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クマハラは絶対にダメ
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「メメミヤさん」
「メッ?」
「これね、昔の私の写真なのよ」
そういって学生時代の、制服を着ている写真を見せる。
「写真はそこまでなかったんだよね、当時も、別に写真なんて…だったんだけもさ、不思議なものよね」
画素の荒い写真にいる過去の自分は、この先に起こることをまだ知らない。
「メッ」
「いい?」
通訳は同僚が担当しています。
「メッ」
「この先、あなたの人生に何があったとしても、苦難や面倒なことがあっても、私がフッ!やハッ!で砕くからね」
本当にそんなことを言ってるのかなと思ったのだが、メメミヤは何かを取り出しに行く、クルミだ。
そのクルミをわざわざ注目させてから、ヒレでバキッ!と割った。
「メッ」
「こうしてやるわ、だそうです」
「頼もしい」
「こういうとき、やっぱりサメってスゴいよなって思う」
「本当ですね」
通訳終わりの同僚が自分の言葉で話し出した。
「戦闘向きじゃない性格を俺もしているからだと思うんだけども、それで許可証を取ったはいいが、常時戦闘、楽しい!っていうタイプでは決してないから、本当に苦労する」
この部署はそこまで戦闘はない、戦闘はあるかもしれないぐらいの難易度の仕事が回されてくるが、そういうものほど単純には解決しないものが多いのだ。
「メッ」
「人間は、可愛いわね。他のサメたちが人間は守らなきゃいけないものだっていう意味が、あなたと出会ってから初めてわかったわ」
油断しているわけではない、それでもいい一撃をもらってしまった。
しかし、そんな相手はできることならば戦わずに過ごしていきたいと思ってる人間で。
「メッ」
「生きるためには仕方なく戦うというわけじゃないけども、そういう人間はあまり好きではなかったの、こう…陥れることを覚えたりするから」
メメミヤさんはサメを知らない人間と揉めたことがあるそうだ。
「メッ」
「えっ?そんなことが?あぁ、ごめんね、通訳の続きね。サメを知らない人間がサメをからかうというか、煽ってしまって、周囲の人間が顔を青くしていたけども、間に入らなかった」
「それは危なくないんですか?」
「危ないよ、だってサメは熊に負けないんだよ」
ガッハハッハッ、久しぶりだな、それで今年はお前たち熊を何頭落としたんだ?という親戚に帰省した際に会うと、クマハラされるといいます。
「メッ」
「クマハラは絶対ダメ!」
「なんでクマハラって言葉が急に出るんですか」
「サメはたまに突拍子もないことを言い出すから」
サメは、上位存在はセリフ意外の行も読めていると思ってください。
「メッ」
「だから私は、あなたのことも知ってる」
「ホラー展開だな」
「そういうものだからね、害はないから、むしろ人間を守ってくれるからな」
そこが熊とは違うのよ。
あの首の白いところなんて、ここをヒレで突いてくださいっていうマークだろ!
「お知らせでも来てましたもんね、熊をどうにかしてくださいって」
「急に言われても対処サメ員がいないんだよな、サメの数は急に増えるわけじゃないから、今までの付き合いがあるところに出向いたりするし、それに急にサメの力を貸してくださいっていうところは、トラブル多いから」
「あぁ、それは…」
「KCJは人がいいとはされてはいるけどもね、色んなことにお金を出したり、だから上手いこと使ってやろうと思われることはあるけども、そこはさ…百戦錬磨じゃないけども、手練よ、うちは」
KCJはケットシー組合日本支部という意味合いである。
「犬は人に猫は家に、ではケットシーは?」
「村とか集落、地域ですね」
「そうそう、ボス顔するわけ、人よりも長いこと健康で生きちゃうから、そういうのを覚えていくんだわ、だってその状態で頼りないのが村長やってごらんよ、全然あいつはわかってないになるから」
ただ近代になるともっと組織として洗練していく。
「きっかけは戦争だね」
うちの子を守らねば!この子の家族はもう…私だけなのだから…
「そこで生き延びたシーとその息子さんが、KCの前身団体作って、各地のシーが賛同した、それがKCになったんだよ」
家族が代替りすることになってシーを引取り先も兼ねていた。
「異世界転移被害者を受け入れるようになったのは?」
「それこそ帰還後に、生活終わったっていう人が出ちゃってね」
せっかく戻ってきたのに、辛かったね…
そうケットシーに甘えられたら、その人の目から自然と涙が出たのだ。
「もう一回やり直したいよ…許されなくてもいいからさ」
「その言葉は痛いですね」
「それはどっち?」
「許されなくてもいいから、やり直したい」
「あぁ、それね…うん、その時はそれしかなかった、でも本当はそんなのを選びたいわけではなかった、他の人があいつは自業自得だからっていう生き方しているのならば、それで終わりだけども、そうじゃないなら、やるせないよね」
「そうですね」
「KCJは有能な人間がたくさんいるようだが、みんなワケアリなのか」
「そりゃあ、そうじゃないですか、こっちの世界で使うか使わないかわからない技能を身につけて維持する、人にまず理解されないでしょうよ、無駄だって言われてしまう」
「広い視野で見ることができる奴は思った以上に少ないぞ」
「そういう人ってどんな人なんですか?」
「投資家だな」
「ああなるほど、それならば納得します」
「セミリタイヤになる前なら、そういう奴らとは知り合いだったからな」
「へぇ、意外」
「変人同士だから、独特の間で共有できる。話も結構してる」
「本当にその人間関係珍しいですね」
「友達にはなれないがな」
「そこは否定するんだ」
「それは向こうも、いや、たまに自称俺の友達もいるが」
「そういうのは危ないやつですね」
「そうだな、執着してきたら、メメミヤさんにでも頼むかと思ってる、サメ好きにすれば俺には執着しないだろう」
「サメ好き」
「あれ?知らないのか、サメは人にサメを好きになる魔法をかけたりするんだ、サメの方はその魔法をあまり使わないが、ただ例外があってな、人を病ませるほどの執着するような人間には…というやつだ」
本当にその魔法は強いので、あれほど好きだったものが、興味を失い、好きの全てがサメに行く。
「たまに見かけたりするサメ愛好家のみなさんたちとか?そういう感じなの?」
「いや、あれは自然発生だ」
「えっ?」
熱烈といってもいい愛好家を見たりするので、あの人たちならば魔法でサメが好きになってるといわれた方がしっくりするが、違うらしい。
「サメちゃーん!」
「こっち見て!」
思いの丈をぶちまけるエリアを作ることによって、愛好家のはストレスを発散している。
「ただし、愛好家であっても、サメに好かれているとは限らないんだよ」
「それは揉めるというか…」
俺の方がサメが好きなのに、好きなのに!
「しょうがない、サメの好みは個体差があるからな、お前の場合は?」
「強いのか弱いのかわからないところみたいよ」
私のことお姉ちゃんって呼んでいいからね。
「勇者くんとメメミヤさんは会ったことがあるんだけどもさ」
勇者はクラスが違う同じ学年だった男性。
「やっぱり河川ザメ見たことなくて」
えっ?なんでサメを連れているの?
75点ね。
「メメミヤさん勇者君見て、75点って言ってた」
「気に入った点数なのか?」
「そうじゃないみたい、じゃあ、私は何点って聞いたら困ってた」
「一万点」
「?」
「お前に俺がつける点数」
「そんなに良いところ私はないさ」
「俺にはあるんだよ」
「ありがとうね」
「そうか。何か頼んでおけ」
「あぁ、そうだな、じゃあ炭酸水頼もうかな」
そういってボトルの炭酸水がテーブルに届けられる。馴染みすぎるので、栓抜きも一緒なので、これで適当に飲んでくださいといった感じ。
「身内感溢れるよね」
「まあ、もう客というか、スポンサーだからな」
「スポンサー?」
「言ってなかったか?…言ってなかったな、お前をこの店につれてきて、美味しいっていったからな、この先も店には続けてもらわなきゃならないから、ちょうど過剰分をどうするか迷っていいた、だから出した」
「あぁ、それならば私も出そうか?」
戦闘許可証持ちになってから、普通の職員よりいただいているのと、転移した先の世界関係の財産もある。
「投資のご経験は?」
「特に」
「じゃあ、まずは勉強からだ、それもないのに、ただ出すもんじゃない、そういうお金の出し方をすると、こいつは何も知らないんだなって思われて、狙われる」
「それは怖いね」
「あぁ、俺と違って戦力面では問題がないだろうがな」
メメミヤさんがいるために熊からの奇襲であっても、反撃攻勢は可能です。
「この店になんで俺は投資したと思う?」
「えっ?さっきも言った通り美味しいからじゃなくて」
「それだけじゃないさ、食事以外のファンを掴んでいるから」
「音楽のファン?」
「違う、まあ、これは説明しなければわからないか…この店が愛されるのは飯が旨いだけじゃないし、なんで会員制なのかって話」
「良質なお客さん相手にしたいなら」
「いいところついたな、それはなんでだ?」
「扱ってるものがいいものだから、でも…」
「なんだ」
「食材じゃない?のかな」
「そうだ、ここは飯で選ぶ客も多いんだが、他とは違う特製としては食器だよ」
「あっ、そういえばスゴいずらっとコーヒーカップが並んでいるわね」
「正しくはコーヒーカップとティーセットだな」
「そんなにファンがスゴいんだ」
「それこそ全国から客がくるんだぞ」
「…」
「どうした?」
「もしかして、あのぐらいの年代のものというのは珍しいんですか?」
「珍しいな、オークションに出ると、高値がつくぞ」
「…」
「まさか持ってるとは言わないよな?」
「…」
「どっちなんだよ」
「っぽいものはある」
「それはハッキリさせた方がいいな」
「向こうの世界で私は紙を確保するのがたいへんだったって言ってたじゃない」
「言ってたな」
「そして向こうの世界に残っているこちらの世界から持ち込まれたであろう物、これを集めていたっていうか、引き受けていたんだよ。そこにな、そういうのもあってさ、コレクションになっていたものを買った、ええっと、コレクターがお亡くなりになって、二束三文でそういうのが…お屋敷を手放すことになったとかで」
「とりあえず実物を見せろ、そこから決める」
すぐに時間を作り、異世界転移先に保管してもらった食器のまずは写真データだけが来ましたが。
「…どうしたのさ」
「そのコレクターが生きていたら、話してみたかった」
「ああ、そういうレベルなのか、まあ、素人の私でも、いや、これは…四散するのはちょっとなっていう、それでも全部ではないんだ、さすがにお金はなかったから」
それこそ時代的には江戸時代の輸出用のカップ類が出てきちゃった。
「んで、こっちはそれじゃないやつだね、いわゆる向こうの偉い人好みのもので」
「これはこれでいいものじゃないか」
「向こうってさ、写真がないからさ、こういう動植物の絵付けっていうのかな、あるものを中心に揃えていたんだ。こういうのが好きならば一度食器を持ってきて、食事でもしようか」
「それはそれでいいが…まずは飾れ」
「?」
この店のスポンサーとしての権限でそういうことをしたいといって、オーナーなどに見せると、うわ…これなんですか?とザワザワした。
「異世界転移被害者という事は伏せてはいる、ただコレクターが死後、売りに出されたものが気になったから買ったという話だけだな」
その所有のコレクションを見たら、店のオーナーは期待した目で見ている。
「実際に一目見たいそうだ」
「本当にコレクター向けの品物なんだな、もちろん構いませんよ、このお店にはお世話になってますし」
そこで年始年末物流が慌ただしくなる前に、食器類を運び出してもらい、まずはKCJの支部にて、レストランのオーナーたちに見てもらうと。
「このコレクターの人とお話しして見たかった」
「なっ、そういいたくはなるよな。家族はやはり興味がないのか」
「遺族、家族のかたは本当にこの辺の価値がわかってなかったんだよね、でもさ、話を聞いた限りでは、この食器類を手に入れたときの記録があるらしいんだ」
「それはどこにあるんだ?」
「わからない、でも…」
急に小声になり、彼にだけ聞こえるように。
「勇者くんなら探せるか、近いものはたぶん見つけれるんじゃないかな」
「よーし、あいつを働かせろ」
「ダメだよ。勇者くんの能力については許可を得て教えているんだからさ、それ以上は勇者くんの意思に任せてよ」
そうやってまずは確認からと言われた。
そして本当に久しぶりというか、世間話するような間柄でもない二人は話すことになった。
「なんでお前は自分の手札を俺に教えたんだ?」
いきなりそこから話を始めていく、喧嘩しに来てるのか、最初から無茶しやがる。
「ああ、それはうちのサブリーダーを任せるんだから、そのぐらいは出さないとわりに合わないと思いました」
「お前、なかなかわかってるな」
話はここで終了した。
「メッ?」
「これね、昔の私の写真なのよ」
そういって学生時代の、制服を着ている写真を見せる。
「写真はそこまでなかったんだよね、当時も、別に写真なんて…だったんだけもさ、不思議なものよね」
画素の荒い写真にいる過去の自分は、この先に起こることをまだ知らない。
「メッ」
「いい?」
通訳は同僚が担当しています。
「メッ」
「この先、あなたの人生に何があったとしても、苦難や面倒なことがあっても、私がフッ!やハッ!で砕くからね」
本当にそんなことを言ってるのかなと思ったのだが、メメミヤは何かを取り出しに行く、クルミだ。
そのクルミをわざわざ注目させてから、ヒレでバキッ!と割った。
「メッ」
「こうしてやるわ、だそうです」
「頼もしい」
「こういうとき、やっぱりサメってスゴいよなって思う」
「本当ですね」
通訳終わりの同僚が自分の言葉で話し出した。
「戦闘向きじゃない性格を俺もしているからだと思うんだけども、それで許可証を取ったはいいが、常時戦闘、楽しい!っていうタイプでは決してないから、本当に苦労する」
この部署はそこまで戦闘はない、戦闘はあるかもしれないぐらいの難易度の仕事が回されてくるが、そういうものほど単純には解決しないものが多いのだ。
「メッ」
「人間は、可愛いわね。他のサメたちが人間は守らなきゃいけないものだっていう意味が、あなたと出会ってから初めてわかったわ」
油断しているわけではない、それでもいい一撃をもらってしまった。
しかし、そんな相手はできることならば戦わずに過ごしていきたいと思ってる人間で。
「メッ」
「生きるためには仕方なく戦うというわけじゃないけども、そういう人間はあまり好きではなかったの、こう…陥れることを覚えたりするから」
メメミヤさんはサメを知らない人間と揉めたことがあるそうだ。
「メッ」
「えっ?そんなことが?あぁ、ごめんね、通訳の続きね。サメを知らない人間がサメをからかうというか、煽ってしまって、周囲の人間が顔を青くしていたけども、間に入らなかった」
「それは危なくないんですか?」
「危ないよ、だってサメは熊に負けないんだよ」
ガッハハッハッ、久しぶりだな、それで今年はお前たち熊を何頭落としたんだ?という親戚に帰省した際に会うと、クマハラされるといいます。
「メッ」
「クマハラは絶対ダメ!」
「なんでクマハラって言葉が急に出るんですか」
「サメはたまに突拍子もないことを言い出すから」
サメは、上位存在はセリフ意外の行も読めていると思ってください。
「メッ」
「だから私は、あなたのことも知ってる」
「ホラー展開だな」
「そういうものだからね、害はないから、むしろ人間を守ってくれるからな」
そこが熊とは違うのよ。
あの首の白いところなんて、ここをヒレで突いてくださいっていうマークだろ!
「お知らせでも来てましたもんね、熊をどうにかしてくださいって」
「急に言われても対処サメ員がいないんだよな、サメの数は急に増えるわけじゃないから、今までの付き合いがあるところに出向いたりするし、それに急にサメの力を貸してくださいっていうところは、トラブル多いから」
「あぁ、それは…」
「KCJは人がいいとはされてはいるけどもね、色んなことにお金を出したり、だから上手いこと使ってやろうと思われることはあるけども、そこはさ…百戦錬磨じゃないけども、手練よ、うちは」
KCJはケットシー組合日本支部という意味合いである。
「犬は人に猫は家に、ではケットシーは?」
「村とか集落、地域ですね」
「そうそう、ボス顔するわけ、人よりも長いこと健康で生きちゃうから、そういうのを覚えていくんだわ、だってその状態で頼りないのが村長やってごらんよ、全然あいつはわかってないになるから」
ただ近代になるともっと組織として洗練していく。
「きっかけは戦争だね」
うちの子を守らねば!この子の家族はもう…私だけなのだから…
「そこで生き延びたシーとその息子さんが、KCの前身団体作って、各地のシーが賛同した、それがKCになったんだよ」
家族が代替りすることになってシーを引取り先も兼ねていた。
「異世界転移被害者を受け入れるようになったのは?」
「それこそ帰還後に、生活終わったっていう人が出ちゃってね」
せっかく戻ってきたのに、辛かったね…
そうケットシーに甘えられたら、その人の目から自然と涙が出たのだ。
「もう一回やり直したいよ…許されなくてもいいからさ」
「その言葉は痛いですね」
「それはどっち?」
「許されなくてもいいから、やり直したい」
「あぁ、それね…うん、その時はそれしかなかった、でも本当はそんなのを選びたいわけではなかった、他の人があいつは自業自得だからっていう生き方しているのならば、それで終わりだけども、そうじゃないなら、やるせないよね」
「そうですね」
「KCJは有能な人間がたくさんいるようだが、みんなワケアリなのか」
「そりゃあ、そうじゃないですか、こっちの世界で使うか使わないかわからない技能を身につけて維持する、人にまず理解されないでしょうよ、無駄だって言われてしまう」
「広い視野で見ることができる奴は思った以上に少ないぞ」
「そういう人ってどんな人なんですか?」
「投資家だな」
「ああなるほど、それならば納得します」
「セミリタイヤになる前なら、そういう奴らとは知り合いだったからな」
「へぇ、意外」
「変人同士だから、独特の間で共有できる。話も結構してる」
「本当にその人間関係珍しいですね」
「友達にはなれないがな」
「そこは否定するんだ」
「それは向こうも、いや、たまに自称俺の友達もいるが」
「そういうのは危ないやつですね」
「そうだな、執着してきたら、メメミヤさんにでも頼むかと思ってる、サメ好きにすれば俺には執着しないだろう」
「サメ好き」
「あれ?知らないのか、サメは人にサメを好きになる魔法をかけたりするんだ、サメの方はその魔法をあまり使わないが、ただ例外があってな、人を病ませるほどの執着するような人間には…というやつだ」
本当にその魔法は強いので、あれほど好きだったものが、興味を失い、好きの全てがサメに行く。
「たまに見かけたりするサメ愛好家のみなさんたちとか?そういう感じなの?」
「いや、あれは自然発生だ」
「えっ?」
熱烈といってもいい愛好家を見たりするので、あの人たちならば魔法でサメが好きになってるといわれた方がしっくりするが、違うらしい。
「サメちゃーん!」
「こっち見て!」
思いの丈をぶちまけるエリアを作ることによって、愛好家のはストレスを発散している。
「ただし、愛好家であっても、サメに好かれているとは限らないんだよ」
「それは揉めるというか…」
俺の方がサメが好きなのに、好きなのに!
「しょうがない、サメの好みは個体差があるからな、お前の場合は?」
「強いのか弱いのかわからないところみたいよ」
私のことお姉ちゃんって呼んでいいからね。
「勇者くんとメメミヤさんは会ったことがあるんだけどもさ」
勇者はクラスが違う同じ学年だった男性。
「やっぱり河川ザメ見たことなくて」
えっ?なんでサメを連れているの?
75点ね。
「メメミヤさん勇者君見て、75点って言ってた」
「気に入った点数なのか?」
「そうじゃないみたい、じゃあ、私は何点って聞いたら困ってた」
「一万点」
「?」
「お前に俺がつける点数」
「そんなに良いところ私はないさ」
「俺にはあるんだよ」
「ありがとうね」
「そうか。何か頼んでおけ」
「あぁ、そうだな、じゃあ炭酸水頼もうかな」
そういってボトルの炭酸水がテーブルに届けられる。馴染みすぎるので、栓抜きも一緒なので、これで適当に飲んでくださいといった感じ。
「身内感溢れるよね」
「まあ、もう客というか、スポンサーだからな」
「スポンサー?」
「言ってなかったか?…言ってなかったな、お前をこの店につれてきて、美味しいっていったからな、この先も店には続けてもらわなきゃならないから、ちょうど過剰分をどうするか迷っていいた、だから出した」
「あぁ、それならば私も出そうか?」
戦闘許可証持ちになってから、普通の職員よりいただいているのと、転移した先の世界関係の財産もある。
「投資のご経験は?」
「特に」
「じゃあ、まずは勉強からだ、それもないのに、ただ出すもんじゃない、そういうお金の出し方をすると、こいつは何も知らないんだなって思われて、狙われる」
「それは怖いね」
「あぁ、俺と違って戦力面では問題がないだろうがな」
メメミヤさんがいるために熊からの奇襲であっても、反撃攻勢は可能です。
「この店になんで俺は投資したと思う?」
「えっ?さっきも言った通り美味しいからじゃなくて」
「それだけじゃないさ、食事以外のファンを掴んでいるから」
「音楽のファン?」
「違う、まあ、これは説明しなければわからないか…この店が愛されるのは飯が旨いだけじゃないし、なんで会員制なのかって話」
「良質なお客さん相手にしたいなら」
「いいところついたな、それはなんでだ?」
「扱ってるものがいいものだから、でも…」
「なんだ」
「食材じゃない?のかな」
「そうだ、ここは飯で選ぶ客も多いんだが、他とは違う特製としては食器だよ」
「あっ、そういえばスゴいずらっとコーヒーカップが並んでいるわね」
「正しくはコーヒーカップとティーセットだな」
「そんなにファンがスゴいんだ」
「それこそ全国から客がくるんだぞ」
「…」
「どうした?」
「もしかして、あのぐらいの年代のものというのは珍しいんですか?」
「珍しいな、オークションに出ると、高値がつくぞ」
「…」
「まさか持ってるとは言わないよな?」
「…」
「どっちなんだよ」
「っぽいものはある」
「それはハッキリさせた方がいいな」
「向こうの世界で私は紙を確保するのがたいへんだったって言ってたじゃない」
「言ってたな」
「そして向こうの世界に残っているこちらの世界から持ち込まれたであろう物、これを集めていたっていうか、引き受けていたんだよ。そこにな、そういうのもあってさ、コレクションになっていたものを買った、ええっと、コレクターがお亡くなりになって、二束三文でそういうのが…お屋敷を手放すことになったとかで」
「とりあえず実物を見せろ、そこから決める」
すぐに時間を作り、異世界転移先に保管してもらった食器のまずは写真データだけが来ましたが。
「…どうしたのさ」
「そのコレクターが生きていたら、話してみたかった」
「ああ、そういうレベルなのか、まあ、素人の私でも、いや、これは…四散するのはちょっとなっていう、それでも全部ではないんだ、さすがにお金はなかったから」
それこそ時代的には江戸時代の輸出用のカップ類が出てきちゃった。
「んで、こっちはそれじゃないやつだね、いわゆる向こうの偉い人好みのもので」
「これはこれでいいものじゃないか」
「向こうってさ、写真がないからさ、こういう動植物の絵付けっていうのかな、あるものを中心に揃えていたんだ。こういうのが好きならば一度食器を持ってきて、食事でもしようか」
「それはそれでいいが…まずは飾れ」
「?」
この店のスポンサーとしての権限でそういうことをしたいといって、オーナーなどに見せると、うわ…これなんですか?とザワザワした。
「異世界転移被害者という事は伏せてはいる、ただコレクターが死後、売りに出されたものが気になったから買ったという話だけだな」
その所有のコレクションを見たら、店のオーナーは期待した目で見ている。
「実際に一目見たいそうだ」
「本当にコレクター向けの品物なんだな、もちろん構いませんよ、このお店にはお世話になってますし」
そこで年始年末物流が慌ただしくなる前に、食器類を運び出してもらい、まずはKCJの支部にて、レストランのオーナーたちに見てもらうと。
「このコレクターの人とお話しして見たかった」
「なっ、そういいたくはなるよな。家族はやはり興味がないのか」
「遺族、家族のかたは本当にこの辺の価値がわかってなかったんだよね、でもさ、話を聞いた限りでは、この食器類を手に入れたときの記録があるらしいんだ」
「それはどこにあるんだ?」
「わからない、でも…」
急に小声になり、彼にだけ聞こえるように。
「勇者くんなら探せるか、近いものはたぶん見つけれるんじゃないかな」
「よーし、あいつを働かせろ」
「ダメだよ。勇者くんの能力については許可を得て教えているんだからさ、それ以上は勇者くんの意思に任せてよ」
そうやってまずは確認からと言われた。
そして本当に久しぶりというか、世間話するような間柄でもない二人は話すことになった。
「なんでお前は自分の手札を俺に教えたんだ?」
いきなりそこから話を始めていく、喧嘩しに来てるのか、最初から無茶しやがる。
「ああ、それはうちのサブリーダーを任せるんだから、そのぐらいは出さないとわりに合わないと思いました」
「お前、なかなかわかってるな」
話はここで終了した。
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