浜薔薇の耳掃除

Toki Jijyaku 時 自若

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若者の人生を縛り付ける

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「全くもって嫌な時代だな」
白髪の男性はサメを撫でながら言う。撫でられているサメは積極的に撫でられようと、頭を傾けて、気持ちいい顔をしている。
「彼は話を飲んでくれるだろうか?私はそれが心配でたまらないよ」
コンコン
そこにノックの音がして。
「お呼びでしょうか?」
「ああ、来たかね」
「それでご用件は?」
「君の待遇についてだ」
「私のですか」
「君は非常に真面目と聞いている」
「面白味がないって言われました」
元カノにね。
それでフラれたのである…
「そうか、面白味がないのか」
しまった、言葉を間違えたか。
「僕から君への提案だが、あまり面白味がないものでもある」
「というと?」
「半休一日の、週四日で、土日祝日休み。そして就業は9時から5時までで、お給料はこのぐらいかな?」
電卓を叩いて、画面を見せるが、見せられた本人以外は照明が移り込み数字が見えない。
「それで故郷であるこの地で、真面目に人生を生きてもらうことになる、そのうち結婚したとして、家族は大事にするような生活をしてもらうこと、それで君はいいかね?」
「い…、了解しました」
「即答かね、若者の人生を縛り付けるのはどうかとは思うのだが、そうか、ありがとう」
白髪の男性は感謝するが、待遇を言い渡された方からすると。
(友達みたいなノリで、イイヨ!って言うところだった)
危ない。
「ただこれからはその給料や待遇では難しいこともあるだろうから、君はKCJを知っているかね」
「相談役がそちらのサメくんを派遣してもらっているところですね」
「そうだ、あそこは信用できる、私の身内よりもずっとね、退いた私には力がないと思っているが、KCJがいるのならば別だ、その方が都合が良い、それでそのKCJには資産運用の才能あるものがたくさんいる、あれは羨ましいぐらいだよ、どうしたらああいうキラびやかな才が集まってくるのか、私では育てることは出来なかったから、ああ、話はずれてしまったね、君には資産も築いてそれを背負ってもらうことになる、そういった資料を読んだことは?」
「ありますが、実務的なものはそう経験はありません」
「ではKCJから学んでもらうことになる、本当に、本当にすまない、こんな時代に生きることにさせてしまって、私がもっとしっかりしていれば…いや、すまないね、どうしても気弱になる、では後日KCJから連絡が来ると思うので、都合のいい日に一度説明を聞いてくれたまえ、今回の話は以上だが、何か質問は?」
「今のところはありません」
「そうか、ではまたな」
相談役は何を憂いたのかは、呼び出された若者には理解は出来ないのだが、景気のいい時代を知っている人間からすると、今の時代は悲観的に見えるのだが、そこを知らない人間からすると、えっ?いいんですか?わーいわーいと小躍りしそうなお話。

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