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猿
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緑の爽やかな匂いが鼻を掠める芸者屋花菱の門を潜り抜けると、玄関の南側の庭に向かって開放された縁側が見えて来る。
今日は、陽だまりの縁側に一人正座している半玉がいた。淡い青磁色の襦袢姿で真っ直ぐに庭を見つめている。視線の先に小さな三毛猫がいた。
みゃー、と心許ない小さな鳴き声を懸命に張り上げる仔猫に正座する絵美子はシーッと人差し指を立てる。仔猫が絵美子の仕草の意味を分かろう筈もなく、嬉しそうにミャーミャー鳴いた。
困った表情で肩を竦めた絵美子の奥、座敷では、女将の千代が険しい顔で縫い物をしていた。
襦袢姿で正座し身体を縮こまらせる絵美子の前で、仔猫は嬉しそうに鳴く。
何かやらかしたな。
門をくぐり庭先に立った恵三は、初夏の日差しを受ける絵美子の姿に目を細めた。
ネコちゃん、抱っこしてあげたいけど、今はダメなんだよ。おかあさん、怒ってるし。
背後から感じる千代の〝怒〟のオーラに絵美子が益々身体を縮こまらせた時、仔猫が抱き上げられた。
顔を上げると、日差しを受けて立つ美貌と目が合った。
「恵三さん」
「あら、津田様! たいへん!」
庭に立つ恵三の姿を見、千代が慌てて立ち上がった。瞬間、千代の膝から着物がハラリと落ちた。
恵三の見覚えのある、藍色に鉄線の柄が上品に染め抜かれた単衣の着物。春先に、季節を先取りして絵美子に誂えたものだった。
襦袢姿で正座させられる絵美子。奥で、怒りを抑えた様子で絵美子の着物を直す女将。
「絵美子」
仔猫を抱いた恵三は絵美子を見下ろし、ニッコリと微笑んだ。
「何をやらかした」
「ご、ごめんなさい!」
「津田様、申し訳ございません!」
急いで前に出てきた千代は絵美子の頭を押さえながら自らも頭を下げた。二人の様子に恵三は苦笑いする。
「いや、何を謝られているかわからないうちは、何も言えませんよ」
仔猫を抱いたまま縁側に腰を下ろした恵三に、千代と絵美子は顔を見合わせ頷いた。千代は、隣に座った恵三に「それが……」と言いにくそうに話し始めた。
「姫花が、そこの桜の木に登りましてね。それで、その、津田様から誂えていただいたばかりの着物を、枝に引っ掛けて、少々、破いてしまいまして」
木登り?
恵三の切れ長の目が微かに大きくなる。顔を上げられない桃割髪を眺めた。
猿だったかな。俺が育てようとしている女は。
黙ったままの恵三に、千代と絵美子は益々慌てる。本当にこの子は、と千代が頭を下げ、「ほらアンタも!」と絵美子も促され頭を下げる。
恵三は、笑い出しそうになるのを堪えた。こんなに小さくなる絵美子は滅多に見られない。可哀想な気もするが、もう少し。
「絵美子がそんなに木登りが得意とは知らなかったな」
「いえ、あの、それは」
あわあわとする絵美子に恵三は腕の中の仔猫を渡し、口の端を上げる笑みを見せた。
「俺の推理を披露してやろう」
「え?」
「木の枝に、下りれなくなった仔猫を発見した絵美子は、後先考えずに着物のまま木に登り、救出に行った。結果、猫は助けられたが着物が枝に引っ掛かり、破けてしまった。まあ、さしずめ、引っ掛かっている事に気付かず下りて裂けてしまった、といったところか」
あああ、と絵美子が両手で顔を覆った。千代は再び頭を下げる。
「全くその通りです!」
「ごめんなさい、恵三さん!」
恵三は、ハハハハッと笑い出した。
千代と絵美子は、恵三の反応に戸惑いキョトンとする。一頻り、心底可笑しそうに笑った後、恵三は絵美子を見た。
「絵美子、謝る相手は俺じゃないな。詫びる気持ちはあの着物を作った職人に持っておくんだ」
「着物を作った?」
「そうだ」
恵三は柔らかな微笑を向け、絵美子の髪を撫でた。
「あの着物は、絵美子の為に職人が染め、呉服屋が縫ってくれたんだ。丹精込めて作ってくれた職人達に感謝の気持ちを持てば、着たまま木登りしたりしないだろう」
あ、という顔をした絵美子に恵三は口角を上げた。
「今度木登りする時は着物は脱いで襦袢になってしろ」
「しませんっ」
これ、と困った顔で窘めた千代に恵三は聞く。
「着物は直りますか。もし良ければ、今日つづれ屋に絵美子の盛夏用の着物を頼みに行くので持っていきますが」
「ええっ」
絵美子が声を上げた。
「そんな、恵三さん、この前作っていただいたばかりなのに! 夏の着物は去年も」
額がピンと人差し指で弾かれた。
「背が伸びただろう。去年の夏の着物はもう小さい」
千代が「いつも姫花にありがとうございます」と恭しく頭を下げる。
「すみません、本当に……こちらのお着物もせっかくなので、呉服屋さんできちんと直していただけるならお願いいたします」
恵三は頷く。
「じゃあ、絵美子、出掛けるぞ。その格好でいいのか」
「ああっ」
恵三の前だというのに長襦袢姿だった事を初めて自覚した絵美子は悲鳴をあげて中へ入って行った。
「本当に、いつも落ち着きがなくてすみません。芸事の腕はどんどん上がって、最近では新聞も本もたくさん読んで、本当に努力家なのに、淑やかさだけは中々身に付かなくて」
藍の着物を畳み風呂敷に包む千代に恵三は静かに聞いた。
「相変わらず、絵美子に座敷は掛からないんですね」
千代の手が止まった。「ええ」とだけ応え、後は続かなかった。
芸者の大事な仕事の一つである接待のスキルは座敷に上がり、場数を踏なければ身に付かない。今の絵美子に媚態が加われば鬼に金棒なのに。
絵美子が半玉になったばかりの頃、恵三に話した千代の〝心配事〟は、現実のものになりつつあった。
『あんなに舞いが上手くておぼこい半玉なのに、敗戦国としての屈辱をもっとも味わった世代にあの容姿を受け入れてもらうのは難しいようです。進駐軍のお客が多い赤坂ならまだしも、この新橋は古式ゆかしいお客が多くて』
恵三は千代に「何も心配はいらない」と話す。
「古式ゆかしい客が多いという事は、それだけ芸の質を重んじる客が多いという事です。絵美子の舞いは本物です。それに、よく見れば絵美子の容姿は紛れもなく日本人ですよ。一本になるまでまだ時間はありますからね。俺が何とかしてやりましょう」
「津田様が? でも、あの子は」
「絵美子の性格上、八百長まがいなやり方をしたら拒絶しますね」
恵三は、千代の言葉を汲んだ。その通り、と言わんばかりに頷く千代に恵三はフッと余裕の笑みで応えた。
「チャンスを与えるだけですよ。与えられたチャンスを生かすも殺すも、後は絵美子の腕次第です」
奥から「準備できましたー」という声と共にパタパタと走って来る音が近づいて来た。
「これ、姫花、走らない!」
恵三は苦笑いを浮かべて立ち上がり絵美子を迎える。
「色気以前に、あれはまだ田舎から出て来た猿だったか」
恵三と絵美子を後部座席に乗せた車は銀座とは違う方向へ走り出した。
「恵三さん、銀座に行くのではないのですか?」
「ああ、呉服屋は後だ。絵美子が頑張ったらご褒美として行く」
「頑張ったら?」
恵三は絵美子に地図と書類を渡した。
「今から墨田区役所に行く。それは墨田区の東両国近辺の地図と資料だ。そこに書かれている事を着くまでに出来る限り覚えろ」
「え? これ、全部?」
「ああ、そうだ。絵美子、お前なら出来るだろ」
絵美子は地図と資料を眺めた。
地図は〝本所区〟という今は無い区のものだった。戦前の東京の地図だ。
資料にサッと目を通したところ、戦前から戦中にかけての街の様子が書かれていた。
「多分、覚えられると思いますけど、目的を聞かせてもらった方が効率よく頭に入れられます」
聡明な光を湛える絵美子の瞳に恵三は、静かに言った。
「〝宗方恵美子〟と決別しに行く」
心臓が、一瞬止まったかと思った。
恵三さん、今なんて?
今日は、陽だまりの縁側に一人正座している半玉がいた。淡い青磁色の襦袢姿で真っ直ぐに庭を見つめている。視線の先に小さな三毛猫がいた。
みゃー、と心許ない小さな鳴き声を懸命に張り上げる仔猫に正座する絵美子はシーッと人差し指を立てる。仔猫が絵美子の仕草の意味を分かろう筈もなく、嬉しそうにミャーミャー鳴いた。
困った表情で肩を竦めた絵美子の奥、座敷では、女将の千代が険しい顔で縫い物をしていた。
襦袢姿で正座し身体を縮こまらせる絵美子の前で、仔猫は嬉しそうに鳴く。
何かやらかしたな。
門をくぐり庭先に立った恵三は、初夏の日差しを受ける絵美子の姿に目を細めた。
ネコちゃん、抱っこしてあげたいけど、今はダメなんだよ。おかあさん、怒ってるし。
背後から感じる千代の〝怒〟のオーラに絵美子が益々身体を縮こまらせた時、仔猫が抱き上げられた。
顔を上げると、日差しを受けて立つ美貌と目が合った。
「恵三さん」
「あら、津田様! たいへん!」
庭に立つ恵三の姿を見、千代が慌てて立ち上がった。瞬間、千代の膝から着物がハラリと落ちた。
恵三の見覚えのある、藍色に鉄線の柄が上品に染め抜かれた単衣の着物。春先に、季節を先取りして絵美子に誂えたものだった。
襦袢姿で正座させられる絵美子。奥で、怒りを抑えた様子で絵美子の着物を直す女将。
「絵美子」
仔猫を抱いた恵三は絵美子を見下ろし、ニッコリと微笑んだ。
「何をやらかした」
「ご、ごめんなさい!」
「津田様、申し訳ございません!」
急いで前に出てきた千代は絵美子の頭を押さえながら自らも頭を下げた。二人の様子に恵三は苦笑いする。
「いや、何を謝られているかわからないうちは、何も言えませんよ」
仔猫を抱いたまま縁側に腰を下ろした恵三に、千代と絵美子は顔を見合わせ頷いた。千代は、隣に座った恵三に「それが……」と言いにくそうに話し始めた。
「姫花が、そこの桜の木に登りましてね。それで、その、津田様から誂えていただいたばかりの着物を、枝に引っ掛けて、少々、破いてしまいまして」
木登り?
恵三の切れ長の目が微かに大きくなる。顔を上げられない桃割髪を眺めた。
猿だったかな。俺が育てようとしている女は。
黙ったままの恵三に、千代と絵美子は益々慌てる。本当にこの子は、と千代が頭を下げ、「ほらアンタも!」と絵美子も促され頭を下げる。
恵三は、笑い出しそうになるのを堪えた。こんなに小さくなる絵美子は滅多に見られない。可哀想な気もするが、もう少し。
「絵美子がそんなに木登りが得意とは知らなかったな」
「いえ、あの、それは」
あわあわとする絵美子に恵三は腕の中の仔猫を渡し、口の端を上げる笑みを見せた。
「俺の推理を披露してやろう」
「え?」
「木の枝に、下りれなくなった仔猫を発見した絵美子は、後先考えずに着物のまま木に登り、救出に行った。結果、猫は助けられたが着物が枝に引っ掛かり、破けてしまった。まあ、さしずめ、引っ掛かっている事に気付かず下りて裂けてしまった、といったところか」
あああ、と絵美子が両手で顔を覆った。千代は再び頭を下げる。
「全くその通りです!」
「ごめんなさい、恵三さん!」
恵三は、ハハハハッと笑い出した。
千代と絵美子は、恵三の反応に戸惑いキョトンとする。一頻り、心底可笑しそうに笑った後、恵三は絵美子を見た。
「絵美子、謝る相手は俺じゃないな。詫びる気持ちはあの着物を作った職人に持っておくんだ」
「着物を作った?」
「そうだ」
恵三は柔らかな微笑を向け、絵美子の髪を撫でた。
「あの着物は、絵美子の為に職人が染め、呉服屋が縫ってくれたんだ。丹精込めて作ってくれた職人達に感謝の気持ちを持てば、着たまま木登りしたりしないだろう」
あ、という顔をした絵美子に恵三は口角を上げた。
「今度木登りする時は着物は脱いで襦袢になってしろ」
「しませんっ」
これ、と困った顔で窘めた千代に恵三は聞く。
「着物は直りますか。もし良ければ、今日つづれ屋に絵美子の盛夏用の着物を頼みに行くので持っていきますが」
「ええっ」
絵美子が声を上げた。
「そんな、恵三さん、この前作っていただいたばかりなのに! 夏の着物は去年も」
額がピンと人差し指で弾かれた。
「背が伸びただろう。去年の夏の着物はもう小さい」
千代が「いつも姫花にありがとうございます」と恭しく頭を下げる。
「すみません、本当に……こちらのお着物もせっかくなので、呉服屋さんできちんと直していただけるならお願いいたします」
恵三は頷く。
「じゃあ、絵美子、出掛けるぞ。その格好でいいのか」
「ああっ」
恵三の前だというのに長襦袢姿だった事を初めて自覚した絵美子は悲鳴をあげて中へ入って行った。
「本当に、いつも落ち着きがなくてすみません。芸事の腕はどんどん上がって、最近では新聞も本もたくさん読んで、本当に努力家なのに、淑やかさだけは中々身に付かなくて」
藍の着物を畳み風呂敷に包む千代に恵三は静かに聞いた。
「相変わらず、絵美子に座敷は掛からないんですね」
千代の手が止まった。「ええ」とだけ応え、後は続かなかった。
芸者の大事な仕事の一つである接待のスキルは座敷に上がり、場数を踏なければ身に付かない。今の絵美子に媚態が加われば鬼に金棒なのに。
絵美子が半玉になったばかりの頃、恵三に話した千代の〝心配事〟は、現実のものになりつつあった。
『あんなに舞いが上手くておぼこい半玉なのに、敗戦国としての屈辱をもっとも味わった世代にあの容姿を受け入れてもらうのは難しいようです。進駐軍のお客が多い赤坂ならまだしも、この新橋は古式ゆかしいお客が多くて』
恵三は千代に「何も心配はいらない」と話す。
「古式ゆかしい客が多いという事は、それだけ芸の質を重んじる客が多いという事です。絵美子の舞いは本物です。それに、よく見れば絵美子の容姿は紛れもなく日本人ですよ。一本になるまでまだ時間はありますからね。俺が何とかしてやりましょう」
「津田様が? でも、あの子は」
「絵美子の性格上、八百長まがいなやり方をしたら拒絶しますね」
恵三は、千代の言葉を汲んだ。その通り、と言わんばかりに頷く千代に恵三はフッと余裕の笑みで応えた。
「チャンスを与えるだけですよ。与えられたチャンスを生かすも殺すも、後は絵美子の腕次第です」
奥から「準備できましたー」という声と共にパタパタと走って来る音が近づいて来た。
「これ、姫花、走らない!」
恵三は苦笑いを浮かべて立ち上がり絵美子を迎える。
「色気以前に、あれはまだ田舎から出て来た猿だったか」
恵三と絵美子を後部座席に乗せた車は銀座とは違う方向へ走り出した。
「恵三さん、銀座に行くのではないのですか?」
「ああ、呉服屋は後だ。絵美子が頑張ったらご褒美として行く」
「頑張ったら?」
恵三は絵美子に地図と書類を渡した。
「今から墨田区役所に行く。それは墨田区の東両国近辺の地図と資料だ。そこに書かれている事を着くまでに出来る限り覚えろ」
「え? これ、全部?」
「ああ、そうだ。絵美子、お前なら出来るだろ」
絵美子は地図と資料を眺めた。
地図は〝本所区〟という今は無い区のものだった。戦前の東京の地図だ。
資料にサッと目を通したところ、戦前から戦中にかけての街の様子が書かれていた。
「多分、覚えられると思いますけど、目的を聞かせてもらった方が効率よく頭に入れられます」
聡明な光を湛える絵美子の瞳に恵三は、静かに言った。
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