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曖昧な約束事
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「こっち向いて」
秋澄(あきすみ)がシャドウスワローのぴヌの写真を撮影する。
ただ秋澄の写真は、縦横何センチ、胸から上の、証明写真のような撮影のようだった。
ただ証明写真とは違うのは、ぴヌの首元には毛糸で作られた花が飾られていた。
花を赤・白・紫に変え、正面・右・左とやっぱり証明写真のように、伽羅磁(きゃらじ)に送られてくるのだったが。
「どうしたの?これ?」
「ああ、ええっとですね、出張で出向いた異世界で教えてもらったんですよ」
この地域では冬が早く、野に花が咲かないので、この時期は女性が毛糸で花を作り、恋人や夫や子供に贈るのだという。
「いや、それは素敵な風習だと思うんだけどもさ」
毛糸の色で意味が違う、赤は愛情、白は清純、紫は神秘など、ここら辺は本物の花と似かよっているのかもしれない。
「秋澄、ストレス溜まってるんじゃないかなって、言いたいことがあったら聞くよ。いつもの君じゃないというか、君はそういうのを抱えると、必要以上に優しくなったり、気を使うからね」
「…」
「あれ?まさかそういうの気づいてなかったとか?それはちょっと寂しいな、結構…腰なんちゃら君には負けないぐらい君を見ているつもりなんだけ」
「腰木(こしぎ)さんとは、組んではいますが、二人一組で動くというよりは、お互いの責任を預かり別行動なんですがね」
なので実際はそこまで二人一緒ではなかったりするし、役割が別れているのならば尚更だ。
「で、何があったの?」
「その花の編みかたを教えてもらった世界でトラブルというか、危険な目に自分から向かう人がいてね」
「あ~それは…怪我はしたのかい?」
「しません、それは防ぎましたが、嫌でした、戦う力もない、危険を感じる力もない子が、私も行きますとか行っちゃいまして」
「えっ?依頼で?」
「依頼ではないから困るんですよ、いきなりアクシデントは始まったみたいなもんで、その子が安全な場所にいてくれたら、事が終わってから報告で満足してくれたらって過りましたから」
「ああ、それはストレスが溜まる、君たちのやること、気を付けることが爆発的に増えるんでしょ」
「増えましたよ、この子は何いってんだって思いました。頑張ればなんとかなるわけがない、それなのに、それなのに…」
「よーし、秋澄、これから会おう」
「えっ?いや、いいですよ。雨も降ってきそうですし」
「この雨は君の涙なんだよ、泣けない君の代わりに、空が泣いてくれる」
「そういう事をいうのが好きなんですか?」
「君と話すとたまに自然に出てくるね」
「詩人の才能あるんじゃないですかね」
「こういうのは君に捧げた言葉だから、捧げる前にあ~でもない、こ~でもないと思い悩み諳じて、勘違いされてサメに川にでも連れてかれたらたまらないよね」
「あ~そんな事件ありましたね」
サメをキュン!とさせてしまったらしく、気づいたら、サメたちが周囲にずらりといて、逃げられなくなってしまったという話があります。
戻ってきた後に、彼女のために考えた詩の感想が…
「気持ち悪い」
でもあったこともあり、そのままサメにそんなことはない、君は天才だよ。天才詩人、どうかその続きを聞かせてくれ!
失恋の痛みもあり、男は川に再度招かれ…
「川留学って言われてましたね」
「ずっと詩を披露してたから、戻ってきたときは凄く詩が上手くなってたってやつだね。でもさ、言葉というのは続けることによって磨かれて、いつか届くんじゃないかと俺は思うよ、あっ、こっちは降ってきたからまた後でね」
曖昧な約束事。
それなのになんで傘を持ってまで、私は何気なく向かおうとしているのだろうか。
話を聞いてほしいから?
それはちょっとはあるかもしれないけども。
○○○(ぴヌの本名)に会いたいから?
