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所長とサメのハートフルストーリー
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河川ザメとしては力がないとされるおっちゃんでも、小銭が冷蔵庫の下に落ちたときはヒョイと持ち上げてくれるし。
新しい主任の机の移動もおっちゃんの仕事である。
「主任に拝命する」
「ありがとうございます」
「それでは新しい主任には伝えなければならない秘密がある」
「な、なんでしょうか」
「まずは私が河川ザメに助けられたときの話からになるが…、自分のものが落ちたら拾うよな」
「拾いますね」
「私は子供の頃から川遊びが、今だとガサガサなんていうのかもしれない、そういう感じで遊んでいたんだわ、それである時鞄から持ち物落ちてな、やってもうたわと拾っていたんだが、あちこちに散らばってしまってな、ああ、後、一個、あっ、そっちかと手を伸ばして、やっと片付いたと思って顔をあげたら、水面にたくさん河川ザメが顔を出してた、顔が怒っててな」
\ /
「こんな顔してた、えっ、何か怒らせたかなと思ったら、私の後ろを見てる」
意識したら途端に肩が重くなる、あっ、これは振り替えったらなんかいるなと思ったわ。
でもすぐに軽く、何もない感じになった、するとな。
チャポン
水面から顔を出していたサメたちがみんないなくなった、あれな、助けてくれたんやなと。
「ああ、サメはそういうところがあるから」
家に帰ったらうちのばあちゃんに話したら、そういっててな。次の日畑仕事するためのおはぎを作ってたんだけども、いつもより量が多かった。
「こっちは昨日助けてもらったサメに持っていくもの、お供え」
それとは別に自分の分のおやつももらったから、次の日サメを探しにいった、サメを探しに行くなんてはじめてだからどこにいるのかなって。
「冷房も暖房もいらないぐらいの気温のときは、日なたぼっこのために水から上がってる時があって、ちょうどそこ見つけたんでな」
昨日はありがとうって声をかけると。
サメは覚えていたのか、こっちを見た。
そのまま河原に降りていって。
「ばあちゃんがな、助けてくれたお礼をしろっていってな、おはぎを持ってきた、うちのばあちゃんのおはぎは旨いぞ、いつもは田植えの時しか作らないんだけども、今日は特別や」
おはぎは作るの面倒くさいから、みんなで田植え、稲刈りの時しか作らない。
「どうやって渡そう」
「サッ」
好奇心旺盛なオスが近づいてきた。
「手で渡すと、バクって手もかじられそうだしな」
とりあえず自分の分を目の前で食べる。
「旨い」
ススム少年がおはぎを食べているのを見たら、サメたちは近づいてきた。
「一匹一個だけだからな、二個はダメだぞ、喧嘩になる」
そういうとサメたちは並んだ。
「口開けれる」
するとパカッとあけた。
おはぎをその口に投げていれて。
「はい、次」
そういってその場にいるサメたちがおはぎをモグモグと味わっている。
「何かあったらまたお願いな、俺もなんかあったら助けるから」
「とまあ、そんな話が昔にあった」
「所長とサメのハートフルストーリーですか」
「この話を前提に」
まだ続くのか。
「独身寮があった土地は昔から曰く付きで、祓っても祓ってもなんか出る、KCJさんからもお墨付きをもらうぐらいなんやけども、あいつらは河川ザメが嫌いなんで今はでない」
「最後にまとめてとんでもない情報をさらっと出さないでください」
「それだけ伝えると、河川ザメ効果を眉唾に思うやろ」
「確かに、しかし、そんなに出るんですか?あの寮」
「出るよ、よう出るよ」
「なんでその場所に」
「買った担当者は安かったといってたな」
「そりゃあ安いでしょうよ」
「だから私の先輩方は、早く出たい、ってすぐに結婚してた」
「そうなりますよ」
「誤算は本当におっちゃんなんや、浄水センターの事業は何度も売りに出そうとしているが、そのたびにおっちゃんがいることで、違うところからいい話が来て誤算になってる」
「えっ?そうなんですか?」
「さっき言った寮の話もそう、おっちゃんが来てから全くでなくなった、おっちゃんがお化けと世間話してたって前に聞いたこともある」
そりゃあ、大変やったな、わかるで。
「そっから出なくなった、たまに映画で盛り上がってると思いきや、実はお化けと話していることもある」
「えっ、映画じゃないの、あの盛り上がり」
「映画の時もある」
「時も」
「また映画を一緒に見ているという話も聞いたな」
「おっちゃんのペアチケット、相手はアイドルやなくて、お化け!」
「おもしろいこと言うな」
「すいません、ついボケてしまいました」
「後、今年度から見学に関してはきちんと調査した上でご案内、敷地内は進入禁止を徹底することになった」
「それは肥料の関係からですね」
「そう、イサリがいると生物学的リンの処理法でコストが安く済む」
サメの体にいる細菌が、リンを吸着するので、下水からリンを処理をするにしてもコスト削減だし。ススム所長が当時無駄遣いやと言われたサメにも人にも優しい下水処理システム、ここから肥料にも使われるリンが取れる。
「リンは今も値上がりしとるし、このまま行くと金が取れているようなものだ。それにいつも炊き出しでお世話になってるKCJさんは、うちのところから防災用の水をたくさん、今も買うてくれとるがな、あの人たちはやっぱり鼻が利く!この間カニ、タラバはヤドカリやけども、用意してくれた職員さんもああ見えて本当にやり手や」
リンの相場がこれから高くなるといったあたりで、浄水センター産出のリンを購入契約をした。
「それ、その人のところ、サメのお嬢さんが自宅で家事を手伝ってくれているといってたから、おっちゃんのお見合い相手にとかの話はどうなりました?」
「全部が全部計画は上手くいくもんやないから」
そこは上手くいかなかったんやなと主任は思った。
「サメはこれからも大事にしとけっちゅう話や、あれは福の神なのは間違いない」
「福の神?」
主任は怪訝そうな顔をした。
「信じるか信じないかは任せるが、サメは大事にするもんや、その方針にしている限り、うちは安泰や」
後、彼らはレーダー等にも写らないので、ステルス行動も得意です。
新しい主任の机の移動もおっちゃんの仕事である。
「主任に拝命する」
「ありがとうございます」
「それでは新しい主任には伝えなければならない秘密がある」
「な、なんでしょうか」
「まずは私が河川ザメに助けられたときの話からになるが…、自分のものが落ちたら拾うよな」
「拾いますね」
「私は子供の頃から川遊びが、今だとガサガサなんていうのかもしれない、そういう感じで遊んでいたんだわ、それである時鞄から持ち物落ちてな、やってもうたわと拾っていたんだが、あちこちに散らばってしまってな、ああ、後、一個、あっ、そっちかと手を伸ばして、やっと片付いたと思って顔をあげたら、水面にたくさん河川ザメが顔を出してた、顔が怒っててな」
\ /
「こんな顔してた、えっ、何か怒らせたかなと思ったら、私の後ろを見てる」
意識したら途端に肩が重くなる、あっ、これは振り替えったらなんかいるなと思ったわ。
でもすぐに軽く、何もない感じになった、するとな。
チャポン
水面から顔を出していたサメたちがみんないなくなった、あれな、助けてくれたんやなと。
「ああ、サメはそういうところがあるから」
家に帰ったらうちのばあちゃんに話したら、そういっててな。次の日畑仕事するためのおはぎを作ってたんだけども、いつもより量が多かった。
「こっちは昨日助けてもらったサメに持っていくもの、お供え」
それとは別に自分の分のおやつももらったから、次の日サメを探しにいった、サメを探しに行くなんてはじめてだからどこにいるのかなって。
「冷房も暖房もいらないぐらいの気温のときは、日なたぼっこのために水から上がってる時があって、ちょうどそこ見つけたんでな」
昨日はありがとうって声をかけると。
サメは覚えていたのか、こっちを見た。
そのまま河原に降りていって。
