適度な距離を取って、そっとほほ笑んでくれていた。
心のもやもやを埋めてくれた子だ。
「お花あげる」
紫色の星のような花を差し出される。
角は丸く、真ん中に生えた細かい毛は白い。
和風にふれてはチロチロと愛らしく揺れる。
「わあっ」
私の国では育たない種類の花だった。
鼻腔に入ってくる、甘くて、新鮮な香り。
見知らぬ土地で、緊張していた神経を安らげてくれる。
「あなたが育ててるの?」
「うん! 差羽さまのお嫁さんだからあげるね」
「……ありがとう」
私は言葉をつまらせながらも、なんとかお礼を言えた。
子供たちと鬼ごっこを終えた、差羽が帰ってくる。
話しかけられたけど、内容はおぼえていない。
一輪の花を両手に持ち、おなかに添えて、彼の後ろにつく。
新緑の森を抜けて、高い崖の上までやってきた。
鳴いているのはセミか。
お城や町が一望できて、どこからか炭の匂いが流れてくる。
差羽は白い歯を出して笑い、
「どうだ? 俺の国は」
「良い所、だと思います」
素直な返事じゃない。ここは間違いなく良い所だ。
すくなくとも、私がいた国よりかは。
「あれを見ろ。川があるだろ?」
「はい」
「農作物を安定して収穫できるように堤防を作った。治水に成功したんだ。これで農民たちは飢えずにすむ」
差羽が緑に包まれた川を指す。
大きな岩がかまえていて、それをさけるように、白い泡を立てた水が山の奥へ消えていく。
財政が安定しているのもうなずけた。
「この国は俺の家族だ。みんなが幸せに暮らすために日々努力しているつもりだ。もちろん、お前も家族だ」
差羽が抱きしめるように両手を広げる。その腕の中に、私はいる。
私は邪険にされず、受け入れられて、親以上に愛されている。
なのに、私はずっと子供のようにスネている。
大人にならないと。私はここに嫁いできたんだ。この国を、人々を、守らなきゃいけないんだ。
私は両手を強くにぎり、
「あのっ」
「うん? なんだ?」
「明日は、あっあなたのために食事を作りますね」
顔から火がふき出した。
恥ずかしい。
好意を表現することが、ここまで難しいとは思わなかった。
目をパチクリさせた差羽の顔が、徐々に柔らかくなっていき、
「ありがとう。俺も、その、なんだ……あっ愛してるよ」
彼から初々しい返事をもらった瞬間、私の光景が闇に隠された。
催眠術師がいる。
十字架が振り子のように揺れる。
私はそれを見つめている。
十字架が、ぽっと、燃えて火の塊になった。
人だまだ。
それをぼうぜんとながめている。
「キーワードは『愛』です。そうあなたに言った人間を――殺しなさい」
催眠術師は歯から牙を出してニヤついた。
匂いがする。好きな匂いだ。
だけど、嫌な臭いが混ざってくる。これは、血?
私は護身用の小刀を携帯していた。
それを手に持ち、柔らかい何かを刺している。
うめき声が聞こえたあと、茶色い獣が地面に倒れた。
見下ろすと、差羽がいた。
あおむけに倒れ、胸には私の小刀が刺さっている。
服を貫き、皮膚を破き、内臓の鼓動を奪った刃物。
まばたきができず、ほうけたように口を開いたまま、私は立ち尽くした。
頭の中が真っ白になっている。
両手、両足が震え出す。
「よくやってくださいました! 姫様!」
男の声に、意識が鮮明になる。
三人の男が悠々とやってきた。
忍者装束から私の国の者だとわかる。
「差羽は頭の良い男! そうそうわれらも手出しができなかった。しかし! 愛した者なら油断が生まれると思っておりました!」
忍者が私に拍手をくれる。褒めている。
――何を言ってるの?
意識が遠い。私はあなたたちのように、暗殺なんてしてない。
差羽を殺してない。
「さあさあ! わが国の軍勢をこの国に呼びましょうぞ! 国主さまは領土拡大を望んでおられます! 男も、女も、老人も、子供も、皆殺しにしましょうぞ! 柱が壊れれば崩壊を待つばかりですからな!」
忍者のひとりが弓矢の準備をしていた。矢の先には袋がある。
のろしだ。
「ははあっ! 姫様も笑っておられる! 計画の成功を喜んでおられるぞ!」
別の忍者がたきつける。
私は手で唇にふれた。端まで割れて、頬が引きつっている。
声を出していないのに。両目から流れてきた涙が冷たい。
感情をうまく表現できない。
父は荒々しい男だ。
領土拡大のためならなんでもするだろう。
わかっていた。
たとえ実の娘でも、コマとして利用することを。
炎が視野に広がっている。
お城を燃やし、町を燃やし、焦土と化すこの国の末路が。
何もできない私は、それを見下ろして、ただただ己の無力さに笑うだけだ。
けっきょく、いつまでも、籠の中だ。
紫の花が差羽の胸に落ちる。
少女からもらった花。
信頼の証し。
差羽は私を家族だと認めてくれた。
あの少女だって家族だ。あの子が殺され、ただ燃やされていくのを見つめているだけなのか。
みんながゴミのように殺りくされていくのを、ながめているだけなのか。
私は舌をかんだ。
痛みで笑いがなくなる。
口の中に、とろりと冷たい液体が充満する。
私は差羽の妻だ。この国は私の家族なんだ。だから、守るんだ!
差羽を刺した小刀の柄を持つ。
それは父と母に歯向かうという行為。指先に震えがくる。
私は、もう、籠の中の小鳥じゃない!
刃物を引き抜こうとしたとき、あたたかい手がそっと添えられた。
喉奥がつまる。
あおむけに倒れていた差羽が、私を見てニッと笑った。
「そういうことか。ここまで泳がせといてよかった。やっとお前たちの目的がわかった」
「なにっ! 生きてるのか?」
「胸に地図を入れててよかった。鷹華を案内してやろうと思ってたからな」
差羽は胸から地図が描かれた本を取り出し、驚く忍者に向かって小刀を抜く。
薄い本だから、力を入れれば心臓に到達していただろう。
貫通しなかったのは、私が無意識に力を押さえたからか。
「伝達役の忍者はもう捕らえられてるだろうさ。助けはこない。観念しろ」
差羽がトドメを刺した。
合図を送っても、私の国に伝える者はいない。
忍者はがくぜんとする。
森からよろいを着た武士たちが出てきた。
竹やりを持つ農民たちもいる。
囲まれた忍者たちは、顔を青くし、手に持った武器を落として降参した。
私はパニックになりつつ、
「あのっ、おけがはありませんでしたか!」
「大丈夫だ。お前に何があった?」
「たぶんですけど、催眠術師に催眠か何かをかけられたと思うんです! あなたを殺すつもりはなかったんです!」
「そうだな。その涙を見てるとわかるよ」
差羽が手でそっと、私の頬からつたわる涙をぬぐってくれた。
差羽の手を両手で持ち頬に当てる。生命のぬくもりを感じる。生きてる。
差羽は恥ずかしそうに頬を指でかいたあと、もう片方の腕で私の身体を引き寄せてくれた。
彼の胸で大泣きしてしまう。
ここまでずっと感情を押し殺していたのに。
忍者たちは地べたに座らされ、縄で体を縛られていた。
差羽が彼らに近づき見下ろす。
鍛えられているだけあって、歯をかみしめ口を閉ざしていた。
「これは表のパターンのシナリオだな? 裏のパターンもあったはずだ。たとえば、俺が鷹華を殺してしまうパターン」
差羽が忍者に刀の切っ先を向けた。
私は、はっとした。
差羽は忍者を寄せつけないほど、警戒心が強い。
武術は達人クラスだと聞く。
信用するのはこの国の人たちだけで、同盟国の連中ですら近寄りがたい雰囲気を持つ。
私だって信用されていなかったはずだ。
女が小刀を持って、襲ってきても、返り討ちにされていただろう。
胸に刃を入れられたのは、信用されていたからだ。
「鷹華を殺せば、契約破棄ということで、同盟国同士でこの国を囲いつぶすつもりだったな? 姫を殺した報復というお膳立てで。まあ、お前たちにとっては、表のパターンのほうが領土拡大できてうれしいだろうが」
差羽が小刀を、忍者たちのいる地面に投げ突き刺した。
忍者は何も答えない。苦々しそうに、眉間にシワを寄せ、唇をかんでいるだけだ。
推理が当たったのは明確だった。
私は領土拡大の道具だった。
死んでも、死ななくても、どっちでもいい。
両親の残酷さと、見抜けなかった悔しさで、指がにぎりしめた皮膚に食い込む。
「私のこと、ぜんぜん信用してなかったんですね……」
「ぜーんぜん」
「そっそこまでなんですか?」
涙が私の目に浮かんでしまう。
「だけど俺のために涙を流してくれた。それで信頼した。これは何かあると思った」
いつもはひょうひょうとした表情なのに、差羽は真剣な顔で言ってくる。何かを決意している。
「催眠術師を捕らえにいこう。戦ってくれるか?」
差羽が手を差し出した。
意味がわかった。その手をにぎれば、私の国は滅ぼされるだろう。
真っ赤な炎が見えた。
希望の灯だ。
両目を閉じると、父や母、兄妹たちの顔が浮かんできたけど、すぐに闇へと消えてなくなる。
私は差羽の手をにぎりしめ、
「戦います。いっぱいおにぎり作りますね」
「すまない。ありがとう」
彼は静かにほほ笑んでくれた。
私の国がなくなったとしても後悔しない。
身内が死んだとしても悲しまない。
私は差羽の妻として、この国のために戦っていく。
ここには、私たちの家族がいるのだから。
終
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