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このまま諦めてくれれば
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サメ店主は耳掻きを構えて、人間の耳、光のささない、暗い穴を掃除しはじめるのであった。
サリサリサリ
耳の中からは擦れるような音がしている、このお客さんの耳の中はこびりついていたので、それを取り除いている。
注文としては耳掃除でいい気持ちになりたいとのことなので、それならばじっくりと耳掃除をしなければなるまい。
耳かきの動きがぶれないように、店主は椅子に座りながら、少し傾けられた首、そんな耳を掃除しだす。
理容ルームの耳かきもこだわりの品といってもいいが、どういう耳かき使いますか?並べて見せると。
「ごめんね、サメの言葉はわからないから、でも耳掃除が上手だって今日を楽しみにしてきたんだ」
遠方から来た人で、他に用事はあったがついでに理容ルームもお願いしたいという、実はそんなお客さんも多くなっている。
各支部実は理容ルームの設備としては存在する、理由としては敷地から全くでない名伏せ職員や、医療機関もあるため、しかしこのように常駐という形では春隣だけである。
他の場合は出張という形で来てもらっていた。
また行きつけの人を呼ぶ場合は、春隣のいる支部でもその間はお店を貸し出して、時間潰しにゆっくりと食堂でご飯を食べているので、お店を営業しているときはいつもさっさと食べれるものを注文して、出前などを頼んだりするので、食堂にいるということはお店を貸しているのだなとみんなわかってる。
「春ちゃん、今日はコロッケもあるし、チョコレートパフェもあるよ」
春隣、育ての親であり師匠であった勝利(かつとし)と、お店の定休日になるとお出掛けして、一緒にデパートの食堂でご飯を食べてきていた。
その時を思い出させるような、KCJの食堂メニューがこれなのである。
「サッ」
ヒレでコロッケ定食をまず頼む、チョコレートパフェはこの後だ、冷蔵のショーケースに入っているパフェグラス、あれを注文の際にカウンターに出して盛り付けてもらうスタイルなのだが。
「春ちゃんには大きいイチゴもつけてあげるよ」
「サッ」
キラキラ春隣の目が光ったような気がする。
食堂で働いている人の髪も、働いている人が望めば福利厚生の一環として春隣でよければ無償で切る契約になっていた。
「ふっふっふっ、春ちゃんはね、こんなおばちゃんの髪が薄いっていう悩みもね、諦めずに、美容液でマッサージしてくれるんだもんね、でもそのお陰か目立たなくなったような気がするよ」
「サッ」
「サメの言葉はわからなくてごめんね、でもちゃんとやってくれるのはとっても嬉しいんだよ」
こういう会話が、父を失った後の春隣にはとても大事なじかんだった。
大事な人にいかないでほしい、その気持ちはあっても、死は配慮はない。
「河川ザメの家族って聞いてたんで、こっちは腹に雑誌を巻いたりして備えていたんですけどもね」
こちらは担当の死神なのだが、死神に物言える、同じような上位存在が絡む、人間の寿命の問題はトラブルがつきもので、この時はただサメが静かに落ち込んでいるだけだった。
「そんなに大事な人だったんですか?」
「サッ」
(あちゃ、育ての親とかか、トラブルにならなくていいけども、これしばらく引きずるな)
「他にご家族は?」
「サッ」
(いない、いないとなると、サメには相続できないから、川に戻る、そもそも育ての親ってことは、群れからはぐれたわけだから)
「サメさんって何ができるんですか?戦うのが得意ならばレッドノーズに志願するとか」
「サッ」
(そういうのができないサメ…これだとサンタに頼むわけにもいかないしな)
「ちょっと待ってくださいよ、悪いようにはしませんから」
それで死神の知り合いにKCJの情報がいたので。
「何の用?」
相手は怒ってるようだった。
「そんな怒らないでよ」
KCJとも死神はあんまり仲は良くない。
「仕事ではぶつかるけどもさ、職務に忠実なだけだから、こっちは、それはわかってるよね?」
そこまでいうと。
「河川ザメって、川に戻れない場合はどうしているの?
「迷子がいたんですか?」」
「育ての親が亡くなって一匹でいるから、KCJさんとしてはこれはどう考えているの?」
「えっ、ちょっと待ってくださいよ」
そういってガサカザ資料を探しているらしいが。
「ああ、なるほどよくわかりました、何回かうちでも話に言ってるんですよ、春隣さんには、でも離れたくないとお断りになられて」
「そりゃあそうでしょ、大事な人だし」
「その大事な人を迎えに来たのは誰ですか?」
「しょうがないよ、肝臓、ボロボロだったしね、むしろあれで長生きできた方だよ」
「で、どうするんですか?」
「KCJが主導で守ってくれるならばいいんだけども、ここから離れる気がないをどうにかしないとね、店主ってどういうことできるの?」
「親御さんの介護はできましたし、その仕事についても家族に関してはホームケアできる、するための訓練は受けてます」
「本人は親御さんの仕事を継ぐとかは?」
「ありましたが、サメだということで諦めているようです」
「KCJって敷地内ならば限定免許を色々と出せたりするじゃん?」
それで河川ザメ、レッドノーズの一部なんかは車両を運転したり、支部によっては整備にも河川ザメがいて洗車を担当している。
「その制度を使ってですか?前例はないんですが」
「それ作るのも上手いでしょ、んでもって春隣ちゃんの実家のお店取り壊すんじゃなく、できればまるっと敷地内に持ってくぐらいしたら、よ喜んで働いてくれると思うぜ」
「それは確かにそうでしょうが」
「後はもっとハッキリとした絵を描いてくれる、そういうの得意でしょ?」
「ずいぶんと面倒くさいことに巻き込んでくれますね」
「そうだね、今やらなければ失われる、後悔させるか、恨まれるのか、それが嫌ならばさ、投資しなよ」
その言い方が腹立つなと感じ、連絡が来てから、怒りに任せて春隣への支援のプランを立てた
「一括ではさすがに払えないぐらいはかかりましたが」
「サッ」
ありがとう、ありがとうと握手を求めてくる。
「しかし、本来ならばこの計画で返済はあまり進めませんからね」
「サッ」
体力は自信があります。
河川ザメとしてあまり体力はない方だが、人よりはもちろんある。
資格をとった後は、少しでも返済の足しにしようと、春隣は店から出てない疑惑が出たため、調査したら。
「さすがにダメ」
「サッ」
ダメ?
「可愛くいってもダメ、信用つけるために金融機関でローン組んだけども、管理の名伏せ読んで、ローン繰り上げて返済する算段取り付けたからさ、先に払っちゃおうよ」
この時、名伏せ職員たちは四件ほど満塁ホームラン出してしまって、この利益どうする?という話になっていた。
「お金を使うことでトラブルになる人たちっているんだから、それに比べたら春ちゃんの店のローンを返済した方が有益でしょうよ、それでも黒字ならば、食堂部のみなさんの髪やシェービング分を福利厚生にするとかさ」
この手続きを終わった後に、名伏せ職員の一人、その人の厄介な親が金を貸してくれとせびりに来た。
「あそこに出すよりならば理容ルームに出した方がやっぱりいい金の使い方だよね」
その親はあんたなんて生まなければ良かったよ、生んですいませんでしたね、とか、とんでもないことを口走っていて、聞いた人が不快な顔をすると。
「だからさ、親孝行しなきゃね」
強気でいけると思ったこの親は。
「こんにちは警備で~す」
「私に触らないでよ」
「じゃあ、許可されている魔法をかけます、本当はガッツリと強い忘却使いたいんですがね、これで我慢してくださいね」
にっこり笑うと、さっきまでの怒りがす~と消える。
「あら?私は何をしていたのかしら」
「やだな、買い物これから行くんでしょ?」
「買い物、ああそうだったわね」
何をするか忘れてしまったため、その言葉の誘導を信じきってしまった。
しばらくは家族について上手く繋がらないから思い出せないと言った感じ。
「このまま諦めてくれればいいけども、子供は金蔓だってことはまた思い出しちゃうんだろうな」
「まっ、そこはしょうがないし、君はしばらくは自分を大事にしなさい、ケットシーもこうして気にしていることだしね」
