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憧れのメイソンお兄様(マリアンヌ視点)その2
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私は、その決心をしてから全ての縁談を断った。他の男性には、少しも興味がなかった。
メイソンお兄様さえ、私の夫になってくれたら、いつだって私は微笑んでいられる。
「全く、マリアンヌにも困ってしまうわ。週末にメイソンが来たら、言ってもらわなければいけないわ」
お母様は、深いため息をついて、私を困ったように見ていた。何度、言えばわかってもらえるの?
メイソンお兄様以外は、考えられないって、お母様にだって言っているのに。
「マリアンヌ。人の心は自由にはできないわ。メイソンは誰とも結婚したくないと、何度も言うのよ。メイソンに無理強いはできないわ」
そんなの、私にもわかっている。決して、無理強いしたいわけじゃない。私が、メイソンお兄様を支えて、絶対に幸せにしてさしあげると決めたからには、中途半端に引き下がるわけにいかないのよ。
*:.。 。.:*・゚✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*
週末にいらっしゃったメイソンお兄様は、庭園にいた私におっしゃった。
「ねぇ、マリアンヌ。縁談を全部、会ってもいないで断るのは良くないよ? 会うだけでもいいから・・・・・・」
会うだけでもいいから会ってみなさい、ですって? この方は、なんて愛すべき分からず屋さんだろう?
「今、なんておっしゃいましたか? 私に、他の男性に会ってほしいのですか? そうですか・・・・・・それがメイソンお兄様の答えなんですね? 私が何度も、私の夫のなってくれるようにお願いしたのに!」
「それは、私は一回りも上だし・・・・・・」
また、いつもの曖昧な言い訳を言い出すメイソンお兄様に、怒りが噴き出した。まだ、私が好きではないと言われたのなら納得できる。でも、必ず年齢のことと、ミランダさんの血が流れているからとか、どうでもいいことでお茶を濁す。この断り方は、絶対、卑怯だわ!
「いいですか? よく聞いてください。私は、貴方以外の男なら誰でも同じです! そんなにメイソンお兄様が望むなら、たくさんの男と会って浮名を流してやるんだから! メイソンお兄様と一緒になれないなら、一生結婚しないか、たくさんの男と寝る悪女になってやるんだから」
私は、自分の言った言葉に悲しくなって、大泣きしてしまった。他の男性なんて、絶対に嫌なのに、なんでわかってくれないの?
そこへ、お婆様がやって来て、
「これは、逃れられませんね。マリアンヌは、こうと決めたらてこでも意志は曲げませんからねぇ。まぁ、これだけ優秀なメイソンを見ていたらどこの高位貴族の息子もカボチャに見えますからね」
と、おっしゃった。その通りですわ、お婆様! 私には、他の男性はカボチャどころか、空気だ。その存在も感じられないほど、興味はない。
「マリアンヌ。僕は、学問ばかりの、頭でっかちだ。気の利いたことも言えないし、ダンスもそれほどうまくない。貴女を幸せにできるかな?」
私に、困ったように手を差し出したメイソンお兄様に、私は嬉しくて抱きついた。
やっと、私の初恋が叶ったこの瞬間を私は生涯、忘れないだろう。
「もぉーー。おバカさんですわ! 女の子は、好きな男性といれば幸せなんですよ? それから、私はカトレーネ・トマス前公爵夫人の孫ですよ? 幸せにしてもらうのではありません! この私が、メイソンお兄様を、幸せにしてさしあげます! さぁ、お婆様。そうと決まったら、明日から社交界のお付き合いも、夜会も立派にこなせるように特訓をお願いしますわ!」
私は、お婆様に向かってウィンクした。お婆様は満足げにお笑いになった。
メイソンお兄様の護衛騎士のジョナサンがトマス公爵家の騎士になると言いだし、お父様とお母様も、いつのまにかジョナサンの後ろに立っていて、にこにこしていらっしゃった。
「とても、いい婿を選んだね。上出来だ」
「これで、メイソンは、本当に息子だわね!」
「あら、マーガレット? その発言はいけませんね。メイソンとクリストファーは、血が繋がっていなくても、本当の息子で、私には孫でしたよ。より、完璧になっただけです。次に幸せを掴むのは、クリストファーですね? 私は、もう作戦を考えてあります」
お婆様は、いつだって、用意周到だ。クリストファーお兄様も、幸せになれればいい。皆が、幸せになる権利があるのだから!
*:.。 。.:*・゚✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*
次回、メイソンとマリアンヌの結婚式で完結の予定でおります。
これ、書いてほしかったよ的なことが、ございましたら感想欄にお願いいたします。
※クリストファーとジョナサンのことも、書いて欲しいとの読者様のご要望がありましたので、書かせていただきたいと思います。
宣伝です(´,,•ω•,,`)◝不快な方は、飛ばしてください。
「私の夫を奪う姉」
ショートショートで、サクサク読めます。
よろしくお願いします(❁ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾⁾
メイソンお兄様さえ、私の夫になってくれたら、いつだって私は微笑んでいられる。
「全く、マリアンヌにも困ってしまうわ。週末にメイソンが来たら、言ってもらわなければいけないわ」
お母様は、深いため息をついて、私を困ったように見ていた。何度、言えばわかってもらえるの?
メイソンお兄様以外は、考えられないって、お母様にだって言っているのに。
「マリアンヌ。人の心は自由にはできないわ。メイソンは誰とも結婚したくないと、何度も言うのよ。メイソンに無理強いはできないわ」
そんなの、私にもわかっている。決して、無理強いしたいわけじゃない。私が、メイソンお兄様を支えて、絶対に幸せにしてさしあげると決めたからには、中途半端に引き下がるわけにいかないのよ。
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週末にいらっしゃったメイソンお兄様は、庭園にいた私におっしゃった。
「ねぇ、マリアンヌ。縁談を全部、会ってもいないで断るのは良くないよ? 会うだけでもいいから・・・・・・」
会うだけでもいいから会ってみなさい、ですって? この方は、なんて愛すべき分からず屋さんだろう?
「今、なんておっしゃいましたか? 私に、他の男性に会ってほしいのですか? そうですか・・・・・・それがメイソンお兄様の答えなんですね? 私が何度も、私の夫のなってくれるようにお願いしたのに!」
「それは、私は一回りも上だし・・・・・・」
また、いつもの曖昧な言い訳を言い出すメイソンお兄様に、怒りが噴き出した。まだ、私が好きではないと言われたのなら納得できる。でも、必ず年齢のことと、ミランダさんの血が流れているからとか、どうでもいいことでお茶を濁す。この断り方は、絶対、卑怯だわ!
「いいですか? よく聞いてください。私は、貴方以外の男なら誰でも同じです! そんなにメイソンお兄様が望むなら、たくさんの男と会って浮名を流してやるんだから! メイソンお兄様と一緒になれないなら、一生結婚しないか、たくさんの男と寝る悪女になってやるんだから」
私は、自分の言った言葉に悲しくなって、大泣きしてしまった。他の男性なんて、絶対に嫌なのに、なんでわかってくれないの?
そこへ、お婆様がやって来て、
「これは、逃れられませんね。マリアンヌは、こうと決めたらてこでも意志は曲げませんからねぇ。まぁ、これだけ優秀なメイソンを見ていたらどこの高位貴族の息子もカボチャに見えますからね」
と、おっしゃった。その通りですわ、お婆様! 私には、他の男性はカボチャどころか、空気だ。その存在も感じられないほど、興味はない。
「マリアンヌ。僕は、学問ばかりの、頭でっかちだ。気の利いたことも言えないし、ダンスもそれほどうまくない。貴女を幸せにできるかな?」
私に、困ったように手を差し出したメイソンお兄様に、私は嬉しくて抱きついた。
やっと、私の初恋が叶ったこの瞬間を私は生涯、忘れないだろう。
「もぉーー。おバカさんですわ! 女の子は、好きな男性といれば幸せなんですよ? それから、私はカトレーネ・トマス前公爵夫人の孫ですよ? 幸せにしてもらうのではありません! この私が、メイソンお兄様を、幸せにしてさしあげます! さぁ、お婆様。そうと決まったら、明日から社交界のお付き合いも、夜会も立派にこなせるように特訓をお願いしますわ!」
私は、お婆様に向かってウィンクした。お婆様は満足げにお笑いになった。
メイソンお兄様の護衛騎士のジョナサンがトマス公爵家の騎士になると言いだし、お父様とお母様も、いつのまにかジョナサンの後ろに立っていて、にこにこしていらっしゃった。
「とても、いい婿を選んだね。上出来だ」
「これで、メイソンは、本当に息子だわね!」
「あら、マーガレット? その発言はいけませんね。メイソンとクリストファーは、血が繋がっていなくても、本当の息子で、私には孫でしたよ。より、完璧になっただけです。次に幸せを掴むのは、クリストファーですね? 私は、もう作戦を考えてあります」
お婆様は、いつだって、用意周到だ。クリストファーお兄様も、幸せになれればいい。皆が、幸せになる権利があるのだから!
*:.。 。.:*・゚✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*
次回、メイソンとマリアンヌの結婚式で完結の予定でおります。
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