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何となくシャーク
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『今回はホラー演出があります』
「サッ」
家政協会に所属するサメが報告書を持ってきてくれた。
「サッ」
「なるほどね、こういうのは時間がかかるものだから、君たちには迷惑かけてしまうかもしれないが」
「サッ」
「では、よろしく頼むよ」
先日、管理の名伏せの職員が心霊事件の被害にあった。
危うく戻ってこれないところを連れ戻したのが今のサメ、兄と、その妹ザメ、そして警備の、二匹と一人である。
この管理の名伏せ職員は、あまり怒ることはない、寛容というか、いや、寛容というより危機感があまりない。
「メッ」
最初河川ザメの、いわゆる妹ザメが担当になったのだが、その寛容さがサメには理解できず、お玉で素振りを始めるようになったので、彼女の兄弟姉妹、異世界でサンタの送り迎え、運転ができる兄ザメがセットでお仕えすることになった。
これは上手くいった、妹の精神は安定し、あそこに回覧板を持っていくとお玉の奇襲を受ける、それを食らうようでは、警備交代になるなんて話にもなったぐらいである。
そんな名伏せの職員が。
「地元に一度行ってこようと思ってる」
なんて言い出した。
名伏せの職員になった理由を知るサメ兄妹と警備は、あんなことにあったのに?と思ったのだが、原因の人間はもうそこにはいないし、何か特別因縁があるわけではない、サメ兄妹と警備がつくならば、まあ、いいだろうという話になった。
「この先にさ、珍しい建物があるんだよ、子供の時母と食事をしたことがあって」
そんな思い出の場所を見にいくと。
「あれ?営業してる」
そこで警備はすぐに検索した。
「はい、帰りますよ」
景気のいい時代に建てられた特徴的な物件は、閉業されてると検索結果が出たために、警備はそこで引き上げることを提案した。
「そうなの?」
「時間です」
名伏せの職員と警備が話をしている中、兄ザメの目には、ガラス張りの建物の中身が見えていた。
見えると、目を細めた。
これは感情を殺し、無になろうとしている。
どれだけ不快な情景が見えたのだろうか。
人霊愛好家でなければ、こういったものはサメには理解できない。
そのままホテルに戻った。
サメ兄妹は主人である名伏せ職員と同室になり、ご飯を食べ、お風呂に入り、お休みとあいさつをかわし、眠りについたのだが。
電話の音がした。
兄ザメは目を覚ますが、何かがおかしい。
まず見覚えがない場所だし、妹はいるが、ご主人がいない。
そこで目をカッと開くと、これは夢だとわかる。
カチャ
そして電話をまず取る。
「ああ、やっと出てくれた」
「サッ!」
電話の相手はご主人っぽい気がしたが、ご主人だった。
「午後行ってた建物わかる?今、そこの前に僕はいるんだけども」
「サッ!」
驚いた声で妹が起きた。
「メッ」
どうしたの、兄さん、あれ?ご主人がいない、これは夢の中?
「気づいたら、この建物の中の喫茶店にいたんだけどもさ、ご注文は決まりましたか?って聞かれたんだ、それでさすがに不味いかなって思ってさ、連れが来てから注文は頼んでもいいでしょうか?って言ったら、引き下がってくれたんだ、それからしばらく何もなかったから、僕の方からね、連れは迷っているかもしれないから、外に出て待ってもいいですか?ってことで、外に出ることができたんだけども」
「メッ!」
警備さん起きて!
