浜薔薇の耳掃除

Toki Jijyaku 時 自若

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ここは鳥獣戯画の世界なの?

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なんか異世界方面の話とか、KCJばっかじゃない?他の所どうしてるの?って思うかもしれませんが。
「予算がね」
って感じで、余裕があるKCJにバンバン話もってこられたり、お願いしますよだったりするみたいだよ。
「基本的には話は受けてますが、たまにう~んもそりゃありますよ」
逆になんでこんだけ余裕があるのか?不思議がって探られたりも、当然あるようですが。
「さあ、不審者のみなさん、このサメを見てください」
椅子に座った河川ザメである。
「あなた方はもうサメの虜だ」
サメの方も満更ではない表情をしていく。
(ああなんて)
(魅惑的なサメなんだ)
KCJの秘技の一つ催眠術、この力によって不審者はKCJに対して敵対心を持てなくなる。
「不審者にはサメです、何かあっても、サメの場合はなんとかなりますから」
サメさん大好きだ!
例えば
愛を叫びながらも無理やりサメに向かっていく人が出たとしても。
ガッ
脇の下にヒレを入れ。
グッ
相手の体、バランスが崩れたのならば。
ビタン!
背中から落とす。
「投げられちゃった」
そういって愛を叫んだ方は、満足げに気絶した。
「その昔、KCの方で催眠ブームがあったんですよ」
ケットシーにも試したらかかってしまったので、そこから研究が進められる。
「ケットシーの場合は、身近な者と死に別れを経験すれば経験するほどかかりやすいですね」
ご飯も食べなくなる、ちゃんと寝てないのがわかると催眠術を使う。
 「自分を人間だと思ったことがある場合かります」
 これがイツモのパターンである。
 小さいときに蘆根と暮らすようになったので、自分は猫ではなく、人間だと思いたいがあったようだ。
 「イツモ様の場合は、ご家族が」
猫である父は姉妹には優しいのだが、イツモには厳しかった。なので愛情をきちんと知ることができたのは、蘆根やタモツや傑たちのおかげであり。
「他のケットシーってそこまでお仕事しないんですよ、でもイツモ様は写真をお撮りになることも嫌がりませんし、なんで縄張りが王国って呼ばれているんですか?」
KCJもファンクラブの存在には驚きました。
「一度生で見ましたけども、ええったファンクラブ、王国の住人の方が、こう…イツモ様の手をお取りになって、お久しぶりでございます、イツモ様、うむ苦しゅうないを当たり前のようにやっているんですけども」
現実逃避をしないで、直視しろ、それがファンクラブだ。
「KCJの濃い方の人たちを見ているかのようでした」
そうはいうがこの人もこっちの世界出身でKCJに勤めているので、叩けば埃が出るぐらいの変人エピソードはあると思うよ。
「そんなのないですって、KCJ一般職、学生の配慮がありますから、学生のうちに受かっちゃうと、きちんと余裕をもって学生生活させてくれるし、お給料もいいんですよね、僕、そこまで頭がよくないから、他に学生しながら給料が出る学校も考えたんですがね、そっちは難しいかなって」
そちらの学校はその年の最高頭脳の持ち主が受験するところです。
「KCJってなんでこんなに待遇とかいいのに、みんな来ないんだろう、僕の年とそうだったんですがね」
定員割れでした。
何度も重複して登場すると思いますが、それはKCJは変なところだからというイメージがついたせいです。

変人を尊ぶ地域とKCは縁が深いせいか、KCJも自然と深くなり、それを表面上でも取り繕って、変人風味ぐらいで済ませていれば、たぶん進路、就職先の候補に上がるのですが。
KCJが現地、この場合日本の学生さんを獲得するにあたって、様々な学校にお願いしに行った時代もあるのですが。
「うちの大切な学生をオタクのところに渡すわけにはいかないと言われてしまった」
景気のいい時代のことである。
「収入面でもかなりの待遇にしても来なくて、それならある程度独立採算で良ければ自由にやってもとかにしたところ」
来ちゃった!のは新卒ではなく、今までの待遇では暮らしては行けない、または面白味がないと感じる技術職であり。
「芋づる式ってこういうことを言うんですね」
芋って言葉に反応した、そこのサメ、落ち着いてください。
その技術職がやってきたことを、当時の幹部が面白いじゃんと容認したこともあり、整理部は仕事をしながらも趣味を忘れない、子供心を忘れない集団となっていった。
「やっぱりさ、これは、格好よくないんだよね、このライン、わかる?このカーブがさ、やり直したいんだよ、板を切り出してさ」
車両のレストアを行っている人たちもいます。
確保したで!
あそこでタイヤメーカーの大きな袋かかげて写真撮影してもらってるのは、おっちゃんです。
お仕事でKCJの支部に来たついでに、同僚に頼まれて、夏のタイヤ、夏のタイヤが安く出てたら確保してくださいと言われたのだが、無事に確保したようだ。
整備ではこのように中古の良質なパーツやタイヤなども販売しております、このように報告の写真撮影の際はいつでも職員にお声かけてください。
「おっちゃんから写真が、よし!これでタイヤ代は浮きました、ありがとう!」
「あれ?なんかいつもよりおっちゃんが男前のような」
「これお見合いの写真にしてもいいぐらいやな」
「やめとき、そういうのは実物見たらがっかりする奴や」
サメのあなたも上手に撮影してくれる職員が、いい気分で写真を残してくれます。
「しかし、なんでほぼ新品のタイヤとか安いんだろう」
「前に聞いたことあるけども、車両を持ち込みで出動する場合は、タイヤはいつも新品で向かうんだとさ」
「それはずいぶん贅沢な話」
「それだけ何かあったら、それこそKCJのお客さんは俺らみたいな庶民から、とんでもないお金持ちまでおるみたいよ」
「手堅くやってるのね」
利益の計算をし、KCJが余裕をもって変人たちを集めれるのは、管理、名伏せの職員たちがいるからである。
バチッ、バチッ!
「なんですか?この音、えっ?なんでカエルとサメが相撲を取ってるの?」
ここは鳥獣戯画の世界なの?
「ああ、ごめんね、うるさくて」
カエルの方、カエルのレレの家族である職員が話しかけてきた。
「なんかこの間デスゲームに巻き込まれたことで力不足を感じたらしくて、特訓しているんだって」
あっ、サメにカエルは持ち上げられて、勝負はそこで決まった。
「クラック谷の勝ち」
職員が行事のようにいい声で名前を呼ぶと、
サメ、クラックも相撲をわかっているらしく、作法である手刀を切った。

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