浜薔薇の耳掃除

Toki Jijyaku 時 自若

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遊ぶつもりならば兵糧攻めにしてください

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「一般職として採用になった職員さんを追いかけて、コレー派の重鎮が来ちゃったってことですか?」
「そう」
「来ちゃいましたか?」
「来ちゃったね」
「彼女には名伏せ職員任せるつもりだったんですけども」
適性がとても高かったので。
「いや、だって、それは、ミミお嬢様のご学友にして、職員に採用されるまで分家の預かりになっていた子だし」
「それならよくKCJに応募できましたね」
「預かってた分家が自分がいなくても回るようにしてきたんで、ちょっと外で働きますねって」
「止めなかったんですか?お嬢様」
「止めたけども、嫌われるの嫌だしと」
「もう一人の方は?」
「ミミお嬢様とは派閥が違うが同じ年の明府(メイフ)の坊っちゃん」
「うちの職員になったかた、人たらしとかですか?」
「名伏せ職員を任せようと思っているから、そういうところはある、そういうところはあるけどもさ」
情報が話を聞きに行ったところ。
「お嬢様は昔から頭がいいので、話が合うかたがおられず、軒下(のした)さんが上手いこと同級生時代に間に入っていたんですよ、なので軒下さんが、あちらのご実家は女性は役を継げないので、どうするか揉めてたときき」
じゃあ、うちの分家をひとつ任せる!
「ってことで、大義名分を作ったんですよ、それで明府の坊っちゃんの方ですね、あちらはミミお嬢様と昔から張り合っておりましたが、やはり軒下さんが」
なんでそんなに言い争うのさ。
「他の人もまたかとうんざりしておりましたから、間に入っていただいて助かりました、明府家の方で揉め事があり、白刃がぼっちゃまに届くかもしれない時に、軒下さんが陣中見舞いで乗り込んだんですよ、あれは英断でした、本家が乗り込みますと問題になるし、無視しするには後が怖い、最悪分家ならば切り捨てられる」
それはわかってはいるけども、わかりたくもない。
「でもまあ、行ってくるわ、そこまでひどいことにならないわね」
その陣中見舞いで何があったのかはわかりませんが。
「先日はありがとうな、そうそう、もし軒下が嫌ならうちに来いよ」
とお嬢様の前でお声をかけたことで。
「はぁ?何をいってるの?ずっとうちにいるって決まってるじゃない」
「お前にはいってないよ」
「それはどういうことよ」
喧嘩をしました。
「名伏せ職員のまとめ役務める職員によくある感じだね」
絶対に担当は変えないでよねとかは、名伏せ職員側からはよくでるのである。
「そんなエピソードがあれば、確かに名伏せ職員を任せたくはなるが」
「たぶんそれは難しいかと、まず両家のお二人が戦闘証取りましたし、それぞれ新記録、想定外を出して」
次は絶対に越えさせねえぜ。
「試験問題作る職員がやる気になってます」
「それはその二人ではなく、次に試験受ける人たちが被害を受けるじゃん、本人はどう思ってるの?軒下さん」
「あっ、聞き取りましたが」
お二人は、そういう人ですから。
「達観してるね」
「自分が立場を選べるわけではないから、意見というのがあまりないのが気になりますね」
「嫌ならば嫌だと言うことができるないの?」
「いえ、ただ気が長いだけです」
「で、今は三人はそれぞれどうしているの?」
「軒下さんは研修です、二人は戦闘許可証とってすぐに現場を、元々コレー派の派閥トップですし」
コレー、名前はギリシャ神話由来、そこから記録、過程を記録するものたちの流派、古今東西に存在するが。
「今はメイン活動日本だからな」
表現の自由が保証されている関係で、色んなところから集まってきてる。
ミミお嬢様の一族はとある潘の記録をつけていたし、明府の坊っちゃんの一族は失伝を懸念されるものを保存していた。
「軒下さんの元カレは明府の坊っちゃんの一族だったことで、混迷を極めていますね」
「ええ」
「その元カレの話は本人談ですし、もし人間関係でダメならばやめますからっていってる」
「それ…たぶんそれだとどっちの家にも帰らないパターンだよね」
「でしょうね」
「追いかけるだろうな」
「あの行動力ではそうでしょう」
「釘はさしておいて、それで軒下さんの意志が一番大事だってね、それを越えるようなら職員守るためにKCJが敵に回るぞってことで」
笑いながらいうが、この方は槍一振りでさんざん暴れまわってきた人である。
(一人づつなら課長が勝てるが、向こうは嫉妬が絡まってるから、ああいう相手は何をするかわからないんだよね)
「課長」
「なんだい?」
「遊ばないなら課長が相手をしてください、遊ぶつもりならば兵糧攻めしてください」
「そっちの方がひどい気がする」
「ああいう気持ちで動いちゃう人間にはいい薬でしょうよ」
「まっ、そうだな、それで問題を起こされるよりは、リスクがわかっている状態で、よーし、じゃあ、体慣らしてくるから、書類よろしく」
「いってらっしゃいませ」
ここで割り振りがしっかりとできるから、KCJは強いのである。

  
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