河川ザメは人類の上位に当たる存在であり、このような夢の中、悪夢の中でもスイスイと移動したり、何かを妨害されることなくできることはできるが。
「河川ザメ二匹いてようやく夢だとわかるって、俺だけだと救出まで行けるか不安だわ」
警備が武装して現れた。
「すいませんが、あまりそちらの建物の話を知らないんで、教えてもらえますか?」
「あっ、そんなに気になる?でも僕もあまり知らないから、誰か知っている方は…」
「コノタテモノハ、イマデハシンジラレナイデショウガ、ニホンガケイキガイイジダイノモノデ、ココカラフキヌケニアル、ショウメイガミエマスカ?」
「見えます、見えます、すごい変わってて、格好いいですよね」
「ソウナンデスヨネ、オーナーモトテモオキニイリデ、コノタテモノガザッシデショウカイサレタトトキナンカハ」
電話口からこの世のものではない存在と人との会話という、非常に不気味なものを聞かせれながら、二匹と一人は移動し始めようとすると、自分達がこの地を訪れた時に乗ってきた車両がホテル前にあった。
それに乗って、あの建物が見えたとき、正面に職員が何かモヤのようなものと談笑していたのが見えたので。
「警備パンチ!」
ドカンと決めて。
「メッ」
ご主人様こっち
「サッ」
運転は任せろ。
そういってしばらく車両を走らせていると、夜が明けて朝になり。
みんな夢から覚めることができた。
「あの後から、サメの言葉がわかるようになったんだよな」
名伏せの職員はそういって妹ザメを撫でるが、実は話は終わってない。
「おはようごばいます」
波里は現在支部からすぐそばに住んでいる、そこから朝まずは支部の整備に顔を出す。
「今日も暑くなりそうですね」
「そうだな、こんな日ならアイスコーヒーでいいんじゃないか?」
「それはそれ、これはこれですよ、ああ、こちら差し入れです」
銘菓天地(あまつち)と書かれた紙袋、中は上巻(かみつまき)というちょっとお高い、数が揃った詰め合わせである、これならば整備の人たちにも余裕をもって行き渡るだろう。
「そういえばあの話聞きました?波里さん」
「なんです?あんまりよくない話ですか?」
「そういうやつです」
そこで管理の名伏せ職員が遭遇し、まだ話が終わらない状態であることを知る。
「そういう場合難しいんですよね、明確な拒絶をしてくれれば話は早いんですよ」
河川ザメがその後敵意を持って攻撃すれば、人のこだわりなんて霧散するのだが。
「忘れたくない、忘れてしまうと他のものまで、たぶんこの場合は思い出ですかね、傷つくから、捨てられないってやつですよ」
「それじゃあ、解決しないんですか?」
「たぶんその職員に、いや、サメ兄妹さんには伝えているはずですよ」
その過去を忘れるぐらいの楽しいものを教えてあげれば良いと。
ただ波里の考え以外の方法もサメ兄妹には伝えていた。
「それこそ、そのお玉で今は見えていない、向こうとの繋がりを断ち切るといいとおもう」
「メッ」
できますか?
「名伏せの職員は、特別親しい関係というのをあまり作りたくないと思う人たちも多くてね。こういう事件に会う前に、親しい関係が全くないならば、この方法は使えないし、そういったことに遭遇すると、連れていかれたかもしれないが、君たち兄弟姉妹にはきちんと信用しているんだよな、ただ…」
「サッ」
なんですか?
「助けを君たちに求めたことにそのうち後悔するときが来るかもしれない」
「メッ」
そういうところが人間のわからないところです。
助けて!は心の叫びでしょ。
「それをね、ずっと昔、子供の頃、
ああいう子はね、笑顔で飲み込んでしまったんだよ…ああ、すまない、こういう時、私まで弱気になってどうするんだろうかね、こちらとしては職員が幸せにならない選択は許すわけにはいかない」
サメ兄妹はそのままその職員の家に住み込むことになる。
「これはお団子なの」
兄ザメが報告書を提出し帰ってくる時に、公園でママゴトをしている子供たちがいた。
その風景に彼は思い出す。
ご主人が最初に営業しているねと言ったときに、見えたガラス張りの建物の内部のことを。
和菓子と書かれた暖簾、そこで作られた団子は、あのママゴトのように粘土か何かを捏ねて作られて、団子として売られていたことを…
まだこの話は終わらない。
まだまだこの話は終わらない、そのうち主人は夢から目覚めないかもしれない。
「サッ」
その場合は川からみんなを呼ぼう、レッドノーズにも頼めばいいか。
基本サメはシンプルな考えをする。
人とは根本的に違うのだ。
が…
「あっ、お帰り」
ご主人のそばで。
ブンブン
妹はお玉を素振りしている。
「メッ」
お帰り兄さん。
兄や他のサメはやられたらやり返せばいいたが、おそらく妹はそうではない。
