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最後に目玉焼きもお忘れなく
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「花火、花火~」
楽しそうにする螺殼(らがら)ミツ
「さすがに会場にはいけないけどもね、ここからも花火は見えるんだよ」
この時水芭(みずば)は窓に背を向けていた。
カッ
「えっ?雷?天気予報にはなかったんだけども?…ミツさん」
窓の外を見ていたミツは固まる。
「何か見たの?サメでもいたの?」
「…はい」
「えっ?」
なんとなくお気づきの方もいるのではないか、その正体というやつが。
「試しに式神作ってもらって撒いたら、さっそく反応するとは思わなかった」
真中(ただなか)はそういうしかなかった。
そう、あの雷に見えたのは、サメガミ~サンダービーム~である。
「でもここはいい方に考えましょうよ」
これはサメガミを頑張って真中の要望を取り入れて作った白万(はくまん)
「そうですね、始まる前に発見したってことで」
「そうそう、その調子」
「でもこんな日に何かを起こそうとする奴は、とんでもない神経の持ち主に決まっているんだよな」
ドーン
という音を背にして。
「もうしょうがない」
瀬旭(せきょく)に。
「でもやるしかない」
覆木(おおうき)は声を重ねる。
「んじゃ、そういうことで」
(ここでさっさと決めちゃえるのは、正直呆れるんだけども)
水芭には別の感情もあった。羨ましいなというやつである。
「その方針でいいよね」
「いいよ、もちろんですとも」
「でもさ、なんでそんなに不機嫌なの?」
「そんなことわざわざ聞かないでもわかるじゃないってこと」
「聞かずにやって、しょうがないねってお前に思われるのが嫌なの」
「はっはっ、じゃあ、お仕事に行きましょうかね」
「はい、これでお仕舞い、本当に見つかってもいい感じで仕掛けられているんですよね」
「真中くん、大丈夫?」
「こういうのって、仕掛けているやつの気持ちまで見えちゃうもんなんで、ほら、自分には理解できないことを体験させられるようなもんですからね、明日は遅くまで寝て、自分に優しくしたいと思います」
「そうしてちょうだい、けども、今日は人手が足りたんだけども、実は役割としてはバランスが悪いのよね」
「忍ジャメの体力で補ったみたいなもんですから」
「そうね、こういうこと考えた人も、サメの体力を考えて計算してないみたい、でもそのうち頭がいい人が挑んでくるんじゃないかしら」
「それは大丈夫かなって思います」
「私はあまりサメのことは知らないのだけども、そう言い切る自信は?」
「そんなことをしたら、サメ好き達が許さないですよ、正面からサメをなんとなしようとしたら、街が落ちるとかそのぐらいのものが必要だし、そこまでだとさすがに人にもわかる」
「そうね、正面からの戦いについてはサメには種族の有利さがあるわね、でもサメ好きって」
「例えばですね…」
「部長、お仕事が大変忙しいと思いますが、お体にも差し支えますから、そろそろペースを落とされてはいかがでしょうか」
「私は大丈夫だ」
「そうは言われましても、その…長時間画面をじっと見ているときがありますので」
「ああ、これかね、これは私にとってはストレス解消になるのだ」
「?」
「これはね、サメちゃんのお腹の写真でな、いいサメは写真をアップにしても、いいサメだということがわかるのだ。しかもだ、こうすることで、サメを身近に感じられ、私も頑張らなきゃなと気力も上がってくる!」
「あれ?部長はお休みを取ってもらえたのか?」
部長室から戻ってきた同僚に声をかけると。
「サメはその呼び方で、その人の出身や文化背景がわかるんだそうだ」
「?」
「サメちゃんは関西、サメくんは関東、サメって呼び捨てにするところは、自然豊かな地域が多いらしいよ」
「お前も今すぐ休んでこい!」
「サメに何かあったら、許さない有能な人は至るところにいるもんなんですよね」
(今の下りはいるのかしら)
あんまりないですが、ここはそういう世界です。
「しかし、今日はありがとうございました、自衛ができないので」
「そこは気にしないでいいわよ、私もどちらかといえば、役割が決まった方が楽よ、こう、判断のためにどうしても遅れるのよね、反射的に動くのが難しいわ」
白万としては、全体を見て指示をくれる水芭とか、実はこっそり今日も動いている泉呼(せんこ)、泉呼のような前に出て引き付けてくれるタイプはありがたい相手でもある。
「この業界ってまずは自分で生き残らなきゃならないって感じで、能力とか訓練していくからどうしても優先されるのが、自衛ですからね」
「だから警護とかああいうタイプは専門職や流派の教えに頼ることになっちゃうのよ」
そこで今回参加している者へ連絡が回り、終了と解散の話になるのだが。
「花火は見ることはできませんでしたが、料理は用意してましたから」
水芭はそういって参加者にごちそうを振る舞うことにした。
紙皿で焼きそばが提供される始めるがもちろん!
