浜薔薇の耳掃除

Toki Jijyaku 時 自若

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おまえなんかこわくないんだから

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何回も言う。
俺の親父は半透明である。
そしていつからかわからないぐらい素振りが日課として行われ。
「切る感じを使うのは早い方がいい」
ということで、半透明の親父に向かって切るという特訓が加わった。
親父のこの状態は霊体、人霊と呼ばれる状態で頑張って練習したところ物に触れることはできる。まあ、そうでなかったら、子供の俺は育てられんだろう。
それ以外はどうかというと、当たると一度は揺らめくが何もなかったように戻る、これは人としての記憶が強かったり、止めているということらしい。
そんな親父を切りつけるということをやってますと、大変悔しいわけです。
ブン!
「その振り回しかただと、振り下ろしたときには反撃されるぞ」
子供相手の剣の稽古が変わったのは11才の頃。
「親父成仏剣が危うく完成するところでした」
かすったら、霊体を焼くような切り口ができた。
「今、その時の気持ちを思い出そうとしています」
今月三回目、戦闘許可証認定試験。
エリア trick spring
嘘くさい春って感じですね、故にトリック スプリング、ほら見てください、お化けがたくさんですよ。
戦闘許可証というのは、全受験生が同じ問題を解くというよりは、いくつかルートの選択ができたりする。
どういった技能があれば合格しやすいか、もちろん武芸は必要だが、それを用いて何をするかがその先を生きるのならば必要だ。
トリックスプリングが試すのは人霊、心霊現象。無資格の霊感商法、それこそ詐欺が起こるぐらいなのだから、きちんと対処できる人員は貴重である。
スーハースーハー

呼吸はこれでいい。

行くか…

亡霊達のマーキングは、光も歪んで景色も気味が悪いものにしていく。
この青年が元服の祝いとして贈られた刀を抜くとそこからは静かに事が進む。
その動きは早いものではない、切り裂くための緩急はあったものの、目で追える。
ピタ
「久しぶりにやったらこんなものか」
暗闇に、切っ先跡から光がのぞいて、そこから歪みはズレて、落ちて、試験会場の壁が見えた。
「すごいね、この子、人気がない心霊現象を、祓ってみせたよ」
こちらは防犯カメラの向こうにいるコントロールルーム。
「えっ、あそこ来週用にどんどん誰でも呪いたくなる性格の悪いの仕込んでいたのに」
「それはどういうことかな」
「ちょっといいの手にいれたから、培養したくなるじゃないですか」
「君、ちょっと警備行こうか」
すぐにあんまり人気がないからという理由で、その設備を使って育てていた亡霊がいたことが発覚した。
「もしもの時には対処に当たるっていう理由にしてもね」
「でもですね、一周目だと、みんな呪われるとか好きだから、そういう亡霊持ってくるとキャッキャフッフッするじゃないですか」
「確かにするね」
「それじゃあ、薄暗い何かを恨む気持ちが消えちゃうんです、だから私は!」
この人はKCから来た職員なので、曰く付きのものを日本に探しにきました、そういうのに目利きができるので、試験用のインテリアを設置していていたのだが。
「ポテンシャルわからないのは仕込んではいけない」
注意され、半年は試験官は出来ないことになった。
一歩間違えれば事故なのでは?と思うが。
「実際に問題を起こしている状態を再現しているので、これが突破できないと合格しても、してからが大変ですよ」
何しろここと違って、あっ、素人だな、大丈夫だなと思ったら、そこを狙ってくる。
なので理想としては、あ~今、素人扱いされているわ、いっつもこうだと、楽なのに。
「さあ、こい、おまえなんかこわくないんだから」
棒読みの台詞が、びびってると信じられるぐらいでないと。
(あれ、なんでこんな素人に切られているんだ)
人を化かし、騙す、人霊相手にはやってられない。




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