「ありがとうございます、そうします」
挨拶代わりに首もとをウニャウニャしたが、ケットシーの方も気持ちいいのかウニャリまくった。
サリサリサリ
耳の中からは擦れるような音がしている、このお客さんの耳の中はこびりついていたので、それを取り除いている。
注文としては耳掃除でいい気持ちになりたいとのことなので、それならばじっくりと耳掃除をしなければなるまい。
耳かきの動きがぶれないように、店主は椅子に座りながら、少し傾けられた首、そんな耳を掃除しだす。
理容ルームの耳かきもこだわりの品といってもいいが、どういう耳かき使いますか?並べて見せると。
「ごめんね、サメの言葉はわからないから、でも耳掃除が上手だって今日を楽しみにしてきたんだ」
遠方から来た人で、他に用事はあったがついでに理容ルームもお願いしたいという、実はそんなお客さんも多くなっている。
各支部実は理容ルームの設備としては存在する、理由としては敷地から全くでない名伏せ職員や、医療機関もあるため、しかしこのように常駐という形では春隣だけである。
他の場合は出張という形で来てもらっていた。
また行きつけの人を呼ぶ場合は、春隣のいる支部でもその間はお店を貸し出して、時間潰しにゆっくりと食堂でご飯を食べているので、お店を営業しているときはいつもさっさと食べれるものを注文して、出前などを頼んだりするので、食堂にいるということはお店を貸しているのだなとみんなわかってる。
「春ちゃん、今日はコロッケもあるし、チョコレートパフェもあるよ」
春隣、育ての親であり師匠であった勝利(かつとし)と、お店の定休日になるとお出掛けして、一緒にデパートの食堂でご飯を食べてきていた。
その時を思い出させるような、KCJの食堂メニューがこれなのである。
「サッ」
ヒレでコロッケ定食をまず頼む、チョコレートパフェはこの後だ、冷蔵のショーケースに入っているパフェグラス、あれを注文の際にカウンターに出して盛り付けてもらうスタイルなのだが。
「春ちゃんには大きいイチゴもつけてあげるよ」
「サッ」
キラキラ春隣の目が光ったような気がする。
食堂で働いている人の髪も、働いている人が望めば福利厚生の一環として春隣でよければ無償で切る契約になっていた。
「ふっふっふっ、春ちゃんはね、こんなおばちゃんの髪が薄いっていう悩みもね、諦めずに、美容液でマッサージしてくれるんだもんね、でもそのお陰か目立たなくなったような気がするよ」
「サッ」
「サメの言葉はわからなくてごめんね、でもちゃんとやってくれるのはとっても嬉しいんだよ」
こういう会話が、父を失った後の春隣にはとても大事なじかんだった。
大事な人にいかないでほしい、その気持ちはあっても、死は配慮はない。
「河川ザメの家族って聞いてたんで、こっちは腹に雑誌を巻いたりして備えていたんですけどもね」
こちらは担当の死神なのだが、死神に物言える、同じような上位存在が絡む、人間の寿命の問題はトラブルがつきもので、この時はただサメが静かに落ち込んでいるだけだった。
「そんなに大事な人だったんですか?」
「サッ」
(あちゃ、育ての親とかか、トラブルにならなくていいけども、これしばらく引きずるな)
「他にご家族は?」
「サッ」
(いない、いないとなると、サメには相続できないから、川に戻る、そもそも育ての親ってことは、群れからはぐれたわけだから)
「サメさんって何ができるんですか?戦うのが得意ならばレッドノーズに志願するとか」
「サッ」
(そういうのができないサメ…これだとサンタに頼むわけにもいかないしな)
「ちょっと待ってくださいよ、悪いようにはしませんから」
それで死神の知り合いにKCJの情報がいたので。
「何の用?」
相手は怒ってるようだった。
「そんな怒らないでよ」
KCJとも死神はあんまり仲は良くない。
「仕事ではぶつかるけどもさ、職務に忠実なだけだから、こっちは、それはわかってるよね?」
そこまでいうと。
「河川ザメって、川に戻れない場合はどうしているの?
「迷子がいたんですか?」」
「育ての親が亡くなって一匹でいるから、KCJさんとしてはこれはどう考えているの?」
「えっ、ちょっと待ってくださいよ」
そういってガサカザ資料を探しているらしいが。
「ああ、なるほどよくわかりました、何回かうちでも話に言ってるんですよ、春隣さんには、でも離れたくないとお断りになられて」
「そりゃあそうでしょ、大事な人だし」
「その大事な人を迎えに来たのは誰ですか?」
「しょうがないよ、肝臓、ボロボロだったしね、むしろあれで長生きできた方だよ」
「で、どうするんですか?」
「KCJが主導で守ってくれるならばいいんだけども、ここから離れる気がないをどうにかしないとね、店主ってどういうことできるの?」
「親御さんの介護はできましたし、その仕事についても家族に関してはホームケアできる、するための訓練は受けてます」
「本人は親御さんの仕事を継ぐとかは?」
「ありましたが、サメだということで諦めているようです」
「KCJって敷地内ならば限定免許を色々と出せたりするじゃん?」
それで河川ザメ、レッドノーズの一部なんかは車両を運転したり、支部によっては整備にも河川ザメがいて洗車を担当している。
「その制度を使ってですか?前例はないんですが」
「それ作るのも上手いでしょ、んでもって春隣ちゃんの実家のお店取り壊すんじゃなく、できればまるっと敷地内に持ってくぐらいしたら、よ喜んで働いてくれると思うぜ」
「それは確かにそうでしょうが」
「後はもっとハッキリとした絵を描いてくれる、そういうの得意でしょ?」
「ずいぶんと面倒くさいことに巻き込んでくれますね」
「そうだね、今やらなければ失われる、後悔させるか、恨まれるのか、それが嫌ならばさ、投資しなよ」
その言い方が腹立つなと感じ、連絡が来てから、怒りに任せて春隣への支援のプランを立てた
「一括ではさすがに払えないぐらいはかかりましたが」
「サッ」
ありがとう、ありがとうと握手を求めてくる。
「しかし、本来ならばこの計画で返済はあまり進めませんからね」
「サッ」
体力は自信があります。
河川ザメとしてあまり体力はない方だが、人よりはもちろんある。
資格をとった後は、少しでも返済の足しにしようと、春隣は店から出てない疑惑が出たため、調査したら。
「さすがにダメ」
「サッ」
ダメ?
「可愛くいってもダメ、信用つけるために金融機関でローン組んだけども、管理の名伏せ読んで、ローン繰り上げて返済する算段取り付けたからさ、先に払っちゃおうよ」
この時、名伏せ職員たちは四件ほど満塁ホームラン出してしまって、この利益どうする?という話になっていた。
「お金を使うことでトラブルになる人たちっているんだから、それに比べたら春ちゃんの店のローンを返済した方が有益でしょうよ、それでも黒字ならば、食堂部のみなさんの髪やシェービング分を福利厚生にするとかさ」
この手続きを終わった後に、名伏せ職員の一人、その人の厄介な親が金を貸してくれとせびりに来た。
「あそこに出すよりならば理容ルームに出した方がやっぱりいい金の使い方だよね」
その親はあんたなんて生まなければ良かったよ、生んですいませんでしたね、とか、とんでもないことを口走っていて、聞いた人が不快な顔をすると。
「だからさ、親孝行しなきゃね」
強気でいけると思ったこの親は。
「こんにちは警備で~す」
「私に触らないでよ」
「じゃあ、許可されている魔法をかけます、本当はガッツリと強い忘却使いたいんですがね、これで我慢してくださいね」
にっこり笑うと、さっきまでの怒りがす~と消える。
「あら?私は何をしていたのかしら」
「やだな、買い物これから行くんでしょ?」
「買い物、ああそうだったわね」
何をするか忘れてしまったため、その言葉の誘導を信じきってしまった。
しばらくは家族について上手く繋がらないから思い出せないと言った感じ。
「このまま諦めてくれればいいけども、子供は金蔓だってことはまた思い出しちゃうんだろうな」
「まっ、そこはしょうがないし、君はしばらくは自分を大事にしなさい、ケットシーもこうして気にしていることだしね」
「ありがとうございます、そうします」
挨拶代わりに首もとをウニャウニャしたが、ケットシーの方も気持ちいいのかウニャリまくった。
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