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シュリの呼吸が落ち着き始めた頃には、部屋は温かくなっていた。
「ご気分は? 大丈夫ですか?」
ラウはシュリを腕に抱いたまま、心配そうに顔を覗き込む。
まだハッキリと声は出ないが、小さく頷いたシュリに微笑み、シャツのボタンを外し、包帯を解くと、その体をゆっくりとベッドに横たえさせた。
幸いにも出血は止まっているようだ。
だが、脈を診るために傷の無い首筋に手を当てると、まだシュリの体は冷たいままだった。
「こんなに冷えきって……」
手を伸ばし、シュリの額にかかる髪にそっと触れる。
自分を心配そうに見つめるラウの顔が間近にあった。
「……ラウ……」
もしこれが幻ならば消えないで欲しい……。
シュリはそっとラウの名を呼んだ。
「大丈夫……。
ちゃんとここに居ますよ、シュリさ……」
……ラウ……!
言い終らないうちにシュリは腕を回し、ラウにしがみついていた。
本当にラウが居る。
自分の腕の中に。
幻でも夢でもない。
そして、昨夜と同じ言葉。
今日一日、何度聞きたいと願った事か……。
どれほど逢いたかったか……。
冷たい腕で強くラウを抱きしめ、決して幻ではないその声を、その温もりを感じながら、シュリの唇がラウの唇を塞いでいた。
「……っ……」
しかもそれは、以前のような触れただけの物ではなかった。
驚いて一瞬目を見開いたラウだったが、そのままシュリの体をそっと抱き止める。
その腕に安心したようにシュリの唇はラウを求め続けた。
その存在を確認するように……。
もう離さないと意志を示すように……。
そして長い時のあと、シュリが唇を離すと、その小さな形の良い唇が動いた。
「……ラウ……お前に……。
……私を……」
最後は声にはならなかったが『抱いて欲しい』と、そう動いていた。
「……」
シュリを黙って見つめていたラウは、そのまま小さく首を振った。
「シュリ様……それは……」
言いかけるラウを、シュリがじっと見つめ返す。
それは訴えるように、悲しそうで辛そうな瞳。
見ているだけで胸が締めつけられ苦しくなる。
……シュリ……様……。
ラウはしがみつくシュリの腕を外し、再びベッドへ横たえると、もう一度その瞳を見つめた。
真っ直ぐに……。
胸の苦しさは、益々酷くなる……。
それでもラウは、その苦しさを自覚しながら、そっと唇を寄せ、シュリの冷たい首筋に触れた。
シュリの身体がピクンと震える。
そのまま、首筋から耳元へ……。
耳元からまた喉へ……。
唇を這わせながら衣服を脱がしていくと、シュリはゆっくりと目を閉じた。
薬湯のおかげか、もう痛みも苦しさもない。
それどころか体は熱く反応し、そこに這うラウの唇は優しかった。
喉から胸元へ下りた唇が小さな突起を捕え舌先で転がすと、シュリは小さく声を上げた。
「ぁ……ぁっ……」
捩るその体には、まだ鞭痕とナイフで切られた割創がはっきりと残っている。
ラウは、そこにもゆっくりと唇を這わせていく。
それはガルシアの責めなどとはまるで次元の違うものだった。
胸から腰まで、一つ一つの傷を唇で手当てのように労わられると、体は驚くほど熱くなっていく。
「ラウ……」
名を呼ばれ、小さく手を差し出すシュリに誘われて、ラウもベッドへと上がる。
シュリのものとは違い小さなベッドだったが、それが余計に体を密着させた。
ラウはシュリの脚を開かせ、間に身を置くと、以前、シュリに教えるために見せた行為を繰り返すように、そこへ唇を寄せる。
先端の穴を舌先で解すようになぞった後、そっと口で包み込んだ。
「ぁぁっ……」
足の先まで力が入り、シュリは思わず体を仰け反らせ、両手でシーツを握り締める。
その姿にラウは戸惑い、顔を上げた。
「シュリ様……やはり……」
「……構わない。
続けて……」
「ご気分は? 大丈夫ですか?」
ラウはシュリを腕に抱いたまま、心配そうに顔を覗き込む。
まだハッキリと声は出ないが、小さく頷いたシュリに微笑み、シャツのボタンを外し、包帯を解くと、その体をゆっくりとベッドに横たえさせた。
幸いにも出血は止まっているようだ。
だが、脈を診るために傷の無い首筋に手を当てると、まだシュリの体は冷たいままだった。
「こんなに冷えきって……」
手を伸ばし、シュリの額にかかる髪にそっと触れる。
自分を心配そうに見つめるラウの顔が間近にあった。
「……ラウ……」
もしこれが幻ならば消えないで欲しい……。
シュリはそっとラウの名を呼んだ。
「大丈夫……。
ちゃんとここに居ますよ、シュリさ……」
……ラウ……!
言い終らないうちにシュリは腕を回し、ラウにしがみついていた。
本当にラウが居る。
自分の腕の中に。
幻でも夢でもない。
そして、昨夜と同じ言葉。
今日一日、何度聞きたいと願った事か……。
どれほど逢いたかったか……。
冷たい腕で強くラウを抱きしめ、決して幻ではないその声を、その温もりを感じながら、シュリの唇がラウの唇を塞いでいた。
「……っ……」
しかもそれは、以前のような触れただけの物ではなかった。
驚いて一瞬目を見開いたラウだったが、そのままシュリの体をそっと抱き止める。
その腕に安心したようにシュリの唇はラウを求め続けた。
その存在を確認するように……。
もう離さないと意志を示すように……。
そして長い時のあと、シュリが唇を離すと、その小さな形の良い唇が動いた。
「……ラウ……お前に……。
……私を……」
最後は声にはならなかったが『抱いて欲しい』と、そう動いていた。
「……」
シュリを黙って見つめていたラウは、そのまま小さく首を振った。
「シュリ様……それは……」
言いかけるラウを、シュリがじっと見つめ返す。
それは訴えるように、悲しそうで辛そうな瞳。
見ているだけで胸が締めつけられ苦しくなる。
……シュリ……様……。
ラウはしがみつくシュリの腕を外し、再びベッドへ横たえると、もう一度その瞳を見つめた。
真っ直ぐに……。
胸の苦しさは、益々酷くなる……。
それでもラウは、その苦しさを自覚しながら、そっと唇を寄せ、シュリの冷たい首筋に触れた。
シュリの身体がピクンと震える。
そのまま、首筋から耳元へ……。
耳元からまた喉へ……。
唇を這わせながら衣服を脱がしていくと、シュリはゆっくりと目を閉じた。
薬湯のおかげか、もう痛みも苦しさもない。
それどころか体は熱く反応し、そこに這うラウの唇は優しかった。
喉から胸元へ下りた唇が小さな突起を捕え舌先で転がすと、シュリは小さく声を上げた。
「ぁ……ぁっ……」
捩るその体には、まだ鞭痕とナイフで切られた割創がはっきりと残っている。
ラウは、そこにもゆっくりと唇を這わせていく。
それはガルシアの責めなどとはまるで次元の違うものだった。
胸から腰まで、一つ一つの傷を唇で手当てのように労わられると、体は驚くほど熱くなっていく。
「ラウ……」
名を呼ばれ、小さく手を差し出すシュリに誘われて、ラウもベッドへと上がる。
シュリのものとは違い小さなベッドだったが、それが余計に体を密着させた。
ラウはシュリの脚を開かせ、間に身を置くと、以前、シュリに教えるために見せた行為を繰り返すように、そこへ唇を寄せる。
先端の穴を舌先で解すようになぞった後、そっと口で包み込んだ。
「ぁぁっ……」
足の先まで力が入り、シュリは思わず体を仰け反らせ、両手でシーツを握り締める。
その姿にラウは戸惑い、顔を上げた。
「シュリ様……やはり……」
「……構わない。
続けて……」
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