176 / 208
Side - -06 - 11 - おまえがおかあさまになるんだよ! -
しおりを挟む
Side - -06 - 11 - おまえがおかあさまになるんだよ! -
カラカラ・・・
「ぐすっ・・・ひっく・・・」
カラカラ・・・
こんにちは、マリアンヌ・ボッチです。
今私は手足を拘束され馬車に揺られてどこかに運ばれています。
夜お姉様と一緒に眠っていると突然覆面をした男性が2人寝室に乱入して来たのです。
恐怖に震えるお姉様と私を捕まえようと一人は私の肩を掴み・・・損ねたので私は壁際に逃げました、そしてもう一人の男はお姉様の髪を掴み、引きずって窓の方へ・・・それを見た私は・・・怒りで目の前が真っ赤になったのです。
「汚い手でお姉様に触れるなぁぁ!」
「ぐっ!・・・おぉぉぉぁぁ!」
私はお姉様を連れ去ろうとする男のお腹に向かって渾身の蹴りを入れました、でも背が低かったから私の足はお腹じゃなくてもっと下、股間に命中してしまいました。
何故か膝から崩れ落ちて酷く苦しむ男性、もう一人の男はお姉様を諦め、私と床に転がってピクピク震える男を抱えて2階の窓から器用に外へ逃げ出しました。
筋肉モリモリでマッチョな男性は私とまだ震えているもう一人の男を抱え、騒ぎに気付いて集まって来たウンディーネ家の騎士様達を振り切って・・・お屋敷の外に停められている馬車で逃亡・・・。
そして今に至ります。
「うぅ・・・怖いよぉ・・・痛いよぉ」
私を連れ去る時に顔をぐーで殴られたから前歯が折れてしまいました、その時にお口の中も切ったのでとても痛いです。
カラカラ・・・
「ぐすっ・・・うぅ・・・お姉様ぁ・・・」
カラカラ・・・
・・・
キィ・・・
がしっ!
「おら!、降りろ!」
乗せられていた馬車を降りると目の前にはもう一台の馬車が停めてありました、場所は木が沢山生えている林っぽいところ?、王都の中じゃなさそう・・・。
「おーい、イッヌ様よ、連れて来たぜ、相棒がこいつに玉を蹴られちまって残念ながら一人だけだがな」
ザッ・・・
「マリアンヌ・・・お前・・・」
「ひぃっ!、イッヌ様・・・」
もう一台の馬車の中から降りて来たのはイッヌ様と、黒い服を着て覆面をした男の人、私の顔を見てイッヌ様が驚いています。
「顔の傷はどうした!・・・まさか・・・俺を騙していたのかぁ!」
「ひぃぃ!、ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!」
そうでした、イッヌ様は私がお顔を大怪我してるとまだ思い込んでいたのです・・・でも今の私は無傷・・・ぐーで殴られて口の周りは腫れてるけど・・・。
「それで、この娘をどうするおつもりです?」
一緒に降りてきた黒服黒覆面の男性がイッヌ様に尋ねました、うん、私もこれからどうなるのか聞きたいの・・・。
「今の俺には何も無ぇ・・・家も、家族も・・・金も持って無ぇからこいつと結婚するのも良いかもな・・・あの家は金持ちだから娘の為ならいくらでも金を出す」
「・・・うぅ・・・嫌なの・・・それに私の家族・・・みんな怒ってるの・・・だから・・・」
「そうだな、なら既成事実でも作るか、子供が出来ちまえば認めるかもな、3年くらいどこかに隠れて・・・子供を抱いて金に困ってるから助けてくれって家に行けば一生遊んで暮らせるくらいの金額出してくれるだろうよ」
「子供・・・」
「そうだ、お前が俺の子供を産むんだ」
「い・・・嫌ぁ」
「ほらこっち来い、うちのボロ馬車の中でいい物見つけたんだ、こいつを身体に刻めばお前は俺の所有物だ、他の奴と結婚出来ねぇようにしてやる」
イッヌ様が馬車の中から長い棒みたいな物を持って来ました、私は男性2人に腕を掴まれてるから逃げられません。
フルフル・・・
何をする道具か分からないけど・・・とてつもなく嫌な予感がするの・・・。
「これは隣の大陸にあるデボネア帝国から来た魔道具職人に作らせた奴でな、うちが持ってる家畜だと分かるように家の紋章を付ける時に使う焼印だ・・・ほらこうやって魔力を込めると・・・」
しゅこぉぉぉ・・・・・ぉぉぉ・・・
棒の先に付いてる金属が赤く光りました・・・わぁ・・・熱そう・・・。
「焼印のところに魔石の粉が塗ってある、こいつで皮を焼いてその下の肉に塗料を焼き付けるようになってるんだぜ、一度付けられたら絶対に消えねぇ・・・おい、こいつを裸にしろ」
「・・・とても悪趣味ですが契約なので仕方ないですね・・・この娘の服を脱がせろ」
腕を掴んでいた男性2人が私が着ている服・・・寝着や下着を脱がせ始めました。
「嫌ぁ!、やめて・・・怖いよぅ・・・」
「俺様を騙した罰だ、どこが良いか・・・腹にするか・・・」
焼印を持ったイッヌ様が笑顔でゆっくりと近付いて来ました、男性2人に両手両足を押さえ付けられた私は怖くて涙と鼻水を垂れ流しています。
「ちょっと痛いと思うぜ」
しゅこぉぉぉ・・・・
じたばた・・・
こぉぉぉぉ・・・
「嫌・・・やめて・・・」
ぴとっ
じゅぅぅぅぅぅ!
「ひぎぃ!、痛い!痛たぁぁぁい!、やめて痛いの!、わぁぁぁん!助けてお父様!」
しょわしょわぁ・・・
ほかほかぁ・・・
おへその下を火で焼かれてるような激痛が走って私は大声で叫びました、あまりの痛さにお漏らしまでしてしまったのです・・・。
しゅぅぅぅ・・・
「ほら見てみろ、ネッコォ家の紋章が綺麗に付いたぜ、これでお前は俺の物だ」
私の髪を掴んで起き上がらせたイッヌ様は下腹部に焼き付けられた紋章を私に見せて言いました。
「・・・わぁぁん!、痛いよぉ・・・嫌だぁ・・・こんなの嫌・・・あぅ」
ちゅぅぅ
全裸を男性に見られた事、それから消えない焼印を付けられた事で小さな子供のように泣き出した私のお口にイッヌ様の唇が重なります・・・嫌なの、気持ち悪いの!。
「さて、このまま子供を作ろうか、俺のマリアンヌ・・・」
「やだ・・・いやぁ!、助けてお母様ぁ!」
「暴れるな!、お前がお母様になるんだよ!」
こんにちは、私の名前はアリシア・ウンディーネ。
昨日寝室に男が乱入してマリアンヌさんを連れ去ってしまったわ。
正確に言えば・・・私の髪を掴んで窓から連れ去ろうとしていた男にマリアンヌさんが蹴りを入れて・・・代わりに連れて行かれたのだけど・・・。
お父様が言うには侵入者は希少な古代遺跡から出土した「認識阻害のローブ」と催眠の香を使って厳重なウンディーネ家の警備をすり抜け、マリアンヌさんを攫った後、影に潜るように消えてしまった・・・。
その前日には王城で勾留されていたネッコォ家当主に何者かが接触した形跡があったらしいの、だからお父様や陛下はイッヌ・ネッコォが関わっているか、彼が雇った裏組織の仕業だろうと言っていたわ。
「ぐす・・・私のかわりにマリアンヌさんが・・・」
「泣かないでアリシアちゃん・・・陛下の指示で王国騎士団、それからウンディーネ家とシェルダン家の騎士様達も出て探しているわ、きっと大丈夫・・・」
私は昨夜からお母様に頭を撫でられながらずっと泣き続けてるの、こんなに泣いたのは幼少期の時以来ね・・・だって私の大事なマリアンヌさんが・・・。
「わぁぁ・・・お母様ぁ・・・」
「よしよし」
なでなで・・・
コンコン・・・
ガチャ!
