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色男の死
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「領主どの!」
そう少し離れたところから声をかけると、声に気づいた領主は…
「お義父さん!」
と呼んだ。
「それは確かにそうかもしれないが、な~」
言われた方は少し困っていた。
「すいません」
「お見かけしたから声をかけたのだが、人目もあるから」
「わかりました、ではすぐに場所を準備しますね」
三男執事に目をやると、一礼して、すぐに動いてくれた。
「申し訳ない、次の予定もあったんじゃないか?」
「いえ、今回の用事は終わり、さて何かお土産を買って帰ろうかと思っていたところです」
「あの子にかな?」
「他に誰が?」
「君もなかなか食えないな」
「トゥバン伯には負けますよ」
「やれやれ、これは大した娘婿だよ」
トゥバン伯は正式名称ではない、領主の金継みたいなあだ名、汚れ仕事を引き受けたりことから、蛇の頭、トゥバンの名前がついている。
「昨日、あの子から届いたお酒を飲んだんだよ、その次の日の今日、君の姿を見かけたから、呼び止めてしまったんだ」
「そうでしたか」
「ああ、俺はあの子の親代わりといっても、他のやつらとは違って名前を貸しただけだからな」
「それでも妻はあなたには大変感謝をしてましたよ」
「そんなことまで君には話しているのか」
「全部知りたいので」
「大変な相手と結婚をしてしまったようだな」
「はっはっ、それは、出会いは政略が絡んでますよ、でもね、とても大事にしたい人なんですよね」
「うちにも子供はいるけども、結婚をするときもやきもきしなかったし、そんなもんだろうなだったんだよね」
しかしだ、彼女はトゥバン伯など親代わりの人たちには季節の頼りを欠かさなかったので。
「少なくとも私は手紙の上では、花嫁の父をやらせてもらったと思ったよ、本当の父上には悪いかと…」
「本当の父親は、彼女に興味ないですから」
「それも少しは聞いている、それで他のやつらの一部は憤慨してたからな」
娘がいるチームはなんなんだ!もう!と怒ってた。
「親が多いと逆に方針が決まらないものなんだなって」
「ああ、それは…」
「君はどちらかと言えば激昂していたあいつらと話は合うのかな」
「いえ、それが…」
「え?なんで」
「大事な娘に何かしたら許さないんだからな!って」
「あぁ、そっちに言ったか、わかるけどもさ、そっか…そっちか」
「そっちでしたね」
「こういう時こそ、冷静にってことが大事なんだけどもさ、なるほど、逆に彼女の実家に何もなしなのはそこもあるか」
「焼くときは一緒に行きたいとは思ってますが」
「君もまた過激だな」
「トゥバン伯として動かなかった理由としては?」
「ああいうのはよくはないが、あるんだよ。俺が動くには、噛みついた相手がもっと上じゃなきゃダメだった」
「領主なんかはどうですかね?」
「俺を動かすために、自分がそういう…やめなよ、領主くんはそういうのは似合わないから」
「ダメですかね?」
「手の一つとして考える、そして俺に聞いてくるところは評価はするよ、そこができるだけで並みではないよね」
「でもお義父さんの評価も欲しいな」
「他のやつらので勘弁しなよ、俺の評価がつくとしたら、跡継ぎ候補に数えられちゃうし、揉めるだけだよ」
「婿としては、お義父さんお義母さんに気に入られたいところはあるんですよね」
「十分気に入られているでしょ?」
「そうですかね?俺はたぶん比べられていると思う」
「あっ、そういうことか…」
「そうですね、やはり前の話の方が良かったとは言われたくないとのですから」
「そこになるとな、個人的には前の彼よりは君なんだよな」
「なんです?」
「彼女から定期的に便りをもらっているからね、特に君との前後をリアルタイムで読ませてもらっていたりはするが、不安は結婚まで抱えていたのも知ってるんだけどもね、君と結婚してからは、そういうのがまるでないんだよね」
どういう方かと噂でしか知らない方でしたが、噂とそう変わらない方でありました。
「詳しい話は省くけども、こんな感じだったし、嫁に行ってから語句が増えた気がする」
