19 / 46
17、行方
しおりを挟む
*パーラーの娘、ミニエラ目線*
山を一気に駆け降り所々の変形してしまった
場所を私なりになおしていた。
鉱石や魔石をふんだんに準備し
追加で魔物を狩り、私ってチートあったんだ
と思い、家名名乗らず"ミニエラ"で
冒険者登録した。
産みの親であるパーラーも離縁手続きだし
家名が変わるのも時間の問題。
貴族なんてまっぴらゴメンですわ、
オッ~ホホホ!って事で、平民として
冒険者になりました。
それが、ほんの2日前。
豪華なゴテゴテ、パーラー推進のドレスを
数枚売り平民服とズボンを何枚か買った。
パーラーが自慢のミニエラの長い
ツヤツヤの髪をばっさり切り、
それも売ったのだった。
異世界万歳。
髪の毛が高値で売れるなんてすごい。
日本だったら、ヘアドネーションという
髪の毛を寄付し病気の子どもたちに
かつらを作るって感じの事しか
思いつかないけど、売ったドレスと
髪の毛で冒険者ギルドで紹介してもらった
安宿を借りることにした。
ズボンと目深にかぶった帽子で男の子に
変装し顔をわざと汚し、声も低めに出している。
完璧ね。
ミニエラは満足そうに、手鏡を見ていた。
手鏡は貴族の間でも貴重な品物で
パーラーの持ち物にしては、飾り気がない
シンプルな物で、クローゼットの奥で
見つけた物だった。
きっと、誰かからの頂き物だけど
好みのものじゃないから使ってないんだわ、
と勝手に拝借したものだった。
他にも、役立ちそうな携帯食、マジックバック
シーツにしては古ぼけた分厚めの布、
冒険者として役立ちそうな物を適当に
パーラーから拝借したのだった。
今までリアンジュ様をいじめたバツよ。
使ってないのなら、私が活用してあげるわ。
この世界では女の子は貴重で、誘拐して
奴隷売買も当たり前にある怖い世界だった。
このグアーラという国では、犯罪奴隷と
借金奴隷はあるけど非人道的な
奴隷取り引きは禁止されてるはず。
戦争も数百年前にあったらしいけど
他の国でも人口が少なくなり女性も
少なくなってしまったと小説では
あったけど、他の国の事はあまりわからないわ。
少なくともこの国では、女性は
少なくて3割か2割だったはず。
まあ、どこにでも悪人はいるし他の国では
堂々と攫って奴隷落ちはよくあることらしい。
治安が悪い所の貴族では、生まれたばかりの
赤ん坊に焼き印をして貴族である証を
焼き付けるそうだ。
そうしないと攫われても証明出来ないから
らしいが、複雑な気持ちになるわ。
リアンジュ様がいない公爵邸なんか
潤いがない果物と一緒ってのもあるけど
産みの毒親パーラーとマルクの悪巧みを
阻止しなきゃ。
リアンジュ様が巻き込まれなくても
あの地域の人たちが被害にあうわ。
助けなきゃ。
それにしても毒親のパーラーもマルクも
リアンジュ様の父の異母弟妹なのに
なんであんな薄情というか無責任な人を
好きになってるのか不思議。
まさしく狂ってるとしか思えないわ。
リアンジュ様のをないがしろにして
ひどい人たちだわ。
こっちから縁を切ってやる。
"お世話になりました。探さないでください。"
と公爵邸宛に手紙も送った。
これで毒親のパーラーにも伝わるだろう。
冒険者になってからは、安宿で仮眠を
とった後、その辺で拾った棒から、
魔物から奪った武器などを自分の得物にした。
緑色のギィギィ鳴く魔物は臭いとか
色々噂があったから思わず、炎で
火炎放射器のイメージで燃やしまくった。
燃やした後、ここは森だと気づき
山火事にならなくて良かったと
胸を撫で下ろしたわ。
胸はリアンジュ様より少し大きいかもしれない。
うふふ。
気づいたら洞窟の中にも、ギィギィ
うるさいのがひしめいてたから、
少しずつ誘き寄せもやしたり、
大中小のギィギィうるさい奴らを
雷や、土魔法でべっしゃんこにしたり
まとめて水責めしたりした。
数時間に及ぶ戦闘の末、多少なりの
小粒の魔石があり拾っていたら
洞窟の奥深くに数人の生きている
女性や女の子、たぶん助けようとしたのか
冒険者のプレートが数枚落ちていた。
それを拾い集めると、半分肌が
はだけている女性が4~5歳の女の子を
守る様に気絶してしまった。
ここは異世界だし、チートを活かして
重いものも軽々持てる浮遊魔法を
使おうとした。結果、ダメでした。
イメージはバッチリなのに
適正がないのか物を浮かせなかった。
大八車を作ろうと思ったけど、
私、前世をあまり思い出せないけど
そんなに器用ではなかった気がする。
これは詰んだ……。
自分の荷物から平民が持っていても
違和感ないちょっと上質な布
(パーラーから拝借した布)で
女性と子どもにかけ、魔物避けを
焚き火に入れ女性が気付くのを待った。
待ってる間、ギィギィうるさかった
とある魔物の臭い匂いが充満していたので
死体を焼いたあと土魔法で埋めた。
魔力もかなり減ってふらふらしたので
女性たちを守る様に居眠りしてしまった。
***
*アントニ目線*
27歳、公爵邸の家令補佐。
ディオの乳兄弟(リアンジュの味方。)
「公爵邸からパーラーの娘ミニエラが
いなくなりました。そして
"お世話になりました。探さないでください。"
と書いた手紙を公爵邸に送り付け
家出をしました。」
アントニは、ディオ様と魔道具で会話した。
「行方は?」
「馬車で2日の町でけばけばしいドレスと、
ミニエラと思える髪の毛が売りに出ていました。」
「髪の毛?!」
「はい、私は使えませんが配下の者に
髪の毛や衣服から持ち主の居所を探す
魔法の使い手に探らせてますので、
もう少しお時間頂けたら居場所を
突き止めます。」
通信を切った後ディオは顔をしかめていた。
「髪の毛は自分で切ったのか?」
ディオの問いに応えるものはいなかった。
髪の毛は魔法を扱う者にとって
魔石代わりになるほど価値のあるもので
貴族令嬢として髪の毛は大事であり
犯罪者や刑罰で髪を着る事はあっても
本人自ら切るのはありえない事だった。
山を一気に駆け降り所々の変形してしまった
場所を私なりになおしていた。
鉱石や魔石をふんだんに準備し
追加で魔物を狩り、私ってチートあったんだ
と思い、家名名乗らず"ミニエラ"で
冒険者登録した。
産みの親であるパーラーも離縁手続きだし
家名が変わるのも時間の問題。
貴族なんてまっぴらゴメンですわ、
オッ~ホホホ!って事で、平民として
冒険者になりました。
それが、ほんの2日前。
豪華なゴテゴテ、パーラー推進のドレスを
数枚売り平民服とズボンを何枚か買った。
パーラーが自慢のミニエラの長い
ツヤツヤの髪をばっさり切り、
それも売ったのだった。
異世界万歳。
髪の毛が高値で売れるなんてすごい。
日本だったら、ヘアドネーションという
髪の毛を寄付し病気の子どもたちに
かつらを作るって感じの事しか
思いつかないけど、売ったドレスと
髪の毛で冒険者ギルドで紹介してもらった
安宿を借りることにした。
ズボンと目深にかぶった帽子で男の子に
変装し顔をわざと汚し、声も低めに出している。
完璧ね。
ミニエラは満足そうに、手鏡を見ていた。
手鏡は貴族の間でも貴重な品物で
パーラーの持ち物にしては、飾り気がない
シンプルな物で、クローゼットの奥で
見つけた物だった。
きっと、誰かからの頂き物だけど
好みのものじゃないから使ってないんだわ、
と勝手に拝借したものだった。
他にも、役立ちそうな携帯食、マジックバック
シーツにしては古ぼけた分厚めの布、
冒険者として役立ちそうな物を適当に
パーラーから拝借したのだった。
今までリアンジュ様をいじめたバツよ。
使ってないのなら、私が活用してあげるわ。
この世界では女の子は貴重で、誘拐して
奴隷売買も当たり前にある怖い世界だった。
このグアーラという国では、犯罪奴隷と
借金奴隷はあるけど非人道的な
奴隷取り引きは禁止されてるはず。
戦争も数百年前にあったらしいけど
他の国でも人口が少なくなり女性も
少なくなってしまったと小説では
あったけど、他の国の事はあまりわからないわ。
少なくともこの国では、女性は
少なくて3割か2割だったはず。
まあ、どこにでも悪人はいるし他の国では
堂々と攫って奴隷落ちはよくあることらしい。
治安が悪い所の貴族では、生まれたばかりの
赤ん坊に焼き印をして貴族である証を
焼き付けるそうだ。
そうしないと攫われても証明出来ないから
らしいが、複雑な気持ちになるわ。
リアンジュ様がいない公爵邸なんか
潤いがない果物と一緒ってのもあるけど
産みの毒親パーラーとマルクの悪巧みを
阻止しなきゃ。
リアンジュ様が巻き込まれなくても
あの地域の人たちが被害にあうわ。
助けなきゃ。
それにしても毒親のパーラーもマルクも
リアンジュ様の父の異母弟妹なのに
なんであんな薄情というか無責任な人を
好きになってるのか不思議。
まさしく狂ってるとしか思えないわ。
リアンジュ様のをないがしろにして
ひどい人たちだわ。
こっちから縁を切ってやる。
"お世話になりました。探さないでください。"
と公爵邸宛に手紙も送った。
これで毒親のパーラーにも伝わるだろう。
冒険者になってからは、安宿で仮眠を
とった後、その辺で拾った棒から、
魔物から奪った武器などを自分の得物にした。
緑色のギィギィ鳴く魔物は臭いとか
色々噂があったから思わず、炎で
火炎放射器のイメージで燃やしまくった。
燃やした後、ここは森だと気づき
山火事にならなくて良かったと
胸を撫で下ろしたわ。
胸はリアンジュ様より少し大きいかもしれない。
うふふ。
気づいたら洞窟の中にも、ギィギィ
うるさいのがひしめいてたから、
少しずつ誘き寄せもやしたり、
大中小のギィギィうるさい奴らを
雷や、土魔法でべっしゃんこにしたり
まとめて水責めしたりした。
数時間に及ぶ戦闘の末、多少なりの
小粒の魔石があり拾っていたら
洞窟の奥深くに数人の生きている
女性や女の子、たぶん助けようとしたのか
冒険者のプレートが数枚落ちていた。
それを拾い集めると、半分肌が
はだけている女性が4~5歳の女の子を
守る様に気絶してしまった。
ここは異世界だし、チートを活かして
重いものも軽々持てる浮遊魔法を
使おうとした。結果、ダメでした。
イメージはバッチリなのに
適正がないのか物を浮かせなかった。
大八車を作ろうと思ったけど、
私、前世をあまり思い出せないけど
そんなに器用ではなかった気がする。
これは詰んだ……。
自分の荷物から平民が持っていても
違和感ないちょっと上質な布
(パーラーから拝借した布)で
女性と子どもにかけ、魔物避けを
焚き火に入れ女性が気付くのを待った。
待ってる間、ギィギィうるさかった
とある魔物の臭い匂いが充満していたので
死体を焼いたあと土魔法で埋めた。
魔力もかなり減ってふらふらしたので
女性たちを守る様に居眠りしてしまった。
***
*アントニ目線*
27歳、公爵邸の家令補佐。
ディオの乳兄弟(リアンジュの味方。)
「公爵邸からパーラーの娘ミニエラが
いなくなりました。そして
"お世話になりました。探さないでください。"
と書いた手紙を公爵邸に送り付け
家出をしました。」
アントニは、ディオ様と魔道具で会話した。
「行方は?」
「馬車で2日の町でけばけばしいドレスと、
ミニエラと思える髪の毛が売りに出ていました。」
「髪の毛?!」
「はい、私は使えませんが配下の者に
髪の毛や衣服から持ち主の居所を探す
魔法の使い手に探らせてますので、
もう少しお時間頂けたら居場所を
突き止めます。」
通信を切った後ディオは顔をしかめていた。
「髪の毛は自分で切ったのか?」
ディオの問いに応えるものはいなかった。
髪の毛は魔法を扱う者にとって
魔石代わりになるほど価値のあるもので
貴族令嬢として髪の毛は大事であり
犯罪者や刑罰で髪を着る事はあっても
本人自ら切るのはありえない事だった。
9
お気に入りに追加
412
あなたにおすすめの小説
若奥様は緑の手 ~ お世話した花壇が聖域化してました。嫁入り先でめいっぱい役立てます!
古森真朝
恋愛
意地悪な遠縁のおばの邸で暮らすユーフェミアは、ある日いきなり『明後日に輿入れが決まったから荷物をまとめろ』と言い渡される。いろいろ思うところはありつつ、これは邸から出て自立するチャンス!と大急ぎで支度して出立することに。嫁入り道具兼手土産として、唯一の財産でもある裏庭の花壇(四畳サイズ)を『持参』したのだが――実はこのプチ庭園、長年手塩にかけた彼女の魔力によって、神域霊域レベルのレア植物生息地となっていた。
そうとは知らないまま、輿入れ初日にボロボロになって帰ってきた結婚相手・クライヴを救ったのを皮切りに、彼の実家エヴァンス邸、勤め先である王城、さらにお世話になっている賢者様が司る大神殿と、次々に起こる事件を『あ、それならありますよ!』とプチ庭園でしれっと解決していくユーフェミア。果たして嫁ぎ先で平穏を手に入れられるのか。そして根っから世話好きで、何くれとなく構ってくれるクライヴVS自立したい甘えベタの若奥様の勝負の行方は?
*カクヨム様で先行掲載しております
僕たち、結婚することになりました
リリーブルー
BL
俺は、なぜか知らないが、会社の後輩(♂)と結婚することになった!
後輩はモテモテな25歳。
俺は37歳。
笑えるBL。ラブコメディ💛
fujossyの結婚テーマコンテスト応募作です。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
αからΩになった俺が幸せを掴むまで
なの
BL
柴田海、本名大嶋海里、21歳、今はオメガ、職業……オメガの出張風俗店勤務。
10年前、父が亡くなって新しいお義父さんと義兄貴ができた。
義兄貴は俺に優しくて、俺は大好きだった。
アルファと言われていた俺だったがある日熱を出してしまった。
義兄貴に看病されるうちにヒートのような症状が…
義兄貴と一線を超えてしまって逃げ出した。そんな海里は生きていくためにオメガの出張風俗店で働くようになった。
そんな海里が本当の幸せを掴むまで…
転生したら嫌われ者No.01のザコキャラだった 〜引き篭もりニートは落ちぶれ王族に転生しました〜
隍沸喰(隍沸かゆ)
BL
引き篭もりニートの俺は大人にも子供にも人気の話題のゲーム『WoRLD oF SHiSUTo』の次回作を遂に手に入れたが、その直後に死亡してしまった。
目覚めたらその世界で最も嫌われ、前世でも嫌われ続けていたあの落ちぶれた元王族《ヴァントリア・オルテイル》になっていた。
同じ檻に入っていた子供を看病したのに殺されかけ、王である兄には冷たくされ…………それでもめげずに頑張ります!
俺を襲ったことで連れて行かれた子供を助けるために、まずは脱獄からだ!
重複投稿:小説家になろう(ムーンライトノベルズ)
注意:
残酷な描写あり
表紙は力不足な自作イラスト
誤字脱字が多いです!
お気に入り・感想ありがとうございます。
皆さんありがとうございました!
BLランキング1位(2021/8/1 20:02)
HOTランキング15位(2021/8/1 20:02)
他サイト日間BLランキング2位(2019/2/21 20:00)
ツンデレ、執着キャラ、おバカ主人公、魔法、主人公嫌われ→愛されです。
いらないと思いますが感想・ファンアート?などのSNSタグは #嫌01 です。私も宣伝や時々描くイラストに使っています。利用していただいて構いません!
出戻り聖女はもう泣かない
たかせまこと
BL
西の森のとば口に住むジュタは、元聖女。
男だけど元聖女。
一人で静かに暮らしているジュタに、王宮からの使いが告げた。
「王が正室を迎えるので、言祝ぎをお願いしたい」
出戻りアンソロジー参加作品に加筆修正したものです。
ムーンライト・エブリスタにも掲載しています。
表紙絵:CK2さま
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
悪役令息に転生したので婚約破棄を受け入れます
藍沢真啓/庚あき
BL
BLゲームの世界に転生してしまったキルシェ・セントリア公爵子息は、物語のクライマックスといえる断罪劇で逆転を狙うことにした。
それは長い時間をかけて、隠し攻略対象者や、婚約者だった第二王子ダグラスの兄であるアレクサンドリアを仲間にひきれることにした。
それでバッドエンドは逃れたはずだった。だが、キルシェに訪れたのは物語になかった展開で……
4/2の春庭にて頒布する「悪役令息溺愛アンソロジー」の告知のために書き下ろした悪役令息ものです。
今世はメシウマ召喚獣
片里 狛
BL
オーバーワークが原因でうっかり命を落としたはずの最上春伊25歳。召喚獣として呼び出された世界で、娼館の料理人として働くことになって!?的なBL小説です。
最終的に溺愛系娼館主人様×全般的にふつーの日本人青年。
※女の子もゴリゴリ出てきます。
※設定ふんわりとしか考えてないので穴があってもスルーしてください。お約束等には疎いので優しい気持ちで読んでくださると幸い。
※誤字脱字の報告は不要です。いつか直したい。
※なるべくさくさく更新したい。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
【完結】家も家族もなくし婚約者にも捨てられた僕だけど、隣国の宰相を助けたら囲われて大切にされています。
cyan
BL
留学中に実家が潰れて家族を失くし、婚約者にも捨てられ、どこにも行く宛てがなく彷徨っていた僕を助けてくれたのは隣国の宰相だった。
家が潰れた僕は平民。彼は宰相様、それなのに僕は恐れ多くも彼に恋をした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる