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Side - 16 - 6 - とくべつおかねにきたないだけなのです -(挿絵あり)
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Side - 16 - 6 - とくべつおかねにきたないだけなのです -
「えっぐ・・・うっく・・・ぐす・・・げほっ!えふっ!・・・」
「・・・」
「・・・」
「あの・・・美少女魔法騎士リベラちゃん・・・」
「何だい理世ちゃん」
「これはどういう事なのです?」
「あはは・・・」
こんにちは、リーゼロッテ・シェルダン16歳です。
私のお誕生日会を家族だけで開いた3日後、リベラちゃん・・・アメリア様がシェルダン邸に訪ねて来たのです。
泣きじゃくる薄汚い・・・いえ、変わり果てた姿のセシル・ミューラーちゃんと、血まみれでぐったりしている男性2人を引き摺って・・・。
「とりあえずお屋敷の中に入るのです、セシルちゃんを治療しなきゃ、それから大丈夫じゃなさそうな男の人も・・・」
「一応清浄の術で地下水路に居た時よりは小綺麗にはなってると思うけど、地下から直接転移して来たからまだ臭いなぁ、屋敷の中に入れる前に丸洗いしようか?」
「これで小綺麗?、・・・お掃除するメイドさんはいい顔しないだろうけど、怪我人だから丸洗いは・・・あ、そうだ、ちょっと待っててね、連れてくるから」
しゅっ・・・
ぱぁっ!
「うわ眩しっ!」
「聖女様を連れてきたから浄化の重ね掛けしてもらうね、これなら細かな汚れや臭いはもちろん病原菌も死滅すると思うの」
「聖女様?・・・その子泣いてるようだけど・・・」
「うっく・・・ぐすっ・・・リゼちゃん酷い、また寝てるところ叩き起こされたの・・・、昨日食中毒患者が大勢出て徹夜だったのに・・・」
「この人は聖女のトアール・インデクスさん、お金が大好きな人だから報酬さえ払えば何でもしてくれるの、だから問題無いのです」
「わぁ・・・」
「さぁ、トアールさん、お家に帰して欲しければ早く浄化するのです」
「理世ちゃん言い方・・・」
「ぐす・・・えと・・・対象はどこ?」
「そこに倒れてる3人をお願いするのです・・・ほらこっちだよ」
「ひいっ!・・・何これ!、臭っ!」
「トアールさん、一応聖女様なんだから思ってても言っちゃいけない事ってあるのです・・・」
「ごめんなさい・・・でも尋常じゃなく臭いよ、何があったの?」
「下水路で暮らしてた人達なの、ちょっと訳ありで怪我しちゃったから治療の前に浄化してもらおうと思って」
「訳あり・・・あまり私が聞かない方がいいのかなぁ・・・じゃぁ浄化するね、10回くらいでいいかな?」
「うん、お願いします」
「浄化!、浄化!、ぬぅぅぅん!、浄化ぁぁぁ!」
ぱぁっ!
「凄いねー、確か浄化の魔法陣は教会に所属する聖女様しか使えないんだっけ?」
「何度か横で魔法陣を見せてもらったけど普通に起動させても動かないのです、何か秘密があるのかなぁ・・・」
「はぁ・・・はぁ・・・10回終わったよリゼちゃん、他の人が簡単に浄化の魔法を使えたらお布施もらえないし教会にみんな来なくなって商売にならないの、だからこれは大司教様に直接秘密を教わった聖女だけが使えるの」
「今商売って言ったぁ!」
「教会だって商売だよ・・・、お金が無いと人も雇えないし聖女達のお給料も払えないの」
「もしかしてトアールさんは神様を信じてないのです?」
「もちろん信じてないよ、私が信じてるのはお金だけだよ」
「わぁ・・・」
「神様なんて居ないの、何度も祈ったのに私を助けてくれなかったの(ギリッ)」
「え?」
「ううん、なんでもないよ・・・」
「・・・トアールさん、普段は優しそうな人なのに何だか闇が深そうなのです」
「さて、綺麗になったから屋敷の中に運ぼうか、理世ちゃん、お部屋は用意出来てるのかな?」
「客間の一つを使おうと思ってるの、私がお部屋に転移させるよ、あ、トアールさん、手術の時にも浄化してもらいたいからもうちょっと付き合ってもらってもいいかな?」
「うん、割増料金貰うけど」
「セシルちゃんの治療だって言えばリィンちゃんや陛下も気前良く払ってくれるから大丈夫なのです!」
「え・・・嘘・・・リゼちゃんが払ってくれるんじゃないの?、王女殿下や陛下からぼったくるのはちょっと・・・」
今ぼったくるって言ったぁ!
「理世ちゃん・・・最近の聖女様ってみんなこんななのかい?(ボソッ)」
「いや、トアールさんが特別お金に汚いだけなのです(ボソッ)」
セシルちゃんをお部屋に寝かせて傷口を確認したのですが・・・付けられた傷が深くて完全に腱が切断されていたのと、長く不衛生な場所に居た為に酷く化膿していました。
私では無理だと判断して博士に協力をお願いする事に・・・。
「この子が足に重傷を負ってる患者か?、おっ、トアール嬢ちゃんも居るじゃねぇか」
「・・・リゼちゃんに寝てるところを叩き起こされたの・・・ぐすっ・・・」
「博士ぇ、一通り処置したんだけど私の技術じゃ無理そうなの」
「どれ、見せてみろ・・・それと・・・あそこに転がってる男は何だ?」
「あれは後でいいのです、ちょっとアメリア様がやり過ぎちゃって・・・死なない程度に手加減はしてあるって」
「一応コルトの街でやった男の時と同じ要領で治療はした、だが時間が経ち過ぎてるから歩けるようになるかどうかは分からん」
「・・・」
「で、向こうの男達はどうするんだ?、嬢ちゃんが対応するのか?、・・・そんな嫌そうな顔するなよ!、分かった、俺が処置してやるから」
「博士ぇ、ごめんね・・・」
「嬢ちゃんの男嫌いはよく知ってるから気にするな」
俺の名前はマルコー、長く下水路でその日暮らしをしているつまらん男だ。
今俺は貴族の屋敷らしい部屋で怪我の治療をされ、ベニーの奴と一緒に尋問を受けている・・・尋問と言うにはやたらと扱いが丁寧だが・・・。
今朝いつものようにセシル嬢ちゃんと飯を食って、さて水路の見回りに行こうかと思っていたら突然でかい魔物が目の前に現れた、この前嬢ちゃんを襲った白い獣だ。
俺は攻撃魔法を起動させたが魔物に命中する直前、別の魔法によって打ち消された、何てこった、この魔法が防がれたのは初めての事だ。
「おやおや、威勢のいいおじさんだね、いきなり人に向けて魔法を撃ってはいけないと習わなかったのかな?」
魔物の隣には王国騎士団の制服?を着た・・・小さな女の子が立っていた、それにしても最近の騎士団は少女になんてエロい格好させてるんだよ、特に下半身はまるで裸・・・薄くてぴっちりしたズボンのようなものを履いていて身体の線が丸分かりだ。
あと5歳ほど少女の年齢が高かったら長くご無沙汰状態だった俺の暴れん坊が騒ぎ出してたところだぜ・・・。
いや!、そんなどうでもいい事を考えてる場合じゃねぇ、この場所が騎士団に見つかった・・・王都では忘れ去られた地下水路・・・一部の人間しか知らない俺達のような行き場のない人間が暮らす貴重な場所。
「・・・何者だ、その物騒な白い奴はお前のペットか?」
「何者って・・・見ての通り新米の騎士団員、美少女魔法騎士リベラ・ロリータちゃんだ、こいつは・・・前に魔法で攻撃されて・・・汚物まみれにしてくれたお礼が言いたいらしいから連れて来た」
「ぐるるるる・・・・」
「おじさん・・・怖いよぉ・・・」
俺の隣でセシル嬢ちゃんが小便を漏らして泣いてるが今それどころじゃねぇ!。
彼女を庇うように俺は魔物とエロい格好をした不審者の前に出た。
「私はそこのお嬢さんを迎えに来た、大人しく渡してもらえるとありがたい」
「・・・」
「おいマルコー!、何の騒ぎだ!、うひゃぁぁぁ!化け物!」
騒ぎを聞いて隣に住んでるベニーの奴がやって来た、魔物を見て驚いてやがるな・・・俺も平静を装ってるが怖くて足が震えてる・・・。
「この子は訳ありだ、連れ帰ってどうするんだよ」
「あなたが知る必要は無い・・・」
ちゅどぉぉん!
「うわ危ねぇ!」
俺が攻撃魔法陣を起動させようとしたら少女が俺に向かって攻撃して来やがった!、なら俺も反撃するまでだ!。
エロい少女はとてつもなく強かった、魔法には自信があったがまるで歯が立たねぇ・・・俺の攻撃はことごとく躱され、奴の攻撃は全部当たった。
「待って!、私貴方について行くから!、おじさんを殺さないで!」
セシル嬢ちゃんが俺の事を庇ってくれた、まだそんなに長い間一緒に暮らしてねぇが優しい子だ。
「それとお願いがあるの、おじさんも一緒に行っていい?、私一人じゃ怖くて・・・」
おい待て!、ふざけるな!、俺を巻き込むんじゃねぇ!。
「いいよー、じゃぁおじさん2人には大人しくしてもらわないとね」
エロ少女がでかい魔法陣を起動させて・・・その後俺とベニーは気を失ったようだ。
「まず、あなた達の名前と素性を聞こうか」
この部屋にはベッドに寝かされてるセシル嬢ちゃん、拘束されている俺とベニーの他には俺を襲ってここに連れて来たエロ少女、セシル嬢ちゃんとよく似た眼帯少女、胡散臭い初老の男、聖女服を着た幼女が居る・・・幼女率が高いなおい!。
「俺の名前はマルコー・ヨウジョスキー、無職で独身・・・」
「・・・俺はベニー・ショウガァ、マルコーのおっさんと同じく無職で独身だ」
「そう・・・あなた達がセシルちゃんを保護して大事に匿ってくれていた事は調べてあるのだ、本当に感謝している」
「感謝してるにしては扱いが雑だな・・・」
「攻撃されたからつい頭に血が昇ってね、でも殺さないように手加減はしたんだよ」
「・・・」
「セシルちゃんは貴族の令嬢でね、ちょうど王家がとある事件の捜査に協力をお願いしたところ、彼女を日頃から虐げていた家族が大喜びで差し出したの、王都で逃げ出さないように足を切って目も潰して・・・、結局それでも逃げ出したのだけど」
「酷ぇなおい」
「そうだねー、家族は王家に協力したのに娘が行方不明になった、死んでいるかもしれない、慰謝料を払え!って騒いでる、だから彼女が生きてたら都合が悪くて・・・裏組織に生存の確認と生きていた時の殺害依頼まで出した」
「・・・」
「実情を知らなかった王家も責任を感じて今までずっと探してたの、まさか下水路に居るとは思わなくて探すのに手間取っちゃったけどね」
「それで・・・セシル嬢ちゃんはこれからどうなるんだ?」
「彼女がどうしたいのか希望を聞いて、それを叶えるように王家が動くだろう、王家が依頼を出したせいでこんな事になったから陛下は責任を取ると言っている、どこかで静かに暮らしたいのなら家を買い与えて資金援助するか、貴族の生活に戻りたいならどこかの貴族家と養子縁組して・・・って感じかな」
「そうか、なら良かった、これで俺も肩の荷が降りるぜ、最初は面倒な奴を拾ったな・・・って後悔してたが・・・一緒に暮らすようになって情が移っちまった、嬢ちゃんが幸せに暮らせるならそれでいい」
トアール・インデクスさん
トアール・インデクスさん(普段着)
「えっぐ・・・うっく・・・ぐす・・・げほっ!えふっ!・・・」
「・・・」
「・・・」
「あの・・・美少女魔法騎士リベラちゃん・・・」
「何だい理世ちゃん」
「これはどういう事なのです?」
「あはは・・・」
こんにちは、リーゼロッテ・シェルダン16歳です。
私のお誕生日会を家族だけで開いた3日後、リベラちゃん・・・アメリア様がシェルダン邸に訪ねて来たのです。
泣きじゃくる薄汚い・・・いえ、変わり果てた姿のセシル・ミューラーちゃんと、血まみれでぐったりしている男性2人を引き摺って・・・。
「とりあえずお屋敷の中に入るのです、セシルちゃんを治療しなきゃ、それから大丈夫じゃなさそうな男の人も・・・」
「一応清浄の術で地下水路に居た時よりは小綺麗にはなってると思うけど、地下から直接転移して来たからまだ臭いなぁ、屋敷の中に入れる前に丸洗いしようか?」
「これで小綺麗?、・・・お掃除するメイドさんはいい顔しないだろうけど、怪我人だから丸洗いは・・・あ、そうだ、ちょっと待っててね、連れてくるから」
しゅっ・・・
ぱぁっ!
「うわ眩しっ!」
「聖女様を連れてきたから浄化の重ね掛けしてもらうね、これなら細かな汚れや臭いはもちろん病原菌も死滅すると思うの」
「聖女様?・・・その子泣いてるようだけど・・・」
「うっく・・・ぐすっ・・・リゼちゃん酷い、また寝てるところ叩き起こされたの・・・、昨日食中毒患者が大勢出て徹夜だったのに・・・」
「この人は聖女のトアール・インデクスさん、お金が大好きな人だから報酬さえ払えば何でもしてくれるの、だから問題無いのです」
「わぁ・・・」
「さぁ、トアールさん、お家に帰して欲しければ早く浄化するのです」
「理世ちゃん言い方・・・」
「ぐす・・・えと・・・対象はどこ?」
「そこに倒れてる3人をお願いするのです・・・ほらこっちだよ」
「ひいっ!・・・何これ!、臭っ!」
「トアールさん、一応聖女様なんだから思ってても言っちゃいけない事ってあるのです・・・」
「ごめんなさい・・・でも尋常じゃなく臭いよ、何があったの?」
「下水路で暮らしてた人達なの、ちょっと訳ありで怪我しちゃったから治療の前に浄化してもらおうと思って」
「訳あり・・・あまり私が聞かない方がいいのかなぁ・・・じゃぁ浄化するね、10回くらいでいいかな?」
「うん、お願いします」
「浄化!、浄化!、ぬぅぅぅん!、浄化ぁぁぁ!」
ぱぁっ!
「凄いねー、確か浄化の魔法陣は教会に所属する聖女様しか使えないんだっけ?」
「何度か横で魔法陣を見せてもらったけど普通に起動させても動かないのです、何か秘密があるのかなぁ・・・」
「はぁ・・・はぁ・・・10回終わったよリゼちゃん、他の人が簡単に浄化の魔法を使えたらお布施もらえないし教会にみんな来なくなって商売にならないの、だからこれは大司教様に直接秘密を教わった聖女だけが使えるの」
「今商売って言ったぁ!」
「教会だって商売だよ・・・、お金が無いと人も雇えないし聖女達のお給料も払えないの」
「もしかしてトアールさんは神様を信じてないのです?」
「もちろん信じてないよ、私が信じてるのはお金だけだよ」
「わぁ・・・」
「神様なんて居ないの、何度も祈ったのに私を助けてくれなかったの(ギリッ)」
「え?」
「ううん、なんでもないよ・・・」
「・・・トアールさん、普段は優しそうな人なのに何だか闇が深そうなのです」
「さて、綺麗になったから屋敷の中に運ぼうか、理世ちゃん、お部屋は用意出来てるのかな?」
「客間の一つを使おうと思ってるの、私がお部屋に転移させるよ、あ、トアールさん、手術の時にも浄化してもらいたいからもうちょっと付き合ってもらってもいいかな?」
「うん、割増料金貰うけど」
「セシルちゃんの治療だって言えばリィンちゃんや陛下も気前良く払ってくれるから大丈夫なのです!」
「え・・・嘘・・・リゼちゃんが払ってくれるんじゃないの?、王女殿下や陛下からぼったくるのはちょっと・・・」
今ぼったくるって言ったぁ!
「理世ちゃん・・・最近の聖女様ってみんなこんななのかい?(ボソッ)」
「いや、トアールさんが特別お金に汚いだけなのです(ボソッ)」
セシルちゃんをお部屋に寝かせて傷口を確認したのですが・・・付けられた傷が深くて完全に腱が切断されていたのと、長く不衛生な場所に居た為に酷く化膿していました。
私では無理だと判断して博士に協力をお願いする事に・・・。
「この子が足に重傷を負ってる患者か?、おっ、トアール嬢ちゃんも居るじゃねぇか」
「・・・リゼちゃんに寝てるところを叩き起こされたの・・・ぐすっ・・・」
「博士ぇ、一通り処置したんだけど私の技術じゃ無理そうなの」
「どれ、見せてみろ・・・それと・・・あそこに転がってる男は何だ?」
「あれは後でいいのです、ちょっとアメリア様がやり過ぎちゃって・・・死なない程度に手加減はしてあるって」
「一応コルトの街でやった男の時と同じ要領で治療はした、だが時間が経ち過ぎてるから歩けるようになるかどうかは分からん」
「・・・」
「で、向こうの男達はどうするんだ?、嬢ちゃんが対応するのか?、・・・そんな嫌そうな顔するなよ!、分かった、俺が処置してやるから」
「博士ぇ、ごめんね・・・」
「嬢ちゃんの男嫌いはよく知ってるから気にするな」
俺の名前はマルコー、長く下水路でその日暮らしをしているつまらん男だ。
今俺は貴族の屋敷らしい部屋で怪我の治療をされ、ベニーの奴と一緒に尋問を受けている・・・尋問と言うにはやたらと扱いが丁寧だが・・・。
今朝いつものようにセシル嬢ちゃんと飯を食って、さて水路の見回りに行こうかと思っていたら突然でかい魔物が目の前に現れた、この前嬢ちゃんを襲った白い獣だ。
俺は攻撃魔法を起動させたが魔物に命中する直前、別の魔法によって打ち消された、何てこった、この魔法が防がれたのは初めての事だ。
「おやおや、威勢のいいおじさんだね、いきなり人に向けて魔法を撃ってはいけないと習わなかったのかな?」
魔物の隣には王国騎士団の制服?を着た・・・小さな女の子が立っていた、それにしても最近の騎士団は少女になんてエロい格好させてるんだよ、特に下半身はまるで裸・・・薄くてぴっちりしたズボンのようなものを履いていて身体の線が丸分かりだ。
あと5歳ほど少女の年齢が高かったら長くご無沙汰状態だった俺の暴れん坊が騒ぎ出してたところだぜ・・・。
いや!、そんなどうでもいい事を考えてる場合じゃねぇ、この場所が騎士団に見つかった・・・王都では忘れ去られた地下水路・・・一部の人間しか知らない俺達のような行き場のない人間が暮らす貴重な場所。
「・・・何者だ、その物騒な白い奴はお前のペットか?」
「何者って・・・見ての通り新米の騎士団員、美少女魔法騎士リベラ・ロリータちゃんだ、こいつは・・・前に魔法で攻撃されて・・・汚物まみれにしてくれたお礼が言いたいらしいから連れて来た」
「ぐるるるる・・・・」
「おじさん・・・怖いよぉ・・・」
俺の隣でセシル嬢ちゃんが小便を漏らして泣いてるが今それどころじゃねぇ!。
彼女を庇うように俺は魔物とエロい格好をした不審者の前に出た。
「私はそこのお嬢さんを迎えに来た、大人しく渡してもらえるとありがたい」
「・・・」
「おいマルコー!、何の騒ぎだ!、うひゃぁぁぁ!化け物!」
騒ぎを聞いて隣に住んでるベニーの奴がやって来た、魔物を見て驚いてやがるな・・・俺も平静を装ってるが怖くて足が震えてる・・・。
「この子は訳ありだ、連れ帰ってどうするんだよ」
「あなたが知る必要は無い・・・」
ちゅどぉぉん!
「うわ危ねぇ!」
俺が攻撃魔法陣を起動させようとしたら少女が俺に向かって攻撃して来やがった!、なら俺も反撃するまでだ!。
エロい少女はとてつもなく強かった、魔法には自信があったがまるで歯が立たねぇ・・・俺の攻撃はことごとく躱され、奴の攻撃は全部当たった。
「待って!、私貴方について行くから!、おじさんを殺さないで!」
セシル嬢ちゃんが俺の事を庇ってくれた、まだそんなに長い間一緒に暮らしてねぇが優しい子だ。
「それとお願いがあるの、おじさんも一緒に行っていい?、私一人じゃ怖くて・・・」
おい待て!、ふざけるな!、俺を巻き込むんじゃねぇ!。
「いいよー、じゃぁおじさん2人には大人しくしてもらわないとね」
エロ少女がでかい魔法陣を起動させて・・・その後俺とベニーは気を失ったようだ。
「まず、あなた達の名前と素性を聞こうか」
この部屋にはベッドに寝かされてるセシル嬢ちゃん、拘束されている俺とベニーの他には俺を襲ってここに連れて来たエロ少女、セシル嬢ちゃんとよく似た眼帯少女、胡散臭い初老の男、聖女服を着た幼女が居る・・・幼女率が高いなおい!。
「俺の名前はマルコー・ヨウジョスキー、無職で独身・・・」
「・・・俺はベニー・ショウガァ、マルコーのおっさんと同じく無職で独身だ」
「そう・・・あなた達がセシルちゃんを保護して大事に匿ってくれていた事は調べてあるのだ、本当に感謝している」
「感謝してるにしては扱いが雑だな・・・」
「攻撃されたからつい頭に血が昇ってね、でも殺さないように手加減はしたんだよ」
「・・・」
「セシルちゃんは貴族の令嬢でね、ちょうど王家がとある事件の捜査に協力をお願いしたところ、彼女を日頃から虐げていた家族が大喜びで差し出したの、王都で逃げ出さないように足を切って目も潰して・・・、結局それでも逃げ出したのだけど」
「酷ぇなおい」
「そうだねー、家族は王家に協力したのに娘が行方不明になった、死んでいるかもしれない、慰謝料を払え!って騒いでる、だから彼女が生きてたら都合が悪くて・・・裏組織に生存の確認と生きていた時の殺害依頼まで出した」
「・・・」
「実情を知らなかった王家も責任を感じて今までずっと探してたの、まさか下水路に居るとは思わなくて探すのに手間取っちゃったけどね」
「それで・・・セシル嬢ちゃんはこれからどうなるんだ?」
「彼女がどうしたいのか希望を聞いて、それを叶えるように王家が動くだろう、王家が依頼を出したせいでこんな事になったから陛下は責任を取ると言っている、どこかで静かに暮らしたいのなら家を買い与えて資金援助するか、貴族の生活に戻りたいならどこかの貴族家と養子縁組して・・・って感じかな」
「そうか、なら良かった、これで俺も肩の荷が降りるぜ、最初は面倒な奴を拾ったな・・・って後悔してたが・・・一緒に暮らすようになって情が移っちまった、嬢ちゃんが幸せに暮らせるならそれでいい」
トアール・インデクスさん
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