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第二章『王国を覆う影?ならば、この私が取り除かせていただきますわ』
忘れたように愛を思い出して
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カーラはその日の朝からずっと緊張していた。
シュポスとのデートだということ以上にデートが終わった後にどちらかが生きるか死ぬかの死闘を演じなくてはならないからだ。いくらその前のデートが至福の時間であったとしてもその後は殺し合いを演じなければならないことがカーラには重かったのだ。カーラは一応自身が縫ったドレスの中から一番高価なドレスを選び、その袖の下に針を仕込んで出掛けていくのだった。
シュポスは診療所の前を訪れ、二人で仲睦まじくデートを行なっていく。レストランを訪れ、大通りを歩きながら商店の前を訪れていく。
商店として売られている小物を見たり、店の中へ入ったりと充実したデートを行なっていた。
最後に茶店を訪れ、お菓子とお茶を楽しんでいた。そして窓から西陽が差し込むと机の上から立ち上がり、覚悟を決めた表情でカーラを空き地へと誘う。
決戦の場において両者は互いの得物を構えて睨み合う。
「……本当に後悔はしていないな」
「するわけありませんわ。私は害虫駆除人……『血吸い姫』です。後悔なんてあるわけありません」
カーラはそう言うと、針を逆手に握り締め突っ込んでいく。が、シュプスはその針を顔を逸らして交わし、そのまま針でカーラを突こうと目論む。
カーラは身を逸らして針を交わし、カーラはもう一度針を喰らわせる。
カーラの針はシュプスの頬を掠めたものの、頬から一筋の赤い血が垂れていく。
シュプスは頬を掠められてもなお、口元に笑みを浮かべて言った。
「やるじゃない」
それからシュプスは針を顎の下から突き上げていく。カーラは頭を逸らして針を回避し、今度はシュプスの額に向かって針を突き付けていくが、シュプスはカーラの針を自身の針を使って防いでいく。
針と針とがぶつかり合う音が重なり合っていく。しばらくの間両者は針を剣のようにぶつかり合わせていたのだが、やがてシュプスが針を滑らせて、針を地面の上へと落としていく。慌てて懐から針を取り出そうとした時だ。カーラはその隙を逃すことなく武器を失ったタイミングを見計らってシュプスに向かって針を突き付けていく。
「私の勝ちですわ。けれども私はあなたを殺したくありませんの。よろしければ害虫駆除人に転向してくれません?」
「駄目だね。オレはネオドラビア教の信仰を捨てられないんだ」
「残念ですわ」
カーラの持っていた針がきらりと光る。このままシュプスの額に向かって針を突き付けようとした時だ。シュプスはカーラの腕を掴んでそのまま地面の上へと押し倒す。
それからシュプスは針を使ってカーラの命を奪おうと目論む。カーラは駆除人として覚悟はできてはいるが、それは危機に陥った際に最後まで抵抗しないということではない。カーラはシュプスの足の脛を蹴り飛ばし、今度は先程とは対照的にシュプスを自身の下へと組み敷いて、そのままシュプスの眉間に狙いを定めていく。しかし、組み敷かれていたのにも関わらずシュプスは力を振り絞ってカーラの手を掴んで反対に投げ飛ばしたのだった。慌てて立ち上がろうとするカーラに向かってシュプスは針を逆手に持ったまま突っ込んできたのだった。
シュプスが針を掴んだ腕をカーラは蹴り飛ばし、シュプスの手から再び針を落とさせることに成功したのだった。
カーラはそのままシュポスの額に向かって針を突き立てようと目論むが、シュポスは寸前のところで針を交わし、交わしたそばからその針を強く掴んでカーラを睨んでいたのだった。
シュポスはこんな時でもカーラを見て笑っていた。針を掴む手は震えていたのでカーラは少しだけ安心していた。
両者は針を掴んだまましばらくの間動こうとしていなかったが、やがてカーラが針をシュポスの手から引いて離したことによって事態はようやく前に進んだのであった。
シュポスは背後へと下がり、もう一度針を懐から抜いてカーラと対峙する。
シュポスにとって有利であったのは懐の中に多くの針を隠し持っていることだろう。袖の中に一本しか仕込んでいないカーラとは対照的だ。いくら針を落としても懐の中から針を取り出すので幾ら落とさせても意味がない。そのため一気に畳み掛けるのが正しいのだろうが、そのようなことをすればシュポスの思う通りである。カーラが機会を窺っていた時だ。シュポスの方から先に攻撃を仕掛けてきたのである。
シュポスは正面から針を両手で構えてカーラの元へと突っ込んでいくのだった。
正面からの攻撃をカーラは体を捻ることで回避したものの、交わす際に針が脇腹を掠め、掠めた際に先端がカーラの体を微かに突き刺し、僅かな傷を生み出したのだった。
カーラが脇腹の痛みに一瞬だけ気を逸らした時だ。シュポスがカーラに向かって針を突き付けたのだ。
「オレの勝ちだな」
「……そのようですわね」
「なぁ、カーラ。今からでもネオドラビア教の神を信じて見る気にはならないか?」
「お断り致しますわ」
「だと思った」
シュポスはカーラに向かって優しげな微笑を浮かべて言った。いつも通りの優しい笑顔だ。
「カーラ、オレだって本当に残念だよ。これまでカーラとは楽しい思い出を築き上げてきたっていうのに、お互いの立場なんぞのためにオレたちは殺し合わなければならなかった」
「ある人はこういう形の愛もあると仰られておりましたわ。私たちの愛というのはこうした形の愛なのではないでしょうか?」
「かもな」
「なら、最後に今度は私の方から口吸いをさせていただいてもよろしくて?」
シュポスはカーラの瞳を見つめた。曇りのないその瞳からは嘘を吐いているようには見えない。だからシュポスはカーラに口吸いを行うことを許すことにしたのだった。カーラは約束通りにシュポスの元へと近付き、自身の桜色の唇を近付けて愛の言葉を囁いていく。
カーラはそれから表情を変えることなくシュポスの耳元に自身の針を突き付けたのだった。シュポスは笑顔のまま倒れていく。最後まで彼は自身のことを思っていてくれたらしい。
カーラはそんなシュポスを思って最後に涙を流した。そして彼の好意を利用して倒した自分への嫌悪感から涙を流していく。明らかに卑劣な手口だ。こんなことをやるのは本来であるのならば倫理に反するだろう。だが、自分は害虫駆除人。倫理や道徳からは離れた存在なのだ。
カーラは一通りシュポスのためを思って泣いた後に浮かない顔を浮かべてその場を立ち去っていく。
カーラは確かにシュポスを仕留めることができたが、消えるはずがない寂しさと消えるはずの思い出が胸の中に残ってしまうことになったのだ。
カーラが大きな溜息を吐きながら夜の街をゆっくりと歩き、自宅の前へと着いた時だ。
「ようやく帰られたんですか?」
ヒューゴが自宅の前まで駆け寄ってきた。余程慌てていたのか、肩で大きく息をしていた。
カーラはただ事ではないと判断して、先程まで浮かべていた浮かない顔をすぐに引っ込めた後でヒューゴの息が整うのを待ってから深刻な顔を浮かべてヒューゴに問い掛けた。
「ヒューゴさん、あなたどんな用があってここにきましたの?」
「オレはマスターからの指示を受けてここに来ました。カーラこそ何をしていたんですか?」
「……私は少しやるべきことを成し遂げたばかりでしたの。ただ、その仕事が思ったよりも大きな仕事でしたので、少々疲れてしまいましたのよ」
カーラは悲しげな目つきで答えた。
「……そうだったんですか。あぁ、そうだ。城の方で大騒ぎがありましてね。それをカーラに伝えろとマスターに言われたんですよ」
「城の方で?何がありましたの?」
「落ち着いて聞いてください。陛下が殺されました……」
カーラはその言葉を聞いて信じられない思いで一杯になった。レキシーの薬があればあと少しは持つはずであったというのにどうして死んでしまったのだろう。
カーラはこれをネオドラビア教による犯行だと決め、ヒューゴに詳細を尋ねていく。
その時だ。背後から傷を負ったギークとレキシーの姿が見えた。
「レキシーさん!ギークさん!」
カーラが慌てて駆け寄っていく。
「……すまなかったね。カーラ、陛下を助けることができなかったよ」
レキシーが申し訳なさそうに首を横に振る。
「何があったんですの!?私がシュポスさんと戦っている間に……」
「……誘導作戦を取られた。まさか、別のところから刺客がやってくるなんて……」
「別のところ?」
カーラは両目を鋭せなが問い掛けた。
「あぁ、あたしたちが戦ったのとは別の刺客だよ」
レキシーはそういうと扉を引いて、夜の闇に集まっていた駆除人たちを自宅の中へと招き入れていくのだった。
シュポスとのデートだということ以上にデートが終わった後にどちらかが生きるか死ぬかの死闘を演じなくてはならないからだ。いくらその前のデートが至福の時間であったとしてもその後は殺し合いを演じなければならないことがカーラには重かったのだ。カーラは一応自身が縫ったドレスの中から一番高価なドレスを選び、その袖の下に針を仕込んで出掛けていくのだった。
シュポスは診療所の前を訪れ、二人で仲睦まじくデートを行なっていく。レストランを訪れ、大通りを歩きながら商店の前を訪れていく。
商店として売られている小物を見たり、店の中へ入ったりと充実したデートを行なっていた。
最後に茶店を訪れ、お菓子とお茶を楽しんでいた。そして窓から西陽が差し込むと机の上から立ち上がり、覚悟を決めた表情でカーラを空き地へと誘う。
決戦の場において両者は互いの得物を構えて睨み合う。
「……本当に後悔はしていないな」
「するわけありませんわ。私は害虫駆除人……『血吸い姫』です。後悔なんてあるわけありません」
カーラはそう言うと、針を逆手に握り締め突っ込んでいく。が、シュプスはその針を顔を逸らして交わし、そのまま針でカーラを突こうと目論む。
カーラは身を逸らして針を交わし、カーラはもう一度針を喰らわせる。
カーラの針はシュプスの頬を掠めたものの、頬から一筋の赤い血が垂れていく。
シュプスは頬を掠められてもなお、口元に笑みを浮かべて言った。
「やるじゃない」
それからシュプスは針を顎の下から突き上げていく。カーラは頭を逸らして針を回避し、今度はシュプスの額に向かって針を突き付けていくが、シュプスはカーラの針を自身の針を使って防いでいく。
針と針とがぶつかり合う音が重なり合っていく。しばらくの間両者は針を剣のようにぶつかり合わせていたのだが、やがてシュプスが針を滑らせて、針を地面の上へと落としていく。慌てて懐から針を取り出そうとした時だ。カーラはその隙を逃すことなく武器を失ったタイミングを見計らってシュプスに向かって針を突き付けていく。
「私の勝ちですわ。けれども私はあなたを殺したくありませんの。よろしければ害虫駆除人に転向してくれません?」
「駄目だね。オレはネオドラビア教の信仰を捨てられないんだ」
「残念ですわ」
カーラの持っていた針がきらりと光る。このままシュプスの額に向かって針を突き付けようとした時だ。シュプスはカーラの腕を掴んでそのまま地面の上へと押し倒す。
それからシュプスは針を使ってカーラの命を奪おうと目論む。カーラは駆除人として覚悟はできてはいるが、それは危機に陥った際に最後まで抵抗しないということではない。カーラはシュプスの足の脛を蹴り飛ばし、今度は先程とは対照的にシュプスを自身の下へと組み敷いて、そのままシュプスの眉間に狙いを定めていく。しかし、組み敷かれていたのにも関わらずシュプスは力を振り絞ってカーラの手を掴んで反対に投げ飛ばしたのだった。慌てて立ち上がろうとするカーラに向かってシュプスは針を逆手に持ったまま突っ込んできたのだった。
シュプスが針を掴んだ腕をカーラは蹴り飛ばし、シュプスの手から再び針を落とさせることに成功したのだった。
カーラはそのままシュポスの額に向かって針を突き立てようと目論むが、シュポスは寸前のところで針を交わし、交わしたそばからその針を強く掴んでカーラを睨んでいたのだった。
シュポスはこんな時でもカーラを見て笑っていた。針を掴む手は震えていたのでカーラは少しだけ安心していた。
両者は針を掴んだまましばらくの間動こうとしていなかったが、やがてカーラが針をシュポスの手から引いて離したことによって事態はようやく前に進んだのであった。
シュポスは背後へと下がり、もう一度針を懐から抜いてカーラと対峙する。
シュポスにとって有利であったのは懐の中に多くの針を隠し持っていることだろう。袖の中に一本しか仕込んでいないカーラとは対照的だ。いくら針を落としても懐の中から針を取り出すので幾ら落とさせても意味がない。そのため一気に畳み掛けるのが正しいのだろうが、そのようなことをすればシュポスの思う通りである。カーラが機会を窺っていた時だ。シュポスの方から先に攻撃を仕掛けてきたのである。
シュポスは正面から針を両手で構えてカーラの元へと突っ込んでいくのだった。
正面からの攻撃をカーラは体を捻ることで回避したものの、交わす際に針が脇腹を掠め、掠めた際に先端がカーラの体を微かに突き刺し、僅かな傷を生み出したのだった。
カーラが脇腹の痛みに一瞬だけ気を逸らした時だ。シュポスがカーラに向かって針を突き付けたのだ。
「オレの勝ちだな」
「……そのようですわね」
「なぁ、カーラ。今からでもネオドラビア教の神を信じて見る気にはならないか?」
「お断り致しますわ」
「だと思った」
シュポスはカーラに向かって優しげな微笑を浮かべて言った。いつも通りの優しい笑顔だ。
「カーラ、オレだって本当に残念だよ。これまでカーラとは楽しい思い出を築き上げてきたっていうのに、お互いの立場なんぞのためにオレたちは殺し合わなければならなかった」
「ある人はこういう形の愛もあると仰られておりましたわ。私たちの愛というのはこうした形の愛なのではないでしょうか?」
「かもな」
「なら、最後に今度は私の方から口吸いをさせていただいてもよろしくて?」
シュポスはカーラの瞳を見つめた。曇りのないその瞳からは嘘を吐いているようには見えない。だからシュポスはカーラに口吸いを行うことを許すことにしたのだった。カーラは約束通りにシュポスの元へと近付き、自身の桜色の唇を近付けて愛の言葉を囁いていく。
カーラはそれから表情を変えることなくシュポスの耳元に自身の針を突き付けたのだった。シュポスは笑顔のまま倒れていく。最後まで彼は自身のことを思っていてくれたらしい。
カーラはそんなシュポスを思って最後に涙を流した。そして彼の好意を利用して倒した自分への嫌悪感から涙を流していく。明らかに卑劣な手口だ。こんなことをやるのは本来であるのならば倫理に反するだろう。だが、自分は害虫駆除人。倫理や道徳からは離れた存在なのだ。
カーラは一通りシュポスのためを思って泣いた後に浮かない顔を浮かべてその場を立ち去っていく。
カーラは確かにシュポスを仕留めることができたが、消えるはずがない寂しさと消えるはずの思い出が胸の中に残ってしまうことになったのだ。
カーラが大きな溜息を吐きながら夜の街をゆっくりと歩き、自宅の前へと着いた時だ。
「ようやく帰られたんですか?」
ヒューゴが自宅の前まで駆け寄ってきた。余程慌てていたのか、肩で大きく息をしていた。
カーラはただ事ではないと判断して、先程まで浮かべていた浮かない顔をすぐに引っ込めた後でヒューゴの息が整うのを待ってから深刻な顔を浮かべてヒューゴに問い掛けた。
「ヒューゴさん、あなたどんな用があってここにきましたの?」
「オレはマスターからの指示を受けてここに来ました。カーラこそ何をしていたんですか?」
「……私は少しやるべきことを成し遂げたばかりでしたの。ただ、その仕事が思ったよりも大きな仕事でしたので、少々疲れてしまいましたのよ」
カーラは悲しげな目つきで答えた。
「……そうだったんですか。あぁ、そうだ。城の方で大騒ぎがありましてね。それをカーラに伝えろとマスターに言われたんですよ」
「城の方で?何がありましたの?」
「落ち着いて聞いてください。陛下が殺されました……」
カーラはその言葉を聞いて信じられない思いで一杯になった。レキシーの薬があればあと少しは持つはずであったというのにどうして死んでしまったのだろう。
カーラはこれをネオドラビア教による犯行だと決め、ヒューゴに詳細を尋ねていく。
その時だ。背後から傷を負ったギークとレキシーの姿が見えた。
「レキシーさん!ギークさん!」
カーラが慌てて駆け寄っていく。
「……すまなかったね。カーラ、陛下を助けることができなかったよ」
レキシーが申し訳なさそうに首を横に振る。
「何があったんですの!?私がシュポスさんと戦っている間に……」
「……誘導作戦を取られた。まさか、別のところから刺客がやってくるなんて……」
「別のところ?」
カーラは両目を鋭せなが問い掛けた。
「あぁ、あたしたちが戦ったのとは別の刺客だよ」
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