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ポジティブタイコ
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旧校舎での授業の際には、螺殻(らがら)ミツも出席するので、その授業中、保護者が傘目(かさめ)先生と共に、呪いやら何やらの駆除を行うという形に自然となっていった。
「お姫様たちの元に、君たちは行かせるわけにはいかないのさ」
(ここで普通にお姫様とかいう単語でるんだもんな)
傘目は隣の覆木(おおうき)。
「それには君の協力が必要不可欠だと思ってる」
「そこはこちらの台詞ですよ」
「そうかな?」
「覆木さんの名前は…この業界にいたら、わりと早くに聞くし、すごい人とさて名前も上がるでしょう」
「俺からすると君だってなかなかのものだよ」
「いやいや、私より腕前が上の人間はいますから」
「そうはいないと、もしかして、あれ?自信がないとか?」
「過信しないと思っていただければ」
「君ってもしかして意外と毒舌なのかな?」
「庶民ですよ、こっちとら」
「そのしゃべり方とかも気になるんだよね、丁寧なのは教師として大事だけどもさ」
「しかし…腕前すごいですね」
「そう?」
「見えたと思ったら、もう撃ち落としてる、私だと近づかなきゃいけないから、少し時間がかかる」
「傘目くんがいてくれると、弾丸の節約になるから助かるよ、それに逆に一歩で距離をつめれる相手にはそっちの方が強いじゃない」
(だんだんわかってきた)
それは共通の認識。
この話から、お互いが得意とする、特性を理解したやり方に変わっていく。
距離があるものは覆木が、近づいてくるものには傘目がまずは動く。
「今のって狙えるんですか?」
「隙間あったじゃん」
「針の穴ぐらいの隙間ですよね」
「事務所では精密射撃担当なんで」
「役割ってあったんですね」
「代わりが利かないものが担当になっていったって感じ、ミツは被害者の中に女性がいたりする場合の付き添いをお願いするし、俺が精密射撃担当するときの運転は、瀬旭(あさひ)とか、この間会ったとおもうけども、水芭(みずば)はわりとなんでも出来るから、うちの事務所の中barがあるんだけど」
「なんですか、そのお洒落空間は!」
「傘目先生も一度遊びに来てみない、歓迎するよ」
「酒の味はそこまでわかる方じゃないですよ」
「ご飯も美味しいよ」
「それは惹かれますね」
「あっ、ミツが言ってたもんね、先生はいっぱい食べるって」
「螺殻さんそんなこといってるんですか?」
「あの子は色んなことに気づいちゃう方だよ、そしてうちはメニュー安いよ、だいたいこのぐらいで…」
「安!このご時世に」
「元々うちの協力者のみんなが飲み食いするところだしね、特に今なら安く感じるんじゃないかな、授業の行事があった場合は、前もっていってくれたら、水芭が作って持っていかせますとまでいってくれているから、好意に甘えたらいいんじゃないかな」
「それって、そうじゃないお持ち帰りとかできますか?」
「出来るよ」
「あ~それじゃあ」
ちょうど傘目は困っていたらしい。
「急にうちの集まりで、その差し入れしたほうがいいんですが」
「剣士はびっくりするほど食べるからな」
「今日帰ったら聞いておくから、後で連絡するね」
「よろしくお願いします」
「傘目先生、うちの事務所に来てくれないかな」
「気に入ってますね」
「まあ、しょうがないだろ、俺らにまずついてこれるやつがいないんだから、覆木は特に昔から、自分についてくる奴は評価が高いから」
「寂しいとね、つまんないんだよね、だから昔、お前にもいったでしょ、一緒にやんない?面白いことになるよって、今、十分に面白くない?」
「面白いよ、確かに、もっと賑やかにやれるとは思ったが、そうはいかないものな」
防犯の関係上、人間関係は限られることになっている。
「あなた方は何と戦ってるんですか?っても聞かれたけども、あまりにもいい質問でゾクっと来たよ」
「なんて返したんですか?」
「俺は好きなように生きているだけだけども、それを気にくわないと思っている相手がたくさんいるだけさってことで」
「生きてるだけで苦労するタイプだからな、こいつは」
「逆にお前はミツをなんで連れてきたのさ、可愛かったから以外で答えてよ」
「そろそろ引退を考える頃でしょ?年齢的に」
「えっ?お前、そんなこと考えていたの?」
「考えてましたよ、ミツの動きが気になったとき、レクチャーしたの、その時にわかったというか、ミツは女の子だから、俺らと同じやり方で教えると、体の負担が辛いことになるわけ、ミツ用に直して教えたとき、あれ?これ俺も使えるんじゃねえ?みたいな」
「新しい可能性を見たのか」
「ああ、勝手な話だよ、このまま行けば限界がどっかに来る、そういう奴っていたじゃない、すごい才能だともてはやされて、しばらく名前聞かなくなったと思ったら、あいつ怪我して引退してとか、死んだとか、その番が自分にも回ってくるんだろうなって見えたんだが、あの時それが無くなったんだよ、俺ってまだまだ行けるんだなって」
「勝手だな」
「それはわかってる」
「尚更悪い」
「でもそれはほんのちょっとだけ、後は可愛いから連れてきた」
「そういうことにしておいてやるよ」
「どっちの理由でも言わない方がいいですよ、嫌われると思います」
「…」
「お前、まさかそういうことが起きる可能性があるとか全く考えてなかったわけ?」
「そうだよな、嫌われちゃうよな、ダメなお父さんでごめんよ」
「ああ、そうそう、傘目先生の差し入れのお持ち帰り、車でこちらまで引き取りに来て下されるかも聞いてくれますか?」
「わかった、…こちらからお願いしたのですから当日の朝向かわせていただきますと」
「どうしたの?」
「食材が、在庫が出たのでどうだろうか?って、業者さんからの連絡が来て」
「食べ物?」
「焼きそば用の生麺ですね」
「ああ、それは買いでいいとは思う、剣士はよう食べるからさ」
道場のそばに食べ放題のお店は出来ないぐらいです。
「何キロぐらい買うの?」
「何キロぐらいが、ちょっと傘目先生に直接聞きますね。
傘目先生、今回稽古に来るみなさんはどれだけ食べますか?
「いっぱい食べるって言われました」
「いっぱいか…」
「余ると困りますから、焼きそば十キロぐらいでしょうかね」
カツ煮とご飯、そしてサービスの焼きそば十キロがbarのキッチンで作られたという。
「ミツさん、ここまでの量だと搬入大変だから、先生に付き添って」
「わかりました」
「後で、俺が迎えに行くから」
瀬旭は用事があるので、それを済ませてから、ミツと機材を回収する。
「えっ、そこまでしてくれるの?」
搬入の手伝いまでしてくれるというのに驚いた。
(焼きそばまでついて、これで一人辺りこの金額でやってくれたら、次も頼みたくなるよ)
「じゃあ、積みますね」
重いものもテキパキと車に積んでいく。
「失礼します」
道場に知らない女性が挨拶をしてやってくると。
練習中の剣士たちは、みな足を止めた。
(誰だよ、あの子)
(可愛いんだけども)
「みんな、頑張ってる?」
傘目の姿を後ろに見たら、あいつの彼女かよ!となったが。
「この方はうちの生徒さん、今日の差し入れを一緒に運んでくれたわけ」
「みなさんいっぱい食べるそうなんで、いっぱい用意しました」
「あの、俺も手伝います」
「俺も」
少々早くご飯を食べることになってしまったが、ミツはお代わり用のジャーの前で待ってるので。
「お代わりください」
「はい、わかりました」
(おかわりが消えるスピードがすんごい早い)
と傘目が思っていたが、カツ煮をじっくりと味わいたいという気持ちが勝ったので、たぶんおかわりは諦めようとすると。
「先生、ご飯のおかわりは?」
ミツが先に聞いてきた。
「まだなら先生のぶん、残しておきますね」
クッ…
(視線が痛いな、しょうがないのだけどもさ、あっ、焼きそばも旨いな)
女っ気なしの集まりだとこうなりがちである。
「あの、お名前は何て言うんですか?」
「螺殻ミツといいます、よろしくお願いします」
「結婚してください」
一人フライングしたのが出て、さすがの傘目も気管に何か入った。
「すいません、お断りします」
結婚を申し込んだ奴は泣き、他の奴らにつれてかれた。
「あっ、先生、大丈夫ですか?」
「うん、ごめんね、水とってくれると」
「はい、わかりました」
水を渡した際に。
(不快な思いをさせてごめんなさい、後で俺も説教しておくし、他にも何かあったらすぐにいって)
さっきまでのトーンとは変わって、真面目に耳打ちされたあと。
「ごめーん、俺、今、すんごいカツ煮くさい」
「先生からはいい匂いしましたから、私も帰ってから食べたいと思います」
(いい匂いするのはカツ煮だけじゃなく、そっちもでしょうが)
「ミツ、お待たせ」
持ち帰る容器などをトランクに積み込んで、瀬旭が運転する車両は走り出した。
「何か買い物とかあるかい?」
「そういえばシャンプーが、今使ってるのって覆木さんからもらったものなんで」
これはミツの前職で、覆木が泊まっていたホテルのアメニティでした。
「新しいの買おうかなって思ったら、ちょうど使ってないからっていただきまして」
髪がツルツルになりました。
「毎日補充されているけども、覆木さんは自分の決めたものを使うタイプなんで、それならってことで、ちょうど引っ越しもありましたから、大きい、お買い得用のサイズを買うのもなんだなって、あれこっちの世界のメーカーなんですよね」
「どこのか聞けばいいよ」
「そうですね」
しかし、同じものはリゾートホテル用のものなので、ホテルに行かなければ購入できないし、とても高いが、そのメーカーの比較的お買い得なものはこのサイトを見て決めればいいと教えてもらう。
「それで買ってきました」
あなたにいつも元気を、ポジティブタイコ!
「ポジティブタイコ!」
「タイコは昔からの髪へいいとされている成分と、ツボでリズミカルな刺激の太鼓をかけているそうなんです」
ミツは使ってみたら艶が違うんですと喜んでいた。
登場人物は変わり行くこの作品ではあるが、あのメーカーの立ち位置、存在感は変わることはない。
むしろ、あれ…消えるのか?
「お姫様たちの元に、君たちは行かせるわけにはいかないのさ」
(ここで普通にお姫様とかいう単語でるんだもんな)
傘目は隣の覆木(おおうき)。
「それには君の協力が必要不可欠だと思ってる」
「そこはこちらの台詞ですよ」
「そうかな?」
「覆木さんの名前は…この業界にいたら、わりと早くに聞くし、すごい人とさて名前も上がるでしょう」
「俺からすると君だってなかなかのものだよ」
「いやいや、私より腕前が上の人間はいますから」
「そうはいないと、もしかして、あれ?自信がないとか?」
「過信しないと思っていただければ」
「君ってもしかして意外と毒舌なのかな?」
「庶民ですよ、こっちとら」
「そのしゃべり方とかも気になるんだよね、丁寧なのは教師として大事だけどもさ」
「しかし…腕前すごいですね」
「そう?」
「見えたと思ったら、もう撃ち落としてる、私だと近づかなきゃいけないから、少し時間がかかる」
「傘目くんがいてくれると、弾丸の節約になるから助かるよ、それに逆に一歩で距離をつめれる相手にはそっちの方が強いじゃない」
(だんだんわかってきた)
それは共通の認識。
この話から、お互いが得意とする、特性を理解したやり方に変わっていく。
距離があるものは覆木が、近づいてくるものには傘目がまずは動く。
「今のって狙えるんですか?」
「隙間あったじゃん」
「針の穴ぐらいの隙間ですよね」
「事務所では精密射撃担当なんで」
「役割ってあったんですね」
「代わりが利かないものが担当になっていったって感じ、ミツは被害者の中に女性がいたりする場合の付き添いをお願いするし、俺が精密射撃担当するときの運転は、瀬旭(あさひ)とか、この間会ったとおもうけども、水芭(みずば)はわりとなんでも出来るから、うちの事務所の中barがあるんだけど」
「なんですか、そのお洒落空間は!」
「傘目先生も一度遊びに来てみない、歓迎するよ」
「酒の味はそこまでわかる方じゃないですよ」
「ご飯も美味しいよ」
「それは惹かれますね」
「あっ、ミツが言ってたもんね、先生はいっぱい食べるって」
「螺殻さんそんなこといってるんですか?」
「あの子は色んなことに気づいちゃう方だよ、そしてうちはメニュー安いよ、だいたいこのぐらいで…」
「安!このご時世に」
「元々うちの協力者のみんなが飲み食いするところだしね、特に今なら安く感じるんじゃないかな、授業の行事があった場合は、前もっていってくれたら、水芭が作って持っていかせますとまでいってくれているから、好意に甘えたらいいんじゃないかな」
「それって、そうじゃないお持ち帰りとかできますか?」
「出来るよ」
「あ~それじゃあ」
ちょうど傘目は困っていたらしい。
「急にうちの集まりで、その差し入れしたほうがいいんですが」
「剣士はびっくりするほど食べるからな」
「今日帰ったら聞いておくから、後で連絡するね」
「よろしくお願いします」
「傘目先生、うちの事務所に来てくれないかな」
「気に入ってますね」
「まあ、しょうがないだろ、俺らにまずついてこれるやつがいないんだから、覆木は特に昔から、自分についてくる奴は評価が高いから」
「寂しいとね、つまんないんだよね、だから昔、お前にもいったでしょ、一緒にやんない?面白いことになるよって、今、十分に面白くない?」
「面白いよ、確かに、もっと賑やかにやれるとは思ったが、そうはいかないものな」
防犯の関係上、人間関係は限られることになっている。
「あなた方は何と戦ってるんですか?っても聞かれたけども、あまりにもいい質問でゾクっと来たよ」
「なんて返したんですか?」
「俺は好きなように生きているだけだけども、それを気にくわないと思っている相手がたくさんいるだけさってことで」
「生きてるだけで苦労するタイプだからな、こいつは」
「逆にお前はミツをなんで連れてきたのさ、可愛かったから以外で答えてよ」
「そろそろ引退を考える頃でしょ?年齢的に」
「えっ?お前、そんなこと考えていたの?」
「考えてましたよ、ミツの動きが気になったとき、レクチャーしたの、その時にわかったというか、ミツは女の子だから、俺らと同じやり方で教えると、体の負担が辛いことになるわけ、ミツ用に直して教えたとき、あれ?これ俺も使えるんじゃねえ?みたいな」
「新しい可能性を見たのか」
「ああ、勝手な話だよ、このまま行けば限界がどっかに来る、そういう奴っていたじゃない、すごい才能だともてはやされて、しばらく名前聞かなくなったと思ったら、あいつ怪我して引退してとか、死んだとか、その番が自分にも回ってくるんだろうなって見えたんだが、あの時それが無くなったんだよ、俺ってまだまだ行けるんだなって」
「勝手だな」
「それはわかってる」
「尚更悪い」
「でもそれはほんのちょっとだけ、後は可愛いから連れてきた」
「そういうことにしておいてやるよ」
「どっちの理由でも言わない方がいいですよ、嫌われると思います」
「…」
「お前、まさかそういうことが起きる可能性があるとか全く考えてなかったわけ?」
「そうだよな、嫌われちゃうよな、ダメなお父さんでごめんよ」
「ああ、そうそう、傘目先生の差し入れのお持ち帰り、車でこちらまで引き取りに来て下されるかも聞いてくれますか?」
「わかった、…こちらからお願いしたのですから当日の朝向かわせていただきますと」
「どうしたの?」
「食材が、在庫が出たのでどうだろうか?って、業者さんからの連絡が来て」
「食べ物?」
「焼きそば用の生麺ですね」
「ああ、それは買いでいいとは思う、剣士はよう食べるからさ」
道場のそばに食べ放題のお店は出来ないぐらいです。
「何キロぐらい買うの?」
「何キロぐらいが、ちょっと傘目先生に直接聞きますね。
傘目先生、今回稽古に来るみなさんはどれだけ食べますか?