「ばあちゃんがな、助けてくれたお礼をしろっていってな、おはぎを持ってきた、うちのばあちゃんのおはぎは旨いぞ、いつもは田植えの時しか作らないんだけども、今日は特別や」
おはぎは作るの面倒くさいから、みんなで田植え、稲刈りの時しか作らない。
「どうやって渡そう」
「サッ」
好奇心旺盛なオスが近づいてきた。
「手で渡すと、バクって手もかじられそうだしな」
とりあえず自分の分を目の前で食べる。
「旨い」
ススム少年がおはぎを食べているのを見たら、サメたちは近づいてきた。
「一匹一個だけだからな、二個はダメだぞ、喧嘩になる」
そういうとサメたちは並んだ。
「口開けれる」
するとパカッとあけた。
おはぎをその口に投げていれて。
「はい、次」
そういってその場にいるサメたちがおはぎをモグモグと味わっている。
「何かあったらまたお願いな、俺もなんかあったら助けるから」
「とまあ、そんな話が昔にあった」
「所長とサメのハートフルストーリーですか」
「この話を前提に」
まだ続くのか。
「独身寮があった土地は昔から曰く付きで、祓っても祓ってもなんか出る、KCJさんからもお墨付きをもらうぐらいなんやけども、あいつらは河川ザメが嫌いなんで今はでない」
「最後にまとめてとんでもない情報をさらっと出さないでください」
「それだけ伝えると、河川ザメ効果を眉唾に思うやろ」
「確かに、しかし、そんなに出るんですか?あの寮」
「出るよ、よう出るよ」
「なんでその場所に」
「買った担当者は安かったといってたな」
「そりゃあ安いでしょうよ」
「だから私の先輩方は、早く出たい、ってすぐに結婚してた」
「そうなりますよ」
「誤算は本当におっちゃんなんや、浄水センターの事業は何度も売りに出そうとしているが、そのたびにおっちゃんがいることで、違うところからいい話が来て誤算になってる」
「えっ?そうなんですか?」
「さっき言った寮の話もそう、おっちゃんが来てから全くでなくなった、おっちゃんがお化けと世間話してたって前に聞いたこともある」
そりゃあ、大変やったな、わかるで。
「そっから出なくなった、たまに映画で盛り上がってると思いきや、実はお化けと話していることもある」
「えっ、映画じゃないの、あの盛り上がり」
「映画の時もある」
「時も」
「また映画を一緒に見ているという話も聞いたな」
「おっちゃんのペアチケット、相手はアイドルやなくて、お化け!」
「おもしろいこと言うな」
「すいません、ついボケてしまいました」
「後、今年度から見学に関してはきちんと調査した上でご案内、敷地内は進入禁止を徹底することになった」
「それは肥料の関係からですね」
「そう、イサリがいると生物学的リンの処理法でコストが安く済む」
サメの体にいる細菌が、リンを吸着するので、下水からリンを処理をするにしてもコスト削減だし。ススム所長が当時無駄遣いやと言われたサメにも人にも優しい下水処理システム、ここから肥料にも使われるリンが取れる。
「リンは今も値上がりしとるし、このまま行くと金が取れているようなものだ。それにいつも炊き出しでお世話になってるKCJさんは、うちのところから防災用の水をたくさん、今も買うてくれとるがな、あの人たちはやっぱり鼻が利く!この間カニ、タラバはヤドカリやけども、用意してくれた職員さんもああ見えて本当にやり手や」
リンの相場がこれから高くなるといったあたりで、浄水センター産出のリンを購入契約をした。
「それ、その人のところ、サメのお嬢さんが自宅で家事を手伝ってくれているといってたから、おっちゃんのお見合い相手にとかの話はどうなりました?」
「全部が全部計画は上手くいくもんやないから」
そこは上手くいかなかったんやなと主任は思った。
「サメはこれからも大事にしとけっちゅう話や、あれは福の神なのは間違いない」
「福の神?」
主任は怪訝そうな顔をした。
「信じるか信じないかは任せるが、サメは大事にするもんや、その方針にしている限り、うちは安泰や」
後、彼らはレーダー等にも写らないので、ステルス行動も得意です。
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