「アリシア、マリアンヌちゃんが見つかった!、王都と隣町の中間にある林の中に居た」
「お父様・・・マリアンヌさんは大丈夫なの?」
「命に別状はない、昼頃にはうちに運ばれて来るだろう、医者を手配してここで治療する事になった」
「お医者様・・・マリアンヌさんは怪我をしているの?」
「・・・それは後で説明する、アリシアとラスティータは少し休みなさい、昨晩から寝ていないのだろう」
・・・ざわざわ
・・・どたどた
お部屋の外が騒がしくなって目が覚めてしまったわ。
もしかして・・・マリアンヌさんが運ばれて来たの?。
がちゃ!
私はお部屋の外に飛び出したわ、廊下にいた警備の騎士様に尋ねたら先ほどマリアンヌさんがこの家に運ばれて来たのだそう。
私は1階に降りて辺りを見渡すと・・・居たわ!、騎士様にお姫様抱っこされて、ベッドのある客間に入るところだったの。
「マリアンヌさん!」
私が駆け寄ると、毛布にくるまって涙と鼻水を垂れ流しているマリアンヌさんと目が合ったの。
「ぐすっ・・・お姉様ぁ・・・ひっく・・・痛いの、苦しいの・・・私・・・赤ちゃんができちゃうの・・・いやぁ・・・赤ちゃんいやぁ・・・」
「・・・っ!」
今マリアンヌさんはなんて言ったの?、赤ちゃん?、まさか赤ちゃんができるような事をされたの?、誰に・・・そんなのあの犬畜生以外居ないじゃない!。
ゴゴゴゴゴ・・・
「ひっ!」
いけないわ!、つい怒りで怖い顔をしてしまった・・・これじゃぁマリアンヌさんを怖がらせてしまうわ・・・でも・・・あぁ!なんて事!、私の大切なマリアンヌさんが・・・汚されてしまったなんて!。
マリアンヌさんがうちに運ばれて来たのがお昼過ぎ、それからお医者様がいらっしゃって治療が始まったの・・・夕方になってようやくお医者様と助手の男性がお部屋から出て来たわ。
今このお家には私と私の両親とお兄様・・・お父様は今日お城のお仕事を休んでいるわ、それとマリアンヌさんのご両親と弟のパトリックさん、何故かアーノルド様と王太子殿下、それにインフィニ殿下もいらっしゃるわね。
「先生・・・マリアンヌさんは」
私が先頭に立ってお医者様に容態を聞いたわ。
「えぇ、もう大丈夫、身体に傷・・・刻印は残ってしまいますが安静にしていればすぐに歩けるようになるでしょう」
ガチャ・・・
お部屋に入るとマリアンヌさんが泣いていたわ。
「うぅ・・・恥ずかしいの・・・お医者様に全部見られたの・・・お股の穴の中まで・・・」
とてもえっちな想像をしてしまったわ!。
「あの・・・先生、マリアンヌさんは襲われて・・・その・・・赤ちゃんが」
一番聞き辛い事をお母様が聞いてくれたわ、後ろで男性陣が固まっているわね、でもこれはとても大事な事よ!。
「はい、ご本人は赤ちゃんが出来てしまう、どうしようと泣いておられたので調べてみたのですが、特に「そういった」暴行はされておりません、騎士様から受けた報告にも全裸に剥かれてはおりましたが・・・行為をされる直前に騎士団に見つかり、マリアンヌ様を放置して逃亡したと・・・」
「え・・・でも・・・」
「マリアンヌ様は先ほど確認しましたところ間違いなく処女でございます」
「マリアンヌさん・・・あの男に何をされたか・・・言える?」
「ぐすっ・・・お口にキスされたの・・・」
なんて事でしょう!、私でさえまだしてないのに!。
「それから・・・何をされたの」
「あと抱きつかれたの・・・気持ち悪かったの・・・」
あの犬畜生に抱きつかれて・・・それはとても気持ち悪かったでしょう、あとで頭を撫でて慰めてあげるわ。
「抱きつかれた後は何をされたの?」
「それだけなの、昔、お姉様が・・・男の人は獣で・・・お口にキスされたら赤ちゃんが出来るの・・・だから気をつけなさいって・・・言ったからぁ」
確かに言った覚えがあるわ!。
「マリアンヌさん、念の為に聞くけど赤ちゃんってどうやればできるのか・・・知っている?」