ちょっかいだそうとしてきただけで、お玉が飛だろうし、最近ではレッドノーズも妹を見ると、びびっている。
サメの女性陣は昔から、敵か味方かわからないならば滅ぼすという過激な考えを持っているとされるが、その性質が強く出始めていた。
まあ、兄からすると現状維持といったところか。
今日はご主人から、あの建物で提供されているコーヒーの匂いがする、またちょっかいを出したからこそ、妹が素振りをしているのだろう。
香りは高いが、水っぽい感じの、河川ザメの私からすると、水を舐めてるのか、といえるコーヒーの匂いだ。
「サッ」
整備からコーヒー煎れてもらいましたから、こちらでおやつにしましょうか。
「ああ、それはいいね」
ああ、ご主人、楽しいことを増やせばあなたはあの建物の事を忘れられるというのならば、私たちはいくらでも楽しいことを用意することにしましょう。
「いつものことだけども、でもなんだか悪いよね」
だからそんなことは言いっこなしですから。そう、我々はあなたとの出会いに決して後悔などはない。
そうだ、本物の後悔をサメ映画を見せて教えるのはどうだろうか。
いい話で終わらせようと思ったところに、サメはとんでもないことを考え付いたようだ。
いけないよ、心に傷を負った職員に、今年なんでこの映画作ったって言われる「何となくシャーク」を見せようとスケジュール調整しようするのは!
どんな穏和な人物でも、なんでこの映画を見せようと思った、本当に時間の無駄と言われる、近年希に見る映画じゃん!
「サッ!」
「えっ?次の休みは暇かって?うん、時間あるよ」
やはりサメには人について理解できないようである。
こんな時はサメ映画を見ようなんて、この状況で真剣に提案してくるんだから。
あっ、「何となくシャーク」は全国で上映中ですが、興業収入はあんまり良くないんで、お時間のある方は、どうぞ「何となくシャーク」をよろしくお願い致します!
「サッ」
家政協会に所属するサメが報告書を持ってきてくれた。
「サッ」
「なるほどね、こういうのは時間がかかるものだから、君たちには迷惑かけてしまうかもしれないが」
「サッ」
「では、よろしく頼むよ」
先日、管理の名伏せの職員が心霊事件の被害にあった。
危うく戻ってこれないところを連れ戻したのが今のサメ、兄と、その妹ザメ、そして警備の、二匹と一人である。
この管理の名伏せ職員は、あまり怒ることはない、寛容というか、いや、寛容というより危機感があまりない。
「メッ」
最初河川ザメの、いわゆる妹ザメが担当になったのだが、その寛容さがサメには理解できず、お玉で素振りを始めるようになったので、彼女の兄弟姉妹、異世界でサンタの送り迎え、運転ができる兄ザメがセットでお仕えすることになった。
これは上手くいった、妹の精神は安定し、あそこに回覧板を持っていくとお玉の奇襲を受ける、それを食らうようでは、警備交代になるなんて話にもなったぐらいである。
そんな名伏せの職員が。
「地元に一度行ってこようと思ってる」
なんて言い出した。
名伏せの職員になった理由を知るサメ兄妹と警備は、あんなことにあったのに?と思ったのだが、原因の人間はもうそこにはいないし、何か特別因縁があるわけではない、サメ兄妹と警備がつくならば、まあ、いいだろうという話になった。
「この先にさ、珍しい建物があるんだよ、子供の時母と食事をしたことがあって」
そんな思い出の場所を見にいくと。
「あれ?営業してる」
そこで警備はすぐに検索した。
「はい、帰りますよ」
景気のいい時代に建てられた特徴的な物件は、閉業されてると検索結果が出たために、警備はそこで引き上げることを提案した。
「そうなの?」
「時間です」
名伏せの職員と警備が話をしている中、兄ザメの目には、ガラス張りの建物の中身が見えていた。
見えると、目を細めた。
これは感情を殺し、無になろうとしている。
どれだけ不快な情景が見えたのだろうか。
人霊愛好家でなければ、こういったものはサメには理解できない。
そのままホテルに戻った。
サメ兄妹は主人である名伏せ職員と同室になり、ご飯を食べ、お風呂に入り、お休みとあいさつをかわし、眠りについたのだが。
電話の音がした。
兄ザメは目を覚ますが、何かがおかしい。
まず見覚えがない場所だし、妹はいるが、ご主人がいない。
そこで目をカッと開くと、これは夢だとわかる。
カチャ
そして電話をまず取る。
「ああ、やっと出てくれた」
「サッ!」
電話の相手はご主人っぽい気がしたが、ご主人だった。
「午後行ってた建物わかる?今、そこの前に僕はいるんだけども」
「サッ!」
驚いた声で妹が起きた。
「メッ」
どうしたの、兄さん、あれ?ご主人がいない、これは夢の中?
「気づいたら、この建物の中の喫茶店にいたんだけどもさ、ご注文は決まりましたか?って聞かれたんだ、それでさすがに不味いかなって思ってさ、連れが来てから注文は頼んでもいいでしょうか?って言ったら、引き下がってくれたんだ、それからしばらく何もなかったから、僕の方からね、連れは迷っているかもしれないから、外に出て待ってもいいですか?ってことで、外に出ることができたんだけども」
「メッ!」
警備さん起きて!
河川ザメは人類の上位に当たる存在であり、このような夢の中、悪夢の中でもスイスイと移動したり、何かを妨害されることなくできることはできるが。
「河川ザメ二匹いてようやく夢だとわかるって、俺だけだと救出まで行けるか不安だわ」
警備が武装して現れた。
「すいませんが、あまりそちらの建物の話を知らないんで、教えてもらえますか?」
「あっ、そんなに気になる?でも僕もあまり知らないから、誰か知っている方は…」
「コノタテモノハ、イマデハシンジラレナイデショウガ、ニホンガケイキガイイジダイノモノデ、ココカラフキヌケニアル、ショウメイガミエマスカ?」
「見えます、見えます、すごい変わってて、格好いいですよね」
「ソウナンデスヨネ、オーナーモトテモオキニイリデ、コノタテモノガザッシデショウカイサレタトトキナンカハ」
電話口からこの世のものではない存在と人との会話という、非常に不気味なものを聞かせれながら、二匹と一人は移動し始めようとすると、自分達がこの地を訪れた時に乗ってきた車両がホテル前にあった。
それに乗って、あの建物が見えたとき、正面に職員が何かモヤのようなものと談笑していたのが見えたので。
「警備パンチ!」
ドカンと決めて。
「メッ」
ご主人様こっち
「サッ」
運転は任せろ。
そういってしばらく車両を走らせていると、夜が明けて朝になり。
みんな夢から覚めることができた。
「あの後から、サメの言葉がわかるようになったんだよな」
名伏せの職員はそういって妹ザメを撫でるが、実は話は終わってない。
「おはようごばいます」
波里は現在支部からすぐそばに住んでいる、そこから朝まずは支部の整備に顔を出す。
「今日も暑くなりそうですね」
「そうだな、こんな日ならアイスコーヒーでいいんじゃないか?」
「それはそれ、これはこれですよ、ああ、こちら差し入れです」
銘菓天地(あまつち)と書かれた紙袋、中は上巻(かみつまき)というちょっとお高い、数が揃った詰め合わせである、これならば整備の人たちにも余裕をもって行き渡るだろう。
「そういえばあの話聞きました?波里さん」
「なんです?あんまりよくない話ですか?」
「そういうやつです」
そこで管理の名伏せ職員が遭遇し、まだ話が終わらない状態であることを知る。
「そういう場合難しいんですよね、明確な拒絶をしてくれれば話は早いんですよ」
河川ザメがその後敵意を持って攻撃すれば、人のこだわりなんて霧散するのだが。
「忘れたくない、忘れてしまうと他のものまで、たぶんこの場合は思い出ですかね、傷つくから、捨てられないってやつですよ」
「それじゃあ、解決しないんですか?」
「たぶんその職員に、いや、サメ兄妹さんには伝えているはずですよ」
その過去を忘れるぐらいの楽しいものを教えてあげれば良いと。
ただ波里の考え以外の方法もサメ兄妹には伝えていた。
「それこそ、そのお玉で今は見えていない、向こうとの繋がりを断ち切るといいとおもう」
「メッ」
できますか?
「名伏せの職員は、特別親しい関係というのをあまり作りたくないと思う人たちも多くてね。こういう事件に会う前に、親しい関係が全くないならば、この方法は使えないし、そういったことに遭遇すると、連れていかれたかもしれないが、君たち兄弟姉妹にはきちんと信用しているんだよな、ただ…」
「サッ」
なんですか?
「助けを君たちに求めたことにそのうち後悔するときが来るかもしれない」
「メッ」
そういうところが人間のわからないところです。
助けて!は心の叫びでしょ。
「それをね、ずっと昔、子供の頃、
ああいう子はね、笑顔で飲み込んでしまったんだよ…ああ、すまない、こういう時、私まで弱気になってどうするんだろうかね、こちらとしては職員が幸せにならない選択は許すわけにはいかない」
サメ兄妹はそのままその職員の家に住み込むことになる。
「これはお団子なの」
兄ザメが報告書を提出し帰ってくる時に、公園でママゴトをしている子供たちがいた。
その風景に彼は思い出す。
ご主人が最初に営業しているねと言ったときに、見えたガラス張りの建物の内部のことを。
和菓子と書かれた暖簾、そこで作られた団子は、あのママゴトのように粘土か何かを捏ねて作られて、団子として売られていたことを…
まだこの話は終わらない。
まだまだこの話は終わらない、そのうち主人は夢から目覚めないかもしれない。
「サッ」
その場合は川からみんなを呼ぼう、レッドノーズにも頼めばいいか。
基本サメはシンプルな考えをする。
人とは根本的に違うのだ。
が…
「あっ、お帰り」
ご主人のそばで。
ブンブン
妹はお玉を素振りしている。
「メッ」
お帰り兄さん。
兄や他のサメはやられたらやり返せばいいたが、おそらく妹はそうではない。
ちょっかいだそうとしてきただけで、お玉が飛だろうし、最近ではレッドノーズも妹を見ると、びびっている。
サメの女性陣は昔から、敵か味方かわからないならば滅ぼすという過激な考えを持っているとされるが、その性質が強く出始めていた。
まあ、兄からすると現状維持といったところか。
今日はご主人から、あの建物で提供されているコーヒーの匂いがする、またちょっかいを出したからこそ、妹が素振りをしているのだろう。
香りは高いが、水っぽい感じの、河川ザメの私からすると、水を舐めてるのか、といえるコーヒーの匂いだ。
「サッ」
整備からコーヒー煎れてもらいましたから、こちらでおやつにしましょうか。
「ああ、それはいいね」
ああ、ご主人、楽しいことを増やせばあなたはあの建物の事を忘れられるというのならば、私たちはいくらでも楽しいことを用意することにしましょう。
「いつものことだけども、でもなんだか悪いよね」
だからそんなことは言いっこなしですから。そう、我々はあなたとの出会いに決して後悔などはない。
そうだ、本物の後悔をサメ映画を見せて教えるのはどうだろうか。
いい話で終わらせようと思ったところに、サメはとんでもないことを考え付いたようだ。
いけないよ、心に傷を負った職員に、今年なんでこの映画作ったって言われる「何となくシャーク」を見せようとスケジュール調整しようするのは!
どんな穏和な人物でも、なんでこの映画を見せようと思った、本当に時間の無駄と言われる、近年希に見る映画じゃん!
「サッ!」
「えっ?次の休みは暇かって?うん、時間あるよ」
やはりサメには人について理解できないようである。
こんな時はサメ映画を見ようなんて、この状況で真剣に提案してくるんだから。
あっ、「何となくシャーク」は全国で上映中ですが、興業収入はあんまり良くないんで、お時間のある方は、どうぞ「何となくシャーク」をよろしくお願い致します!
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