よくある悪役令嬢ものの性悪ヒロインのポジにTS転生してしまったので、前世で培った知識を活用して、破滅フラグを回避しようと思います!

アンジェロ岩井

文字の大きさ
3 / 105

話がつまらないので、頭の中で暇潰しに全振りします!

しおりを挟む
「お久しゅうございます。グレース様」
そう言って頭を下げるのはロージー・アントレニセス。
王国の名門、アントレニセス子爵家の令嬢であり、『社交界の華』『完璧にして完全な令嬢』と噂される程の凄い人だ。
男爵家と子爵家とは密接な付き合いがあり、これまでのグレースとそれに憑依した性悪女の記憶を辿って、その事を思い出した。
巨大な門の前で挨拶を交わし、今日の主人役ホストである俺は彼女の前に立ち、緩やかに庭を案内していく。
男爵といえども貴族は貴族。それなりに大きな庭であった。
庭には金色に塗られた水瓶を構えた女神像やら、伝説上の羊をモチーフにした幻獣の像やらが置かれている他に、庭の隅には多くの木が林の様に生い茂っていて、家の人間や来客が希望すれば、森林浴が楽しめる様になっている。
これらの贅沢品を見た時に俺の頭の中である考えが思い浮かぶ。それは、親父は自分の財力をひけらかしたい、という事だ。
それで、王家に自分は貴族としての暮らしをしているとアピールし、爵位を上げてもらう事が目的だろう。
骨のアンデットが活躍する有名魔王ラノベの某有名ゲロ吐き少女の親が似た様な設定だった。
あれは確か、貴族の地位を降ろされても、貴族としての生活を続ける事で、自分たちは落ちぶれていないという事をPRするものだったので、親父とは対照的とでも言えるが、必要のない金を無駄に使用しているという点では似ているので間違いではないだろう。
俺が深刻な顔で、そんな事を考えていると、ロージーが俺の前で手を振る。
俺の意識が途切れている事を気にしてくれたのだろう。
なので、俺は彼女に微笑みを向け、なんともないと言ってみせる。
メイドの案内のもと、俺とロージーは庭の中にあるガーデンパラソルの元に行く。
男爵家の庭が一望できる場所に設置された所に置かれた椅子の前で、まず子爵令嬢のロージーを先に座らせ、後で俺が座るという技法だ。
俺が座ると同時に、彼女は社交界でのいわゆる世間話を始めていく。
特に面白くもないのだが、怪しまれてもいけないので、俺は適当な相槌を打っていく。
彼女の話が長過ぎるので、俺は頭の中で前世の世界各地の国歌を再生していた。
まずは帝国縛りで、エチオピア帝国からアフリカ中央帝国まで。その次に共和国縛りで、ナイジェリアからアメリカまで。
そして、最後、一番夢中になった共産主義国の縛りで。
その際に思わず口から出てしまったのだ。共産主義国家の大元、ソビエト連邦の曲が。
と、ここで、突然、ロージー嬢が立ち上がり、俺の元に身を乗り出す。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。

沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。 すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。 だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。 イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。 変わり果てた現実を前に、 夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。 深い後悔と悲しみに苛まれながら、 失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。 しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。 贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。 そして、母の心を知っていく子供たち。 イネスが求める愛とは、 そして、幸せとは――。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。 毎日19時に更新予定です。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

婚約破棄のススメ!王子の「真実の愛」見つけて差し上げます

パリパリかぷちーの
恋愛
公爵令嬢メロア・クレーベルの隣には、非の打ち所がない完璧すぎる婚約者、ジークハルト王子が君臨している。このまま結婚すれば、待っているのは「王妃教育」と「終わらない公務」という名の過労死コース……。 「嫌ですわ! わたくし、絶対に婚約破棄して隠居してみせますわ!」 決意したメロアは、入学したての学園で、王子の「真実の愛の相手(ヒロイン)」を見つけ出し、自分を捨ててもらうという作戦を開始する。

私が嫌いなら婚約破棄したらどうなんですか?

きららののん
恋愛
優しきおっとりでマイペースな令嬢は、太陽のように熱い王太子の側にいることを幸せに思っていた。 しかし、悪役令嬢に刃のような言葉を浴びせられ、自信の無くした令嬢は……

復讐のための五つの方法

炭田おと
恋愛
 皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。  それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。  グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。  72話で完結です。

退屈扱いされた私が、公爵様の教えで社交界を塗り替えるまで

有賀冬馬
恋愛
「お前は僕の隣に立つには足りない」――そう言い放たれた夜から、私の世界は壊れた。 辺境で侍女として働き始めた私は、公爵の教えで身だしなみも心も整えていく。 公爵は決して甘やかさない。だが、その公正さが私を変える力になった。 元婚約者の偽りは次々に暴かれ、私はもう泣かない。最後に私が選んだのは、自分を守ってくれた静かな人。

処理中です...