「うん・・・男の人とお口でキスをして、抱き締められたらできるの」
「・・・」
「じゃぁ・・・マリアンヌさんはキス以外何もされてないの?」
「いえ、犯人によって下腹部に焼印を刻まれております、その・・・申し上げにくいのですが大変特殊な魔道具によって刻み付けられたようで・・・皮膚の下・・・奥深くまで魔石の染料が染み付いております、消す事は不可能ですし一生消えずに残るかと・・・」
「なんて事・・・」
お父様がマリアンヌさんの前に跪いて言いました。
「マリアンヌちゃん、娘を守ってくれて本当にありがとう!、この恩はウンディーネ家が続く限り決して忘れない、将来何か困った事があったら遠慮なく言ってくれ、我が家が必ず力になる」
「そうね、本当にありがとうマリアンヌさん、貴方が暴漢を蹴って助けてくれなかったら私もどうなっていたか・・・」
「・・・いえ・・・お姉様が無事で良かったの・・・お腹に醜い刻印をつけられたのは悲しいけど、それでお姉様の命が助かったのなら・・・私は気にしないの・・・それに元々ボッチ家の問題だったから巻き込んじゃってごめんなさい・・・」
「うわぁぁぁ!、マリアンヌぅ!」
マリアンヌさんのお父様が泣きながら抱きついたわ、これは演技じゃなくて本気ね、でも・・・。
「私達家族は巻き込まれたなんて思ってなくてよ、それに・・・ウンディーネ家に侵入して喧嘩を売ったのだもの犯人はタダじゃ済まないわ・・・うふふふ・・・」
「そうだな、これはウンディーネ家に売られた喧嘩だ、どこの裏組織か知らんが・・・皆殺しにしてやろう・・・ふふふ・・・」
「うちの・・・シェルダン家も是非仲間に入れて欲しい、マリアンヌ嬢の身体に傷を付けた罪、償わせてやる」
みしっ・・・
ばしゅっ!
またノルドさんの上着が弾け飛んで上半身裸になったわ・・・もう少し大きな服を着ればいいのに・・・。
「王家としても地下牢に入っていたネッコォ家当主に簡単に接触されてしまった・・・ウンディーネ家と同じ手口で認識阻害の魔道具と催眠の香を使われたようだ、これだけ王家をコケにされて黙っているわけにはいかないと親父も言っている」
「ネッコォ家の当主は逃げなかったの?」
「あぁ・・・妻と娘が死んだと聞かされてからは急に大人しくなった、・・・いやもう廃人状態と言ってもいいかな、抜け殻みたいになって・・・侵入者が逃がそうとした時も拒否して牢から出なかったらしい」
カラカラ・・・
「ぐすっ・・・ひっく・・・」
カラカラ・・・
こんにちは、マリアンヌ・ボッチです。
今私は手足を拘束され馬車に揺られてどこかに運ばれています。
夜お姉様と一緒に眠っていると突然覆面をした男性が2人寝室に乱入して来たのです。
恐怖に震えるお姉様と私を捕まえようと一人は私の肩を掴み・・・損ねたので私は壁際に逃げました、そしてもう一人の男はお姉様の髪を掴み、引きずって窓の方へ・・・それを見た私は・・・怒りで目の前が真っ赤になったのです。
「汚い手でお姉様に触れるなぁぁ!」
「ぐっ!・・・おぉぉぉぁぁ!」
私はお姉様を連れ去ろうとする男のお腹に向かって渾身の蹴りを入れました、でも背が低かったから私の足はお腹じゃなくてもっと下、股間に命中してしまいました。
何故か膝から崩れ落ちて酷く苦しむ男性、もう一人の男はお姉様を諦め、私と床に転がってピクピク震える男を抱えて2階の窓から器用に外へ逃げ出しました。
筋肉モリモリでマッチョな男性は私とまだ震えているもう一人の男を抱え、騒ぎに気付いて集まって来たウンディーネ家の騎士様達を振り切って・・・お屋敷の外に停められている馬車で逃亡・・・。
そして今に至ります。
「うぅ・・・怖いよぉ・・・痛いよぉ」
私を連れ去る時に顔をぐーで殴られたから前歯が折れてしまいました、その時にお口の中も切ったのでとても痛いです。
カラカラ・・・
「ぐすっ・・・うぅ・・・お姉様ぁ・・・」
カラカラ・・・
・・・
キィ・・・
がしっ!
