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本編
第2話
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「此度、太陽と月の精霊王が代替わりするにあたり、精霊妃もまた選出する事とあいなった」
「候補に選ばれた者たちは前へ」
王城の一室、国王陛下や大臣達と言った偉い方や高位貴族が集められ、彼らの前にはいくつもの小さな箱が綺麗に並べられ鎮座していた。
私は妹のメルフィと一緒に、前に進み出た。
「メルちゃんなら、大丈夫よ!頑張ってね」
「メルフィ、お前なら問題ない。行ってこい」
伯爵様夫妻がメルフィに声をかける。
「おい!お前は無駄な事は一切するな!選ばれる事は無いんだっ!一族の恥だけは晒すなよっ」
「そうよっ!メルちゃんと違って愛想も可愛げもないんだからっ」
私は名前も呼ばれない……
私は右手に現れた月の紋章をみた。
メルフィには、左手に太陽の紋章がある。
数ヶ月前……私とメルフィは、それぞれの手に紋章が現れた。その後直ぐに陛下に報告がいって、私達は使者の方と面会することになって…
あれよあれよという間に、私達は着飾って…私はあまり着飾ってないけど……王様達の前に連れて来られたのだ。
伯爵様は、私を連れて来たくなかったみたいだけど……リスト?みたいなのに名前が乗ってて隠す事が出来なかったみたいです。
嫌そうに、メルフィのお下がりを渡して来ました。
それは、痩せ細った体に無数の傷跡を隠すため、長袖に首を覆い隠す襟、スカートも長く全体的にサイズの大きいドレスでした。
前に進み出た時に周りから、何やら話す声が聞こえて来て、何を話してるのか気になったけど、でも怖くて……顔を上げる事は出来ませんでした。
「名前が呼ばれた者から前へ」
王様の横に立っていた方が、紙を片手に名前を読み上げ始めました。
「セルジュ・ギャンタ」
「はい」
私と同じくらいの男の子が礼をして前に進み出て行く。
「箱の上に紋章を」
男の子は左手を箱の上に乗せました。
……でも、何も起こりません。
メルフィは、口の端を上げてニヤリと笑っていました。
男の子は、次の箱、その次の箱と紋章を箱の上に掲げていき、そして遂に4つ目の箱で紋章が光りました。
「箱の中を見なさい」
「は、はぃ!」
男の子が恐る恐る箱の中を見て手に取ると、そこには卵がありました。
琥珀色の小さな卵です。
「コーネリア・ファス」
「はい」
次に呼ばれたのは、私達の中で1番背の高い子で…、その子が光らせた箱に入っていたのは、淡い黄色の卵だった。
その後、次々に名前が呼ばれ、同じように箱に手をかざし紋章が光るとその中身を取り出す。大小様々、色とりどりだけれど、みんな卵みたいです。
「メルフィ・グリゴール」
妹の名前が呼ばれました。
メルフィは、スカートを摘み綺麗にお辞儀をすると前に出ていきました。
グリゴール伯爵達が期待に満ちた視線をメルフィに送ります。
メルフィはみんなと同じように行動し、取り出した卵は、今までで1番大きくて金色の卵でした。
その瞬間、全ての視線がメルフィに集まった。メルフィは誇らしげに胸を張り、他の子達がいる場所に向かって行った。
「静粛に
セラフィ・グリゴール」
「はぃ」
みんなの視線は、未だにメルフィに注がれていたので……
誰も自分を見てなくてよかった。
そして、私が手にした卵は……
「候補に選ばれた者たちは前へ」
王城の一室、国王陛下や大臣達と言った偉い方や高位貴族が集められ、彼らの前にはいくつもの小さな箱が綺麗に並べられ鎮座していた。
私は妹のメルフィと一緒に、前に進み出た。
「メルちゃんなら、大丈夫よ!頑張ってね」
「メルフィ、お前なら問題ない。行ってこい」
伯爵様夫妻がメルフィに声をかける。
「おい!お前は無駄な事は一切するな!選ばれる事は無いんだっ!一族の恥だけは晒すなよっ」
「そうよっ!メルちゃんと違って愛想も可愛げもないんだからっ」
私は名前も呼ばれない……
私は右手に現れた月の紋章をみた。
メルフィには、左手に太陽の紋章がある。
数ヶ月前……私とメルフィは、それぞれの手に紋章が現れた。その後直ぐに陛下に報告がいって、私達は使者の方と面会することになって…
あれよあれよという間に、私達は着飾って…私はあまり着飾ってないけど……王様達の前に連れて来られたのだ。
伯爵様は、私を連れて来たくなかったみたいだけど……リスト?みたいなのに名前が乗ってて隠す事が出来なかったみたいです。
嫌そうに、メルフィのお下がりを渡して来ました。
それは、痩せ細った体に無数の傷跡を隠すため、長袖に首を覆い隠す襟、スカートも長く全体的にサイズの大きいドレスでした。
前に進み出た時に周りから、何やら話す声が聞こえて来て、何を話してるのか気になったけど、でも怖くて……顔を上げる事は出来ませんでした。
「名前が呼ばれた者から前へ」
王様の横に立っていた方が、紙を片手に名前を読み上げ始めました。
「セルジュ・ギャンタ」
「はい」
私と同じくらいの男の子が礼をして前に進み出て行く。
「箱の上に紋章を」
男の子は左手を箱の上に乗せました。
……でも、何も起こりません。
メルフィは、口の端を上げてニヤリと笑っていました。
男の子は、次の箱、その次の箱と紋章を箱の上に掲げていき、そして遂に4つ目の箱で紋章が光りました。
「箱の中を見なさい」
「は、はぃ!」
男の子が恐る恐る箱の中を見て手に取ると、そこには卵がありました。
琥珀色の小さな卵です。
「コーネリア・ファス」
「はい」
次に呼ばれたのは、私達の中で1番背の高い子で…、その子が光らせた箱に入っていたのは、淡い黄色の卵だった。
その後、次々に名前が呼ばれ、同じように箱に手をかざし紋章が光るとその中身を取り出す。大小様々、色とりどりだけれど、みんな卵みたいです。
「メルフィ・グリゴール」
妹の名前が呼ばれました。
メルフィは、スカートを摘み綺麗にお辞儀をすると前に出ていきました。
グリゴール伯爵達が期待に満ちた視線をメルフィに送ります。
メルフィはみんなと同じように行動し、取り出した卵は、今までで1番大きくて金色の卵でした。
その瞬間、全ての視線がメルフィに集まった。メルフィは誇らしげに胸を張り、他の子達がいる場所に向かって行った。
「静粛に
セラフィ・グリゴール」
「はぃ」
みんなの視線は、未だにメルフィに注がれていたので……
誰も自分を見てなくてよかった。
そして、私が手にした卵は……
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