浜薔薇の耳掃除

Toki Jijyaku 時 自若

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雨宿りのコーヒーチケット

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ホラー展開があります。

「でさ…」
野外でキャンプをしてたんだ。
まあ、夏のこんな時期に涼しいところでって、そしたら暗闇からなんかへんな気配してさ。
「どうした?熊でもいたのか?」
「いたら怖いよ」
そんときはそんな話で終わってたんだけども。

別日、監視カメラの映像より…
ノイズが入る、少し荒い画像、暗闇で何かが動いたような気がする。
あっ、やっぱり何かいますね、…サメだ。
河川ザメの音声はないけども、たぶんメの方だな、なんでわかるかって、歩き方、陸上の歩行を一体で行っているし、それにほら、見てごらん、包丁を持ってる。


「というわけで、このキャンプ場は閉鎖となります」
「ふざけんなよ、ここまで来たのに」
「すいません、さすがにサメなので」
「何がサメなんだよ、そんなやつ俺がフカヒレにしてやるよ」
そんな自信を持ってる男さん、そういうこといってるとね…
「おい、どうした?」
「いや、気のせいかな、そこにサメがいたきがしたんだが」
「あ~サメは音もなく山野を歩けますからね」
「熊ぐらい怖いじゃん」
「今、うろついているのは、熊の子供よりちょっと大きいぐらいのサメなので、鳴き声を聞いたら、お前はもう逃げられないってことなんで、頑張って逃げてください」
「おい、怖いこと言うなよ」
そこにドォォォォォンという音。
「なんだよ、雷でも落ちてきたのかよ」
「こんなに晴れているのに?」
「でもさ、でっけぇ音で、こんなの雷でもないと」
「サメですね」
「サメなのかよ」
「怒りを大木にぶつけて、今、こちらを狙おうとしたのをやめたからでしょうね」
「やっぱり俺が見たのはサメ」
「顔見せました?」
「ああ、サメだった」
「尾ビレだったらそのままこっちに来てましたね」
「あんたは怖くないのかよ」
「山なんで、ルールを守らないと危ないんですよ」
「もう、こんなところ来ないから、あっ、そうだ、それだ、そうだから、キャンセルな」
「ちょっと待ってよ」
「知るか、置いていくぞ」
そういって男はまだローンもたくさん残っている車に乗り込み、エンジンをかけた。女に良いところを見せるつもりが、とんだことになった。
その時ドアミラーを覗くと、覗いたときに目が合うように包丁を持ったサメ、後先考えず粗っぽく急発進を車はした。

「あの辺り、ドライブするとサメが追いかけてくることがあるんですよ」
「サメが?」
「走って、包丁を持って、どんどん近づいて、運転席確認すると」

ちがう

「それで追いかけるのを諦めてくるんですよ、県警でもパトロールしてくれるといってるけども、サメですからね」
山の中に無闇に入らないこと。
「キャンプブームには乗りたいんだけども、こればっかりは…」

そんな中、山の恵みを求めて一攫千金を望むよそ者がやってきた。

サメは怒りを思いだし、包丁を振り回す。サメの怒りは958ヘクトパスカル!

「山が嵐に、だからサメは怒らせたらなんねえって」
その山にはサメが住む。
「俺の手が!手が、どっかにいっちまったよ」
「サメがサメが出たぞ!」
「あいつら俺らをみんな殺す気だよ!俺たちみんな信じまうんだよ」
「助けてくれ!!!!!」

低予算サメ映画、優秀賞受賞作。
「サメの山」

「普通に良かった」
「どの映画が来るか、予想は出てたけども、サメの山だとは思わなかったし、普通に怖かったな」
「やっぱり夏はサメ映画ですわ」
シークレット上映会が終わると、観客はシアタールームから出ていくのだが。
グッズ売り場にはサメ兄弟が珍しくいた。
常連たちは、おっ、珍しいじゃんなどと思っていたが。
「これから10分後に強い雨が、
そうですね、一時間ぐらいは降りますので」
「よろしければみなさんこれをどうぞ」
「雨宿りコーヒーチケット、本物始めてみるわ」
どしゃ降りの日に商店街で使えるコーヒーチケットである。
(どしゃ降りってなんでわかるのか、ああ、予報か)
それもそうだが、彼らはサメなので、二匹のサメ肌が艶々してきたら配ってる。

15分後にパラついた雨はすぐにザーザーと糸が見え、バチバチと叩くような音に変わった。


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