ああ、それは…あの子はとても可愛らしく成長したと思う。
それに顔を見ると、頑張らなきゃいけないなって、元気が出てくるのよね。
でもその…こういうときに抱き締めてナデナデしたくなるはちょっと違うかな。
お人形さんじゃないんだし。
ちょっとだけ会ったら、挨拶して、そのまま帰ろうぐらいの気持ちで街に出ていった。
クリスマスケーキの早期予約受付中なんてポスターも見えてくる、この季節の夜なんて、恋人同士が歩きまくりですよ。
(しまった)
ここを歩くのか。
う~ん、どうしようか。
そう悩んでいると。
「秋澄見っけ」
「ああ、伽羅磁さん、こんばんわ」
「やっぱり会って正解だった、いつもと格好が違う感じだし、無理矢理にでも気分転換しようとした?」
「似合わないとは思いながらも、気分は変えたくて」
「そんな可愛い君に会えるのならば悪くないと思うよ。どうだい?少しばかりこんな日は甘いものでも食べないか?」
「いいのかな…」
「これで幸せな気分になってからぐっすり寝てほしいよ、睡眠不足はお肌の敵なんだからね!」
なんか美容に詳しそうな言い方ですが、世間一般ぐらいしか知りません。
「私は仕事、仕事で来てますからね」
「その割には体に気を使ってるよね」
「仕事柄ですよ、きちんと体型守ってないと、その話でも弄られる」
「それは…大変だな」
「しょうがないです、私が選んだ道ですから」
「でも修正してもいいんじゃないかな、それとも修正に物言いする人はいるとか?」
「いないんですが、一度決めたことを覆すのは苦手かな」
「それは悪い癖じゃないかな」
駅から少し歩いた喫茶室もあるケーキ屋さんにやって来ました。
「こんな時間までやってるんですね」
「穴場だよ、俺も初めて見つけたとき、へぇ~まだやってるんだって、ほら、そこ、病院あるでしょ?あそこに書類のために同行したときにわかったのさ」
必要な書類が届いてないのですが?から始まる催促のために、催促された人間を信用することができずに同行した。
「店の前にメニューも出てたでしょ、イチゴなんかも、この農家さんと契約してますってことで、こういうお店はいいんじゃないかって思ってね」
ぴヌさんは影の中におりますが、お店なので出てきません。
「それでさ、大変だったね」
「あっ、はい、そうですね」
「命がいくらあっても足りなくなる状況下に、他人を追いやっているなんてことに、その子は、会ったことはないけども、気づいてないんだろうな」
「そう…思います」
「嫌になるね」
「そうですが」
「今日は俺は悪者だ、そんな言葉は結構出てくると思うよ」
「あなたは悪者は向いてない、その~無理にそういうのを振る舞わなくても」
「そうなんだけどもさ」
「悪口のボキャブラリーがないといいますか」
「そういうのを持ってると、人間関係崩れるだけじゃないか」
「そうとも言えますが、結構お持ちの人間はいるものですよ」
「俺はそうではない、そうではないが、君が言わないから、そういう言葉を口にするって感じ、代弁者ではないけども、心の状態を言葉にする作業が君は下手だ」
「それはね、わかってますが」
「我慢すれば手早く解決するものではないさ、そういう苦手な部分は誰かに、なんとか木(ぼく)くんは得意そうだけどもね」
「あの方は声かけとかやりますからね」
怪我人に向けて、大丈夫だ、俺たちが来たからって安心させるのが凄く上手い。
「そのなんとかくんは君に今回はしてくれたの?」
「いや、特には、まあ、このまま落ち込みが長引けばフォローはするとは思いますがね、基本的には放任ですかね」
「放任ね、獅子は千尋の谷に子をドカッと叩き落とすとかはいうけども、そういうこと?」
「そういうところはあるかもしれませんね、結構スパルタというか、自分の壁は自力で越えろって言うタイプで、それをやろうとしたらフォローに入りますね、みんなそれができる人ばかりではないから」
「そうなんだよね、そこは俺も思ってる。秋澄みたいにそれでも追いかけてくるタイプは少なく、だから可愛くて可愛くてしょうがないんだけどもね」
「それは教える側からするとね…」
秋澄も教えているので、そこで初めて、一を聞いてわからなかったり、気になったら調べる人は少ないんだなと思ったと言う。
「そこは俺もかなり気に入ってる秋澄のいいところだよ、正直もっと学ぶことに積極的だと思っていたからさ」
この辺がどの業界も抱える後継者不足にも繋がってる。
「どうしてそうなのかはわかりませんけども、現実は無視するわけにはいきませんし」
「でもその安全に関しては次は対策しっかりした方がいいけどもね、正直危険行為をした人に何か起きるののは、俺はしょうがないと思ってる、さんざん説明してきたことだろうから、でもね、その場合、犠牲になるのは第三者、それこそ、救援やなんとかしようとしたKCJの職員だろうから」
「まあ、報告はしましたからね、上層部は動くんじゃないかな」
「確実に動くよ。KCJの職員はケットシーマスターじゃなくてよ、ケットシーの家族や仲間だと思われているから、人が怒らなくても、ケットシーは怒るよ」
うちの子をなんだと思ってるザマスか?