「最後に目玉焼きもお忘れなく」
楽しそうにする螺殼(らがら)ミツ
「さすがに会場にはいけないけどもね、ここからも花火は見えるんだよ」
この時水芭(みずば)は窓に背を向けていた。
カッ
「えっ?雷?天気予報にはなかったんだけども?…ミツさん」
窓の外を見ていたミツは固まる。
「何か見たの?サメでもいたの?」
「…はい」
「えっ?」
なんとなくお気づきの方もいるのではないか、その正体というやつが。
「試しに式神作ってもらって撒いたら、さっそく反応するとは思わなかった」
真中(ただなか)はそういうしかなかった。
そう、あの雷に見えたのは、サメガミ~サンダービーム~である。
「でもここはいい方に考えましょうよ」
これはサメガミを頑張って真中の要望を取り入れて作った白万(はくまん)
「そうですね、始まる前に発見したってことで」
「そうそう、その調子」
「でもこんな日に何かを起こそうとする奴は、とんでもない神経の持ち主に決まっているんだよな」
ドーン
という音を背にして。
「もうしょうがない」
瀬旭(せきょく)に。
「でもやるしかない」
覆木(おおうき)は声を重ねる。
「んじゃ、そういうことで」
(ここでさっさと決めちゃえるのは、正直呆れるんだけども)
水芭には別の感情もあった。羨ましいなというやつである。
「その方針でいいよね」
「いいよ、もちろんですとも」
「でもさ、なんでそんなに不機嫌なの?」
「そんなことわざわざ聞かないでもわかるじゃないってこと」
「聞かずにやって、しょうがないねってお前に思われるのが嫌なの」
「はっはっ、じゃあ、お仕事に行きましょうかね」
「はい、これでお仕舞い、本当に見つかってもいい感じで仕掛けられているんですよね」
「真中くん、大丈夫?」
「こういうのって、仕掛けているやつの気持ちまで見えちゃうもんなんで、ほら、自分には理解できないことを体験させられるようなもんですからね、明日は遅くまで寝て、自分に優しくしたいと思います」
「そうしてちょうだい、けども、今日は人手が足りたんだけども、実は役割としてはバランスが悪いのよね」
「忍ジャメの体力で補ったみたいなもんですから」
「そうね、こういうこと考えた人も、サメの体力を考えて計算してないみたい、でもそのうち頭がいい人が挑んでくるんじゃないかしら」
「それは大丈夫かなって思います」
「私はあまりサメのことは知らないのだけども、そう言い切る自信は?」
「そんなことをしたら、サメ好き達が許さないですよ、正面からサメをなんとなしようとしたら、街が落ちるとかそのぐらいのものが必要だし、そこまでだとさすがに人にもわかる」
「そうね、正面からの戦いについてはサメには種族の有利さがあるわね、でもサメ好きって」
「例えばですね…」
「部長、お仕事が大変忙しいと思いますが、お体にも差し支えますから、そろそろペースを落とされてはいかがでしょうか」
「私は大丈夫だ」
「そうは言われましても、その…長時間画面をじっと見ているときがありますので」
「ああ、これかね、これは私にとってはストレス解消になるのだ」
「?」
「これはね、サメちゃんのお腹の写真でな、いいサメは写真をアップにしても、いいサメだということがわかるのだ。しかもだ、こうすることで、サメを身近に感じられ、私も頑張らなきゃなと気力も上がってくる!」
「あれ?部長はお休みを取ってもらえたのか?」
部長室から戻ってきた同僚に声をかけると。
「サメはその呼び方で、その人の出身や文化背景がわかるんだそうだ」
「?」
「サメちゃんは関西、サメくんは関東、サメって呼び捨てにするところは、自然豊かな地域が多いらしいよ」
「お前も今すぐ休んでこい!」
「サメに何かあったら、許さない有能な人は至るところにいるもんなんですよね」
(今の下りはいるのかしら)
あんまりないですが、ここはそういう世界です。
「しかし、今日はありがとうございました、自衛ができないので」
「そこは気にしないでいいわよ、私もどちらかといえば、役割が決まった方が楽よ、こう、判断のためにどうしても遅れるのよね、反射的に動くのが難しいわ」
白万としては、全体を見て指示をくれる水芭とか、実はこっそり今日も動いている泉呼(せんこ)、泉呼のような前に出て引き付けてくれるタイプはありがたい相手でもある。
「この業界ってまずは自分で生き残らなきゃならないって感じで、能力とか訓練していくからどうしても優先されるのが、自衛ですからね」
「だから警護とかああいうタイプは専門職や流派の教えに頼ることになっちゃうのよ」
そこで今回参加している者へ連絡が回り、終了と解散の話になるのだが。
「花火は見ることはできませんでしたが、料理は用意してましたから」
水芭はそういって参加者にごちそうを振る舞うことにした。
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