「実家にいるときは、家族と話してなかったそうなので、今はできるだけ彼女との時間をとって話しているんです」
「ああ、それでか、それは家庭円満の秘訣だと思うし…良い結婚だったんだね」
「それはもう!あっ、お義父さん、遅れましたが、娘さんと結婚させていただくことになりました」
「もうお義父さん呼びはやめてくれよ」
「お義父さんに会ったよ」
「トゥバン伯様に?珍しいですね、いつもはあまり外に出るという感じではないのに」
「前の日、君から贈られたお酒を飲んでたとも言ってたけども、そういうのもあるんじゃない?」
「それでも親代わりのみなさんの中では、遭遇するのは難しい人なんですよね」
面会の予約を取り付けるのがベリーハード。
「立場的にはしょうがないよ、動いているってことは、何かしている、何かがあるって思われてしまうような立場だもん」
「そういわれると納得しますね」
家紋としては蛇の牙を見立てた二本の短剣、身分はそう高くはないとされるが、その仕事と役割から丁重に扱われている。
「本当かどうかはわかりませんが、芝居のモデルになった話もありますからね」
「色男の死か」
「あれは本当は色男はそんなに格好良くはない人だって知ってますか?」
「そこまでは知らなかった、知ってる話だけは教えてくれる?」
「その色男のモデルになった人は、本当にたらしで、あちこちに、たらされた人がいたんですよ、それこそ老若男女って、その話を調べたら金になるんじゃないかっていうのが、トゥバン伯の若いときって」
「そこまで知ってるって」
「聞かなければ良かったですか?」
「いや、その、聞くよ」
「最初は金のために調べていたんで、でも途中で色男本人と知り合ったら、その話を聞いた色男が…」
「もうすぐ、俺は死ぬからさ、それを上手く使えばいいよ。かぎ回るなんかよりもずっとさ、色んなものが残せると思うんだよね」
色男が筋書きを考えてくれた。
その最中に調べていた、名士の母娘、この母娘もたらしていたらしい。の手のものに捕まった若きトゥバンは、捕まったときには色男は自分の名前を出すこととをまず伝えていた。
その名前が出ると、さすがに母娘に言わなければならず、出したところ、対面することになった。
その対面の場で、その色男はもうすぐ死ぬので、自分もその男に惹かれていたから、病床の男がどんな人生だったのか縁を調べたかった。
と答えたら。
「あの人らしいわ…」
納得されて、放免された。
色男が死ぬと、若きトゥバンがそれを知らせ、たくさんの人が集まり、それがトゥバンのコネクションとなったという。
「思ったよりも凄まじい話だし、それはある意味シンデレラストーリーだよね」
「男版のそれでしょうね、短期間で、何も後ろ楯がない男が『伯』とあだ名でもつくぐらいの存在になったわけですから」
「この世は不思議で溢れているね」
「そう思いますよ」
その色男の墓もトゥバン伯が現在も管理しているので、色男の縁の人たちは今でも花を絶やさないらしい。
「なんで色男は自分の故郷なんかに墓を置かなかったというと、誰がこの人の墓を見るかで揉めたからというね」
女同士で争いがあった、その争いで事件になる、揉め事は長期間続くということで、最後に死を任されたトゥバンが、自分のところで管理はしている。
「誰が正妻か論争が」
「う~ん、そこまで来るとね」
「正妻となるためには、子供がいなければ、一緒の墓には葬ることはできない地域もありますからね、でもその美男さんは、色んな地域の女性と関係があったので、どこルール適用するのかの段階からもめてましたから」
「俺はそんなことないから」
「…」
「あれ?信じてない?」
「そこはね、その時が来なければわからないものではありませんかね」
「口では良いことは言えてしまうという奴か」
「そうですね」
「でも実際にそういう葬式はあるから」
「あれですか、故人の恋人が来ちゃった的な」
「それもあるけどもさ、裏切ってた場合は、そこで家族は終了になるのがわからない人がいて、凄く驚くことはある」
「あぁ、それはね、そんなにいうならば、籍をきちんと入れておけばよろしいのに」
「そうそう、故人の恋人なんか来ちゃったら、その後揉めるし、墓はどうするかってことになっちゃうでしょ?家族とは向こうが望んでいても、一緒のお墓には嫌だって言われるしさ、一時の欲望でみんな無くしちゃうんだよね」
「それをわかってない人はたくさんいますよ」
「本当にね」
「こんなことをいうのもなんですが、有無を言えない状態になったときに、その人との関係が見えるんじゃないかなって」
「そりゃあ見えるでしょ、普段から怒鳴ってる人のためには動けない」
「そこでまた怒鳴るんですよね、その態度が気に入らないからって」
「それは…行き着くところまで行くだろうね」
「行くと思いますよ、いえ、行ってほしい」
「で、なければ、晴れないか」
「晴れないでしょ」
「そういうのはやめてほしいと、言葉で諭しても無駄か」
「無駄ではないでしょうが…難しいのではありませんか?」
「難しいか…難しいよね、確かに。見てるだけの第三者も罪人と同じか…」
「その気持ちがわかっちゃうから、たまに辛くなる」
心優しい君に泥を飲ませたのは誰なんだろうね。
「旦那様?」
「ああ、ごめん、怖い顔してた?君の前では俺は優しくいたいんだよね」
「旦那様は甘いところがございます」
「そりゃあ、自分の奥さんには甘くなるでしょ?好かれたいもの」
「味方につけるか、そうではないかで毎日が変わるかとは思いますけどもね」
そういうことじゃなくて。
「君にはそういう堅苦しいところがある」
「そこは自分でもビックリです」
「わがまま娘よりはいいけどもさ、たまにいるじゃん、生まれがそうだから、自分の認める人たち以外には強い立場をとる人」
「それって上手く行かないですよね」
「どうしてそう思うんだい?」
「話し合いで物事は決まりますから、それが出来ないならば、手続きのみだけになって、交渉も何もそこには存在しませんよ」
「そうだね、そこまでわかってるのならば、何もいうことはないけども、思った以上にそれがわかったる人はいないんだよね、なんとかなると思ってる」
「今の状態を手に入れるために先人が努力してきたことを忘れてはいけないと、思ってしまうんですよね」
「それはそうだよ」
「その上で新しいものを築きあげていかなくてはいけなくて」
「うんうん、それで…」
「その時に先人すごいわ、って感じますね」
「なるほどね、でも確かによくこれを発見できたなとかは思う、自分ができないことだと時にそう」
こういう話をしているとき、彼女の本来が見えることは最初は嬉しかった。でも今は悲しいことだと思うのだ。
「俺は君が好きだよ」
キスをしてくれるのだが。
「無理してそれで旦那様が倒れたら嫌ですから、そうなりそうなら、自分を大事にしてくださいね」
「そこは男の忍耐を試すよね」
「無理をしていけませんよ、それで悲しい知らせはけ、私は聞きたくはないんですよ」
「その優しさは全世界に自慢したい」
「そんな…旦那様はたまたま体の調子を取り戻せました、誰もがそうなるわけではありませんから」
「それを当たり前にすると、悲劇は起こりそう、また大丈夫かなって」
「そうですね、起こるでしょうね。悲劇というのは気を付けても起こるから腹が立つ」
「それは確かに、その筋書き書いたやつは出てこいよ、秒で直せって感じだよね」
「そうそう…正直健康は医師が見つけてくれなければわからない部分はどうしてもあります、そうでない家族ができることなんて、そう多くはない」
「でも幸せだとは思うよ」
「そうですかね?」
「そうだよ、まるで寒い日の午後みたいに、不安が溢れる毎日を、一人で耐えるように生きるよりかはさ…」
「まるで見てきたかのようにいる」
「教育機関には色んなところからやってくるから、何年かで生涯が決まってしまうとね、そりゃあ追い詰められる人間も出るんだよ」
「エリート様の苦悩は私にはわからないわ」
「そうだね、俺にもそこはわからないし、友人にはなりたかったけどもさ」
お前には俺の気持ちは決してわからん。
「色んな人がいるんだよ、俺はあそこに行って良かったと思うよ、たぶんそうじゃなかったら、知ることがなかった人たちはたくさんあるから、あれは人生の背骨だよね」
「ほうれん草や牛乳を多目に取ってたら、できてそうな背骨ですね」
そのギザギザした新しい骨は相手も自分も傷つける、水はたっぷり飲んでほしい、出来てからじゃ遅いんだよ!
そう少し離れたところから声をかけると、声に気づいた領主は…
「お義父さん!」
と呼んだ。
「それは確かにそうかもしれないが、な~」
言われた方は少し困っていた。
「すいません」
「お見かけしたから声をかけたのだが、人目もあるから」
「わかりました、ではすぐに場所を準備しますね」
三男執事に目をやると、一礼して、すぐに動いてくれた。
「申し訳ない、次の予定もあったんじゃないか?」
「いえ、今回の用事は終わり、さて何かお土産を買って帰ろうかと思っていたところです」
「あの子にかな?」
「他に誰が?」
「君もなかなか食えないな」
「トゥバン伯には負けますよ」
「やれやれ、これは大した娘婿だよ」
トゥバン伯は正式名称ではない、領主の金継みたいなあだ名、汚れ仕事を引き受けたりことから、蛇の頭、トゥバンの名前がついている。
「昨日、あの子から届いたお酒を飲んだんだよ、その次の日の今日、君の姿を見かけたから、呼び止めてしまったんだ」
「そうでしたか」
「ああ、俺はあの子の親代わりといっても、他のやつらとは違って名前を貸しただけだからな」
「それでも妻はあなたには大変感謝をしてましたよ」
「そんなことまで君には話しているのか」
「全部知りたいので」
「大変な相手と結婚をしてしまったようだな」
「はっはっ、それは、出会いは政略が絡んでますよ、でもね、とても大事にしたい人なんですよね」
「うちにも子供はいるけども、結婚をするときもやきもきしなかったし、そんなもんだろうなだったんだよね」
しかしだ、彼女はトゥバン伯など親代わりの人たちには季節の頼りを欠かさなかったので。
「少なくとも私は手紙の上では、花嫁の父をやらせてもらったと思ったよ、本当の父上には悪いかと…」
「本当の父親は、彼女に興味ないですから」
「それも少しは聞いている、それで他のやつらの一部は憤慨してたからな」
娘がいるチームはなんなんだ!もう!と怒ってた。
「親が多いと逆に方針が決まらないものなんだなって」
「ああ、それは…」
「君はどちらかと言えば激昂していたあいつらと話は合うのかな」
「いえ、それが…」
「え?なんで」
「大事な娘に何かしたら許さないんだからな!って」
「あぁ、そっちに言ったか、わかるけどもさ、そっか…そっちか」
「そっちでしたね」
「こういう時こそ、冷静にってことが大事なんだけどもさ、なるほど、逆に彼女の実家に何もなしなのはそこもあるか」
「焼くときは一緒に行きたいとは思ってますが」
「君もまた過激だな」
「トゥバン伯として動かなかった理由としては?」
「ああいうのはよくはないが、あるんだよ。俺が動くには、噛みついた相手がもっと上じゃなきゃダメだった」
「領主なんかはどうですかね?」
「俺を動かすために、自分がそういう…やめなよ、領主くんはそういうのは似合わないから」
「ダメですかね?」
「手の一つとして考える、そして俺に聞いてくるところは評価はするよ、そこができるだけで並みではないよね」
「でもお義父さんの評価も欲しいな」
「他のやつらので勘弁しなよ、俺の評価がつくとしたら、跡継ぎ候補に数えられちゃうし、揉めるだけだよ」
「婿としては、お義父さんお義母さんに気に入られたいところはあるんですよね」
「十分気に入られているでしょ?」
「そうですかね?俺はたぶん比べられていると思う」
「あっ、そういうことか…」
「そうですね、やはり前の話の方が良かったとは言われたくないとのですから」
「そこになるとな、個人的には前の彼よりは君なんだよな」
「なんです?」
「彼女から定期的に便りをもらっているからね、特に君との前後をリアルタイムで読ませてもらっていたりはするが、不安は結婚まで抱えていたのも知ってるんだけどもね、君と結婚してからは、そういうのがまるでないんだよね」
どういう方かと噂でしか知らない方でしたが、噂とそう変わらない方でありました。
「詳しい話は省くけども、こんな感じだったし、嫁に行ってから語句が増えた気がする」
「実家にいるときは、家族と話してなかったそうなので、今はできるだけ彼女との時間をとって話しているんです」
「ああ、それでか、それは家庭円満の秘訣だと思うし…良い結婚だったんだね」
「それはもう!あっ、お義父さん、遅れましたが、娘さんと結婚させていただくことになりました」
「もうお義父さん呼びはやめてくれよ」
「お義父さんに会ったよ」
「トゥバン伯様に?珍しいですね、いつもはあまり外に出るという感じではないのに」
「前の日、君から贈られたお酒を飲んでたとも言ってたけども、そういうのもあるんじゃない?」
「それでも親代わりのみなさんの中では、遭遇するのは難しい人なんですよね」
面会の予約を取り付けるのがベリーハード。
「立場的にはしょうがないよ、動いているってことは、何かしている、何かがあるって思われてしまうような立場だもん」
「そういわれると納得しますね」
家紋としては蛇の牙を見立てた二本の短剣、身分はそう高くはないとされるが、その仕事と役割から丁重に扱われている。
「本当かどうかはわかりませんが、芝居のモデルになった話もありますからね」
「色男の死か」
「あれは本当は色男はそんなに格好良くはない人だって知ってますか?」
「そこまでは知らなかった、知ってる話だけは教えてくれる?」
「その色男のモデルになった人は、本当にたらしで、あちこちに、たらされた人がいたんですよ、それこそ老若男女って、その話を調べたら金になるんじゃないかっていうのが、トゥバン伯の若いときって」
「そこまで知ってるって」
「聞かなければ良かったですか?」
「いや、その、聞くよ」
「最初は金のために調べていたんで、でも途中で色男本人と知り合ったら、その話を聞いた色男が…」
「もうすぐ、俺は死ぬからさ、それを上手く使えばいいよ。かぎ回るなんかよりもずっとさ、色んなものが残せると思うんだよね」
色男が筋書きを考えてくれた。
その最中に調べていた、名士の母娘、この母娘もたらしていたらしい。の手のものに捕まった若きトゥバンは、捕まったときには色男は自分の名前を出すこととをまず伝えていた。
その名前が出ると、さすがに母娘に言わなければならず、出したところ、対面することになった。
その対面の場で、その色男はもうすぐ死ぬので、自分もその男に惹かれていたから、病床の男がどんな人生だったのか縁を調べたかった。
と答えたら。
「あの人らしいわ…」
納得されて、放免された。
色男が死ぬと、若きトゥバンがそれを知らせ、たくさんの人が集まり、それがトゥバンのコネクションとなったという。
「思ったよりも凄まじい話だし、それはある意味シンデレラストーリーだよね」
「男版のそれでしょうね、短期間で、何も後ろ楯がない男が『伯』とあだ名でもつくぐらいの存在になったわけですから」
「この世は不思議で溢れているね」
「そう思いますよ」
その色男の墓もトゥバン伯が現在も管理しているので、色男の縁の人たちは今でも花を絶やさないらしい。
「なんで色男は自分の故郷なんかに墓を置かなかったというと、誰がこの人の墓を見るかで揉めたからというね」
女同士で争いがあった、その争いで事件になる、揉め事は長期間続くということで、最後に死を任されたトゥバンが、自分のところで管理はしている。
「誰が正妻か論争が」
「う~ん、そこまで来るとね」
「正妻となるためには、子供がいなければ、一緒の墓には葬ることはできない地域もありますからね、でもその美男さんは、色んな地域の女性と関係があったので、どこルール適用するのかの段階からもめてましたから」
「俺はそんなことないから」
「…」
「あれ?信じてない?」
「そこはね、その時が来なければわからないものではありませんかね」
「口では良いことは言えてしまうという奴か」
「そうですね」
「でも実際にそういう葬式はあるから」
「あれですか、故人の恋人が来ちゃった的な」
「それもあるけどもさ、裏切ってた場合は、そこで家族は終了になるのがわからない人がいて、凄く驚くことはある」
「あぁ、それはね、そんなにいうならば、籍をきちんと入れておけばよろしいのに」
「そうそう、故人の恋人なんか来ちゃったら、その後揉めるし、墓はどうするかってことになっちゃうでしょ?家族とは向こうが望んでいても、一緒のお墓には嫌だって言われるしさ、一時の欲望でみんな無くしちゃうんだよね」
「それをわかってない人はたくさんいますよ」
「本当にね」
「こんなことをいうのもなんですが、有無を言えない状態になったときに、その人との関係が見えるんじゃないかなって」
「そりゃあ見えるでしょ、普段から怒鳴ってる人のためには動けない」
「そこでまた怒鳴るんですよね、その態度が気に入らないからって」
「それは…行き着くところまで行くだろうね」
「行くと思いますよ、いえ、行ってほしい」
「で、なければ、晴れないか」
「晴れないでしょ」
「そういうのはやめてほしいと、言葉で諭しても無駄か」
「無駄ではないでしょうが…難しいのではありませんか?」
「難しいか…難しいよね、確かに。見てるだけの第三者も罪人と同じか…」
「その気持ちがわかっちゃうから、たまに辛くなる」
心優しい君に泥を飲ませたのは誰なんだろうね。
「旦那様?」
「ああ、ごめん、怖い顔してた?君の前では俺は優しくいたいんだよね」
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「そりゃあ、自分の奥さんには甘くなるでしょ?好かれたいもの」
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そういうことじゃなくて。
「君にはそういう堅苦しいところがある」
「そこは自分でもビックリです」
「わがまま娘よりはいいけどもさ、たまにいるじゃん、生まれがそうだから、自分の認める人たち以外には強い立場をとる人」
「それって上手く行かないですよね」
「どうしてそう思うんだい?」
「話し合いで物事は決まりますから、それが出来ないならば、手続きのみだけになって、交渉も何もそこには存在しませんよ」
「そうだね、そこまでわかってるのならば、何もいうことはないけども、思った以上にそれがわかったる人はいないんだよね、なんとかなると思ってる」
「今の状態を手に入れるために先人が努力してきたことを忘れてはいけないと、思ってしまうんですよね」
「それはそうだよ」
「その上で新しいものを築きあげていかなくてはいけなくて」
「うんうん、それで…」
「その時に先人すごいわ、って感じますね」
「なるほどね、でも確かによくこれを発見できたなとかは思う、自分ができないことだと時にそう」
こういう話をしているとき、彼女の本来が見えることは最初は嬉しかった。でも今は悲しいことだと思うのだ。
「俺は君が好きだよ」
キスをしてくれるのだが。
「無理してそれで旦那様が倒れたら嫌ですから、そうなりそうなら、自分を大事にしてくださいね」
「そこは男の忍耐を試すよね」
「無理をしていけませんよ、それで悲しい知らせはけ、私は聞きたくはないんですよ」
「その優しさは全世界に自慢したい」
「そんな…旦那様はたまたま体の調子を取り戻せました、誰もがそうなるわけではありませんから」
「それを当たり前にすると、悲劇は起こりそう、また大丈夫かなって」
「そうですね、起こるでしょうね。悲劇というのは気を付けても起こるから腹が立つ」
「それは確かに、その筋書き書いたやつは出てこいよ、秒で直せって感じだよね」
「そうそう…正直健康は医師が見つけてくれなければわからない部分はどうしてもあります、そうでない家族ができることなんて、そう多くはない」
「でも幸せだとは思うよ」
「そうですかね?」
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「まるで見てきたかのようにいる」
「教育機関には色んなところからやってくるから、何年かで生涯が決まってしまうとね、そりゃあ追い詰められる人間も出るんだよ」
「エリート様の苦悩は私にはわからないわ」
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