「うん、そうですね…怒りますね」
「KCJはそういう繋がりが強いから、だから秋澄も優しいのかもしれない」
「私は優しくないですよ」
「十分に優しいよ、うちの子にああいう花を編んでくれたり、あれは俺にはないの?」
「ありませんよ」
「ええ、いいじゃん」
「花は他の人からもらってください」
「何か花に特別な思い入れはあるの?」
「そこまでは…ただ関係性があるからこそ、あれは贈っていいものかなって」
「その割にはアクセサリー類はくれるんだよな」
「それは普通のものではないですから」
「知ってる、知ってるからこそ、俺は君の特別だって勘違いしたくなるよね」
「よくつけてますね」
「自慢したいからね」
「この間のお見合いの件とかもそうですけども、そういう人が出来たら、今まであげたものとか売り払って、そのお金で新しい人に使うとかしてくださいよ」
その場合はぴヌも秋澄のところに行くと言う。
「そういう予定はないな、というか秋澄はその時の写真は俺に見せてくれないの?」
「あれですか?」
「うん、ドレスも似たようなものだから本物は違う、オーダーかな?したものだからって話を聞いてから、ますます本物を見たくなったけどもね」
「馬子にも衣装でしたよ」
「え~そんなことない~」
「スタイリストさんは頑張ってくれたと思いますよ」
ふっふっ、今月は腰木さんと秋澄さんだけ、今年も腰木さんと秋澄さんだけしかまだ担当してないんですよね。
ですから、本当に、よければ、上の許可はもう取ってますから、たまに来てくれませんかね。
吸血鬼の一族が、人間式のパーティーをするために、雇い、長期契約をしたスタイリストやメイクなどのスタッフは、確かに報酬は安定はしているのだが、大抵はこういうパーティーにおよばれされる人たちは、自分たちのスタイリストやヘアメイクがいるので、いない人たちを担当としているこの部署は、飢えているのだ。
「今回の春夏物のドレスが来てもね、袖を通すことなく、入れ換えで、秋冬が来たんですよ、腰木さんは無理でも、秋澄さんだけは秋澄さんだけはどうか」
この場合、秋澄が断るのならば私がいきたいって思ってる人もいるかもしれないが、吸血鬼の古き考えを尊ぶオーバンの世界は思ったよりも閉鎖的であり。
考え方が違う退廃的なニューバンが怪我をさせたことにより、吸血鬼全体が誤解されることを恐れているからこそ、秋澄の待遇がいい、こんなドレスアップを好きなときにできるが通るのである。
「ウエストで合わせると、太ももが余りますからね」
「そういう情報は俺が聞いたら、ちょっと反応に困るやつ」
「そんなもので照れるような人ですか?…えっ?」
照れているようです。
「親しき仲にも赤面ありだよ」
「その言葉は、作りましたか」
「言葉というのは、都合よく生まれるものなんだよ」
「それははっきり言われるとな」
「いいんだって、いいんだって上手く使えばさ、その方が言葉は喜ぶよ」
「喜びますかね」
「言葉は、増えることを望んでいるんじゃないかって説もあるから」
「なんです、言葉は生きていると?」
「オカルトな世界にはいるけどもさ、そういうことではなくて、人間を理解するために言葉の数は多くないと困るって思っている存在はいるからな」
人間の言ってることってちっともわからないわ、なんで寒いときに寒いって言うのかしら、ふん!って力入れたら、普通なんとかなるもんじゃない?
