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第二章『王国を覆う影?ならば、この私が取り除かせていただきますわ』
決闘へと至るまで
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「なるほど、わざわざ大司教の補佐を務められておられるルパート様がこんなところへおいでになったのは余程の理由があるからでしょうな」
ルパートは何も言わずにシュポスが淹れたお茶を啜っていく。無言の沈黙が続いたが、やがてカップを置くと、忌々しげにシュポスに向かって吐き捨てた。
「……本当に私たちは終わりかもしれん」
「……随分と弱気なことをおっしゃられるではありませんか、あなた様ともあろう方が」
シュポスは面倒くさそうな表情を浮かべながら頭を掻きながらベッドの上に腰を掛けていく。
「まぁ、腕利きの十人が足の一本も取れずに負けたら落ち込みもするさ」
「害虫駆除人というのはそんなに手強い存在なんですね。で、派遣したそいつらの名前は?」
「……カーラ、それにレキシーだ」
「なるほど、それは確かに全滅させられますね」
シュポスは苦笑しながら言った。彼の脳裏をよぎるのはあの日、夕暮れの中で一時は自分を圧倒したカーラの腕だった。
あの腕を見てシュポスは改めてカーラに惚れ込んだのだ。そのことを考えるとシュポスはいてもたってもいられなかった。
「なら、カーラはオレに任せてください。オレが必ず説得してみせますよ」
「説得だと?」
「はい、またデートに誘ってその時にあいつを迎えてやるんです」
予想外の言葉を聞いてルパートは固まってしまった。シュポスの様子がおかしいというのは彼の友人であるユーリから聞いていたのだが、まさか敵に対して恋をしていたとは思いもしなかった。
ルパートはなんとしてでもシュポスをその気にさせたかった。だが、単なる説得でシュポスをその気にさせるのは難しいだろう。ルパートは考え抜いた末にシュポスの中に存在する信仰心を利用することにした。
ルパートは茶を片手に信仰心とその信仰心が強いことで行き着くができる天国という存在、それから罪深いカーラへの救済こそが真の愛だと説いて、ようやくシュポスを動かすことができた。
シュポスは重い腰を上げて動きカーラの抹殺を決意したのだった。ルパートは安堵の溜息を吐いた後でシュポスが根城にしている宿屋を後にしたのだった。
ルパートはそれから教会に戻り、そこの一室で燻っていたユーリに声を掛けた。
「どうしたんだい?大将」
「大将という呼び方はやめてくれないかな?」
「わかった。で、どうしたんです?ルパート様」
「レキシーとかいう街医者を始末しろ。あいつにこれ以上国王の寿命を延ばされると厄介だ。媚びは十分に売ったし、陛下の筆跡を真似た遺書も既に完成した上に、殿下が遺書の場所を見つけられたからな。これ以上生きられると不味いのだよ」
全ての準備が揃った以上この指令は当然ともいえた。これまでは教団の邪魔になる人物を狙ってユーリを使ってきたのだが、今回はレキシーを抹殺するためにユーリを使うことに決めたのだった。
ところがレキシーを狙うというのは彼にとっては予想外であったらしく、ユーリは困惑した目つきでルパートに向かって問い掛けた。
「レキシーさんを?」
「なんだ知り合いか?」
「えぇ、ルパート様が赴任なさる前に危ういところを助けていただきましてね。それ以来敬愛しているのです」
「そんな理由があったのか、だが、レキシーは我々にとっての敵だ。後は言うまでもないだろう?」
「……わかりました。ご命令というのならばお引き受け致しましょう。レキシーさんはオレが必ず仕留めてみせますよ。その前にちょっと野暮用があるんで出掛けるから、明日でもいいですかね?」
ユーリはシュポスのようにごねることもなく答えた。ユーリのことであるから素直にやり遂げるだろう。ルパートはユーリを信頼し、部屋を後にしたのだった。
翌日シュポスは診療所でレキシーと共にお昼を買いに向かっているカーラに向かって言った。
「よぉ、カーラ」
「シュポスさん、どうなさいましたの?」
「すまないが、今度の休みの日に行うデートなんだけどよぉ、少々予定が変更しちまったんだ。その話をしたいから少しだけ空き地まで来てくれないか?」
「……いいですわ。空き地までご同行致しましょう」
カーラは袖の中に仕込んでいる針をいつでも出せるように準備をしながらシュポスの後をついていく。カーラは空き地でシュポスにも勧めた上でサンドイッチを齧り、自分の分の昼食を済ませる。
サンドイッチを両手に持って上品に口にするカーラに対してシュポスは言った。
「来週のデートなんだけどさぁ、最後になっちまうかもしれねぇんだ」
「あら、どこかお行きになられるんですの?それでお別れということですの?」
「デートの最後に北の方に向かうことになってるんだ。どっちかがな」
シュポスは寂しげに語っていた。よく見れば表情に翳りのようなものが見える。
しかし、北の方に向かうというのはどういうことだろうか。そんなことを考えていると、シュポスがカーラの方を向き合っていった。
「ネオドラビア教において北へ向かうというのはあんたらの宗教でいうところの死の方角を意味してるんだ」
「……つまり、私を決闘にお誘いになっているということですの?」
「そうなるのかな」
シュポスは残念そうに言った。大きな溜息を吐きながら一点の雲もなく晴れ渡っているような空の上を見上げて言った。
カーラもサンドイッチを片手にシュポスと共に空の上を見上げていた。お互いに肩をくっ付けて黙って突き抜けるように済んでいる空の上を見上げていた。
穏やかな時間が流れていく。このまま緩やかに時が過ぎるかと思っていた時だ。
不意にカーラが隣に座っていたシュポスに向かって言った。
「どうして、今日私を不意打ちになさりませんでしたの?私を仕留めたいのならば空き地に誘い込んだところでシュポスさんの針で私を突き刺せばよろしかったのに」
カーラにとっての当然の疑問だった。シュポスはその疑問に対して頭を掻きながら億劫に言い放った。
「仮にも好きになった人を不意打ちなんかで殺したくない。そう考えたからさ」
真っ当な理由だった。カーラはその言葉を聞いてシュポスに対する好印象を強めていく。シュポスの好きになった人物に関しては例え職業が職業であっても対等な立場で臨みたいと考えているのだろう。カーラは微笑を浮かべてシュポスの意見を受け入れ、最後のデートの後で日が暮れた直後に決闘を行うことで同意したのだった。恋人として振る舞った後に殺し合いを演じることになるなどとは夢にも思わなかったが、駆除人らしく奇妙で面白かった。
カーラは微笑を携えながらレキシーの元へと戻り、残ったサンドイッチを口にしながらシュポスとの約束の件について話していく。
レキシーはカーラの言葉を聞いて妙な話題だと思ったのか、しばらくは首を傾げていたが、すぐにカーラ同様の笑みを浮かべながら答えた。
「なるほど、それは確かに面白そうだね」
「えぇ、お互いに愛を誓いあった後で殺し合いに臨むだなんて、過去にあったどんな恋愛小説よりもロマンティックだと思いません?」
「だねぇ」
レキシーは苦笑する。それからすぐ後に真剣な表情を浮かべて言った。
「一応、このことはマスターにも伝えておくよ」
「……レキシーさん、これは決闘ですのよ。誰にも邪魔はされたくありませんの」
「カーラ、これは競技じゃないんだよ。一位をとって審判に腕でも取られてみんなに拍手でもされたいのかい?」
「そうではありませんわ。第一自分の始末を自分で付けろと先に仰られたのはレキシーさんではありませんか?」
「そう言われると弱いんだよねぇ」
レキシーはばつが悪そうな表情を浮かべて頭を掻いていく。
「ならば、後のことは私にお任せくださいませ。心配は入りませんわ。必ずこの手で始末をつけてご覧にいれますもの」
カーラは胸を張って言った。その目には迷いはない。ただ駆除する相手を真っ直ぐに捉える害虫駆除人の目だった。
と、その時だ。診療所の扉を叩く音が聞こえた。カーラが応対に向かうと、声の主は珍しくギークだった。
カーラはギークを招き入れていく。
ギークは診療所の椅子の上でお茶を啜りながら言った。
「昨日の夜にユーリの奴が妙なことを口走ってね。そのことを伝えにきたんだ」
「妙なこと?」
「うん。レキシーさんを殺すみたいことを言ったんだ」
「あたしを?」
レキシーは両眉を下げながら問い掛けた。
「うん、もしかしたらネオドラビア教の奴らは陛下を狙うよりも薬を作っているレキシーさんの方を仕留めればいいかと作戦を変えたのかもね」
「なるほど、あたしを殺せば陛下の体を騙す薬は作れなくなるからねぇ」
「恐らくこれ以上陛下がご存命では困るようなご事情があるのでしょう。ネオドラビア教やベクター殿下にとっては困るような何かが……」
