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元カノの朝食が中々に美味しかった件について
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あの後に、俺は歯を磨き、風呂に入り、改めてベッドに入り、心地の良い夢を見ていたのだが、昨晩と同じ声によって、またしても強制的に夢の世界から現実の世界へと引きずり戻されてしまう。
止むを得ずに、俺は渋々とベッドから出ていき、パジャマ姿のまま台所へと向かう。
家の狭い階段を降り、彼女が先導するまま台所へと向かう。
すると、それは、もう目を見張るばかりの豪華な朝食が並んでいた。
ご飯に味噌汁に、だし巻き、きんぴらごぼう、そして、焼き魚。
これを喜ばない人がいるだろうか。いや、いない。俺が慌てて座って、箸を付けようとすると、その前に背後から怒声が飛ぶ。
あまりの大きな声に俺が両肩を震わせてしまう。
制服にエプロン姿の俺の新しい母親は席に座ると、同時に両手を合わせる。
「ご飯の前には『いただきます』だよ!」
そう言われれば、返す言葉もない。俺は渋々と手を合わせてお決まりの台詞を叫ぶ。
朝食を食べながら、俺の元カノと親父は仲睦まじそうに話していた。
そのイチャイチャぶりにはこちらの眉が微かに動く程である。飯は美味いが、居心地の悪いまま食事は進む。
その後、俺の元カノ兼新しい母親は鼻歌を歌いながら、皿を洗う。
その後に、彼女は風呂場の近くにある洗面所を利用して、髪を整えて学校へと向かう。
その姿には何処にも不審な点は見当たらない。俺が先週も見ていた、如月涼子の姿そのものである。
俺はその姿に、思わず脱帽してしまう。
何という姿のなのだろう。流石は俺の新しい母親。
まぁ、あれくらいバイタリティに溢れていなければ、俺の新しい母親もといあの四十過ぎの親父の妻など務まらないだろう。
そんな事を考えていると、俺の高校が見えた。
二階建てでそれなりに広く、傍目から見れば、白色の巨人が横たわっているようにも見える。
他の高校に比べ、校庭も広く、加えて巨大な屋外プールもある。
暑い日にはあそこで水に飛び込むのが最適である。
制服はブレザー。男女両方にお洒落なネクタイが配られる。ちなみに、女子はスカートである。
高校の教室は一室、一室がそれなりに広く、比較的、ここの生徒たちは快適な空間で授業を聴く事になる。
そればかりではない。校舎の左端は部活棟となっており、大小の多くの部室がせめぎ合っている。
そこには運動部の部室もあれば、文化部の部室もある。
そんな事を考えていると、涼子の部活の事が頭を過ったが、彼女はどうするのだろう。
俺と親父の料理を作るため、辞めてしまうのだろうか。
だが、俺のその思いは結局のところ、杞憂に終わってしまう。
と、言うのも、彼女はあろう事か、部活そのものを変えたからだ。
彼女が入部したのはそれまでの部活に比べ、比較的放課後の時間の取れる料理部。しかも、料理を学べるというオマケが付いている。
俺は感銘した。だから、某有名魔法高校アニメのヒロイン兼妹の台詞をここで引用させてもらおう。
流石はお母様です!
止むを得ずに、俺は渋々とベッドから出ていき、パジャマ姿のまま台所へと向かう。
家の狭い階段を降り、彼女が先導するまま台所へと向かう。
すると、それは、もう目を見張るばかりの豪華な朝食が並んでいた。
ご飯に味噌汁に、だし巻き、きんぴらごぼう、そして、焼き魚。
これを喜ばない人がいるだろうか。いや、いない。俺が慌てて座って、箸を付けようとすると、その前に背後から怒声が飛ぶ。
あまりの大きな声に俺が両肩を震わせてしまう。
制服にエプロン姿の俺の新しい母親は席に座ると、同時に両手を合わせる。
「ご飯の前には『いただきます』だよ!」
そう言われれば、返す言葉もない。俺は渋々と手を合わせてお決まりの台詞を叫ぶ。
朝食を食べながら、俺の元カノと親父は仲睦まじそうに話していた。
そのイチャイチャぶりにはこちらの眉が微かに動く程である。飯は美味いが、居心地の悪いまま食事は進む。
その後、俺の元カノ兼新しい母親は鼻歌を歌いながら、皿を洗う。
その後に、彼女は風呂場の近くにある洗面所を利用して、髪を整えて学校へと向かう。
その姿には何処にも不審な点は見当たらない。俺が先週も見ていた、如月涼子の姿そのものである。
俺はその姿に、思わず脱帽してしまう。
何という姿のなのだろう。流石は俺の新しい母親。
まぁ、あれくらいバイタリティに溢れていなければ、俺の新しい母親もといあの四十過ぎの親父の妻など務まらないだろう。
そんな事を考えていると、俺の高校が見えた。
二階建てでそれなりに広く、傍目から見れば、白色の巨人が横たわっているようにも見える。
他の高校に比べ、校庭も広く、加えて巨大な屋外プールもある。
暑い日にはあそこで水に飛び込むのが最適である。
制服はブレザー。男女両方にお洒落なネクタイが配られる。ちなみに、女子はスカートである。
高校の教室は一室、一室がそれなりに広く、比較的、ここの生徒たちは快適な空間で授業を聴く事になる。
そればかりではない。校舎の左端は部活棟となっており、大小の多くの部室がせめぎ合っている。
そこには運動部の部室もあれば、文化部の部室もある。
そんな事を考えていると、涼子の部活の事が頭を過ったが、彼女はどうするのだろう。
俺と親父の料理を作るため、辞めてしまうのだろうか。
だが、俺のその思いは結局のところ、杞憂に終わってしまう。
と、言うのも、彼女はあろう事か、部活そのものを変えたからだ。
彼女が入部したのはそれまでの部活に比べ、比較的放課後の時間の取れる料理部。しかも、料理を学べるというオマケが付いている。
俺は感銘した。だから、某有名魔法高校アニメのヒロイン兼妹の台詞をここで引用させてもらおう。
流石はお母様です!
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