496 / 891
異なる川はもっと遠くの川
しおりを挟む
(あ~)
おおっと、この人は疲れが溜まっているようです。
そこを見かねた理容ルームを任されているサメが現れ。
ロビーのソファーで耳掃除を始められた。
コリコリ
ダメでしょ、こんなに耳垢を溜め込んじゃ。
サメの目は誤魔化せないんだからね。
忙しくて、耳の中を掃除する暇がなかった職員は、サメの春隣と目があった瞬間、こうなった。
「春ちゃんってそういう子だったけかね」
驚く職員、でも抵抗はない。
もっとそのくすぐるような耳掃除を、ああ、浜薔薇行きたいけども、行けないこの気持ちが消化されていくではないか!
春隣がこうなったのにもわけがある。
KCJ所属、扱いとしては専門職(マッチャーさんなどと一緒)でもある春隣は、職員らしく、会議などにも定期的に呼ばれる。
「理容ルームの利用者が増加傾向であるのはわかるのですが、このままでは予約が取れないという残念な状態になります、それについて意見はありますか?」
「職員のストレスも増えているでしょ、デスゲームセミナーとかさ」
「さすがにそれはないと思ったわ、そこまでバカじゃないだろうって、それで今までは私としては見守った方がいいんじゃないかなって方針、考えは持っていたけども、実際に休日出勤したら考え変わった、厳しくやった方がいい」
「そっちの対策とストレスケアを早々とやっておきましょうか、すまないけども、春ちゃん、気になっている耳とかあったら、ガシッと捕まえて耳掃除してね」
「サッ」
それでいいの?
「大丈夫、油断している耳が悪い」
これは相当KCJ疲れてますよ。
春隣は河川ザメとしてはあまり強くはない、子供の時から人間社会で暮らしているからだ。
一方KCJの職員や戦闘許可証持ちはどうかというと、子供の頃から異世界に嗜んでいるところがあるので、川生まれ川育ちの河川ザメのように、間合いの概念がある。
その間合いの概念が、一般人に近い春隣に簡単に入り込まれるというのは、KCJ支部内という安全地帯にいるとしても、ちょっと油断しているんじゃないの?という話。
しかも耳掃除のようなされているということは、無防備であり。
「本人深刻で疲れてませんってはいうかもしれないけども、実際は過労に足を踏み込んでいるわけだしさ、見なよ」
あれは綿棒フィニッシュ、根こそぎ耳垢を取られた証じゃないか!春隣に耳掃除をされたあとの職員を、放心状態である。
ピッ!ガタンと春隣は自販機から清涼飲料水を買い、それを職員に渡すと、職員は普通に受け取った。そこであれ、あれなんで自分は春隣にいきなり耳掃除されたんだっけと、頭の中を整理し始めていた。
疲れとはこういうことである。
万全ではない状態に自分の知らないうちになってしまってる、それは怖いことだ。
それを見て春隣はその奥にある自分の城、理容ルームのドアを開いて入っていった。
これからしばらく忙しくなりそうだ。
『耳掃除は浜薔薇』
召喚されたレレとロロ二匹の蛙には、当初懸念があった。
「河川ザメと喧嘩になるかもしれない」
人間には非常にひょうきんでユーモラスで、自称イケザメたちが多い、河川ザメだが、住み処が似たような種族は、河川ザメは攻撃的になる。
なので、もしかしたらということで、先にどうなるのか試しに接近だけは行われたが。
バチッ!
