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魔法は人の人生を簡単に変える
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ここら辺には魔法使いも、格好つかたがりのガンスリンガーも、最近はサメなんかがビュンビュン飛び交ってはいるが、俺の人生にはあまり縁がないものである。
チカチカ
サイレンなしで、救急車が停車し、迂回をして歩くと。
コロコロ
何かが足元に落ちてきた。
「すいません、今は緊急事態なので後でそれ取りに行きます」
拾い上げたのは水晶玉、言ってきたのは忙しそうな魔法使いさんであった。
「急いで下がってください」
そういうと、バフン!と何かが弾けて甘ったるい臭いがしてきたので、慌てて逃げた。
「昨日の夜居酒屋でさ、酒の持ちよりしたやつらがなんかやったらしいぜ」
「それで救急車とか来てたのか」
という同僚の話が聞こえた、それがあれか。
自分のデスクに座って鞄をあけると、家に置いた水晶玉が入っていたが、あれ?鞄に入るサイズではなかったんだがな。
まあ、俺が勝手に水晶玉っていっているだけだから、本当は違うんだろう。
この水晶玉がいるせいなのか、来た日から疲労の抜けかたが違うのであった、それこそ朝目覚めたら体力がフル回復している状態であった。
なんだろう、映画でも見に行こうかなんて考えていると。
ピンポーン
魔法使いさんが水晶玉を取りに来たのである。
「今まで預かってもらった分の謝礼もございますので、一度正式に書類を交わしてもらいたく」
「わかりました」
そして時間を作りその日が来た。
そうか、水晶玉ちゃんよ、今日でお別れか、今までいい夢を見せてくれてありがとう、映画にも久しぶりにいけた、ありがとう、ありがとう。
「ずいぶんと名残惜しそうにしてますね」
「名残惜しいですよ、いてくれたおかげで毎日寝起きがよくて」
「お疲れだったんですか?」
「いい年ですよ、俺は」
「すいません」
「それならば寝覚めはこれからも良くしましょうか?」
「えっ?いいんですか?」
「いいんですよ、これぐらいでしたら、はいこれでよしと」
「本当に魔法は簡単に人の人生を変えるもんだな」
「魔法使いにも色々ありますが、私は医療方面のために魔法使いになりましたから、たぶんもうちょっとしたら、そういう考えで魔法使いになる人たちは減るでしょうね」
「医療が進化するから」
「はい、AIとかですね、あれは夢と希望がつまってますよ」
その単語、辛辣な国産AIが前にあったな。
【いやだな、我々はまだ現役ですよ】
なんだろう、空耳みたいなのが聞こえた、これは答えてはいけないやつだ、新しく出来た駐車場みたいなことが起きると思った。
「もしもし?」
「ああ、すいません、この数日は本当に寝起きがよかったものですし、でも何故か水晶玉が布団の中に入ってるんですよね」
「それは…申し訳ありせん」
「これってあなたの一部とかそういうの中に入ってません?」
「わかりましたか…」
「こうして同席するからわかったって言う感じですね、ただこの水晶玉は幼い部分はある、子供と言うか」
「私は魔法使いになるために子供の時代が少なかったというか、途中で大人になる魔法をかけてなってしまったので、こっちが分離させた部分ですね」
「それは大変でしたね」
「戦力というか、人員が足りませんでしたから、今はようやく足りてきてるので、この水晶玉と向きあえるようにはなりましたが、その戦うとか、他の人を守るために出向くとくずったりするんですよ、それこそ子供みたいに」
「ああ、それでですか、子供みたいなところがあるなとは思っていましたが、そうかそうな」
そういってポンポン優しく手で水晶玉に合図をおくる。
「私よりあなたになついているのはわかります、よろしければこのまま相手をしてもらえませんか?」
「いいですよ」
「謝礼は出しますから」
別にこのぐらいならと思ったが、副業みたいな額が出してきて押し付けられた。
「魔法使いさんは、どういう生活しているんですか?」
「私はこの町の治安とかですね、先日お会いしたとき、居酒屋に人間ではないものが作った酒を持ち込んだ飲み会がありまして」
「あの甘ったるい臭いってそれか」
「あれ、店内のお客さんみんな酔って、未だに二日酔いが抜けない人もいますから」
「それは怖い、あっ、そうだ、提案なんですが、この子が子供ならば、一緒に今度どっか行きません?元はあなたなわけだから、一緒に楽しめば早く一つになれるんじゃないですか」
「もう諦めてはいたんですがね」
「そんなこと言わないの、どっか行きたいところあります?」
そういって動画を見せるが。
「どこがおすすめです?」
と聞いてきたので、じゃあのこの辺でって話になったのだ。
出掛ける日、待ち合わせ場所にいた魔法使いさんは可愛かった。
「ちょっと早くありません?俺もですが」
「とても楽しみで」
「ああ、そうでしたか」
今日一日でいろんなところにいったのだが。
「その付き合っている方がとても多かったかと」
「そりゃあクリスマス前ですから、この時期から色々とイベントも増えますから、それに他の人から見ると、我々もそういう風に見えます」
「えっ?」
「俺の方はいいですよ」
「…その言い方は」
長い間が流れた。
スッ
俺の腕に彼女が手を伸ばし、絡めたので、そのままその手を握った。
チカチカ
サイレンなしで、救急車が停車し、迂回をして歩くと。
コロコロ
何かが足元に落ちてきた。
「すいません、今は緊急事態なので後でそれ取りに行きます」
拾い上げたのは水晶玉、言ってきたのは忙しそうな魔法使いさんであった。
「急いで下がってください」
そういうと、バフン!と何かが弾けて甘ったるい臭いがしてきたので、慌てて逃げた。
「昨日の夜居酒屋でさ、酒の持ちよりしたやつらがなんかやったらしいぜ」
「それで救急車とか来てたのか」
という同僚の話が聞こえた、それがあれか。
自分のデスクに座って鞄をあけると、家に置いた水晶玉が入っていたが、あれ?鞄に入るサイズではなかったんだがな。
まあ、俺が勝手に水晶玉っていっているだけだから、本当は違うんだろう。
この水晶玉がいるせいなのか、来た日から疲労の抜けかたが違うのであった、それこそ朝目覚めたら体力がフル回復している状態であった。
なんだろう、映画でも見に行こうかなんて考えていると。
ピンポーン
魔法使いさんが水晶玉を取りに来たのである。
「今まで預かってもらった分の謝礼もございますので、一度正式に書類を交わしてもらいたく」
「わかりました」
そして時間を作りその日が来た。
そうか、水晶玉ちゃんよ、今日でお別れか、今までいい夢を見せてくれてありがとう、映画にも久しぶりにいけた、ありがとう、ありがとう。
「ずいぶんと名残惜しそうにしてますね」
「名残惜しいですよ、いてくれたおかげで毎日寝起きがよくて」
「お疲れだったんですか?」
「いい年ですよ、俺は」
「すいません」
「それならば寝覚めはこれからも良くしましょうか?」
「えっ?いいんですか?」
「いいんですよ、これぐらいでしたら、はいこれでよしと」
「本当に魔法は簡単に人の人生を変えるもんだな」
「魔法使いにも色々ありますが、私は医療方面のために魔法使いになりましたから、たぶんもうちょっとしたら、そういう考えで魔法使いになる人たちは減るでしょうね」
「医療が進化するから」
「はい、AIとかですね、あれは夢と希望がつまってますよ」
その単語、辛辣な国産AIが前にあったな。
【いやだな、我々はまだ現役ですよ】
なんだろう、空耳みたいなのが聞こえた、これは答えてはいけないやつだ、新しく出来た駐車場みたいなことが起きると思った。
「もしもし?」
「ああ、すいません、この数日は本当に寝起きがよかったものですし、でも何故か水晶玉が布団の中に入ってるんですよね」
「それは…申し訳ありせん」
「これってあなたの一部とかそういうの中に入ってません?」
「わかりましたか…」
「こうして同席するからわかったって言う感じですね、ただこの水晶玉は幼い部分はある、子供と言うか」
「私は魔法使いになるために子供の時代が少なかったというか、途中で大人になる魔法をかけてなってしまったので、こっちが分離させた部分ですね」
「それは大変でしたね」
「戦力というか、人員が足りませんでしたから、今はようやく足りてきてるので、この水晶玉と向きあえるようにはなりましたが、その戦うとか、他の人を守るために出向くとくずったりするんですよ、それこそ子供みたいに」
「ああ、それでですか、子供みたいなところがあるなとは思っていましたが、そうかそうな」
そういってポンポン優しく手で水晶玉に合図をおくる。
「私よりあなたになついているのはわかります、よろしければこのまま相手をしてもらえませんか?」
「いいですよ」
「謝礼は出しますから」
別にこのぐらいならと思ったが、副業みたいな額が出してきて押し付けられた。
「魔法使いさんは、どういう生活しているんですか?」
「私はこの町の治安とかですね、先日お会いしたとき、居酒屋に人間ではないものが作った酒を持ち込んだ飲み会がありまして」
「あの甘ったるい臭いってそれか」
「あれ、店内のお客さんみんな酔って、未だに二日酔いが抜けない人もいますから」
「それは怖い、あっ、そうだ、提案なんですが、この子が子供ならば、一緒に今度どっか行きません?元はあなたなわけだから、一緒に楽しめば早く一つになれるんじゃないですか」
「もう諦めてはいたんですがね」
「そんなこと言わないの、どっか行きたいところあります?」
そういって動画を見せるが。
「どこがおすすめです?」
と聞いてきたので、じゃあのこの辺でって話になったのだ。
出掛ける日、待ち合わせ場所にいた魔法使いさんは可愛かった。
「ちょっと早くありません?俺もですが」
「とても楽しみで」
「ああ、そうでしたか」
今日一日でいろんなところにいったのだが。
「その付き合っている方がとても多かったかと」
「そりゃあクリスマス前ですから、この時期から色々とイベントも増えますから、それに他の人から見ると、我々もそういう風に見えます」
「えっ?」
「俺の方はいいですよ」
「…その言い方は」
長い間が流れた。
スッ
俺の腕に彼女が手を伸ばし、絡めたので、そのままその手を握った。
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