「いっぱい食べるって言われました」
「いっぱいか…」
「余ると困りますから、焼きそば十キロぐらいでしょうかね」
カツ煮とご飯、そしてサービスの焼きそば十キロがbarのキッチンで作られたという。
「ミツさん、ここまでの量だと搬入大変だから、先生に付き添って」
「わかりました」
「後で、俺が迎えに行くから」
瀬旭は用事があるので、それを済ませてから、ミツと機材を回収する。
「えっ、そこまでしてくれるの?」
搬入の手伝いまでしてくれるというのに驚いた。
(焼きそばまでついて、これで一人辺りこの金額でやってくれたら、次も頼みたくなるよ)
「じゃあ、積みますね」
重いものもテキパキと車に積んでいく。
「失礼します」
道場に知らない女性が挨拶をしてやってくると。
練習中の剣士たちは、みな足を止めた。
(誰だよ、あの子)
(可愛いんだけども)
「みんな、頑張ってる?」
傘目の姿を後ろに見たら、あいつの彼女かよ!となったが。
「この方はうちの生徒さん、今日の差し入れを一緒に運んでくれたわけ」
「みなさんいっぱい食べるそうなんで、いっぱい用意しました」
「あの、俺も手伝います」
「俺も」
少々早くご飯を食べることになってしまったが、ミツはお代わり用のジャーの前で待ってるので。
「お代わりください」
「はい、わかりました」
(おかわりが消えるスピードがすんごい早い)
と傘目が思っていたが、カツ煮をじっくりと味わいたいという気持ちが勝ったので、たぶんおかわりは諦めようとすると。
「先生、ご飯のおかわりは?」
ミツが先に聞いてきた。
「まだなら先生のぶん、残しておきますね」
クッ…
(視線が痛いな、しょうがないのだけどもさ、あっ、焼きそばも旨いな)
女っ気なしの集まりだとこうなりがちである。
「あの、お名前は何て言うんですか?」
「螺殻ミツといいます、よろしくお願いします」
「結婚してください」
一人フライングしたのが出て、さすがの傘目も気管に何か入った。
「すいません、お断りします」
結婚を申し込んだ奴は泣き、他の奴らにつれてかれた。
「あっ、先生、大丈夫ですか?」
「うん、ごめんね、水とってくれると」
「はい、わかりました」
水を渡した際に。
(不快な思いをさせてごめんなさい、後で俺も説教しておくし、他にも何かあったらすぐにいって)
さっきまでのトーンとは変わって、真面目に耳打ちされたあと。
「ごめーん、俺、今、すんごいカツ煮くさい」
「先生からはいい匂いしましたから、私も帰ってから食べたいと思います」
(いい匂いするのはカツ煮だけじゃなく、そっちもでしょうが)
「ミツ、お待たせ」
持ち帰る容器などをトランクに積み込んで、瀬旭が運転する車両は走り出した。
「何か買い物とかあるかい?」
「そういえばシャンプーが、今使ってるのって覆木さんからもらったものなんで」
これはミツの前職で、覆木が泊まっていたホテルのアメニティでした。
「新しいの買おうかなって思ったら、ちょうど使ってないからっていただきまして」
髪がツルツルになりました。
「毎日補充されているけども、覆木さんは自分の決めたものを使うタイプなんで、それならってことで、ちょうど引っ越しもありましたから、大きい、お買い得用のサイズを買うのもなんだなって、あれこっちの世界のメーカーなんですよね」
「どこのか聞けばいいよ」
「そうですね」
しかし、同じものはリゾートホテル用のものなので、ホテルに行かなければ購入できないし、とても高いが、そのメーカーの比較的お買い得なものはこのサイトを見て決めればいいと教えてもらう。
「それで買ってきました」
あなたにいつも元気を、ポジティブタイコ!
「ポジティブタイコ!」
「タイコは昔からの髪へいいとされている成分と、ツボでリズミカルな刺激の太鼓をかけているそうなんです」
ミツは使ってみたら艶が違うんですと喜んでいた。
登場人物は変わり行くこの作品ではあるが、あのメーカーの立ち位置、存在感は変わることはない。
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