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第13章 樹の国ユグドマンモン探検偏
第332話 三大凶虫・デスキラービー発生
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「デスキラービーの巣がこの近くで発見されました!! 既に高さ五十メートル以上はあろうかという大きさの巣が確認されています!」
「五十……でかいな。一つか?」
「いえ、魔力感知タイプの魔術師によると、集団が生息すると思われる塊が九つほどあるとのこと!」
「九つ!? デスキラービーの巣がか!?」
「恐らくは……」
「九つって……大変じゃないですか!」
エルフたちに同調してトリニアさんまで驚きの声を上げる。
「目視で確認したわけではないですが、ほぼ間違いないかと。偵察蜂に刺された者たちがいます」
「血清はまだ残っていたか?」
「前回発生したのが何年も前ですので残っていません。現在治療している最中ですが三人が瀕死の重傷です。回復魔法を施していますが、傷が酷いのと毒による衰弱で長くても数時間の命でしょう……」
「そうか……」
デスキラービーって言うと……確か博物館で見た三大凶虫の……発見されると死人が出るって言うアレか。 (第271話参照)
もしかして、ここに来る前に聞こえたあの羽音ってそれだったのか?
「デスキラービーってなんスか?」
「でっかい蜂よ」
魔界に生きてる彼らにとってみれば三大凶虫の発生は大ごとらしいが、魔界の外から来た私と、周囲の国から隔絶されていたトロルたちにはイマイチ危機感が分からない。
「蜂……って、アルトラ様とカイベルさんがアルトレリアの外れの方で飼ってるアレッスか?」
「……美味しい蜜を作ってくれるやつだね……あれは美味い……美味しいの運んで来てくれるんなら別に良いんじゃないの……?」
「いや、多分そんな呑気なものじゃなくてね、博物館で見た解説によると大きさが桁違いに大きくて、体高が一メートル以上あるらしい」
「「でかっ!」」
「それに伴って針の大きさが弓矢の矢尻くらいある上に、それを弾丸みたいに飛ばすから生身で喰らうと穴が開くらしいよ。更に毒まで持ってるっていう」
「弾丸ってなんスか?」
ああ、トロル村から考えても銃なんかあの地に存在してないだろうから弾丸が分からないのか。
「あ~……え~と……二日前のマシンガンエラテリウムの種マシンガンみたいな、あんな感じに勢い良く鉄の塊を飛ばす銃って言う武器があるのよ。デスキラービーの飛ばす針はそれくらい勢いがあるんだって」
「そりゃ凄い勢いッスね! それが何匹居るんスか?」
「た~くさん。多分数百とか数千とかそんなレベル」
「ヤバいじゃないッスか! そんなの対処できるんスか!?」
「分からない。とりあえず周りの話を聞いてみましょうか」
一旦エルフたちから離れて、トリニアさんがこちらへ歩いてきた。
「アルトラ様、不躾なお願いと存じますが、ロクトスさんとナナトスさんをお貸し願えませんか?」
「ロクトスとナナトスを? どういうことですか?」
「何で俺っちたちが?」
「……そんな大きい蜂相手に、俺たちじゃ何もできないと思うけど……」
「先日の毒が効かない体質というのを思い出して、ご協力願えないかと思いまして」
デスキラービーの毒と、彼らに毒が効かないことに何の関連が?
まさか……血清作りの素材にする?
「何をする気ですか? 場合によっては我が国の国民の命を危険に曝すということで、お断りしなければなりませんが?」
「ではアルトラ様、率直に申し上げます。現在、エルフの男性三人がデスキラービーの毒で死の淵を彷徨っています。もし、ロクトスさんとナナトスさんにデスキラービーの毒が効かないようであれば、彼らの身体を使って毒の中和剤を作らせていただきたいのです!」
やっぱりそういう話か。
「それって……どういうことッスか?」
「毒をあなたたちの身体に入れて、その血から毒の中和剤を作るの」
「毒をわざわざ身体に入れるんスか!?」
「……それはちょっと……もし万が一俺たちに効く毒なら死んじゃうし……」
「そこはきちんと検査して、問題無い場合に限りご協力いただくということで! お二方! 是非ともご協力願えないでしょうか!?」
「検査ってなんスか?」
「それは知ってるでしょ? アルトレリアでも売る前に品物とか作物とかの検品するし」
「亜人の身体も検査することがあるんスか?」
病院の概念が無いから自分たちが検査される想像が出来ないのかな……
「具体的に言うと、あなたたちの身体から少しだけ血を採って、それに毒を混ぜてみて、どういう反応を起こすか調べるの。ここであなたたちの血が毒を壊してしまえばあなたたちの血は毒に勝っている。もし毒に侵されてしまうようなら、あなたたちの血は毒に勝てないってことになる。これを調べるのが今からやる検査」
「血はどうやって採るんスか?」
「腕に針をブスッと刺して、チューッと引き抜く……」
「痛いじゃないッスか!」
「そんな大して痛くはないよ。アルトレリア以外の国では (多分)普通にやられてることだから」
他の国で病院見たことあるのは雷の国くらいだから、全部の大国でやられてるかは知らんけど……
「……へぇ~、なるほど~、アルトレリアでやったことないヤツってことか……」
……
…………
………………
少しの沈黙後、ナナトスが口を開く。
「う~ん、じゃあ良いッスよ。効かないなら刺されても刺されなくても同じッスし」
え!? そんなあっさりと返事して良いの!?
いくらナナトスが軽い性格……もとい、ポジティブな性格だって言ったって……今現在、結構重要な局面に立たされてるのを自覚しているのか!?
「……お前……そんな簡単に決めるなよ……命の危機があるかもしれないんだぞ……?」
兄弟からは不安と心配の声。
「きっと大丈夫ッスよ。普通の亜人が食べたら数分で死ぬような毒でも大丈夫だったッスし。それに毒入れる前にきちんと調べるんスよね?」
「それはもちろんです」
「じゃあ、問題無いッス。もしその毒が俺っちに効くなら拒否れば良いだけッスから」
「……分かったよ……弟がそう言うからには、俺も毒が効かない場合には協力する……」
「お二方ありがとうございます!」
う~ん……二人が自分で決めたなら私が口出すことでもないが……しかし――
「トリニアさん、二人が決めたことなので口出すこともないと思いましたが、彼らに不利にならないように私から二つ条件を提示します。一つは毒に対して完全・完璧に耐性がある場合に限り許可するということ。ほんの少しでも毒が効いてしまう場合は、冷たいようですが拒否させていただきます」
「もちろんです」
「二つ目はこの話はデスキラービー騒動が収まるまでの話ということにしてもらいたいと思います。これによってデスキラービーの血清が出来、もしもトロルの血が有益と判明してしまった場合、血清作りのためにトロル狩りされる可能性が無いとは言い切れません。そうなってはこちらとしても堪りませんのでここで今から行われることは決して他言しないようにしてもらいたいと思います」
「はい! それで結構です!」
「その際『約定魔法』を使って関係者全員と誓約させていただきますがよろしいですか?」 (第236.5話 説明回1参照)
「はい、そう伝えておきます!」
「ところで自分で言っておいてなんですが、『約定魔法』って私使ったことないんですけど、どの時点で使うものなんですか?」
「終わってはダメな事柄を終わった後に誓約させることは出来ませんが、内容次第ではいつでも可能な場合もあります。今回の場合、『グリーントロル族の血について他言しない』という事柄ですので、全てが終わった後でも可能だと思います」
そうか、じゃあ誓約するのはデスキラービー騒動が全部終わって、エルフたちが助かった後でも良いか。
もっとも……それは彼らに毒が効かないと判明してからのことではあるが……
「それともう一つ、それとは別に条件があります。ルイスさんの即時解放を求めます。水の国からのお客様ですので、トラブルを起こしたままにしておくというわけにもいきません」
「それは…………わたくしには何ともし難いですが……分かりました。それらも含めて交渉して来ます」
トリニアさんは一旦エルフたちの下へ交渉に行った。
◇
ほどなくして――
ルイスさんが解放されることになった。
「アルトラ様! 解放の交渉をしていただいたそうで! ありがとうございます!」
「いえ、何事も無くて良かったです」
「トリニアさんもありがとうございます!」
「いえ、わたくしはアルトラ様の要望を伝えただけですので……」
族長もやってきた。
「本来なら解放は出来かねますが……同族の命がかかっております。ご協力感謝致します」
「はい。ただし、条件はトリニアさんに伝えた通りです。二人に毒の効果が少しでも及ぶ場合は許可できません」
「心得ています」
「では早速、ロクトスさん、ナナトスさん、検査いたしますのでお二方はこちらへ来ていただけますか?」
「了解ッス」
「……わかった……」
「五十……でかいな。一つか?」
「いえ、魔力感知タイプの魔術師によると、集団が生息すると思われる塊が九つほどあるとのこと!」
「九つ!? デスキラービーの巣がか!?」
「恐らくは……」
「九つって……大変じゃないですか!」
エルフたちに同調してトリニアさんまで驚きの声を上げる。
「目視で確認したわけではないですが、ほぼ間違いないかと。偵察蜂に刺された者たちがいます」
「血清はまだ残っていたか?」
「前回発生したのが何年も前ですので残っていません。現在治療している最中ですが三人が瀕死の重傷です。回復魔法を施していますが、傷が酷いのと毒による衰弱で長くても数時間の命でしょう……」
「そうか……」
デスキラービーって言うと……確か博物館で見た三大凶虫の……発見されると死人が出るって言うアレか。 (第271話参照)
もしかして、ここに来る前に聞こえたあの羽音ってそれだったのか?
「デスキラービーってなんスか?」
「でっかい蜂よ」
魔界に生きてる彼らにとってみれば三大凶虫の発生は大ごとらしいが、魔界の外から来た私と、周囲の国から隔絶されていたトロルたちにはイマイチ危機感が分からない。
「蜂……って、アルトラ様とカイベルさんがアルトレリアの外れの方で飼ってるアレッスか?」
「……美味しい蜜を作ってくれるやつだね……あれは美味い……美味しいの運んで来てくれるんなら別に良いんじゃないの……?」
「いや、多分そんな呑気なものじゃなくてね、博物館で見た解説によると大きさが桁違いに大きくて、体高が一メートル以上あるらしい」
「「でかっ!」」
「それに伴って針の大きさが弓矢の矢尻くらいある上に、それを弾丸みたいに飛ばすから生身で喰らうと穴が開くらしいよ。更に毒まで持ってるっていう」
「弾丸ってなんスか?」
ああ、トロル村から考えても銃なんかあの地に存在してないだろうから弾丸が分からないのか。
「あ~……え~と……二日前のマシンガンエラテリウムの種マシンガンみたいな、あんな感じに勢い良く鉄の塊を飛ばす銃って言う武器があるのよ。デスキラービーの飛ばす針はそれくらい勢いがあるんだって」
「そりゃ凄い勢いッスね! それが何匹居るんスか?」
「た~くさん。多分数百とか数千とかそんなレベル」
「ヤバいじゃないッスか! そんなの対処できるんスか!?」
「分からない。とりあえず周りの話を聞いてみましょうか」
一旦エルフたちから離れて、トリニアさんがこちらへ歩いてきた。
「アルトラ様、不躾なお願いと存じますが、ロクトスさんとナナトスさんをお貸し願えませんか?」
「ロクトスとナナトスを? どういうことですか?」
「何で俺っちたちが?」
「……そんな大きい蜂相手に、俺たちじゃ何もできないと思うけど……」
「先日の毒が効かない体質というのを思い出して、ご協力願えないかと思いまして」
デスキラービーの毒と、彼らに毒が効かないことに何の関連が?
まさか……血清作りの素材にする?
「何をする気ですか? 場合によっては我が国の国民の命を危険に曝すということで、お断りしなければなりませんが?」
「ではアルトラ様、率直に申し上げます。現在、エルフの男性三人がデスキラービーの毒で死の淵を彷徨っています。もし、ロクトスさんとナナトスさんにデスキラービーの毒が効かないようであれば、彼らの身体を使って毒の中和剤を作らせていただきたいのです!」
やっぱりそういう話か。
「それって……どういうことッスか?」
「毒をあなたたちの身体に入れて、その血から毒の中和剤を作るの」
「毒をわざわざ身体に入れるんスか!?」
「……それはちょっと……もし万が一俺たちに効く毒なら死んじゃうし……」
「そこはきちんと検査して、問題無い場合に限りご協力いただくということで! お二方! 是非ともご協力願えないでしょうか!?」
「検査ってなんスか?」
「それは知ってるでしょ? アルトレリアでも売る前に品物とか作物とかの検品するし」
「亜人の身体も検査することがあるんスか?」
病院の概念が無いから自分たちが検査される想像が出来ないのかな……
「具体的に言うと、あなたたちの身体から少しだけ血を採って、それに毒を混ぜてみて、どういう反応を起こすか調べるの。ここであなたたちの血が毒を壊してしまえばあなたたちの血は毒に勝っている。もし毒に侵されてしまうようなら、あなたたちの血は毒に勝てないってことになる。これを調べるのが今からやる検査」
「血はどうやって採るんスか?」
「腕に針をブスッと刺して、チューッと引き抜く……」
「痛いじゃないッスか!」
「そんな大して痛くはないよ。アルトレリア以外の国では (多分)普通にやられてることだから」
他の国で病院見たことあるのは雷の国くらいだから、全部の大国でやられてるかは知らんけど……
「……へぇ~、なるほど~、アルトレリアでやったことないヤツってことか……」
……
…………
………………
少しの沈黙後、ナナトスが口を開く。
「う~ん、じゃあ良いッスよ。効かないなら刺されても刺されなくても同じッスし」
え!? そんなあっさりと返事して良いの!?
いくらナナトスが軽い性格……もとい、ポジティブな性格だって言ったって……今現在、結構重要な局面に立たされてるのを自覚しているのか!?
「……お前……そんな簡単に決めるなよ……命の危機があるかもしれないんだぞ……?」
兄弟からは不安と心配の声。
「きっと大丈夫ッスよ。普通の亜人が食べたら数分で死ぬような毒でも大丈夫だったッスし。それに毒入れる前にきちんと調べるんスよね?」
「それはもちろんです」
「じゃあ、問題無いッス。もしその毒が俺っちに効くなら拒否れば良いだけッスから」
「……分かったよ……弟がそう言うからには、俺も毒が効かない場合には協力する……」
「お二方ありがとうございます!」
う~ん……二人が自分で決めたなら私が口出すことでもないが……しかし――
「トリニアさん、二人が決めたことなので口出すこともないと思いましたが、彼らに不利にならないように私から二つ条件を提示します。一つは毒に対して完全・完璧に耐性がある場合に限り許可するということ。ほんの少しでも毒が効いてしまう場合は、冷たいようですが拒否させていただきます」
「もちろんです」
「二つ目はこの話はデスキラービー騒動が収まるまでの話ということにしてもらいたいと思います。これによってデスキラービーの血清が出来、もしもトロルの血が有益と判明してしまった場合、血清作りのためにトロル狩りされる可能性が無いとは言い切れません。そうなってはこちらとしても堪りませんのでここで今から行われることは決して他言しないようにしてもらいたいと思います」
「はい! それで結構です!」
「その際『約定魔法』を使って関係者全員と誓約させていただきますがよろしいですか?」 (第236.5話 説明回1参照)
「はい、そう伝えておきます!」
「ところで自分で言っておいてなんですが、『約定魔法』って私使ったことないんですけど、どの時点で使うものなんですか?」
「終わってはダメな事柄を終わった後に誓約させることは出来ませんが、内容次第ではいつでも可能な場合もあります。今回の場合、『グリーントロル族の血について他言しない』という事柄ですので、全てが終わった後でも可能だと思います」
そうか、じゃあ誓約するのはデスキラービー騒動が全部終わって、エルフたちが助かった後でも良いか。
もっとも……それは彼らに毒が効かないと判明してからのことではあるが……
「それともう一つ、それとは別に条件があります。ルイスさんの即時解放を求めます。水の国からのお客様ですので、トラブルを起こしたままにしておくというわけにもいきません」
「それは…………わたくしには何ともし難いですが……分かりました。それらも含めて交渉して来ます」
トリニアさんは一旦エルフたちの下へ交渉に行った。
◇
ほどなくして――
ルイスさんが解放されることになった。
「アルトラ様! 解放の交渉をしていただいたそうで! ありがとうございます!」
「いえ、何事も無くて良かったです」
「トリニアさんもありがとうございます!」
「いえ、わたくしはアルトラ様の要望を伝えただけですので……」
族長もやってきた。
「本来なら解放は出来かねますが……同族の命がかかっております。ご協力感謝致します」
「はい。ただし、条件はトリニアさんに伝えた通りです。二人に毒の効果が少しでも及ぶ場合は許可できません」
「心得ています」
「では早速、ロクトスさん、ナナトスさん、検査いたしますのでお二方はこちらへ来ていただけますか?」
「了解ッス」
「……わかった……」
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