「おら!、降りろ!」
乗せられていた馬車を降りると目の前にはもう一台の馬車が停めてありました、場所は木が沢山生えている林っぽいところ?、王都の中じゃなさそう・・・。
「おーい、イッヌ様よ、連れて来たぜ、相棒がこいつに玉を蹴られちまって残念ながら一人だけだがな」
ザッ・・・
「マリアンヌ・・・お前・・・」
「ひぃっ!、イッヌ様・・・」
もう一台の馬車の中から降りて来たのはイッヌ様と、黒い服を着て覆面をした男の人、私の顔を見てイッヌ様が驚いています。
「顔の傷はどうした!・・・まさか・・・俺を騙していたのかぁ!」
「ひぃぃ!、ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!」
そうでした、イッヌ様は私がお顔を大怪我してるとまだ思い込んでいたのです・・・でも今の私は無傷・・・ぐーで殴られて口の周りは腫れてるけど・・・。
「それで、この娘をどうするおつもりです?」
一緒に降りてきた黒服黒覆面の男性がイッヌ様に尋ねました、うん、私もこれからどうなるのか聞きたいの・・・。
「今の俺には何も無ぇ・・・家も、家族も・・・金も持って無ぇからこいつと結婚するのも良いかもな・・・あの家は金持ちだから娘の為ならいくらでも金を出す」
「・・・うぅ・・・嫌なの・・・それに私の家族・・・みんな怒ってるの・・・だから・・・」
「そうだな、なら既成事実でも作るか、子供が出来ちまえば認めるかもな、3年くらいどこかに隠れて・・・子供を抱いて金に困ってるから助けてくれって家に行けば一生遊んで暮らせるくらいの金額出してくれるだろうよ」
「子供・・・」
「そうだ、お前が俺の子供を産むんだ」
「い・・・嫌ぁ」
「ほらこっち来い、うちのボロ馬車の中でいい物見つけたんだ、こいつを身体に刻めばお前は俺の所有物だ、他の奴と結婚出来ねぇようにしてやる」
イッヌ様が馬車の中から長い棒みたいな物を持って来ました、私は男性2人に腕を掴まれてるから逃げられません。
フルフル・・・
何をする道具か分からないけど・・・とてつもなく嫌な予感がするの・・・。
「これは隣の大陸にあるデボネア帝国から来た魔道具職人に作らせた奴でな、うちが持ってる家畜だと分かるように家の紋章を付ける時に使う焼印だ・・・ほらこうやって魔力を込めると・・・」
しゅこぉぉぉ・・・・・ぉぉぉ・・・
棒の先に付いてる金属が赤く光りました・・・わぁ・・・熱そう・・・。
「焼印のところに魔石の粉が塗ってある、こいつで皮を焼いてその下の肉に塗料を焼き付けるようになってるんだぜ、一度付けられたら絶対に消えねぇ・・・おい、こいつを裸にしろ」
「・・・とても悪趣味ですが契約なので仕方ないですね・・・この娘の服を脱がせろ」
腕を掴んでいた男性2人が私が着ている服・・・寝着や下着を脱がせ始めました。
「嫌ぁ!、やめて・・・怖いよぅ・・・」
「俺様を騙した罰だ、どこが良いか・・・腹にするか・・・」
焼印を持ったイッヌ様が笑顔でゆっくりと近付いて来ました、男性2人に両手両足を押さえ付けられた私は怖くて涙と鼻水を垂れ流しています。
「ちょっと痛いと思うぜ」
しゅこぉぉぉ・・・・
じたばた・・・
こぉぉぉぉ・・・
「嫌・・・やめて・・・」
ぴとっ
じゅぅぅぅぅぅ!
「ひぎぃ!、痛い!痛たぁぁぁい!、やめて痛いの!、わぁぁぁん!助けてお父様!」
しょわしょわぁ・・・
ほかほかぁ・・・
おへその下を火で焼かれてるような激痛が走って私は大声で叫びました、あまりの痛さにお漏らしまでしてしまったのです・・・。
しゅぅぅぅ・・・
「ほら見てみろ、ネッコォ家の紋章が綺麗に付いたぜ、これでお前は俺の物だ」
私の髪を掴んで起き上がらせたイッヌ様は下腹部に焼き付けられた紋章を私に見せて言いました。
「・・・わぁぁん!、痛いよぉ・・・嫌だぁ・・・こんなの嫌・・・あぅ」
ちゅぅぅ
全裸を男性に見られた事、それから消えない焼印を付けられた事で小さな子供のように泣き出した私のお口にイッヌ様の唇が重なります・・・嫌なの、気持ち悪いの!。
「さて、このまま子供を作ろうか、俺のマリアンヌ・・・」
「やだ・・・いやぁ!、助けてお母様ぁ!」
「暴れるな!、お前がお母様になるんだよ!」
こんにちは、私の名前はアリシア・ウンディーネ。
昨日寝室に男が乱入してマリアンヌさんを連れ去ってしまったわ。
正確に言えば・・・私の髪を掴んで窓から連れ去ろうとしていた男にマリアンヌさんが蹴りを入れて・・・代わりに連れて行かれたのだけど・・・。
お父様が言うには侵入者は希少な古代遺跡から出土した「認識阻害のローブ」と催眠の香を使って厳重なウンディーネ家の警備をすり抜け、マリアンヌさんを攫った後、影に潜るように消えてしまった・・・。
その前日には王城で勾留されていたネッコォ家当主に何者かが接触した形跡があったらしいの、だからお父様や陛下はイッヌ・ネッコォが関わっているか、彼が雇った裏組織の仕業だろうと言っていたわ。
「ぐす・・・私のかわりにマリアンヌさんが・・・」
「泣かないでアリシアちゃん・・・陛下の指示で王国騎士団、それからウンディーネ家とシェルダン家の騎士様達も出て探しているわ、きっと大丈夫・・・」
私は昨夜からお母様に頭を撫でられながらずっと泣き続けてるの、こんなに泣いたのは幼少期の時以来ね・・・だって私の大事なマリアンヌさんが・・・。
「わぁぁ・・・お母様ぁ・・・」
「よしよし」
なでなで・・・
コンコン・・・
ガチャ!
「アリシア、マリアンヌちゃんが見つかった!、王都と隣町の中間にある林の中に居た」
「お父様・・・マリアンヌさんは大丈夫なの?」
「命に別状はない、昼頃にはうちに運ばれて来るだろう、医者を手配してここで治療する事になった」
「お医者様・・・マリアンヌさんは怪我をしているの?」
「・・・それは後で説明する、アリシアとラスティータは少し休みなさい、昨晩から寝ていないのだろう」
・・・ざわざわ
・・・どたどた
お部屋の外が騒がしくなって目が覚めてしまったわ。
もしかして・・・マリアンヌさんが運ばれて来たの?。
がちゃ!
