336 / 531
第13章 樹の国ユグドマンモン探検偏
第331話 三人が連れて行かれたエルフヴィレッジへ
しおりを挟む
全員がいなくなったのを確認したら、急いで服を着る。私は闇のドレスを創成。
指をパチンと鳴らして、認識阻害の魔法を解除。
「さて、迎えに行きましょうか」
「はい」
その時、微かな羽音――
「ん? トリニアさん何か聞こえましたか?」
何か目の端で大きい生物が横切ったような……
羽音がする大きい生物って何だ……?
「まあ、良いか、早いとこナナトスらを回収して首都へ向かいましょう」
◇
エルフの町に着いた。
のどかな村のようなところを想像してたが、外壁が作られていて想像よりもずっと堅牢な造り。恐らく獣とかも多いだろうから、町ごと外壁で囲まれているんだろう。アルトレリアと同じような造りだ。
町の出入口らしきところに守る気マンマンの二体のゴーレム。大きさは四から五メートルというところか。
これがトリニアさんが道中説明してくれた紋章術で作られたゴーレムか。脚の外側の付け根辺りに紋章らしき紋様がある。
近付いてもすぐさま攻撃してくることはなかったが、身体ごと動かして通せんぼされた。
二体同時に身体を動かして近寄って来たから威圧感が凄い……
「あの……こちらに連れて来られた緑色の亜人と人魚の亜人がいると思うんですが……」
話を聞いてくれそうな見た目ではないが、ダメ元で目の前のゴーレムに話しかけてみるも、うんともすんとも言わない。
「トリニアさん、これどうしたら良いんでしょう?」
「わ、わたくしにも分かりかねます……いつもは訪問を事前にお知らせしてからエルフヴィレッジを訪れますので……その時には横に控えて道を開けてくれています」
困ったな……ゴーレムを壊して入ったら、明らかに敵意ありと取られるだろうから、壊して入るわけにはいかないし。かと言って、空飛んで入っても……多分同じように敵意ありとみなされるだろう。
その時、外壁の上の方から声がした。
「ああ、そいつらには心が無いから話なんか聞いてくれないよ。あんたたちがさっき緑のヤツが喚いてたアルトラさん? そっちはトリニア殿かな?」
「そうですそうです! 良かった近くに亜人居た! 取り次ぎをお願いできますか?」
「少し待ってな」
◇
さっきロクトスたちを連れて行ったリーダー格に取り次いでもらった。
エルフの男女が案内役として付けられる。
「こちらへどうぞ」
中に入れてもらったが、その先にもう一つ壁があり、また二体のゴーレムが守っている。
通されたのはその壁と壁の間に設えられた小さい小屋くらいの大きさの家。
随分用心深いな……壁の先に更に壁があるなんて……
小屋の中は給湯室とトイレくらいしかないワンルームと言った感じで、部屋の中央にソファのような椅子とテーブルが置かれている。
なるほど、ここは村に入る前に入れても大丈夫かどうか判定される場所ってところか。
「少々お待ちください」
エルフの男性を置いて、女性だけが小屋を出て行った。
この置いてかれた男性は多分見張りかな。
◇
少し経って――
「お待たせしました、エルフヴィレッジ族長のシルヴァンと申します。お久しぶりですトリニア殿」
さっきロクトスたちを連れて行った男性じゃあないな。人間で言うところの、四十代くらいの見た目。エルフだから多分何百歳なんだろうけど。
と、思ったらさっきロクトスたちを連れてった時のリーダー格らしい二人も入室してきた。
「シルヴァン殿、お久しぶりです」
「初めまして、アルトラルサンズという国で国主をしています、アルトラと申します」
「あなたがアルトラ殿ですか」
後から入って来た二人にジロジロと見られているような視線を感じる。
と思ったら小声が聞こえてしまった。
「……天使のような魔人のような人間? ツノはあるが羽は見えないな……」
「……そのようですね……恐らくヘルヘヴン族のように、普段は収納しているのでしょう……」
まあ、見られてるだけだし今は三人の安否の確認をしないと。
トリニアさんが族長シルヴァンに話しかける。
「シルヴァン殿、単刀直入に申し上げます。先程あなた方が連れて行ったグリーントロル族のお二人と水の国の空間魔術師をお返しいただけますか?」
「グリーントロル二人については既に連れて来ています。今すぐにお返しいたしましょう。ロニー、レーネ、連れて来てくれ」
「了解した」
すぐにロクトスとナナトスは部屋に入って来た。
「アルトラ様~、どこ行ってたんスか!」
「……迎えに来てもらえて助かった……」
「ルイスさんは?」
「さあ? 俺っちたちとは違うところにいるみたいッス」
何で……?
「あの……なぜルイスさんはお返しいただけないのでしょうか?」
「水の国の空間魔術師については、こちらとしても慎重を期さなければならないため、今すぐお返しすることはできません」
え? マジ?
トリニアさんが居れば全員問題無く帰ってくるかと思ってたのに……
「それは……なぜですか?」
「彼が空間魔術師だからです。解放リスクがある以上、確認も取れずに簡単に返すことはできません」
「その理屈で言ってしまうと、私も空間魔術師ですが……私も拘束されるんですか?」
「「「なっ!?」」」
私の発言に驚くエルフたち。
「マジック・シ――」
「レーネ殿! そこまでです!」
【マジック・シール】と言い終わる前に大声で制止したトリニアさん。
「無闇やたらに他人に対して魔法を使うのはいかがかと思います。特にこの方は新興国ながら一国の主です。その方に危害を加えたとなれば国際問題に発展しかねませんよ? エルフヴィレッジの宗主国であるわたくしども樹の国も黙っているわけにはいきません!」
ロクトスたちを連れて行ったメガネのエルフ・レーネを諫めるトリニアさん。
「う……しかし……空間魔術師を逃すとなると……」
「なぜそこまで警戒されてるんですか?」
「我々トゥルーエルフは森賊によって、絶滅寸前まで追い込まれた過去があるのです」
ロクトスたちを連れて行ったもう片方・ロニーが理由を話してくれた。
「空間魔術師はたった一人いるだけで、戦況を激変させるほどの力があります。そのため身分の判明しない空間魔術師は捕えて幽閉していた過去があるのです」
気持ちは分かるけど……過剰防衛じゃないか?
何もしてない者を捕まえるというのは。
「もちろん確認が取れればきちんとお返ししています」
「じゃあ、彼の主であるレヴィアタンを連れて来れば良いということですか?」
「そこまでしていただけるのであれば文句の付けようはありません。レヴィアタン殿であれば我々も見知っておりますので即座にお返しできるかと思います」
仕方ない……レヴィに事の顛末を伝えて何とかここへ来てもらおうか。
そこへ意図しない報せが届く。
「族長!」
「何事だ?」
「捕えた空間魔術師にかまけてる場合ではありません!」
「何か不測の事態があったのか?」
指をパチンと鳴らして、認識阻害の魔法を解除。
「さて、迎えに行きましょうか」
「はい」
その時、微かな羽音――
「ん? トリニアさん何か聞こえましたか?」
何か目の端で大きい生物が横切ったような……
羽音がする大きい生物って何だ……?
「まあ、良いか、早いとこナナトスらを回収して首都へ向かいましょう」
◇
エルフの町に着いた。
のどかな村のようなところを想像してたが、外壁が作られていて想像よりもずっと堅牢な造り。恐らく獣とかも多いだろうから、町ごと外壁で囲まれているんだろう。アルトレリアと同じような造りだ。
町の出入口らしきところに守る気マンマンの二体のゴーレム。大きさは四から五メートルというところか。
これがトリニアさんが道中説明してくれた紋章術で作られたゴーレムか。脚の外側の付け根辺りに紋章らしき紋様がある。
近付いてもすぐさま攻撃してくることはなかったが、身体ごと動かして通せんぼされた。
二体同時に身体を動かして近寄って来たから威圧感が凄い……
「あの……こちらに連れて来られた緑色の亜人と人魚の亜人がいると思うんですが……」
話を聞いてくれそうな見た目ではないが、ダメ元で目の前のゴーレムに話しかけてみるも、うんともすんとも言わない。
「トリニアさん、これどうしたら良いんでしょう?」
「わ、わたくしにも分かりかねます……いつもは訪問を事前にお知らせしてからエルフヴィレッジを訪れますので……その時には横に控えて道を開けてくれています」
困ったな……ゴーレムを壊して入ったら、明らかに敵意ありと取られるだろうから、壊して入るわけにはいかないし。かと言って、空飛んで入っても……多分同じように敵意ありとみなされるだろう。
その時、外壁の上の方から声がした。
「ああ、そいつらには心が無いから話なんか聞いてくれないよ。あんたたちがさっき緑のヤツが喚いてたアルトラさん? そっちはトリニア殿かな?」
「そうですそうです! 良かった近くに亜人居た! 取り次ぎをお願いできますか?」
「少し待ってな」
◇
さっきロクトスたちを連れて行ったリーダー格に取り次いでもらった。
エルフの男女が案内役として付けられる。
「こちらへどうぞ」
中に入れてもらったが、その先にもう一つ壁があり、また二体のゴーレムが守っている。
通されたのはその壁と壁の間に設えられた小さい小屋くらいの大きさの家。
随分用心深いな……壁の先に更に壁があるなんて……
小屋の中は給湯室とトイレくらいしかないワンルームと言った感じで、部屋の中央にソファのような椅子とテーブルが置かれている。
なるほど、ここは村に入る前に入れても大丈夫かどうか判定される場所ってところか。
「少々お待ちください」
エルフの男性を置いて、女性だけが小屋を出て行った。
この置いてかれた男性は多分見張りかな。
◇
少し経って――
「お待たせしました、エルフヴィレッジ族長のシルヴァンと申します。お久しぶりですトリニア殿」
さっきロクトスたちを連れて行った男性じゃあないな。人間で言うところの、四十代くらいの見た目。エルフだから多分何百歳なんだろうけど。
と、思ったらさっきロクトスたちを連れてった時のリーダー格らしい二人も入室してきた。
「シルヴァン殿、お久しぶりです」
「初めまして、アルトラルサンズという国で国主をしています、アルトラと申します」
「あなたがアルトラ殿ですか」
後から入って来た二人にジロジロと見られているような視線を感じる。
と思ったら小声が聞こえてしまった。
「……天使のような魔人のような人間? ツノはあるが羽は見えないな……」
「……そのようですね……恐らくヘルヘヴン族のように、普段は収納しているのでしょう……」
まあ、見られてるだけだし今は三人の安否の確認をしないと。
トリニアさんが族長シルヴァンに話しかける。
「シルヴァン殿、単刀直入に申し上げます。先程あなた方が連れて行ったグリーントロル族のお二人と水の国の空間魔術師をお返しいただけますか?」
「グリーントロル二人については既に連れて来ています。今すぐにお返しいたしましょう。ロニー、レーネ、連れて来てくれ」
「了解した」
すぐにロクトスとナナトスは部屋に入って来た。
「アルトラ様~、どこ行ってたんスか!」
「……迎えに来てもらえて助かった……」
「ルイスさんは?」
「さあ? 俺っちたちとは違うところにいるみたいッス」
何で……?
「あの……なぜルイスさんはお返しいただけないのでしょうか?」
「水の国の空間魔術師については、こちらとしても慎重を期さなければならないため、今すぐお返しすることはできません」
え? マジ?
トリニアさんが居れば全員問題無く帰ってくるかと思ってたのに……
「それは……なぜですか?」
「彼が空間魔術師だからです。解放リスクがある以上、確認も取れずに簡単に返すことはできません」
「その理屈で言ってしまうと、私も空間魔術師ですが……私も拘束されるんですか?」
「「「なっ!?」」」
私の発言に驚くエルフたち。
「マジック・シ――」
「レーネ殿! そこまでです!」
【マジック・シール】と言い終わる前に大声で制止したトリニアさん。
「無闇やたらに他人に対して魔法を使うのはいかがかと思います。特にこの方は新興国ながら一国の主です。その方に危害を加えたとなれば国際問題に発展しかねませんよ? エルフヴィレッジの宗主国であるわたくしども樹の国も黙っているわけにはいきません!」
ロクトスたちを連れて行ったメガネのエルフ・レーネを諫めるトリニアさん。
「う……しかし……空間魔術師を逃すとなると……」
「なぜそこまで警戒されてるんですか?」
「我々トゥルーエルフは森賊によって、絶滅寸前まで追い込まれた過去があるのです」
ロクトスたちを連れて行ったもう片方・ロニーが理由を話してくれた。
「空間魔術師はたった一人いるだけで、戦況を激変させるほどの力があります。そのため身分の判明しない空間魔術師は捕えて幽閉していた過去があるのです」
気持ちは分かるけど……過剰防衛じゃないか?
何もしてない者を捕まえるというのは。
「もちろん確認が取れればきちんとお返ししています」
「じゃあ、彼の主であるレヴィアタンを連れて来れば良いということですか?」
「そこまでしていただけるのであれば文句の付けようはありません。レヴィアタン殿であれば我々も見知っておりますので即座にお返しできるかと思います」
仕方ない……レヴィに事の顛末を伝えて何とかここへ来てもらおうか。
そこへ意図しない報せが届く。
「族長!」
「何事だ?」
「捕えた空間魔術師にかまけてる場合ではありません!」
「何か不測の事態があったのか?」
1
お気に入りに追加
66
あなたにおすすめの小説
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
私はお母様の奴隷じゃありません。「出てけ」とおっしゃるなら、望み通り出ていきます【完結】
小平ニコ
ファンタジー
主人公レベッカは、幼いころから母親に冷たく当たられ、家庭内の雑務を全て押し付けられてきた。
他の姉妹たちとは明らかに違う、奴隷のような扱いを受けても、いつか母親が自分を愛してくれると信じ、出来得る限りの努力を続けてきたレベッカだったが、16歳の誕生日に突然、公爵の館に奉公に行けと命じられる。
それは『家を出て行け』と言われているのと同じであり、レベッカはショックを受ける。しかし、奉公先の人々は皆優しく、主であるハーヴィン公爵はとても美しい人で、レベッカは彼にとても気に入られる。
友達もでき、忙しいながらも幸せな毎日を送るレベッカ。そんなある日のこと、妹のキャリーがいきなり公爵の館を訪れた。……キャリーは、レベッカに支払われた給料を回収しに来たのだ。
レベッカは、金銭に対する執着などなかったが、あまりにも身勝手で悪辣なキャリーに怒り、彼女を追い返す。それをきっかけに、公爵家の人々も巻き込む形で、レベッカと実家の姉妹たちは争うことになる。
そして、姉妹たちがそれぞれ悪行の報いを受けた後。
レベッカはとうとう、母親と直接対峙するのだった……
【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。
BBやっこ
ファンタジー
死因の毒殺は、意外とは言い切れない。だって貴族の後継者扱いだったから。けど、私はこの家の子ではないかもしれない。そこをつけいられて、親族と名乗る人達に好き勝手されていた。
辺境の地で魔物からの脅威に領地を守りながら、過ごした12年間。その生が終わった筈だったけど…雨。その日に辺境伯が連れて来た赤ん坊。「セリュートとでも名付けておけ」暫定後継者になった瞬間にいた、私は赤ちゃん??
私が、もう一度自分の人生を歩み始める物語。給水係と呼ばれる水魔法でお悩み解決?
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
【完】あの、……どなたでしょうか?
桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー
爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」
見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は………
「あの、……どなたのことでしょうか?」
まさかの意味不明発言!!
今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!!
結末やいかに!!
*******************
執筆終了済みです。
私が死んだあとの世界で
もちもち太郎
恋愛
婚約破棄をされ断罪された公爵令嬢のマリーが死んだ。
初めはみんな喜んでいたが、時が経つにつれマリーの重要さに気づいて後悔する。
だが、もう遅い。なんてったって、私を断罪したのはあなた達なのですから。
私がいなくなった部屋を見て、あなた様はその心に何を思われるのでしょうね…?
新野乃花(大舟)
恋愛
貴族であるファーラ伯爵との婚約を結んでいたセイラ。しかし伯爵はセイラの事をほったらかしにして、幼馴染であるレリアの方にばかり愛情をかけていた。それは溺愛と呼んでもいいほどのもので、そんな行動の果てにファーラ伯爵は婚約破棄まで持ち出してしまう。しかしそれと時を同じくして、セイラはその姿を伯爵の前からこつぜんと消してしまう。弱気なセイラが自分に逆らう事など絶対に無いと思い上がっていた伯爵は、誰もいなくなってしまったセイラの部屋を見て…。
※カクヨム、小説家になろうにも投稿しています!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる