浜薔薇の耳掃除

Toki Jijyaku 時 自若

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フカヒレ栽培

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「高級食材にフカヒレってあるでしょ、あれです、あれ、あれを育てるんです」
「簡単に育てれるものなんですか?」
「逆に大規模にやろうとすると採算が取れない、だからこれはチャンスなんですよ」
そうして男は資料を見せる。
「いや~フカヒレを育ててくれそうな人を探すの大変なんですよね、だからこっちも大事にしなくちゃって社長からも言われていますし、今日契約してくれたら特別価格にしますから」
家で出来る副業としてフカヒレ栽培を始めることになった、これが大きくなったら、金持ちに、楽しみだな。

「実はそれはサメを崇める教団がサメ復活を企むための罠だったという話ですね」
「これはなかなか期待ができますね」
そう今のフカヒレ栽培こと、「黄泉返そうシャーク」は映画の話なのである。
「ただサメとしては本当にフカヒレ栽培は起きそうで怖いですが」
「起きたら、起きたらだよ、兄さん」
映画館のサメ兄弟トラジとタカミがお届けするイベントデーなのですが、座席にいるお客さん、お客さん?全員敬虔なるサメ映画の信徒って感じなのですが、これはどういうことかというと。
「この映画にちなんで、いかに自分はサメ映画を愛しているのかの信者なお姿でお越しになりますと、割引、他の映画のチケットがついているので、かなりお得にすると告知をしたのですが、みなさん思い思いの愛を形にしすぎだと思われます」
「ただ、この映画館の周囲のお店の方々は慣れているので、受け入れてはもらえています」
また、あの映画館かという感想だし、サメ兄弟はここら辺の地主の息子たちでもある。この映画館はサメ映画以外も上映しているが、やはり主食はサメ映画、そして兄弟たちが仕掛けるイベントのおかげで、遠方からもお客が来るぐらいなので。
「最初っからこの映画館はサメ映画を上映していたわけではなくて、それこそ大作や子供向けの映画館を上映してましたから、景気が悪くなって映画館が立ちいかなくなったときときに、閉館という話になりましたからね」
「そこから盛り上げていくのは大変だったので、それに比べたら感染症が流行している近年はまだ楽な方かな」
お金を持っている家の息子たちだが、赤字にお金を費やすという考えがないために、そこは工夫に工夫を重ねまくった。
そして、このサメ映画信者デーはかなり好評であった。
「サメ映画が好きであるっていうと変な顔されるんですよね、だからなんでこんな地方に足を運んでまでって言われるんですが、ここだとサメ映画が好きであるということを全面に出せるんで」
「客席も見知った顔ばっかりになるから、次いつ映画を見に行くの?って話をするようになって、映画見たあと、食事するのが楽しみなんです」
「次に公開されるマッチングサメアプリの前売りもう買いました、もちろんこの映画館で見ますよ」
信者の方も満足度が高い。
「ただそういうの知らない、飲んだ帰りの人が映画館からぞろぞろサメ映画の信者たちをみて、酔いが覚めたという話があるからな」
心臓止まるかと思いました。
「そこも少し変えていかないと」
「そうだな」
サメ映画を見ていない時から、サメ映画のことを考える、それが本物の愛好家なのである。
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