私はお部屋の外に飛び出したわ、廊下にいた警備の騎士様に尋ねたら先ほどマリアンヌさんがこの家に運ばれて来たのだそう。
私は1階に降りて辺りを見渡すと・・・居たわ!、騎士様にお姫様抱っこされて、ベッドのある客間に入るところだったの。
「マリアンヌさん!」
私が駆け寄ると、毛布にくるまって涙と鼻水を垂れ流しているマリアンヌさんと目が合ったの。
「ぐすっ・・・お姉様ぁ・・・ひっく・・・痛いの、苦しいの・・・私・・・赤ちゃんができちゃうの・・・いやぁ・・・赤ちゃんいやぁ・・・」
「・・・っ!」
今マリアンヌさんはなんて言ったの?、赤ちゃん?、まさか赤ちゃんができるような事をされたの?、誰に・・・そんなのあの犬畜生以外居ないじゃない!。
ゴゴゴゴゴ・・・
「ひっ!」
いけないわ!、つい怒りで怖い顔をしてしまった・・・これじゃぁマリアンヌさんを怖がらせてしまうわ・・・でも・・・あぁ!なんて事!、私の大切なマリアンヌさんが・・・汚されてしまったなんて!。
マリアンヌさんがうちに運ばれて来たのがお昼過ぎ、それからお医者様がいらっしゃって治療が始まったの・・・夕方になってようやくお医者様と助手の男性がお部屋から出て来たわ。
今このお家には私と私の両親とお兄様・・・お父様は今日お城のお仕事を休んでいるわ、それとマリアンヌさんのご両親と弟のパトリックさん、何故かアーノルド様と王太子殿下、それにインフィニ殿下もいらっしゃるわね。
「先生・・・マリアンヌさんは」
私が先頭に立ってお医者様に容態を聞いたわ。
「えぇ、もう大丈夫、身体に傷・・・刻印は残ってしまいますが安静にしていればすぐに歩けるようになるでしょう」
ガチャ・・・
お部屋に入るとマリアンヌさんが泣いていたわ。
「うぅ・・・恥ずかしいの・・・お医者様に全部見られたの・・・お股の穴の中まで・・・」
とてもえっちな想像をしてしまったわ!。
「あの・・・先生、マリアンヌさんは襲われて・・・その・・・赤ちゃんが」
一番聞き辛い事をお母様が聞いてくれたわ、後ろで男性陣が固まっているわね、でもこれはとても大事な事よ!。
「はい、ご本人は赤ちゃんが出来てしまう、どうしようと泣いておられたので調べてみたのですが、特に「そういった」暴行はされておりません、騎士様から受けた報告にも全裸に剥かれてはおりましたが・・・行為をされる直前に騎士団に見つかり、マリアンヌ様を放置して逃亡したと・・・」
「え・・・でも・・・」
「マリアンヌ様は先ほど確認しましたところ間違いなく処女でございます」
「マリアンヌさん・・・あの男に何をされたか・・・言える?」
「ぐすっ・・・お口にキスされたの・・・」
なんて事でしょう!、私でさえまだしてないのに!。
「それから・・・何をされたの」
「あと抱きつかれたの・・・気持ち悪かったの・・・」
あの犬畜生に抱きつかれて・・・それはとても気持ち悪かったでしょう、あとで頭を撫でて慰めてあげるわ。
「抱きつかれた後は何をされたの?」
「それだけなの、昔、お姉様が・・・男の人は獣で・・・お口にキスされたら赤ちゃんが出来るの・・・だから気をつけなさいって・・・言ったからぁ」
確かに言った覚えがあるわ!。
「マリアンヌさん、念の為に聞くけど赤ちゃんってどうやればできるのか・・・知っている?」
「うん・・・男の人とお口でキスをして、抱き締められたらできるの」
「・・・」
「じゃぁ・・・マリアンヌさんはキス以外何もされてないの?」
「いえ、犯人によって下腹部に焼印を刻まれております、その・・・申し上げにくいのですが大変特殊な魔道具によって刻み付けられたようで・・・皮膚の下・・・奥深くまで魔石の染料が染み付いております、消す事は不可能ですし一生消えずに残るかと・・・」
「なんて事・・・」
お父様がマリアンヌさんの前に跪いて言いました。
「マリアンヌちゃん、娘を守ってくれて本当にありがとう!、この恩はウンディーネ家が続く限り決して忘れない、将来何か困った事があったら遠慮なく言ってくれ、我が家が必ず力になる」
「そうね、本当にありがとうマリアンヌさん、貴方が暴漢を蹴って助けてくれなかったら私もどうなっていたか・・・」
「・・・いえ・・・お姉様が無事で良かったの・・・お腹に醜い刻印をつけられたのは悲しいけど、それでお姉様の命が助かったのなら・・・私は気にしないの・・・それに元々ボッチ家の問題だったから巻き込んじゃってごめんなさい・・・」
「うわぁぁぁ!、マリアンヌぅ!」
マリアンヌさんのお父様が泣きながら抱きついたわ、これは演技じゃなくて本気ね、でも・・・。
「私達家族は巻き込まれたなんて思ってなくてよ、それに・・・ウンディーネ家に侵入して喧嘩を売ったのだもの犯人はタダじゃ済まないわ・・・うふふふ・・・」
「そうだな、これはウンディーネ家に売られた喧嘩だ、どこの裏組織か知らんが・・・皆殺しにしてやろう・・・ふふふ・・・」
「うちの・・・シェルダン家も是非仲間に入れて欲しい、マリアンヌ嬢の身体に傷を付けた罪、償わせてやる」
みしっ・・・
ばしゅっ!
またノルドさんの上着が弾け飛んで上半身裸になったわ・・・もう少し大きな服を着ればいいのに・・・。
「王家としても地下牢に入っていたネッコォ家当主に簡単に接触されてしまった・・・ウンディーネ家と同じ手口で認識阻害の魔道具と催眠の香を使われたようだ、これだけ王家をコケにされて黙っているわけにはいかないと親父も言っている」
「ネッコォ家の当主は逃げなかったの?」
「あぁ・・・妻と娘が死んだと聞かされてからは急に大人しくなった、・・・いやもう廃人状態と言ってもいいかな、抜け殻みたいになって・・・侵入者が逃がそうとした時も拒否して牢から出なかったらしい」
0
お気に入りに追加
64
あなたにおすすめの小説
美幼女に転生したら地獄のような逆ハーレム状態になりました
市森 唯
恋愛
極々普通の学生だった私は……目が覚めたら美幼女になっていました。
私は侯爵令嬢らしく多分異世界転生してるし、そして何故か婚約者が2人?!
しかも婚約者達との関係も最悪で……
まぁ転生しちゃったのでなんとか上手く生きていけるよう頑張ります!
〜マリアンヌさんは凶悪令息のお気に入り〜
柚亜紫翼
恋愛
裕福な貴族令嬢マリアンヌ・ボッチさんはお裁縫が趣味の16歳。
上級貴族の令息と政略によって半ば強制的に婚約者にさせられていました、見た目麗しい婚約者様だけど性格がとても悪く、いつも泣かされています。
本当はこんな奴と結婚なんて嫌だけど、相手は権力のある上級貴族、断れない・・・。
マリアンヌさんを溺愛する家族は婚約を解消させようと頑張るのですが・・・お金目当ての相手のお家は簡単に婚約を破棄してくれません。
憂鬱な毎日を送るマリアンヌさんの前に凶悪なお顔の男性が現れて・・・。
投稿中の
〜隻眼の令嬢、リーゼロッテさんはひきこもりたい!〜
https://www.alphapolis.co.jp/novel/652357507/282796475
に登場するリーゼロッテさんのお母様、マリアンヌさんの過去話です。
本編にも同じお話を掲載しますが独立したお話として楽しんでもらえると嬉しいです。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
スペースシエルさんReboot 〜宇宙生物に寄生されましたぁ!〜
柚亜紫翼
SF
真っ暗な宇宙を一人で旅するシエルさんはお父さんの遺してくれた小型宇宙船に乗ってハンターというお仕事をして暮らしています。
ステーションに住んでいるお友達のリンちゃんとの遠距離通話を楽しみにしている長命種の145歳、趣味は読書、夢は自然豊かな惑星で市民権とお家を手に入れのんびり暮らす事!。
「宇宙船にずっと引きこもっていたいけど、僕の船はボロボロ、修理代や食費、お薬代・・・生きる為にはお金が要るの、だから・・・嫌だけど、怖いけど、人と関わってお仕事をして・・・今日もお金を稼がなきゃ・・・」
これは「小説家になろう」「カクヨム」「アルファポリス」に投稿している「〜隻眼の令嬢、リーゼロッテさんはひきこもりたい!〜」の元になったお話のリメイクです、なので内容や登場人物が「リーゼロッテさん」とよく似ています。
時々鬱展開やスプラッタな要素が混ざりますが、シエルさんが優雅な引きこもり生活を夢見てのんびりまったり宇宙を旅するお話です。
遥か昔に書いたオリジナルを元にリメイクし、新しい要素を混ぜて最初から書き直していますので宇宙版の「リーゼロッテさん」として楽しんでもらえたら嬉しいです。
〜隻眼の令嬢、リーゼロッテさんはひきこもりたい!〜
https://www.alphapolis.co.jp/novel/652357507/282796475
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる