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24、公爵邸の人々
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公爵夫人"様"に"注意"を受けた公爵"様"は
執務室で仕事をしていた。
連日のように押し寄せるドワーフ族の
秘蔵っ子テル様捜査情報と1年と少し前の
不明な高魔力、国王陛下からのオフレ、
それらの情報過多や訴えで騎士団と
各ギルドだけでは処理出来ず各領主にも
情報処理や裏付け捜査資料をさばく状態に
なっていた。
*ハーフン公爵邸の家令目線
公爵邸の玄関口が騒がしくなっていた。
公爵"様"は気になり席を立とうとしたが
「私が見てまいります。」
そう言って家令である私は頭を下げ
部屋の外に様子を見に行った。
旦那様はお出かけ前の奥様に執務室で仕事を
片付けるようにおっしゃられ、家令である
私にはそれとなく旦那様を見張る……ゴホッ
見守るように言いつけられたのだった。
予定時刻よりかなり早い帰宅となった
公爵夫人と見慣れぬ者が3人。
「おかえりなさいませ、奥様。」
そのうちの1人は公爵邸の護衛に
お姫様抱っこされていた。
ハーフン家のお抱え医師を呼ぶ様にと
公爵夫人である奥様自らフットマンに
言いつけた後、目が合った家令の私に
意識がないお客様を客室に案内するよう
指示を出した。
玄関室で奥様からお客様を紹介して下さり
お互い名乗り合った後
「ハゲミ様、ウサミ様、こちらの
サロンにどうぞ。テル様は……」
一旦お客様をサロンにご案内し、護衛が
お姫様抱っこしている"ご令嬢"は
整えてあった客室に案内しようと思った。
「いや、私たちもこの子と一緒の場所で頼む。」
「……かしこまりました。」
透き通る様な肌に長いまつ毛
肩くらいまで伸びた髪の毛、
土のついた平民の男の子が着る様な服。
ハゲミ様は黒い狼の耳、ウサミ様は
ウサギの耳、初めて見るほぼ人型の
獣人族?のお子様だった。
男性の獣人族と小さなテル様の
顔立ちは貴族の御令嬢で大変
お可愛らしい顔立ちだった。
この3人の関係性も気になるが、
ハゲミ様もウサミ様のどちらも
人族が着る中でも身体の線が
くっきり出るような服を着ていた。
大柄な2人だからなのかもしれないと
思ったが、家令はすぐに思いなおした。
子どもに対してはゆったりとした服
成長を見越して大きめの服を与えてるが、
もしかすると服が窮屈だが身体に
合った服を買えないのかもしれないと
思ったのだった。
ウサミ様に至っては、鍛えあげられた
素晴らしい筋肉がくっきりとわかる様な
服装に可愛いエプロンをつけていた。
奥様のお客様に失礼に当たらないように
最善を尽くした。
"御令嬢"の診察に"男性"がいては
邪魔になると思いテル様の治療の間、
御二方にはテル様に用意した客室の
両隣りの客室にお風呂の準備と
ゆったりと着れる服(念の為、
女性用と男性用)それと軽食を用意した。
***
*テル目線
静かな部屋、名前がわからないけど
甘い香りと爽やかな香りが混じったような
俺が好きだった香りがした。
懐かしく思うと同時に寂しくなった。
ここ最近は夜も騒がしく、人の気配がする
場所にいたはずなのに……。
また自分の居場所がなくなったのかもしれない。
ここは静かすぎて何だか怖く感じた。
仲良くしていたはずなのに
また俺は……捨てられた、の?
両親もいつのまにか居なくなったし
俺、そんなに嫌なヤツだったの?
必要ないのなら産まないでよ!!
誰も俺なんか必要としないなら
生きる価値ないし、どうせなら
殺してくれたらよかったのに……。
なぜ、まだ生きてるの?
オレオールも、俺なんかいらないから
消えたんだよね。
みんな俺なんかに優しくて、大した事なんか
何一つしてないのに大げさに喜んだり
頭を優しく撫でてくれる夢……
酷く甘い夢を見た気がした。
「………。」
ボヤけた視界に人影が写った。
誰だろう?
椅子に座ってる男性…いかにも身分が
高いと思われるような光沢あるスーツ?
それとも本人自体が光っているような
感じもするけど、日本人ではあり得ないような
顔のつくりで、思わず誰もがふりかえって
しまいそうなイケメン。
懐かしい、イケメン……。
「……オ、オレオール?!」
「……。」
長い足を組みながらティーテーブルに
積まれた書類を見ながら書き物をしていた。
夢でもいいや。
日本でいた頃、一緒に日本語を俺が教えて
オレオールは、フェリース語と共通語を
教えてくれた。
俺の方が覚え悪くて、あいさつ文すら
まともに言えずコトバ覚えたての
幼な子のように可愛いってからかわられた。
ギリシャ語に似た言葉だったようで
"おはよう"がカリメーラ
"おやすみ"がカリニフタだった気がする。
「カ、カリ…カリメーラ?カリ、ニフタ?」
「……プッ。」
視線がこちらを向いていたと思うけど
なぜか眠たくてまぶたをあけているのが
辛くて、また目を閉じてしまったのだった。
オレオール、俺…嫌われる事
してしまったんだよね。ごめんなさい。
執務室で仕事をしていた。
連日のように押し寄せるドワーフ族の
秘蔵っ子テル様捜査情報と1年と少し前の
不明な高魔力、国王陛下からのオフレ、
それらの情報過多や訴えで騎士団と
各ギルドだけでは処理出来ず各領主にも
情報処理や裏付け捜査資料をさばく状態に
なっていた。
*ハーフン公爵邸の家令目線
公爵邸の玄関口が騒がしくなっていた。
公爵"様"は気になり席を立とうとしたが
「私が見てまいります。」
そう言って家令である私は頭を下げ
部屋の外に様子を見に行った。
旦那様はお出かけ前の奥様に執務室で仕事を
片付けるようにおっしゃられ、家令である
私にはそれとなく旦那様を見張る……ゴホッ
見守るように言いつけられたのだった。
予定時刻よりかなり早い帰宅となった
公爵夫人と見慣れぬ者が3人。
「おかえりなさいませ、奥様。」
そのうちの1人は公爵邸の護衛に
お姫様抱っこされていた。
ハーフン家のお抱え医師を呼ぶ様にと
公爵夫人である奥様自らフットマンに
言いつけた後、目が合った家令の私に
意識がないお客様を客室に案内するよう
指示を出した。
玄関室で奥様からお客様を紹介して下さり
お互い名乗り合った後
「ハゲミ様、ウサミ様、こちらの
サロンにどうぞ。テル様は……」
一旦お客様をサロンにご案内し、護衛が
お姫様抱っこしている"ご令嬢"は
整えてあった客室に案内しようと思った。
「いや、私たちもこの子と一緒の場所で頼む。」
「……かしこまりました。」
透き通る様な肌に長いまつ毛
肩くらいまで伸びた髪の毛、
土のついた平民の男の子が着る様な服。
ハゲミ様は黒い狼の耳、ウサミ様は
ウサギの耳、初めて見るほぼ人型の
獣人族?のお子様だった。
男性の獣人族と小さなテル様の
顔立ちは貴族の御令嬢で大変
お可愛らしい顔立ちだった。
この3人の関係性も気になるが、
ハゲミ様もウサミ様のどちらも
人族が着る中でも身体の線が
くっきり出るような服を着ていた。
大柄な2人だからなのかもしれないと
思ったが、家令はすぐに思いなおした。
子どもに対してはゆったりとした服
成長を見越して大きめの服を与えてるが、
もしかすると服が窮屈だが身体に
合った服を買えないのかもしれないと
思ったのだった。
ウサミ様に至っては、鍛えあげられた
素晴らしい筋肉がくっきりとわかる様な
服装に可愛いエプロンをつけていた。
奥様のお客様に失礼に当たらないように
最善を尽くした。
"御令嬢"の診察に"男性"がいては
邪魔になると思いテル様の治療の間、
御二方にはテル様に用意した客室の
両隣りの客室にお風呂の準備と
ゆったりと着れる服(念の為、
女性用と男性用)それと軽食を用意した。
***
*テル目線
静かな部屋、名前がわからないけど
甘い香りと爽やかな香りが混じったような
俺が好きだった香りがした。
懐かしく思うと同時に寂しくなった。
ここ最近は夜も騒がしく、人の気配がする
場所にいたはずなのに……。
また自分の居場所がなくなったのかもしれない。
ここは静かすぎて何だか怖く感じた。
仲良くしていたはずなのに
また俺は……捨てられた、の?
両親もいつのまにか居なくなったし
俺、そんなに嫌なヤツだったの?
必要ないのなら産まないでよ!!
誰も俺なんか必要としないなら
生きる価値ないし、どうせなら
殺してくれたらよかったのに……。
なぜ、まだ生きてるの?
オレオールも、俺なんかいらないから
消えたんだよね。
みんな俺なんかに優しくて、大した事なんか
何一つしてないのに大げさに喜んだり
頭を優しく撫でてくれる夢……
酷く甘い夢を見た気がした。
「………。」
ボヤけた視界に人影が写った。
誰だろう?
椅子に座ってる男性…いかにも身分が
高いと思われるような光沢あるスーツ?
それとも本人自体が光っているような
感じもするけど、日本人ではあり得ないような
顔のつくりで、思わず誰もがふりかえって
しまいそうなイケメン。
懐かしい、イケメン……。
「……オ、オレオール?!」
「……。」
長い足を組みながらティーテーブルに
積まれた書類を見ながら書き物をしていた。
夢でもいいや。
日本でいた頃、一緒に日本語を俺が教えて
オレオールは、フェリース語と共通語を
教えてくれた。
俺の方が覚え悪くて、あいさつ文すら
まともに言えずコトバ覚えたての
幼な子のように可愛いってからかわられた。
ギリシャ語に似た言葉だったようで
"おはよう"がカリメーラ
"おやすみ"がカリニフタだった気がする。
「カ、カリ…カリメーラ?カリ、ニフタ?」
「……プッ。」
視線がこちらを向いていたと思うけど
なぜか眠たくてまぶたをあけているのが
辛くて、また目を閉じてしまったのだった。
オレオール、俺…嫌われる事
してしまったんだよね。ごめんなさい。
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