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悪魔のしっぽ
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「しかし、風呂まで使えるとは思わなかった」
「さすがに水の無駄遣いまではカバーしきれないぞ」
「あれはどうなっているんだ?」
「それはだな…」
難しい言葉で説明される。
「言ってることわからねえよ、リーダー、通訳」
「水を作って、使った水は分解してる」
「それなら俺でもわかる、さすがはリーダー」
組んで二回目のパーティー、ホテルニューサンラック内に作られた拠点、ダイニングルームより。
「でも泥は無理して洗うなよ」
「そこはな、しょうがねえな」
ブラシで取り除くぐらいではあるが、快適さが段違い。
「しかし、リーダー、向こう側の人だったら、こんな生活普通にできたんじゃねえの?」
「さすがにそんな中、悪魔が取引持ちかけてきたら、普通ではいられないよ」
また来そう。
「ふむ、悪魔か、悪魔のような人間ではなく?」
「悪魔だね、KCJがそう認定してた」
やっと尻尾をつかんだぜ!
「こっちでもおとぎ話みたいだな、何をして来たんだ?」
「夢見せてきて、あっ、うち家族仲すさまじく悪いと思って」
「そんなん俺のところじゃ当たり前さ」
「母が死んだ夢を見せられて、夢だった気づかないぐらい、それで父親が、久しぶりにあったが悲しんでいたんだよ、やっぱり夫婦なのかなって、そこに」
すいません、ご家族の方、まことに申し訳ありませんが、手続きを~
「その中に、本物の悪魔の契約書が混ざっててさ」
「どうやって気づいたんだ?」
「それこそ父親だよ」
あれ、久しぶりに会ったのに、なんで子供の頃のままなんだって。
「若かった、そこで手が止まったら夢から覚めちゃって、虫の知らせ、ええっと予感があって、そんなもの見たのかな?と思ったら、母親は相変わらず好き勝手生きてたんだよね」
特にそのままにしていたが。
「ある時道を歩いていたら、猫が、ちょん!といてさ、珍しいな、子猫じゃんって思ったら、それがケットシーで、ケットシーになつかれてな、ケットシーって辺りのボスを勤めている種族で」
「あ~こっちだと酒場なんかにいるな、荒くれものどもがおとなしくなるぜ」
「強いんだってね、そういうのも本当に知らなくて、そこで飼い主かと思ったら、KCJの人を鳴き声で呼んじゃって」
「ああ、それ役所で手続き踏んだ方がいいですよ、役所の方にうちのパンフレットも置いてますから、よろしければどうぞ」
「どういうことをしている会なんだ?」
「人より長生きのケットシーが、道を踏み外さないようにしているところって言えばいいのかな、きちんとボスしてくれたらいいけども、ほら、そういうのがわからないと寂れるから」
「俺は頭が悪いからきちんと稼がせてくれるようなら、リーダーはもちろん、ケットシーでもいいぜ」
(リーダー、それは私からも頼む、こういうやつは、引退が見えてくると一攫千金に引っ掛かる)
( わかった)
「まっ、そのつもりだし、準備とかも頼むと思うよ」
「そっか、それなら安心して酒が飲めそうだ」
「リーダー、酒はさすがに飲めないが、肴だかでも口にできんか?」
「うん、塩漬けにしたものだけ持ってきたけども」
瓶一つ。
「なんなの?これ」
「鮭の塩辛だ」
岩手名物鮭の塩辛。
「あ~美味しいもの食べようとしてる」
風呂上がりの女性陣がやってきた。
「ちゃんと味見はできるよ」
「海の匂いがする」
「さすがに冷蔵しなければ持ち運べないものはできないから、昔からの作りで、塩分強め」
「酒が飲みたい」
「今回の仕事が終わったら、用意してるから」
鮭の塩辛、地元の日本酒を用意してます。
「俺たち向こうの金を得る機会がないし、持つべきは向こう側出身のリーダーだぜ」
「逆にこっち側のお金は持ってないからな」
共通通過ではなく地域限定の貨幣なので、例えば銀でも、円の使えるところでは、貨幣としての価値を持たない。
リーダーは元々は護衛対象であり、地域の顔役である商人の依頼であった。
このパーティはその商人共通の知り合いという感じ。
「まあ、あのおじさんの紹介なら悪くないし」
「そうだな、もしも騙すとかなら、世の中の悪人がみんな善人になっちまうから」
この二人は気軽に受けたらしい。
「その前の依頼で手痛い終わりを迎えたからちょうど良かった、元が取れた」
「あの時魔法と科学が自分の中で一つになったから、これは新しい感覚だ」
残り二人はかなりのメリットをリーダーに感じたのである。
「魔法と科学については、知識としてはもうあったんだから、あの時じゃなくても、そのうち覚えたんじゃないかな」
「そのうちなんて待つもんじゃない、魔法使いはせっかちなんだ」
「へぇ、そんなんだ」
「それはチャンスは掴めるうちにっていう意味よ」
こういった世界が重複した街に生れ育たなければ、言葉の解説などもしてもらえないだろう。
「明日は、あの倒すとまた次の何かが出てきちゃう駐車場で、余裕をもたせた状態で出来るだけ蓄えます」
「ああ、わかった」
「でも結界があるとすんごい楽だよね」
「それは時間の調整も出来るから、じゃなかったら、ずっと結界をどんどん叩かれるわよ」
それこそリーダーの時間干渉で、こちらが休憩できるほどの時間を作る。
それこそゆっくり、ドン!と最初の一発が届く頃には休憩が終われるぐらいである。
「これもね、結界がないとね、使い勝手悪いんだよ」
仕切りがあるから、外側と内側を調整しやすい。でなければ、みんな早いか、遅いかになりがち。
「自衛もそこから習ってきてはいるけどもさ、同じ年ぐらいの活躍している人たちって何をしているのかなって思ったんだけども、心構えぐらいしか参考にならなかった」
活躍しているのは二人いて、あるものは未開の地をずんずん切り開いて、ザクザクしていくタイプ。もう一人は物静かだが、勘でとんでもないことをするタイプ。
二人とも太刀筋も違うが、真似できるやついないだろうなとその時思った。
(実際真似できる人未だに現れてないそうから、やっぱり参考にならないよな)
というわけでそこで学んだこと、ザクザクタイプからは高確率でいけるならば勝負は仕掛けること、そうすれば得られるものが大きい。
勘でとんでもないことをするタイプからは、不安定に思えるような状況下では、味方に安心をしてもらえること、またその役は率先して担うことというのを読み取れたので、主にその心構えからやれることを覚えていったのではあるのだが。
謙遜はするが、リーダー、あなたも結構あっち側の人間だと思いますよ。
「さすがに水の無駄遣いまではカバーしきれないぞ」
「あれはどうなっているんだ?」
「それはだな…」
難しい言葉で説明される。
「言ってることわからねえよ、リーダー、通訳」
「水を作って、使った水は分解してる」
「それなら俺でもわかる、さすがはリーダー」
組んで二回目のパーティー、ホテルニューサンラック内に作られた拠点、ダイニングルームより。
「でも泥は無理して洗うなよ」
「そこはな、しょうがねえな」
ブラシで取り除くぐらいではあるが、快適さが段違い。
「しかし、リーダー、向こう側の人だったら、こんな生活普通にできたんじゃねえの?」
「さすがにそんな中、悪魔が取引持ちかけてきたら、普通ではいられないよ」
また来そう。
「ふむ、悪魔か、悪魔のような人間ではなく?」
「悪魔だね、KCJがそう認定してた」
やっと尻尾をつかんだぜ!