いきなり空気が張りつめた。
「サッ」
ここで河川ザメの方から話があった。
「ええっと湿気とか同じところで住むっぽいので反応したが、異なる川から来てるのならば問題ない、異なる川は異世界の意味ですね」
通訳を交えて解説。
違う川は遠くの川。
異なる川はもっと遠くの川。
「遠くの川だとなんだ、攻めてきたのか、こっちも反撃じゃぁぁになりますが、もっと遠くの川だと、即攻撃するとかではなく、扱いを会議で決めたりするそうなんですよ」
頭に蓮かぶった議長を中心にして決めるらしい。
「事前にわかっているなら、先にカエル通りますぐらいの方が安全だそうです」
「これだと、川沿いを散歩コースにしない方がいいかもしれないね」
「知らないサメだと警戒しちゃいますからね」
ただKCJ所属や出入りしているサメなどには、レレとロロは顔合わせは済んでおり、全部平穏に終わっていた。
「二匹はいわゆる召喚品種なんですよ、どうやってこれ見つけたんですか?」
「さすがに子供の頃だから、こんなもんかな?っていう感覚でやっていたのよね、今じゃ恐ろしくてできないわね」
大人になってから召喚の基礎などを学ぶと、自分がいかに適当にやっていたのかよくわかった。
「召喚の才能はなかったようね」
「いや、あるでしょ、手順は違うだけで、問題なく出来ているから」
「でも自分のやり方を文面に残すとなると億劫なのよ」
「そういって消えていった魔法なんてたくさんあるんですから、前に渡した手帳とかどこにやったんですか?」
「雨に濡れちゃって」
「ああ、紙がぐちゃぐちゃになってる!」
やはりこの元神童も管理の名伏せに所属していたなというのがよくわかる。
自分の好きなこと、興味があることしかやらないし、それで生きてきた、がその割にはどこかどうでも良くて枯れていた。
おおっと、この人は疲れが溜まっているようです。
そこを見かねた理容ルームを任されているサメが現れ。
ロビーのソファーで耳掃除を始められた。
コリコリ
ダメでしょ、こんなに耳垢を溜め込んじゃ。
サメの目は誤魔化せないんだからね。
忙しくて、耳の中を掃除する暇がなかった職員は、サメの春隣と目があった瞬間、こうなった。
「春ちゃんってそういう子だったけかね」
驚く職員、でも抵抗はない。
もっとそのくすぐるような耳掃除を、ああ、浜薔薇行きたいけども、行けないこの気持ちが消化されていくではないか!
春隣がこうなったのにもわけがある。
KCJ所属、扱いとしては専門職(マッチャーさんなどと一緒)でもある春隣は、職員らしく、会議などにも定期的に呼ばれる。
「理容ルームの利用者が増加傾向であるのはわかるのですが、このままでは予約が取れないという残念な状態になります、それについて意見はありますか?」
「職員のストレスも増えているでしょ、デスゲームセミナーとかさ」
「さすがにそれはないと思ったわ、そこまでバカじゃないだろうって、それで今までは私としては見守った方がいいんじゃないかなって方針、考えは持っていたけども、実際に休日出勤したら考え変わった、厳しくやった方がいい」
「そっちの対策とストレスケアを早々とやっておきましょうか、すまないけども、春ちゃん、気になっている耳とかあったら、ガシッと捕まえて耳掃除してね」
「サッ」
それでいいの?
「大丈夫、油断している耳が悪い」
これは相当KCJ疲れてますよ。
春隣は河川ザメとしてはあまり強くはない、子供の時から人間社会で暮らしているからだ。
一方KCJの職員や戦闘許可証持ちはどうかというと、子供の頃から異世界に嗜んでいるところがあるので、川生まれ川育ちの河川ザメのように、間合いの概念がある。
その間合いの概念が、一般人に近い春隣に簡単に入り込まれるというのは、KCJ支部内という安全地帯にいるとしても、ちょっと油断しているんじゃないの?という話。
しかも耳掃除のようなされているということは、無防備であり。
「本人深刻で疲れてませんってはいうかもしれないけども、実際は過労に足を踏み込んでいるわけだしさ、見なよ」
あれは綿棒フィニッシュ、根こそぎ耳垢を取られた証じゃないか!春隣に耳掃除をされたあとの職員を、放心状態である。
ピッ!ガタンと春隣は自販機から清涼飲料水を買い、それを職員に渡すと、職員は普通に受け取った。そこであれ、あれなんで自分は春隣にいきなり耳掃除されたんだっけと、頭の中を整理し始めていた。
疲れとはこういうことである。
万全ではない状態に自分の知らないうちになってしまってる、それは怖いことだ。
それを見て春隣はその奥にある自分の城、理容ルームのドアを開いて入っていった。
これからしばらく忙しくなりそうだ。
『耳掃除は浜薔薇』
召喚されたレレとロロ二匹の蛙には、当初懸念があった。
「河川ザメと喧嘩になるかもしれない」
人間には非常にひょうきんでユーモラスで、自称イケザメたちが多い、河川ザメだが、住み処が似たような種族は、河川ザメは攻撃的になる。
なので、もしかしたらということで、先にどうなるのか試しに接近だけは行われたが。
バチッ!