カーラ目を尖らせながら言った。三人は顔を見せ合いながらこの国を揺るがす陰謀も終局に向かって動き始めたことを悟ったのだった。
ルパートは何も言わずにシュポスが淹れたお茶を啜っていく。無言の沈黙が続いたが、やがてカップを置くと、忌々しげにシュポスに向かって吐き捨てた。
「……本当に私たちは終わりかもしれん」
「……随分と弱気なことをおっしゃられるではありませんか、あなた様ともあろう方が」
シュポスは面倒くさそうな表情を浮かべながら頭を掻きながらベッドの上に腰を掛けていく。
「まぁ、腕利きの十人が足の一本も取れずに負けたら落ち込みもするさ」
「害虫駆除人というのはそんなに手強い存在なんですね。で、派遣したそいつらの名前は?」
「……カーラ、それにレキシーだ」
「なるほど、それは確かに全滅させられますね」
シュポスは苦笑しながら言った。彼の脳裏をよぎるのはあの日、夕暮れの中で一時は自分を圧倒したカーラの腕だった。
あの腕を見てシュポスは改めてカーラに惚れ込んだのだ。そのことを考えるとシュポスはいてもたってもいられなかった。
「なら、カーラはオレに任せてください。オレが必ず説得してみせますよ」
「説得だと?」
「はい、またデートに誘ってその時にあいつを迎えてやるんです」
予想外の言葉を聞いてルパートは固まってしまった。シュポスの様子がおかしいというのは彼の友人であるユーリから聞いていたのだが、まさか敵に対して恋をしていたとは思いもしなかった。
ルパートはなんとしてでもシュポスをその気にさせたかった。だが、単なる説得でシュポスをその気にさせるのは難しいだろう。ルパートは考え抜いた末にシュポスの中に存在する信仰心を利用することにした。
ルパートは茶を片手に信仰心とその信仰心が強いことで行き着くができる天国という存在、それから罪深いカーラへの救済こそが真の愛だと説いて、ようやくシュポスを動かすことができた。
シュポスは重い腰を上げて動きカーラの抹殺を決意したのだった。ルパートは安堵の溜息を吐いた後でシュポスが根城にしている宿屋を後にしたのだった。
ルパートはそれから教会に戻り、そこの一室で燻っていたユーリに声を掛けた。
「どうしたんだい?大将」
「大将という呼び方はやめてくれないかな?」
「わかった。で、どうしたんです?ルパート様」
「レキシーとかいう街医者を始末しろ。あいつにこれ以上国王の寿命を延ばされると厄介だ。媚びは十分に売ったし、陛下の筆跡を真似た遺書も既に完成した上に、殿下が遺書の場所を見つけられたからな。これ以上生きられると不味いのだよ」
全ての準備が揃った以上この指令は当然ともいえた。これまでは教団の邪魔になる人物を狙ってユーリを使ってきたのだが、今回はレキシーを抹殺するためにユーリを使うことに決めたのだった。
ところがレキシーを狙うというのは彼にとっては予想外であったらしく、ユーリは困惑した目つきでルパートに向かって問い掛けた。
「レキシーさんを?」
「なんだ知り合いか?」
「えぇ、ルパート様が赴任なさる前に危ういところを助けていただきましてね。それ以来敬愛しているのです」
「そんな理由があったのか、だが、レキシーは我々にとっての敵だ。後は言うまでもないだろう?」
「……わかりました。ご命令というのならばお引き受け致しましょう。レキシーさんはオレが必ず仕留めてみせますよ。その前にちょっと野暮用があるんで出掛けるから、明日でもいいですかね?」
ユーリはシュポスのようにごねることもなく答えた。ユーリのことであるから素直にやり遂げるだろう。ルパートはユーリを信頼し、部屋を後にしたのだった。
翌日シュポスは診療所でレキシーと共にお昼を買いに向かっているカーラに向かって言った。
「よぉ、カーラ」
「シュポスさん、どうなさいましたの?」
「すまないが、今度の休みの日に行うデートなんだけどよぉ、少々予定が変更しちまったんだ。その話をしたいから少しだけ空き地まで来てくれないか?」
「……いいですわ。空き地までご同行致しましょう」
カーラは袖の中に仕込んでいる針をいつでも出せるように準備をしながらシュポスの後をついていく。カーラは空き地でシュポスにも勧めた上でサンドイッチを齧り、自分の分の昼食を済ませる。
サンドイッチを両手に持って上品に口にするカーラに対してシュポスは言った。
「来週のデートなんだけどさぁ、最後になっちまうかもしれねぇんだ」
「あら、どこかお行きになられるんですの?それでお別れということですの?」
「デートの最後に北の方に向かうことになってるんだ。どっちかがな」
シュポスは寂しげに語っていた。よく見れば表情に翳りのようなものが見える。
しかし、北の方に向かうというのはどういうことだろうか。そんなことを考えていると、シュポスがカーラの方を向き合っていった。
「ネオドラビア教において北へ向かうというのはあんたらの宗教でいうところの死の方角を意味してるんだ」
「……つまり、私を決闘にお誘いになっているということですの?」
「そうなるのかな」
シュポスは残念そうに言った。大きな溜息を吐きながら一点の雲もなく晴れ渡っているような空の上を見上げて言った。
カーラもサンドイッチを片手にシュポスと共に空の上を見上げていた。お互いに肩をくっ付けて黙って突き抜けるように済んでいる空の上を見上げていた。
穏やかな時間が流れていく。このまま緩やかに時が過ぎるかと思っていた時だ。
不意にカーラが隣に座っていたシュポスに向かって言った。
「どうして、今日私を不意打ちになさりませんでしたの?私を仕留めたいのならば空き地に誘い込んだところでシュポスさんの針で私を突き刺せばよろしかったのに」
カーラにとっての当然の疑問だった。シュポスはその疑問に対して頭を掻きながら億劫に言い放った。
「仮にも好きになった人を不意打ちなんかで殺したくない。そう考えたからさ」
真っ当な理由だった。カーラはその言葉を聞いてシュポスに対する好印象を強めていく。シュポスの好きになった人物に関しては例え職業が職業であっても対等な立場で臨みたいと考えているのだろう。カーラは微笑を浮かべてシュポスの意見を受け入れ、最後のデートの後で日が暮れた直後に決闘を行うことで同意したのだった。恋人として振る舞った後に殺し合いを演じることになるなどとは夢にも思わなかったが、駆除人らしく奇妙で面白かった。
カーラは微笑を携えながらレキシーの元へと戻り、残ったサンドイッチを口にしながらシュポスとの約束の件について話していく。
レキシーはカーラの言葉を聞いて妙な話題だと思ったのか、しばらくは首を傾げていたが、すぐにカーラ同様の笑みを浮かべながら答えた。
「なるほど、それは確かに面白そうだね」
「えぇ、お互いに愛を誓いあった後で殺し合いに臨むだなんて、過去にあったどんな恋愛小説よりもロマンティックだと思いません?」
「だねぇ」
レキシーは苦笑する。それからすぐ後に真剣な表情を浮かべて言った。
「一応、このことはマスターにも伝えておくよ」
「……レキシーさん、これは決闘ですのよ。誰にも邪魔はされたくありませんの」
「カーラ、これは競技じゃないんだよ。一位をとって審判に腕でも取られてみんなに拍手でもされたいのかい?」
「そうではありませんわ。第一自分の始末を自分で付けろと先に仰られたのはレキシーさんではありませんか?」
「そう言われると弱いんだよねぇ」
レキシーはばつが悪そうな表情を浮かべて頭を掻いていく。
「ならば、後のことは私にお任せくださいませ。心配は入りませんわ。必ずこの手で始末をつけてご覧にいれますもの」
カーラは胸を張って言った。その目には迷いはない。ただ駆除する相手を真っ直ぐに捉える害虫駆除人の目だった。
と、その時だ。診療所の扉を叩く音が聞こえた。カーラが応対に向かうと、声の主は珍しくギークだった。
カーラはギークを招き入れていく。
ギークは診療所の椅子の上でお茶を啜りながら言った。
「昨日の夜にユーリの奴が妙なことを口走ってね。そのことを伝えにきたんだ」
「妙なこと?」
「うん。レキシーさんを殺すみたいことを言ったんだ」
「あたしを?」
レキシーは両眉を下げながら問い掛けた。
「うん、もしかしたらネオドラビア教の奴らは陛下を狙うよりも薬を作っているレキシーさんの方を仕留めればいいかと作戦を変えたのかもね」
「なるほど、あたしを殺せば陛下の体を騙す薬は作れなくなるからねぇ」
「恐らくこれ以上陛下がご存命では困るようなご事情があるのでしょう。ネオドラビア教やベクター殿下にとっては困るような何かが……」
カーラ目を尖らせながら言った。三人は顔を見せ合いながらこの国を揺るがす陰謀も終局に向かって動き始めたことを悟ったのだった。
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