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でもよ、母ちゃん、俺だってモテたいんだ。
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KCJ戦闘許可証の資格試験は現在も行われているが。
「ラーメンお待ちの方」
「はい、はーい」
傘目はもう終えたらしい。
もちろん参考書、過去問を販売している会社への報告は済み、現在速報として有料で本日の問題が公表されている。
(試験のときになると、こういう食事がつくのも嬉しいな)
支部にもよるが、受験社用の食事というのが無料で振る舞われることがあり、このラーメンはそれである。
ただ前日まではラーメンではなかったが。
「どうしてもラーメンがな、作りたくてな」
この支部の食堂責任者が、最高のラーメンに挑みたくなったとか言い出してメニューを変えたのである。
「いただきます」
匂いからして旨そう、本来ならば大盛りで頼みたかったが、そこは無償であるし、受験生全員に行き渡る数しかないだろうから我慢する。
食堂には傘目しかおらず、食堂のテレビはトーク番組が始まっていた。
(あの子は)
ゲストとして登場したのは。
「アーティストの佐藤季尾(さとうきび)さんです、本日はよろしくお願いします」
あまりこういうものを見ない傘目だが、この子は知ってる、道場の学生たちがこの間、俺たちの稽古を見てた人の中に、あれは絶対佐藤季尾だってという話をしていたからである。
「へぇ」
「傘目さんのファンのおっさんと話していたんですけども、知りません?」
「あっ、あの人とか」
「傘目さん、おっさんのファンたち多いからな」
「川沿いで見てるときは近所の人たちなんだろうなって思ったけども、年明けの大会があったときに、観客席にいてすんごい驚いた」
たぶん休みだったのだろうが、おっさんファンが一本取るたびに、うんうん、今のはいい、とってもいいと頷いているのが印象的である。
「先生にですね、どうしてもお願いがあるんですが、季尾先生の力でどうにかして俺をモテさせてくださいませんかね」
この言葉で回想を終えて、テレビに注目する。
ここからトークがいきなり面白くなり始めた、それこそ季美は困惑し、いきなり言われてもというのだが、どんどん話が乗っていき、最終的には季美のおかん気質に火をつけた。
「でもよ、母ちゃん、俺はどうしてもモテたいんだ」
そこで傘目はむせかけたという。
ここで食堂にアナウンスが流れる。
「戦闘許可証更新の準備ができましたので…」
そのまま急いでラーメンを食べきり、傘目は受け付けに向かった。
佐藤季美ゲストの回は、彼女はトークをしてもいけるということがわかったので。
「というわけで新番組が始まりました」
この二人でレギュラー番組が開始されたという。
「よろしくお願いします」
「俺はまだモテたいという気持ちに諦めがついてませんので、先生には是非ともそういった作品を製作してもらうべく、頑張っていきたいと思います」
テーマはあるが、毎回どうしても俺はモテたいの話に脱線し、そこで話が乗ってしまうのがこの番組の面白いところでもあり。
「たぶんどっちかが譲ってしまったら、面白くなると思う」
「それはそうだけども、俺がモテて番組が終わってもいいのよ」
「代表作になるようなものはやってみたいとは思うけども、モテるかどうかはちょっとわからない」
「いやいやいや、そこは重要でしょうよ、他の人に素晴らしい曲や台詞を提供しているわけですから、そのお力を是非にって」
「この辺が難しいんですよね、ファンというのはその人の違う魅力を楽しみたいと思うので、お仕事が来たら、今までどういうお仕事をしているのかとか読み込んだり、お芝居見させていたりはするんですけども、この人をモテさせたいっていう感じで作ったことはないんですよ」
「でも話に聞いたところ、女性ファンがすごい増えたっていう話がありますよね」
「あれは運が良かったと思います」
「運ですか」
「お話をもらったときに、こういうのもたぶんできると思いますよって並べたんですよ、今までやったこたがないだろうけども、こういう可能性がありますよって、それで面白そうだねってことでやってみたら、予想外にウケた」
「俺も予想外にウケてみてえな」
「この辺は選ぶのはファンだと思うんですよ、私としては毎回ある程度以上は目標や課題を越えないといけない、それでやって来てますから」
「でもどっかでいいから、俺をモテさせる何かをよろしくお願いします」
創作論をモテたいというわかりやすい感情で伝える、そのおもしろさが人気の秘密のようです。
「ラーメンお待ちの方」
「はい、はーい」
傘目はもう終えたらしい。
もちろん参考書、過去問を販売している会社への報告は済み、現在速報として有料で本日の問題が公表されている。
(試験のときになると、こういう食事がつくのも嬉しいな)
支部にもよるが、受験社用の食事というのが無料で振る舞われることがあり、このラーメンはそれである。
ただ前日まではラーメンではなかったが。
「どうしてもラーメンがな、作りたくてな」
この支部の食堂責任者が、最高のラーメンに挑みたくなったとか言い出してメニューを変えたのである。
「いただきます」
匂いからして旨そう、本来ならば大盛りで頼みたかったが、そこは無償であるし、受験生全員に行き渡る数しかないだろうから我慢する。
食堂には傘目しかおらず、食堂のテレビはトーク番組が始まっていた。
(あの子は)
ゲストとして登場したのは。
「アーティストの佐藤季尾(さとうきび)さんです、本日はよろしくお願いします」
あまりこういうものを見ない傘目だが、この子は知ってる、道場の学生たちがこの間、俺たちの稽古を見てた人の中に、あれは絶対佐藤季尾だってという話をしていたからである。
「へぇ」
「傘目さんのファンのおっさんと話していたんですけども、知りません?」
「あっ、あの人とか」
「傘目さん、おっさんのファンたち多いからな」
「川沿いで見てるときは近所の人たちなんだろうなって思ったけども、年明けの大会があったときに、観客席にいてすんごい驚いた」
たぶん休みだったのだろうが、おっさんファンが一本取るたびに、うんうん、今のはいい、とってもいいと頷いているのが印象的である。
「先生にですね、どうしてもお願いがあるんですが、季尾先生の力でどうにかして俺をモテさせてくださいませんかね」
この言葉で回想を終えて、テレビに注目する。
ここからトークがいきなり面白くなり始めた、それこそ季美は困惑し、いきなり言われてもというのだが、どんどん話が乗っていき、最終的には季美のおかん気質に火をつけた。
「でもよ、母ちゃん、俺はどうしてもモテたいんだ」
そこで傘目はむせかけたという。
ここで食堂にアナウンスが流れる。
「戦闘許可証更新の準備ができましたので…」
そのまま急いでラーメンを食べきり、傘目は受け付けに向かった。
佐藤季美ゲストの回は、彼女はトークをしてもいけるということがわかったので。
「というわけで新番組が始まりました」
この二人でレギュラー番組が開始されたという。
「よろしくお願いします」
「俺はまだモテたいという気持ちに諦めがついてませんので、先生には是非ともそういった作品を製作してもらうべく、頑張っていきたいと思います」
テーマはあるが、毎回どうしても俺はモテたいの話に脱線し、そこで話が乗ってしまうのがこの番組の面白いところでもあり。
「たぶんどっちかが譲ってしまったら、面白くなると思う」
「それはそうだけども、俺がモテて番組が終わってもいいのよ」
「代表作になるようなものはやってみたいとは思うけども、モテるかどうかはちょっとわからない」
「いやいやいや、そこは重要でしょうよ、他の人に素晴らしい曲や台詞を提供しているわけですから、そのお力を是非にって」
「この辺が難しいんですよね、ファンというのはその人の違う魅力を楽しみたいと思うので、お仕事が来たら、今までどういうお仕事をしているのかとか読み込んだり、お芝居見させていたりはするんですけども、この人をモテさせたいっていう感じで作ったことはないんですよ」
「でも話に聞いたところ、女性ファンがすごい増えたっていう話がありますよね」
「あれは運が良かったと思います」
「運ですか」
「お話をもらったときに、こういうのもたぶんできると思いますよって並べたんですよ、今までやったこたがないだろうけども、こういう可能性がありますよって、それで面白そうだねってことでやってみたら、予想外にウケた」
「俺も予想外にウケてみてえな」
「この辺は選ぶのはファンだと思うんですよ、私としては毎回ある程度以上は目標や課題を越えないといけない、それでやって来てますから」
「でもどっかでいいから、俺をモテさせる何かをよろしくお願いします」
創作論をモテたいというわかりやすい感情で伝える、そのおもしろさが人気の秘密のようです。
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