浜薔薇の耳掃除

Toki Jijyaku 時 自若

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ホテル ニューサンゴック

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異世界は現実とリンクするという話がある。
新しい現実との出会いがきっかけで、今まで見えなかった。
(あっ、ここ重複点じゃん) 
と気がつくことがある。
(というわけで我々はホテルニューサンゴックに来ています)
(二回目です)
(相変わらずボロくてお化けも出るだろうな)
「うちは相変わらずボロくてお化けも出るけどもいいかな?」
店主が経費削減とフロントにいるようなホテルである。
「ああ、頼む」
前払いのみの受付である。
ボロくて、お化けもでるのならば高いとも言えるが。
「うちはお客の事情までは興味はないんで」
そういう態度である。
「それで駐車場は使う?」
「前と同じ値段ならば」
「ああ、それでいいよ」
追加で駐車場代も払うが、さっきからお金は円ではない。
「毎度、相変わらず金払いがいいね」
足元見ている?
いや、違う理由がある。
部屋につくと、パーティーのメンバーの数にしては狭いが、結界を得意とする魔法使いがまず呪文を唱えて拡張すると、コテージの、開放的な一軒家の内部に変わっていく。
そしてまた魔法を唱えて、外への出入り口はガチャリと音を立てて鍵がしまり、鍵がパーティーのメンバーの数だけ残る。
「はい、鍵ね」
アンティークの鍵のようなデザインなのは趣味だ。
「魔法も建築も勉強していると、結界内でこんなに快適になるだなんて」
「でもさ、大分変わり者扱いはそのせいでされるだよな」
「それはわかる」
女性陣はさらに鍵つきの個室を利用してもらい、着替えたら、一度ダイニングルームで今後のミーティングというやつだ。
「それではとりあえず無事にサンゴックにはついたので」
「やっぱりここに来るまではもしかしたらって思っちゃったからな」
「出し抜くと儲けはでかいが、性格的に合ってないな」
「気づかれたか?」
「追われてはいないようだけどもさ、リーダー、愛され過ぎ」
「面と向かって毒を盛るような奴に、執着されるのはちょっとな、愛とは言えないんじゃないかな」
「愛情の表現が下手というか」
「下手で済むのか?」
安全であるので、飲食物も好きなタイミングで食べれる。
「たまにそういうのに好かれ続けて来た人生なので」
「リーダー」
「そういうのに捕まって人生費やすよりは、逃げ回った方がいいかなって」
「そこは協力するから」
「ただ捕まったら知ってることは話すように、そうすりゃ安全だと思うが、まあ、最低限の身の安全はもちろん確保してくれ」
この辺の話を堅苦しいと思うか、安全に稼がせてもらうかで人の態度は変わるのだが、このチームは似たようなところで生まれ育ったように見えるが、生まれる世界からして違うのだ。
(よくやっていると思う)
(リーダー、ソロもできるような人だし、ここまで万全期してくれたら、ありがたいよ)
(最初はなんだこの人はって思ったもんだが)
毒を盛ってくる相手、今回のはこの人に好かれて、逃げている、困っている、リーダーの知り合いからは、またかよとか思われているぐらいの信用はあった。
「すんごいいい人なんだけどもね、いい人だからこそ目をつけられているから」
最初はむしろリーダーをここから上手いこと逃がしてほしいから、パーティーは始まった。
ええ、そんな実力者がなんで商売している人たちがお金を出してと思ったが、その毒を盛るような執着を見たら。
「はい、そっとこっちから出ます、声はある程度、そうですね…」
地図を見せて、今いるのがここ、陸橋を渡ります、渡りきったら右に曲がるので、そこから商店が見えるまではしゃべらないでください。
「しゃべったらさすがに保証しかねますから」
コク
後にリーダーになる護衛対象者は頷いた。
(この人守られ慣れているよ)
(よっぽど危険な目に)
(おーし、今とうちにマントやブーツに着替えてくれ)
マントは珍しいようにに見えるが。
「最近は大雨と、ここら辺登山客もいたりするから、その格好も今の時期はいるんだよ」
灰色のフードつきのマントをすっぽりとかぶった。
「雨降りそうでも傘はさせないから、そのマント下にもジャケット着てもらっているけども、なかなか雨は通さないし、安いから変えるのが楽だからね」
最終的には一度目のホテルサンゴックの世話になることになるが。
「リーダーも魔法使えなきゃ、サンゴックには間違いなく止まらない」
鍵の共有のアイディアもそうだが、リーダーは時の干渉もできた。
「時間の魔法って練習に失敗するとそのまま老いて死ぬからね」
「どっちかっていうと技術だよ、これ」
時間の魔法を使っても、人体には影響が出ない術をかけているので。
「外がゆっくりと動くんだよな」
コーーーーンコーーーン
ドアのノック音が間延びして聞こえる。そこで音だけクリアに調整して。
「これサービスね、扉の前に置いておくよ」
オーナーが金払いが良かったために、おまけをくれるのだが。
「このオーナーからすると価値はありそうだが、調べているわけでもないから私蔵しているものをプレゼントっていうのは」
「鑑定の専門家に見てもらう、たぶん鑑定の人もわけはわからないとは思うが、最低金額の価値が出たらいつものようにパーティーメンバーで山分けもいう形をとります」
「そうだな」
こういうのが揉めないための基本だ。
(でもリーダーのことだから)
(ここから運がいいんだよな、この人は)
こんなに厄介なことをくぐり抜けた場合にのみ、その災厄が幸運に転じるタイプ。
(じゃなきゃソロで生き残れないから)
いや、待てそれは災厄が先なのか、それとも幸運が先なのか。
「リーダーって運がいい方なの?」
リーダーになったのは、その一回目の逃亡のための護衛でニューサンゴックに来てからがきっかけである。
「いや、それならこんなことは起きないと思うし、なんていうのかな、感覚としてはごめんごめん、災厄が飛んできちゃったね、じゃあ代わりに幸運発動させるからみたいな、それこそ死ぬか生きるかのことを潜らないと出ないから、正直いらないんだよね、これ」
「追いかけてくる人が災厄に当たらないんだよね」
「あれじゃないね」
検証中だが、その本人ではない、その本人からうまく逃げるのが災厄扱いみたいで。
「スムーズなんだけども、わりとドキドキするというか」
「ただ前回の話でもしたけども、あの条件で引き受けたら、そこで私のそういうのの対象からはハズレているから」
「それは後で聞いてビックリした」
「でも護衛される方なんてそんなもんじゃないか?」
そういう仲間に恵まれた。
「じゃあ、休憩したら、駐車場でレベル上げするから」
駐車場というか、空き地に見えるホテルの隣、関係者以外進入禁止の注意を越えた先には。
「この部屋を快適にする魔法類がある場合は、駐車場に出てくるやつらはかなり楽に対応できますが、油断はしないように」
次、三回目パーティーを組むかはわからないが、もしも負担額などが上がらないようならばリーダーは組むことを迷わないし。
(他の人を紹介する気にもならない)
(新しい杖、本もいいな)
(稼ぎがいいと助かるよ)
(うんうん)
このパーティは三回目もありそうである。
世界と世界は重複し存在することがある、そこは街が栄え発展していくがトラブルも多い。
(戻ったら、鑑定の依頼して、KCJから話聞かなきゃいけないな)
理解ある仲間には囲まれているが、リーダーとしては気になることも多かった。
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