いきなり空気が張りつめた。
「サッ」
ここで河川ザメの方から話があった。
「ええっと湿気とか同じところで住むっぽいので反応したが、異なる川から来てるのならば問題ない、異なる川は異世界の意味ですね」
通訳を交えて解説。
違う川は遠くの川。
異なる川はもっと遠くの川。
「遠くの川だとなんだ、攻めてきたのか、こっちも反撃じゃぁぁになりますが、もっと遠くの川だと、即攻撃するとかではなく、扱いを会議で決めたりするそうなんですよ」
頭に蓮かぶった議長を中心にして決めるらしい。
「事前にわかっているなら、先にカエル通りますぐらいの方が安全だそうです」
「これだと、川沿いを散歩コースにしない方がいいかもしれないね」
「知らないサメだと警戒しちゃいますからね」
ただKCJ所属や出入りしているサメなどには、レレとロロは顔合わせは済んでおり、全部平穏に終わっていた。
「二匹はいわゆる召喚品種なんですよ、どうやってこれ見つけたんですか?」
「さすがに子供の頃だから、こんなもんかな?っていう感覚でやっていたのよね、今じゃ恐ろしくてできないわね」
大人になってから召喚の基礎などを学ぶと、自分がいかに適当にやっていたのかよくわかった。
「召喚の才能はなかったようね」
「いや、あるでしょ、手順は違うだけで、問題なく出来ているから」
「でも自分のやり方を文面に残すとなると億劫なのよ」
「そういって消えていった魔法なんてたくさんあるんですから、前に渡した手帳とかどこにやったんですか?」
「雨に濡れちゃって」
「ああ、紙がぐちゃぐちゃになってる!」
やはりこの元神童も管理の名伏せに所属していたなというのがよくわかる。
自分の好きなこと、興味があることしかやらないし、それで生きてきた、がその割にはどこかどうでも良くて枯れていた。
0
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
パパー!紳士服売り場にいた家族の男性は夫だった…子供を抱きかかえて幸せそう…なら、こちらも幸せになりましょう
白崎アイド
大衆娯楽
夫のシャツを買いに紳士服売り場で買い物をしていた私。
ネクタイも揃えてあげようと売り場へと向かえば、仲良く買い物をする男女の姿があった。
微笑ましく思うその姿を見ていると、振り向いた男性は夫だった…
お尻たたき収容所レポート
鞭尻
大衆娯楽
最低でも月に一度はお尻を叩かれないといけない「お尻たたき収容所」。
「お尻たたきのある生活」を望んで収容生となった紗良は、収容生活をレポートする記者としてお尻たたき願望と不安に揺れ動く日々を送る。
ぎりぎりあるかもしれない(?)日常系スパンキング小説です。
お兄ちゃんが私にぐいぐいエッチな事を迫って来て困るんですけど!?
さいとう みさき
恋愛
私は琴吹(ことぶき)、高校生一年生。
私には再婚して血の繋がらない 二つ年上の兄がいる。
見た目は、まあ正直、好みなんだけど……
「好きな人が出来た! すまんが琴吹、練習台になってくれ!!」
そう言ってお兄ちゃんは私に協力を要請するのだけど、何処で仕入れた知識だかエッチな事ばかりしてこようとする。
「お兄ちゃんのばかぁっ! 女の子にいきなりそんな事しちゃダメだってばッ!!」
はぁ、見た目は好みなのにこのバカ兄は目的の為に偏った知識で女の子に接して来ようとする。
こんなんじゃ絶対にフラれる!
仕方ない、この私がお兄ちゃんを教育してやろーじゃないの!
実はお兄ちゃん好きな義妹が奮闘する物語です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる