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本編
第3話
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そして、私が手にした卵は……
この中で1番小さく、夜空を写したような小さな淡い光を放つ闇色の卵だった。
それを見たメルフィが、嘲笑う。
けれど私は、何だか懐かしいような気がして…大事に大事に懐に抱きしめた。
「その卵は、精霊の卵です。貴女方は今日から城に移り住み、卵を孵して頂きます。太陽の精霊の卵を持つ者は、1階西の区画。月の精霊の卵を持つ者は、1階東の区画へ」
太陽と月で、住む場所を分けるみたい。
理由は分からないけれど、良かった…メルフィと顔を合わせる機会が少ないのは、正直とても嬉しかったから。
「精霊妃候補は狙われる可能性もありますので、今回の選定が終わるまで、一人一人に騎士が護衛でつきます。更に、通路や区画への入口にも騎士が立ちますのでご安心下さい。見回りには、近衛騎士団長と副団長が交代で行います。何かあれば、相談して下さい」
鎧を着た黒髪の大きい人と、クリーム色の長い髪をした細い人が頭を下げた。
この人達が、騎士団長さんと副団長さんかな?
「近衛騎士団長を務めている、ブラッドという。候補の皆さんの安全は俺達が保証しますのでご安心下さい」
黒髪の大きい人は……団長さんで、ブラッドさんと言うみたい。この場にいる誰よりも大きくて、強そうで、怖そうな人。
「私は、近衛騎士団の副団長を務めております、サレフと申します。以後お見知りおきを」
クリーム色の髪の人が頭を下げる。
この人は、副騎士団長さんで、サレフさんと言うらしい。長い髪をひとつに括り、片方だけの眼鏡をしてる。細くて厳しそうな人。
騎士団長と副団長が自己紹介すると、左右から騎士が現れ、卵を受け取ったセラフィ達の前に立ち跪いた。
「お嬢様、俺はジークと言います。よろしく」
「セラフィ様、俺はフェリクスと言います。よろしくお願いします」
赤い髪をした軽そうな感じの男の人が、ジーク様。
青い髪をした真面目そうな感じの男の人がフェリクス様。
私の護衛を担当してくれる2人が目の前で跪いている。
「あ、あのっ!私なんかに、そんな、丁寧にっ……すみません。わ、わたしは、セラフィです。よろしくお願いしますっ!」
セラフィが、勢いよく頭を下げた。
深々と下げてから顔を上げたセラフィに、2人の騎士は唖然とした顔で彼女を見つめていた。
(わ、わたしっ、何かやらかしちゃったのかな!?)
全員の視線を集め、顔面蒼白になったセラフィだったが……
コホン
宰相が咳払いをした事で外された。
「全員、挨拶は済みましたか。では、各々部屋に行き卵を孵して下さい。期限は7日です。7日以内に卵を孵す事の出来なかった者は、候補から外れて頂きます」
宰相の言葉が終わり、国王が解散の宣言をすると、セラフィ達は担当になった護衛騎士と共に部屋から出て行った。
誰もいなくなった部屋で国王は、静かに息を吐いた。額に手を当て、空を仰ぐ。
「誰が本当の精霊の卵を手にしたのか、我には分からぬ。……精霊妃達が…傷つけられぬ事を、ただひたすら祈るのみよ」
この中で1番小さく、夜空を写したような小さな淡い光を放つ闇色の卵だった。
それを見たメルフィが、嘲笑う。
けれど私は、何だか懐かしいような気がして…大事に大事に懐に抱きしめた。
「その卵は、精霊の卵です。貴女方は今日から城に移り住み、卵を孵して頂きます。太陽の精霊の卵を持つ者は、1階西の区画。月の精霊の卵を持つ者は、1階東の区画へ」
太陽と月で、住む場所を分けるみたい。
理由は分からないけれど、良かった…メルフィと顔を合わせる機会が少ないのは、正直とても嬉しかったから。
「精霊妃候補は狙われる可能性もありますので、今回の選定が終わるまで、一人一人に騎士が護衛でつきます。更に、通路や区画への入口にも騎士が立ちますのでご安心下さい。見回りには、近衛騎士団長と副団長が交代で行います。何かあれば、相談して下さい」
鎧を着た黒髪の大きい人と、クリーム色の長い髪をした細い人が頭を下げた。
この人達が、騎士団長さんと副団長さんかな?
「近衛騎士団長を務めている、ブラッドという。候補の皆さんの安全は俺達が保証しますのでご安心下さい」
黒髪の大きい人は……団長さんで、ブラッドさんと言うみたい。この場にいる誰よりも大きくて、強そうで、怖そうな人。
「私は、近衛騎士団の副団長を務めております、サレフと申します。以後お見知りおきを」
クリーム色の髪の人が頭を下げる。
この人は、副騎士団長さんで、サレフさんと言うらしい。長い髪をひとつに括り、片方だけの眼鏡をしてる。細くて厳しそうな人。
騎士団長と副団長が自己紹介すると、左右から騎士が現れ、卵を受け取ったセラフィ達の前に立ち跪いた。
「お嬢様、俺はジークと言います。よろしく」
「セラフィ様、俺はフェリクスと言います。よろしくお願いします」
赤い髪をした軽そうな感じの男の人が、ジーク様。
青い髪をした真面目そうな感じの男の人がフェリクス様。
私の護衛を担当してくれる2人が目の前で跪いている。
「あ、あのっ!私なんかに、そんな、丁寧にっ……すみません。わ、わたしは、セラフィです。よろしくお願いしますっ!」
セラフィが、勢いよく頭を下げた。
深々と下げてから顔を上げたセラフィに、2人の騎士は唖然とした顔で彼女を見つめていた。
(わ、わたしっ、何かやらかしちゃったのかな!?)
全員の視線を集め、顔面蒼白になったセラフィだったが……
コホン
宰相が咳払いをした事で外された。
「全員、挨拶は済みましたか。では、各々部屋に行き卵を孵して下さい。期限は7日です。7日以内に卵を孵す事の出来なかった者は、候補から外れて頂きます」
宰相の言葉が終わり、国王が解散の宣言をすると、セラフィ達は担当になった護衛騎士と共に部屋から出て行った。
誰もいなくなった部屋で国王は、静かに息を吐いた。額に手を当て、空を仰ぐ。
「誰が本当の精霊の卵を手にしたのか、我には分からぬ。……精霊妃達が…傷つけられぬ事を、ただひたすら祈るのみよ」
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