浜薔薇の耳掃除

Toki Jijyaku 時 自若

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それは出世コースの違いである

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「本日は…みなさんが気に入ってくださるかどうか?」
「KCJさんは、なんかたまに、歯切れの悪いときあるな」
「慣れないものを扱うと自信はないですかね」
「もっとドーンと構えて!」
「自信を持つと失敗するタイプなんで」
「それはずいぶんと難儀やな」
「今日はヤドカリをみなさんに食べていただいてもらおうと思いまして」
「ヤドカリ?」
と思っていたところ、職員の後ろを、おっちゃんがカニを、ヤドカリであるタラバガニを持って見せて、すぐに消えた。
「なるほどヤドカリか、それは食べてみたいな」
「そうですか!鮮度のいいものが上がったんですが、そちらではあまりヤドカリを食べなくて、こちらでは食べると聞いたものですからね」
この職員さんは管理の職員である。
だいたい気づいているだろうが、名伏せの職員に当たる。
職員としての経歴は浅いが、KCJの炊き出しに長らく関わってきた人物でもある。
「たまたまKCJと仕事して、KCJさんぐらいですよ、仕事すると食事が出てたの、一時それを栄養源に生きてました」
名伏せに所属するぐらいだから金銭や資材の蓄財には長けていても、いや、長けているからこそ、その身が自由に来なかったというタイプである。
「KCJは好きでしたね、お金の使い方が好きでした、遊びにお金を使われるよりはずっと役に立つといいましょうか」
重い言葉であった。
「それがうちの家族は気に入らなかったんですよね」
ある時KCJの悪口を言った。
偽善者だとか、お貴族様の遊びとか、そんな言葉だったと思う。
「なんかそれ聞いてたら、なんだこの人はって思ったんですよね」
しかしそこからは大変だった。
「ストレスで体壊して、それで自由になれたんですよ」
逆流性食道炎になる。
この病気、食事を楽しむというのが味覚の方面でとても難しい。
「病気になったら、扱いがどんどん悪くなって、これは死ぬなとも思っていたし、死ぬなら、KCJに行ってからにしようと」
そしたら無茶苦茶怒られました。
「事情は知ってたし、うちの管理にも似た感じの職員はいるから、何回かうちには警備とかいるから安心して転職していいよとも言ったけどもさ、そこまで追い詰められてるとは思わなかったよ」
現在の上役さんに説教されました。
そして、そのまま管理に就職となります。
「しばらくは通院しながらでいいから、君のパフォーマンスはもう知ってるし」
すぐに管理に採用できるほどの結果は出しておりました。
環境が変わると病気はすぐに良くなるが、後悔がストレスになり、そのケアをしながらKCJの仕事をしていた。
「そうですね、馬鹿馬鹿しいサメ映画を欠かさず見るといいでしょう」
ストレスケアについて相談するとそういわれ。
「私のおすすめサメ映画を紹介します」
・瞳を閉じるとサメが見えるよ
・サメの真っ赤なお口
・シャークフェスティバル
 続編のシャークフェスティバル大漁祈願もいいぞれ
 ・レベル5のサメ
 ・そのサメ肌には偽りがある。

注 もしも良ければ近日公開の『サメをぶっ飛ばせ』なも見に行ってください。割引券は受付に置いてあります。

「君に新しい仕事を任せたいんだが」
「はい、わかりました」
「ちゃんと話聞いてから返事をしなさいよ」
「わかりました」
「食堂部に新しい調理の担当者が来ているんだけども」
山宮のことである。
「このままのペースだと仕事量が増えてしまうから、そのサポートと今後の成長を阻害する問題点や提案をしてほしい」
「わかりました」
「ダメだったら早めに言うようにね」
「わかりました」
「こちらが情報局のレポート」
「拝見します」
一読後。
「私の力が及ぶかはわかりませんが、早急に結果を出したいと思います」
「ありがとう、とりあえず気持ちだけ、体は絶対壊さないこと」
この管理の上役は、今まで出てきた管理のまとめ役と違うということがわかるだろうか。
今までの管理、名伏せのまとめ役と言えば。
整備の何がをバーン!とさせたり、や名伏せがドンと利益を作るたびに、驚いていた。
しかし、この上役は何か違う、慣れているといえばいいのだろうか。
それは出世コースの違いである。
バーン!やドン!に反応していたまとめ役は、管理の名伏せと顔を合わせておくことが目的で、昇進先は情報や警備となる。
一方管理はそんなコースの情報は公開されてないが、大抵何をやっても動じない、人当たりがいい、どこでも寝れそうなどと言われるが、共通しているのは、味方でも敵でも厄介そうである。
「はじめまして、山宮さん、私は…」
山宮のサポートにつけるという采配はどうなったかというと。
「それで山宮くん、サポートは今のままでいいかね?それとも変えるかね」
「このままでよろしくお願いします」
調理という仕事は職人の仕事でもある、その職人山宮に、認める仕事ぶりをして見せたのである。
「ずっと私が作ったものを食べてきて、ある時ですね、提案し始めたんですよ」
面白いものがあるんですが…
「試したら、悪くないというか、面白かった、そしたらどんどん、これはどうですか?これはどうでしょうか?って良いものもあれば、イマイチかなって思うものがあったりもしましたが、ある時から、イマイチが全く無くなりました」
「はっはっはっはっ」
そこは笑うところなんだろうか。
「いや、らしいなって、美味しくない時の炊き出しの頃から食べている人だったからね」
そう、昔のKCJの炊き出しは美味しくなかった。
「食べれるだけで満足ですって言ってたからね、その時」
「昔からお知り合いですか」
「そう、それでうちに来ないって誘ったのも私だよ、あの子出来るでしょ」
「出来すぎではないですかね、予算に品質を合わせるというこは、大変ですから」
「それが出来るから、管理なんだよ」
笑い方がふっふっふっになった。
「ではあの子にはこれから山宮さんのサポートで頑張ってもらうからって伝えておくね」
「はい、よろしくお願いします」
これが浄水センターの炊き出しが豪華になった原因であった。

「ただいま」
「メッ」
ストレス症状がまだ残っているので、家事は河川ザメの協会から彼女、アレハンドラが行ってくれた。
「今日も家事をしてくれてありがとうね」
そういってみんなで食べるようにと菓子のギフトを三箱アレハンドラに持たせた。
「メッ」
「またお願いね」
アレハンドラが外に出ると、出入りを確認するように警備が立っている。
管理の名伏せ職員はKCJの成長に欠かせい存在であり、その信頼を得るには安全は必要不可欠とされていた。
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