「向こうも人間の言葉はわかるけども、人間が何を考えて、そういう本質はわからないからな」
よし、川行こう!川だ、川に長そう!
長そうは水に長そうの例えと同じ使い方をするようです。
「話がそれたね、あ~俺からすると秋澄が心は疲れたけども、無事で良かった、再発防止策か、むしろそういうのに関わらないことを祈るというか、避けてほしいね」
「避けてくれますかね」
「こればっかりはわからないけども、もう誰もを救うとかは無理なんじゃないか?」
「それは耳が痛いな」
「その志は偉大だとは思うよ、そこに俺も救われたところはあるけども、こう…勝手な話だよ。これ以上俺のような救われた人を増やさないでくださいって」
「それが一番悪い人の考えだと思う」
「酷いよね、本当に酷いってわかる、でもここまで誰かが言わないと、漬け込んでくる人はいるんじゃないかって思うよ、なんだろうね、結果的に無事かもしれないけども、危険な結果になる可能性が高いと言う状態に、君を長時間置いておきたくはないんだよ。腰木くんもね、まあ、理由は君のと違って、彼になにかあったら、心の傷になりそうで、俺はそれが嫌だからなんだけどもさ」
「最後でわりと台無しなような気がします」
「そうだね、でも本音だしね。こればっかりはしょうがないよ。俺自身は君との別れで思いっきりその心に刺さりたいこともある反面、共に苦楽を歩みたいもあるから、複雑なんだけどもね」
上位存在は、人間の思惑とか理解できないうちに勝手に好感度が上がっていたりする。その説明をさんざん受けてきた秋澄が、今の伽羅磁を見るとそれに重なって見えるのである。
秋澄(あきすみ)がシャドウスワローのぴヌの写真を撮影する。
ただ秋澄の写真は、縦横何センチ、胸から上の、証明写真のような撮影のようだった。
ただ証明写真とは違うのは、ぴヌの首元には毛糸で作られた花が飾られていた。
花を赤・白・紫に変え、正面・右・左とやっぱり証明写真のように、伽羅磁(きゃらじ)に送られてくるのだったが。
「どうしたの?これ?」
「ああ、ええっとですね、出張で出向いた異世界で教えてもらったんですよ」
この地域では冬が早く、野に花が咲かないので、この時期は女性が毛糸で花を作り、恋人や夫や子供に贈るのだという。
「いや、それは素敵な風習だと思うんだけどもさ」
毛糸の色で意味が違う、赤は愛情、白は清純、紫は神秘など、ここら辺は本物の花と似かよっているのかもしれない。
「秋澄、ストレス溜まってるんじゃないかなって、言いたいことがあったら聞くよ。いつもの君じゃないというか、君はそういうのを抱えると、必要以上に優しくなったり、気を使うからね」
「…」
「あれ?まさかそういうの気づいてなかったとか?それはちょっと寂しいな、結構…腰なんちゃら君には負けないぐらい君を見ているつもりなんだけ」
「腰木(こしぎ)さんとは、組んではいますが、二人一組で動くというよりは、お互いの責任を預かり別行動なんですがね」
なので実際はそこまで二人一緒ではなかったりするし、役割が別れているのならば尚更だ。
「で、何があったの?」
「その花の編みかたを教えてもらった世界でトラブルというか、危険な目に自分から向かう人がいてね」
「あ~それは…怪我はしたのかい?」
「しません、それは防ぎましたが、嫌でした、戦う力もない、危険を感じる力もない子が、私も行きますとか行っちゃいまして」
「えっ?依頼で?」
「依頼ではないから困るんですよ、いきなりアクシデントは始まったみたいなもんで、その子が安全な場所にいてくれたら、事が終わってから報告で満足してくれたらって過りましたから」
「ああ、それはストレスが溜まる、君たちのやること、気を付けることが爆発的に増えるんでしょ」
「増えましたよ、この子は何いってんだって思いました。頑張ればなんとかなるわけがない、それなのに、それなのに…」
「よーし、秋澄、これから会おう」
「えっ?いや、いいですよ。雨も降ってきそうですし」
「この雨は君の涙なんだよ、泣けない君の代わりに、空が泣いてくれる」
「そういう事をいうのが好きなんですか?」
「君と話すとたまに自然に出てくるね」
「詩人の才能あるんじゃないですかね」
「こういうのは君に捧げた言葉だから、捧げる前にあ~でもない、こ~でもないと思い悩み諳じて、勘違いされてサメに川にでも連れてかれたらたまらないよね」
「あ~そんな事件ありましたね」
サメをキュン!とさせてしまったらしく、気づいたら、サメたちが周囲にずらりといて、逃げられなくなってしまったという話があります。
戻ってきた後に、彼女のために考えた詩の感想が…
「気持ち悪い」
でもあったこともあり、そのままサメにそんなことはない、君は天才だよ。天才詩人、どうかその続きを聞かせてくれ!
失恋の痛みもあり、男は川に再度招かれ…
「川留学って言われてましたね」
「ずっと詩を披露してたから、戻ってきたときは凄く詩が上手くなってたってやつだね。でもさ、言葉というのは続けることによって磨かれて、いつか届くんじゃないかと俺は思うよ、あっ、こっちは降ってきたからまた後でね」
曖昧な約束事。
それなのになんで傘を持ってまで、私は何気なく向かおうとしているのだろうか。
話を聞いてほしいから?
それはちょっとはあるかもしれないけども。
○○○(ぴヌの本名)に会いたいから?
ああ、それは…あの子はとても可愛らしく成長したと思う。
それに顔を見ると、頑張らなきゃいけないなって、元気が出てくるのよね。
でもその…こういうときに抱き締めてナデナデしたくなるはちょっと違うかな。
お人形さんじゃないんだし。
ちょっとだけ会ったら、挨拶して、そのまま帰ろうぐらいの気持ちで街に出ていった。
クリスマスケーキの早期予約受付中なんてポスターも見えてくる、この季節の夜なんて、恋人同士が歩きまくりですよ。
(しまった)
ここを歩くのか。
う~ん、どうしようか。
そう悩んでいると。
「秋澄見っけ」
「ああ、伽羅磁さん、こんばんわ」
「やっぱり会って正解だった、いつもと格好が違う感じだし、無理矢理にでも気分転換しようとした?」
「似合わないとは思いながらも、気分は変えたくて」
「そんな可愛い君に会えるのならば悪くないと思うよ。どうだい?少しばかりこんな日は甘いものでも食べないか?」
「いいのかな…」
「これで幸せな気分になってからぐっすり寝てほしいよ、睡眠不足はお肌の敵なんだからね!」
なんか美容に詳しそうな言い方ですが、世間一般ぐらいしか知りません。
「私は仕事、仕事で来てますからね」
「その割には体に気を使ってるよね」
「仕事柄ですよ、きちんと体型守ってないと、その話でも弄られる」
「それは…大変だな」
「しょうがないです、私が選んだ道ですから」
「でも修正してもいいんじゃないかな、それとも修正に物言いする人はいるとか?」
「いないんですが、一度決めたことを覆すのは苦手かな」
「それは悪い癖じゃないかな」
駅から少し歩いた喫茶室もあるケーキ屋さんにやって来ました。
「こんな時間までやってるんですね」
「穴場だよ、俺も初めて見つけたとき、へぇ~まだやってるんだって、ほら、そこ、病院あるでしょ?あそこに書類のために同行したときにわかったのさ」
必要な書類が届いてないのですが?から始まる催促のために、催促された人間を信用することができずに同行した。
「店の前にメニューも出てたでしょ、イチゴなんかも、この農家さんと契約してますってことで、こういうお店はいいんじゃないかって思ってね」
ぴヌさんは影の中におりますが、お店なので出てきません。
「それでさ、大変だったね」
「あっ、はい、そうですね」
「命がいくらあっても足りなくなる状況下に、他人を追いやっているなんてことに、その子は、会ったことはないけども、気づいてないんだろうな」
「そう…思います」
「嫌になるね」
「そうですが」
「今日は俺は悪者だ、そんな言葉は結構出てくると思うよ」
「あなたは悪者は向いてない、その~無理にそういうのを振る舞わなくても」
「そうなんだけどもさ」
「悪口のボキャブラリーがないといいますか」
「そういうのを持ってると、人間関係崩れるだけじゃないか」
「そうとも言えますが、結構お持ちの人間はいるものですよ」
「俺はそうではない、そうではないが、君が言わないから、そういう言葉を口にするって感じ、代弁者ではないけども、心の状態を言葉にする作業が君は下手だ」
「それはね、わかってますが」
「我慢すれば手早く解決するものではないさ、そういう苦手な部分は誰かに、なんとか木(ぼく)くんは得意そうだけどもね」
「あの方は声かけとかやりますからね」
怪我人に向けて、大丈夫だ、俺たちが来たからって安心させるのが凄く上手い。
「そのなんとかくんは君に今回はしてくれたの?」
「いや、特には、まあ、このまま落ち込みが長引けばフォローはするとは思いますがね、基本的には放任ですかね」
「放任ね、獅子は千尋の谷に子をドカッと叩き落とすとかはいうけども、そういうこと?」
「そういうところはあるかもしれませんね、結構スパルタというか、自分の壁は自力で越えろって言うタイプで、それをやろうとしたらフォローに入りますね、みんなそれができる人ばかりではないから」
「そうなんだよね、そこは俺も思ってる。秋澄みたいにそれでも追いかけてくるタイプは少なく、だから可愛くて可愛くてしょうがないんだけどもね」
「それは教える側からするとね…」
秋澄も教えているので、そこで初めて、一を聞いてわからなかったり、気になったら調べる人は少ないんだなと思ったと言う。
「そこは俺もかなり気に入ってる秋澄のいいところだよ、正直もっと学ぶことに積極的だと思っていたからさ」
この辺がどの業界も抱える後継者不足にも繋がってる。
「どうしてそうなのかはわかりませんけども、現実は無視するわけにはいきませんし」
「でもその安全に関しては次は対策しっかりした方がいいけどもね、正直危険行為をした人に何か起きるののは、俺はしょうがないと思ってる、さんざん説明してきたことだろうから、でもね、その場合、犠牲になるのは第三者、それこそ、救援やなんとかしようとしたKCJの職員だろうから」
「まあ、報告はしましたからね、上層部は動くんじゃないかな」
「確実に動くよ。KCJの職員はケットシーマスターじゃなくてよ、ケットシーの家族や仲間だと思われているから、人が怒らなくても、ケットシーは怒るよ」
うちの子をなんだと思ってるザマスか?
「うん、そうですね…怒りますね」
「KCJはそういう繋がりが強いから、だから秋澄も優しいのかもしれない」
「私は優しくないですよ」
「十分に優しいよ、うちの子にああいう花を編んでくれたり、あれは俺にはないの?」
「ありませんよ」
「ええ、いいじゃん」
「花は他の人からもらってください」
「何か花に特別な思い入れはあるの?」
「そこまでは…ただ関係性があるからこそ、あれは贈っていいものかなって」
「その割にはアクセサリー類はくれるんだよな」
「それは普通のものではないですから」
「知ってる、知ってるからこそ、俺は君の特別だって勘違いしたくなるよね」
「よくつけてますね」
「自慢したいからね」
「この間のお見合いの件とかもそうですけども、そういう人が出来たら、今まであげたものとか売り払って、そのお金で新しい人に使うとかしてくださいよ」
その場合はぴヌも秋澄のところに行くと言う。
「そういう予定はないな、というか秋澄はその時の写真は俺に見せてくれないの?」
「あれですか?」
「うん、ドレスも似たようなものだから本物は違う、オーダーかな?したものだからって話を聞いてから、ますます本物を見たくなったけどもね」
「馬子にも衣装でしたよ」
「え~そんなことない~」
「スタイリストさんは頑張ってくれたと思いますよ」
ふっふっ、今月は腰木さんと秋澄さんだけ、今年も腰木さんと秋澄さんだけしかまだ担当してないんですよね。
ですから、本当に、よければ、上の許可はもう取ってますから、たまに来てくれませんかね。
吸血鬼の一族が、人間式のパーティーをするために、雇い、長期契約をしたスタイリストやメイクなどのスタッフは、確かに報酬は安定はしているのだが、大抵はこういうパーティーにおよばれされる人たちは、自分たちのスタイリストやヘアメイクがいるので、いない人たちを担当としているこの部署は、飢えているのだ。
「今回の春夏物のドレスが来てもね、袖を通すことなく、入れ換えで、秋冬が来たんですよ、腰木さんは無理でも、秋澄さんだけは秋澄さんだけはどうか」
この場合、秋澄が断るのならば私がいきたいって思ってる人もいるかもしれないが、吸血鬼の古き考えを尊ぶオーバンの世界は思ったよりも閉鎖的であり。
考え方が違う退廃的なニューバンが怪我をさせたことにより、吸血鬼全体が誤解されることを恐れているからこそ、秋澄の待遇がいい、こんなドレスアップを好きなときにできるが通るのである。
「ウエストで合わせると、太ももが余りますからね」
「そういう情報は俺が聞いたら、ちょっと反応に困るやつ」
「そんなもので照れるような人ですか?…えっ?」
照れているようです。
「親しき仲にも赤面ありだよ」
「その言葉は、作りましたか」
「言葉というのは、都合よく生まれるものなんだよ」
「それははっきり言われるとな」
「いいんだって、いいんだって上手く使えばさ、その方が言葉は喜ぶよ」
「喜びますかね」
「言葉は、増えることを望んでいるんじゃないかって説もあるから」
「なんです、言葉は生きていると?」
「オカルトな世界にはいるけどもさ、そういうことではなくて、人間を理解するために言葉の数は多くないと困るって思っている存在はいるからな」
人間の言ってることってちっともわからないわ、なんで寒いときに寒いって言うのかしら、ふん!って力入れたら、普通なんとかなるもんじゃない?
「向こうも人間の言葉はわかるけども、人間が何を考えて、そういう本質はわからないからな」
よし、川行こう!川だ、川に長そう!
長そうは水に長そうの例えと同じ使い方をするようです。
「話がそれたね、あ~俺からすると秋澄が心は疲れたけども、無事で良かった、再発防止策か、むしろそういうのに関わらないことを祈るというか、避けてほしいね」
「避けてくれますかね」
「こればっかりはわからないけども、もう誰もを救うとかは無理なんじゃないか?」
「それは耳が痛いな」
「その志は偉大だとは思うよ、そこに俺も救われたところはあるけども、こう…勝手な話だよ。これ以上俺のような救われた人を増やさないでくださいって」
「それが一番悪い人の考えだと思う」
「酷いよね、本当に酷いってわかる、でもここまで誰かが言わないと、漬け込んでくる人はいるんじゃないかって思うよ、なんだろうね、結果的に無事かもしれないけども、危険な結果になる可能性が高いと言う状態に、君を長時間置いておきたくはないんだよ。腰木くんもね、まあ、理由は君のと違って、彼になにかあったら、心の傷になりそうで、俺はそれが嫌だからなんだけどもさ」
「最後でわりと台無しなような気がします」
「そうだね、でも本音だしね。こればっかりはしょうがないよ。俺自身は君との別れで思いっきりその心に刺さりたいこともある反面、共に苦楽を歩みたいもあるから、複雑なんだけどもね」
上位存在は、人間の思惑とか理解できないうちに勝手に好感度が上がっていたりする。その説明をさんざん受けてきた秋澄が、今の伽羅磁を見るとそれに重なって見えるのである。
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