「こっちでもおとぎ話みたいだな、何をして来たんだ?」
「夢見せてきて、あっ、うち家族仲すさまじく悪いと思って」
「そんなん俺のところじゃ当たり前さ」
「母が死んだ夢を見せられて、夢だった気づかないぐらい、それで父親が、久しぶりにあったが悲しんでいたんだよ、やっぱり夫婦なのかなって、そこに」
すいません、ご家族の方、まことに申し訳ありませんが、手続きを~
「その中に、本物の悪魔の契約書が混ざっててさ」
「どうやって気づいたんだ?」
「それこそ父親だよ」
あれ、久しぶりに会ったのに、なんで子供の頃のままなんだって。
「若かった、そこで手が止まったら夢から覚めちゃって、虫の知らせ、ええっと予感があって、そんなもの見たのかな?と思ったら、母親は相変わらず好き勝手生きてたんだよね」
特にそのままにしていたが。
「ある時道を歩いていたら、猫が、ちょん!といてさ、珍しいな、子猫じゃんって思ったら、それがケットシーで、ケットシーになつかれてな、ケットシーって辺りのボスを勤めている種族で」
「あ~こっちだと酒場なんかにいるな、荒くれものどもがおとなしくなるぜ」
「強いんだってね、そういうのも本当に知らなくて、そこで飼い主かと思ったら、KCJの人を鳴き声で呼んじゃって」
「ああ、それ役所で手続き踏んだ方がいいですよ、役所の方にうちのパンフレットも置いてますから、よろしければどうぞ」
「どういうことをしている会なんだ?」
「人より長生きのケットシーが、道を踏み外さないようにしているところって言えばいいのかな、きちんとボスしてくれたらいいけども、ほら、そういうのがわからないと寂れるから」
「俺は頭が悪いからきちんと稼がせてくれるようなら、リーダーはもちろん、ケットシーでもいいぜ」
(リーダー、それは私からも頼む、こういうやつは、引退が見えてくると一攫千金に引っ掛かる)
( わかった)
「まっ、そのつもりだし、準備とかも頼むと思うよ」
「そっか、それなら安心して酒が飲めそうだ」
「リーダー、酒はさすがに飲めないが、肴だかでも口にできんか?」
「うん、塩漬けにしたものだけ持ってきたけども」
瓶一つ。
「なんなの?これ」
「鮭の塩辛だ」
岩手名物鮭の塩辛。
「あ~美味しいもの食べようとしてる」
風呂上がりの女性陣がやってきた。
「ちゃんと味見はできるよ」
「海の匂いがする」
「さすがに冷蔵しなければ持ち運べないものはできないから、昔からの作りで、塩分強め」
「酒が飲みたい」
「今回の仕事が終わったら、用意してるから」
鮭の塩辛、地元の日本酒を用意してます。
「俺たち向こうの金を得る機会がないし、持つべきは向こう側出身のリーダーだぜ」
「逆にこっち側のお金は持ってないからな」
共通通過ではなく地域限定の貨幣なので、例えば銀でも、円の使えるところでは、貨幣としての価値を持たない。
リーダーは元々は護衛対象であり、地域の顔役である商人の依頼であった。
このパーティはその商人共通の知り合いという感じ。
「まあ、あのおじさんの紹介なら悪くないし」
「そうだな、もしも騙すとかなら、世の中の悪人がみんな善人になっちまうから」
この二人は気軽に受けたらしい。
「その前の依頼で手痛い終わりを迎えたからちょうど良かった、元が取れた」
「あの時魔法と科学が自分の中で一つになったから、これは新しい感覚だ」
残り二人はかなりのメリットをリーダーに感じたのである。
「魔法と科学については、知識としてはもうあったんだから、あの時じゃなくても、そのうち覚えたんじゃないかな」
「そのうちなんて待つもんじゃない、魔法使いはせっかちなんだ」
「へぇ、そんなんだ」
「それはチャンスは掴めるうちにっていう意味よ」
こういった世界が重複した街に生れ育たなければ、言葉の解説などもしてもらえないだろう。
「明日は、あの倒すとまた次の何かが出てきちゃう駐車場で、余裕をもたせた状態で出来るだけ蓄えます」
「ああ、わかった」
「でも結界があるとすんごい楽だよね」
「それは時間の調整も出来るから、じゃなかったら、ずっと結界をどんどん叩かれるわよ」
それこそリーダーの時間干渉で、こちらが休憩できるほどの時間を作る。
それこそゆっくり、ドン!と最初の一発が届く頃には休憩が終われるぐらいである。
「これもね、結界がないとね、使い勝手悪いんだよ」
仕切りがあるから、外側と内側を調整しやすい。でなければ、みんな早いか、遅いかになりがち。
「自衛もそこから習ってきてはいるけどもさ、同じ年ぐらいの活躍している人たちって何をしているのかなって思ったんだけども、心構えぐらいしか参考にならなかった」
活躍しているのは二人いて、あるものは未開の地をずんずん切り開いて、ザクザクしていくタイプ。もう一人は物静かだが、勘でとんでもないことをするタイプ。
二人とも太刀筋も違うが、真似できるやついないだろうなとその時思った。
(実際真似できる人未だに現れてないそうから、やっぱり参考にならないよな)
というわけでそこで学んだこと、ザクザクタイプからは高確率でいけるならば勝負は仕掛けること、そうすれば得られるものが大きい。
勘でとんでもないことをするタイプからは、不安定に思えるような状況下では、味方に安心をしてもらえること、またその役は率先して担うことというのを読み取れたので、主にその心構えからやれることを覚えていったのではあるのだが。
謙遜はするが、リーダー、あなたも結構あっち側の人間だと思いますよ。
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